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■ Twitter ブログ・ツイッター その 44 ゆりかもめとお台場の浜辺 [・・・・Twitter ブログ・ツイッター]
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■ Twitter ブログ・ツイッター その 44
ブログでのツイッターです。
日々のとりとめもないつぶやきです。
上が最新です。下の方は前回、前々回。
ゆりかもめとお台場の浜辺
先日ゆりかもめに乗ってお台場に行った。
ゆりかもめは快適でレインボーブリッジはいい眺めで非常にいい気持ちだった。ゆりかもめ&お台場は予想を超える楽しさだった。
銀座をぶらぶらしながら新橋まで歩き新橋からゆりかもめに乗り東京湾の海や走る船を眺めながらお台場に着いた。
お台場海浜公園の砂浜は白くきれいだった。江ノ島の泥色の浜辺とは大違いだ。
浜辺のすぐそばの軽食レストランのデッキチェアーでコーラを飲みスナックをつまんだ。料金は安い。良心的だ。スタッフも明るく元気で感じがいい。
すぐ前にはレインボーブリッジが広がる。いい眺めだ。
テーブルとデッキチェアーの色は白でテーブルのそばにはシュロの植木がいくつもあり、それが白のテーブル、きれいな青空ととてもマッチしていた。
2月だというのにまるで夏のハワイかグアムにいるような気分になった。
2月初旬だがいい天気で5月かと錯覚するような暖かさだった。
浜辺では恋人達や親子連れなどがレインボーブリッジを見たりかもめを眺めて楽しんでいた。いい光景だ。
ショッピングモールに行き昭和の店などを眺めた。昔懐かしい商品、グッズ、道具、ゲーム機などが有り面白かった。
その館を出てレストランで軽く食事をした。レストランの窓からはレインボーブリッジが正面に見えていていい眺めだった。
レストランはきれいで中は静かでいい時間を過ごせた。
大蔵大臣も満足の表情を浮かべていた。
レストランを出ると浜辺に沿って西の方へ歩いた。そこは遊歩道、テラスになっていた。柵によりかかりレインボーブリッジを眺めた。
浜辺から見るブリッジとは角度が幾分違いまた楽しめた。
ブリッジの上をひっきりなしに車が通る。湾の中を客船や貨物船が何隻も通っている。そのうちの何隻かはお台場の船着場にやって来る。船が着くと沢山の乗客が降りてくる。そしてお台場の観光を始める。
後ろを振り返ると大きな像が建っていた。右手を上げている。
何の像かと思いながら近づくと、それは自由の女神だった。しかも小さい。
二人で苦笑した。
場違いと言うか、何故ここに自由の女神があるのか?と首をひねった。
発想が中国の「物真似ブーム」ではないのか?
どうか将来エッフェル塔や金門橋を作ったりしないように。
そのあと日本テレビ館へ行き売店や中を歩き回った。番組収録なども見たかったが時間がなくなり帰ることにした。残念。
大蔵大臣はさざえさんの売店の中を楽しそうに歩き回っていた。
今日のお台場観光は大成功だった。満点だ。楽しかった。
銀座をぶらぶらしたあと30分後にはお台場の浜辺に着いてかもめを見ながら波打ち際を歩いていると言うことは素晴らしい。
「また行こう」と大蔵大臣も私も珍しく意見が一致した。
夏祭り
少し前に、いやもうかなり前だが盆踊りに行った。
夏の暑い日だった。近所の神社だ。
朝から太鼓の音や民謡が流れていてにぎやかだった。
昼過ぎには屋台の人たちが来て準備をしていた。
金魚すくいの桶もあった。
子供たちが珍しそうに見ていた。
いったん家に帰り夕方日が落ちる頃神社に行くとすでに大勢の人が集まっていた。
近所のご婦人たちや商店街の踊り子達が神社のあちこちに立っていた。
子供の踊り子隊も沢山いた。
踊りが始まるのを今か今かと待っている。
この日のために毎日猛練習をしてきた。今夜は晴れ舞台だ。
見物人も神社の周囲、道路、付近の住宅の前にびっしりだった。
まっすぐ歩けないほどだった。
しばらくすると民謡の音が大きくなり盆踊りが始まった。
すっかり暗くなった神社の空に提灯が明るく輝いている。
裸電球もところどころに有り子供たちの頬をオレンジ色に照らしている。
少女達は浴衣を着ている。とてもいい。すっかり日本の夏だ。
小さい女の子も浴衣を着て口紅や頬紅を塗ってもらっていておしゃまで可愛い。
子供たちは踊りよりも金魚すくい、綿菓子、たこ焼きに夢中だ。
楽しい楽しい日本の夏祭りだ。
三階建てのやぐらからは威勢のいい太鼓の音が響く。
にぎやかな民謡が流れご婦人方が揃って踊る。
神社の境内は踊り子でいっぱいだ。
踊りは休むことなく何曲も続いた。
みんな上手だ。特に年配の人は一糸乱れず手さばきも足の動きも上手だ。
若い踊り子さんや飛び入りの男性はよく間違えてそのつど前にいるご婦人の動きを見て間違いを直す。
徳島の阿波踊りのような日本有数の大盆踊りもいい。
しかし、近所の神社で見る盆踊りもほのぼのとして楽しい。
たこ焼きをほおばりながら踊りを見続けた。
楽しい楽しい夏祭りだった。
真珠貝の唄
暑い。
ニュースでは全国各地36度、37度と言っている。
都内もどこも35度だ。
室内でも35度近くある。参った。
一日中サウナの中にいるようだ。
そんな時ラジオから「真珠貝の唄」が流れてきた。
目を閉じて聞いた。
青い海の中で真っ白な泡がいくつも浮かびその下の岩の陰ににきれいな真珠が光り輝いている。そういった光景が浮かんだ。
少し涼しくなった。
暑い夏は海の音楽が一番いい。
ありがとう、いい音楽を。
青空 青空 青空
梅雨があけ最初の日曜日がやってきた。
朝窓から空を見るときれいな青空が広がっていた。
まるで南太平洋の島の空のような美しい青空だ。
青い空のところどころに雲が浮いている。その雲が真っ白だ。
純白の雲だ。今降り積もったばかりの真っ白い雪を筆にたくさんつけてその筆で空いっぱいの青いカンヴァスに真っ白な雲を描いたのではないかと思うような本当にきれいで真っ白な雲が真っ青な空にぽっかりと浮かんでいる。
太陽の強烈な日を受けた青と白が輝いている。その輝きで目が痛い。
東京の夏にこれほど美しい青い空は初めてだ。
秋や冬だとさわやかな青空を見る事ができる。
しかし、夏の空はどこかくすんでいて冬のように透明感がない。
排気ガスなどのせいだろう。
しかし、今日の空は本当に美しいきれいな青だ。
東京の空の空気がきれいになったのだろう。
工場や車の排ガス規制がとうとう効果を発揮してきたのかもしれない。
いいことだ。
東京にいて沖縄や南太平洋の島のような青空をいつでも見る事ができる事は非常にすばらしいことだ。
いい天気だ。気温は33度。海日和だ。
海の記念日は明日だが、そんな事は言っていられない。
早速水着をバッグに入れて家族全員で急いで小田急ロマンスカーに乗り込み窓から見える東京の街並みに手を振って江ノ島に向かい、江ノ島の浜辺で思いっきり海に飛び込んだ人は多かっただろう。
夕方テレビを見ると江ノ島は超混雑だ。
毎年のことだがすごい混みようだ。
小さな子供が大はしゃぎで泳ぎまくっていた。
梅雨が明けただけで日本中皆笑顔、笑顔だ。
夏来たり。
ロマンスカーには8月に乗るとして、朝食を食べたらすぐに公園に行った。
公園で真上を見あげた。
どこまでも青い夏が広がっていた。
真っ白い雲がほんわりと浮かんでいた。本当に真っ白な綿菓子だ。
木々の緑は深く万緑の夏である。
空も雲も木々も草も梅雨があけて夏のぎらぎらする太陽を受けて楽しそうだ。
みんな思いっきり夏の熱い日差しを受けている。
一応テニス・ラケットは持って行った。
こんな暑い日に壁打ちなどやっている人はいないだろう、と予想した。
が、壁打ちは混んでいた。みな33度の暑さをものとせず汗だくになってひたすらボールを追いかけている。
感心だ。この暑さで立派だと思いながら後ろで待っていた。
しばらくして皆どんどん交代する。やはり暑さでまいるのだろう。
早速炎天下でボールを叩いた。
梅雨時よりも空気が乾いているせいかボールが軽い。音もいい。
しかし、熱い。気温が33度と言っていたが、コートの中は36度はある。熱い。
足元から熱気が上がってくる。さらに空からも太陽光線が刺さってくる。
腕が痛い。暑いのでなく痛い。
汗がひどく暑すぎてまいった。30分と持たず15分ほどでコートを出た。
離れた水のみ場に行き水を飲み顔と腕を洗った。水が冷たい。いい気持ちだ。
ベンチに腰掛けて少し休んだ。汗がすごい。
ふと腕を見ると、真っ赤だ。
わずか15分ほどで腕がやけど状態となった。
ひりひりこそしないがやけどみたいに真っ赤になっている。
まるでパウル君みたいな色となった。
夏の太陽は殺人光線だ。
公園をあちこち歩き空を見上げて真っ青な空と雲を携帯で何枚も撮った。
東京ではじめての美しい青空だ。
きっと江戸時代の江戸の町の空はこういった青空だったのだろう。
と、考古学者か歴史学者のような事を考えながら、パチリ、パチリと撮った。
家に帰りパソコンに入れてみた。
きれいだ。拡大するとわっと青空が広がった。
部屋が一挙に夏の空となった。
拡大しても濃い青色はかすれない。濃厚な青のままだ。きれいだ。
雲がパソコン画面の右上あたりの位置で真っ白に輝く。
沖縄やハワイ、ニューカレドニアの空の色と比べた。
負けない。まったく負けていない。
沖縄、ハワイなどよりもずっときれいな青空だ。
東京の空が南太平洋の空よりも美しくなった記念する日だ。
公園では屋台がいくつか出ていた。
大きな箱に氷がいくつも入り缶ジュースや缶ビールが入っていた。
見ていると飛ぶように売れていた。
横には焼きそばの屋台もあった。
やはりよく売れている。
この暑いのに、と思ったが焼きそばには関係ないようだ。
パウル君は?と探したがパウル君の屋台は出てなかった。
帰り道お店に入りアイスクリームを買った。
そして、急いで我が家に走った。
帰るなり大蔵大臣にアイスクリームを上げると大変感謝された。
家に入ると太陽光線の直撃を受けないので涼しく感じた。
扇風機が心地よい風を送ってくれる。
まだクーラーをつけなくても我慢できる。
このままクーラーなしで頑張りたい。
だが、7月30日ごろには無理だろう。
帰り道に商店の店先を見ると近くの神社で盆踊りをいついつやる、と手書きのビラが貼ってあった。
金魚すくいもありますと書いている。
楽しそうだ。その日に行ってみよう。
屋台、盆踊り、真っ青な空、夏だ、夏だ。
♪ 小田急に飛び乗って
遠ざかる街に手を振って
江ノ島へ 江ノ島へ 走り続ける
夏が待っている 呼んでいる
どこまでも青い空と 白い雲
輝く太陽が 待っている
夏の小田急は 湘南列車
ロマンスカーに ボクとキミ
君の笑顔が夏にはじけている
江ノ島へ 江ノ島へ
夏が呼んでいる
梅雨時のテニス
ウェザーリポートによると30度。湿度は78。
せっかくの日曜日だというのに晴天とはいかない。曇っている。
ひどく暑いとは感じないが、かなり蒸す。梅雨だから仕方がない。
それでもここのところ雨ばかりだったので降らないのはうれしい。
昼すぎ公園へ自転車で散歩に出かけた。
一応ラケットを持っていった。壁打ちが空いていたらしてみようと思いながら。
曇り空で青空は見えないのに、空は明るくさわやかだった。
日曜日なので人はとても多かった。壁打ちできる場所も混んでいた。
今日は無理だなと壁打ちは半分あきらめて近くをぶらぶら自転車散歩して15分ほどして戻ったら一人分空いていた。
どうした事か? 並んで待っている人もいない。ラッキーだ。
早速コートに入り打ち始めた。
周りの人はみんな上手い。いいラケットを持っている。
しかし、そういった事は気にしないでひたすらボールを打った。
パコーン、パコーンといい音が空に響く。
いい高さで返ってきたボールを思い切り打った時真っ芯に当たると爽快だ。
ポイントがずれるとボールの圧力を感じるし、ラケットがずれて掌に軽い衝撃が来る。
しかし、完璧に真っ芯で当たるとボールに当たったという衝撃が全然ない。掌にも衝撃は全くない。
すーっと振りぬける。
音もやたらとパーンといった音はしないで、スコンっといった音となる。
そのボールが壁に突き刺さる当たるとパーンと激しい音を出す。
快感だ。
時折雲が切れてきれいな青空が見える。
もう夏はすぐそこだ。
壁打ちはコートでの競技でなく運動だ。体ほぐしだ。
打ち始めるとすぐ汗がばーっと出た。汗だらけとなった。
久しぶりだが、ボールには当たる。空振りはない。上達したか?
1時間ほどした。休み休みだ。少し動いて、座り込んでジュースを飲み、そしてまた打つ。また休む。
休んでばかりいるようだが、それでもかなりの運動となった。
本当は4時間ほどしたかったが後ろを見ると数人待っていたので1時間で切り上げた。それ以上知らん顔をしてやっていると後ろからブーイングが来る。
プレーが終わり公園の水のみ場で顔を洗った。冷たくてとても気持ちがよかった。
水道の水がこれほど気持ちがいいのは夏の時期激しい運動のあとだけだ。
帰り道花屋の前で花を見た。きれいな花ばかりだ。
菜の花のような黄色い花を買った。店の人がなにやらしゃれた名前を言っていたが難しい名前だったので忘れてしまった。
家に帰るとさっそく庭のベランダにぶら下げた。なかなかだ。ベランダが明るくなった。いい気持ちである。
大蔵大臣はあまり花など興味が無いから、ふーん、と知らん顔をしている。
美しさというものが理解できないのである。花より饅頭、団子、お菓子の人類だ。
その花の写真を撮りあとでパソコンで見た。
ありきたりの花がパソコンで画面いっぱいに大きくして見ると豪華な名花のように見えるから不思議だ。
花の後ろの庭も木が緑濃くて山奥のように見える。写真のトリックだ。
上手く撮ると京都の洛北の庭園のように撮れるかもしれない。
家に帰るとすぐシャワーを浴びた。ほとんど水に近い温度であびた。
爽快だった。
いい運動になった。体重も2キロは減ったはずだ。気のせいか体がとても軽い。
コートでしなくても壁打ちテニスだけでメタボは防げる。
一句、 五月雨の 合間を盗み テニスかな 津由野高円
緑いっぱいの公園
ここのところ30度の日が続く。まだ梅雨も来てないのにもう夏のような気温だ。
今日は朝から曇っている。昨日はさわやかな青空だったが二日続けてとは行かないようだ。
昼頃はじっとしていても暑い。汗ばむ。
公園へ出かけた。
日曜日だからかなり混んでいるかと思ったらややすいていた。
意外だ。近くで何か大きな催し物でもあるのだろうか。
それでも広場で散策路で子供も大人も老人も若者もみな楽しそうに公園ライフを楽しんでいる。
野球をする人、バスケをする人、サッカーをする人、テニスをする人、広場や公園内道路をジョギングする人、みなそれぞれ楽しんでいる。
のんびりと公園の中を歩き、別に疲れているわけでもないがベンチに座りジュースを飲みながらひと時を過ごした。
家の中では、少し蒸すなあ、といった感じだったが公園では蒸すこともなく暑くもなく丁度いい感じだった。
公園の木々は深い緑色となっていて生き生きとしている。
2月頃はほとんどの木が枯れていて薄茶色の寂しい色をしていた。
それがすっかり緑色となり元気いっぱいの木々となった。
空を見上げると灰色の空だが白い雲がきれいな色をしていた。
格別何もない日だ。
平凡と言うか当たりさわりのない日だ。
それでもいい。
近所のありきたりの公園だが、ベンチでのんびりしているといい気分だ。
近所に日比谷公園のような名園があると最高なのだが、贅沢を言ってはいけない。
この公園で十分満足だ。
緑は美しく子供も大人も誰もが幸せそうな顔をして過ごしている。
春
雨の日が多くなってきた。
冬が終わり春となったからだ。
季節が変わると今までとはがらりと違った天気となる。
上空に湿度、水分が有った場合冬なら雪となる。
しかし、気温が高いから雨となる。
雨が多くなったのではなく、雪とならず雨になっているだけなのだ。
専門的なことはテレビの天気予報官の方々にしてもらうとして、
さて、春は何を聞こうか。
寒い冬はそれに適した音楽がある。
春には春に適した音楽がある。
何がいいだろうか。
平凡に「春」とついた歌を聞くのもいい。
ちょっと調べてみよう。
多い。春とついた歌のタイトルはとても多い。
「春がきた」「春の小川」「春よ来い」などがある。
しかし、唱歌や童謡はいけない。
いけないといっても駄目と言うわけではない。
唱歌、童謡も好きだが普通の時はそれほど聞かない。
本を読んでいる時にラジオから唱歌が流れる時がある。
そういった時に聞く。
自分から積極的に聞くことはないが,流れてきた唱歌はそれなりに聞く。
春の歌で「早春賦」がある。
これは非常にいい。
歌で聞くのが普通だし、歌もいい。
しかし、クラシック演奏スタイルでピアノやギターで聞くといっそういい。
「春の声」もある。
ヨハン・シュトラウスだ。
これは抜群にいい。いかにもシュトラウスらしい美しい曲だ。
春の息吹が感じられる。山や高原の向こうから明るい春が堂々と押し寄せてくる。
今まで冷たく凍ったような原っぱや町全体がたちまち緑いっぱいとなる。
花も木々も山も丘も家も通りもすべてが春の香りに包まれる。
そういった曲だ。
とても素敵な曲だ。
とにかく春だ。
冬よさようなら。楽しい季節となった。
白い部屋
先ほども書いたが、夕方NHKラジオで民謡や浪曲が流れていてそのあとに、鉛の船、頁がギンギンにかかりその落差に驚いた。
といっても、その驚きは「すごい、よくかけてくれた。」といった幾分賞賛の驚きだ。
だが、逆に見るとどうだろうか?
浪曲、落語を楽しく聴いていたおじいちゃん、おばあちゃんの耳に突然頁のギターがギンギンうなる。
たまげるだろう。
心臓に悪い。ぽっくり行ったらどうするのか?
さらに先ほどはお菓子の白い部屋が流れていた。
久しぶりに聞いた。いい曲だ。
やはり浪曲、落語ファンのおじいちゃん、おばあちゃんにはきついだろう。
NHKは曲を流す時は切り替えを考えないといけない。
浪曲のあとには演歌、それから、歌謡曲、ニューミュージック、そして、品虎、甲虫、鉛の空飛ぶ船・頁、あるいは金持黒モワの高速星と少しずつ変えていかないと。
ソフトランディングだ。
浪曲からいきなり鉛の船はきつい。きつすぎる。
お年寄りはそう思うだろう。
NHKは硬岩や金属はやめてせいぜいビリー・ジョエル、カーペンターズ程度にしておけば?
勿論希望を言えば、一日中ジャズを流してくれると有り難い。
しゃべりも解説もニュースも入れずひたすら24時間ジャズばかり流してくれるとNHKを尊敬してしまう。
浪曲、落語、政治ニュース、鉛の船
ラジオを聞きながら本を読んでいる。
先ほどまで硬い政治のニュースをしていた。
その前は浪曲や落語をやっていた。
今、鉛の船の頁がギンギンにかかっている。
この落差。
信じられない。
TBS?文化放送?とラジオを手に取り局を確認した。
やはり、NHKだ。
何とも・・・・。
眠れない夜はビリー・ホリディー
もう夜が明けるのに少しも眠れない。
不眠症か?
いけないこのままだと一睡も出来ない。明日が地獄だ。
いや、すでに今日か。
仕方がない、ビリー・ホリディーを聞いてから寝よう。
と、したらますます目が冴えてきた。
どうすればいいのだろう。
ヘレン・メリル・・・・。駄目だ。眠れない。
センチメンタル・ジャーニー。・・・・駄目だ。
こうなったら何でもいい。
そういえば、
ジェットストリームの昔のカセットが有った。この際音などどうでもいい。
これでどうだろう。
城達也のナレーションが心地よい。
少し良くなった。
何とか眠れそうだ。
「寒い、」
寒い一日だった。
昼過ぎ公園に行った。風が吹いていた。
人はあまりいなかった。
当然だ。
こんなに風のある日に公園でのんびり過ごす人はいない。
少しジョギングをした。
ダウンを着たままジョギングをしたので、すぐに暖かくなった。
寒い時はジョギングに限る。ぽかぽかになってきた。
中学生たちがバスケをしていた。
勿論全面コートでなくバスケのゴール台がひとつのスローイングだけのコートだ。
見ているとあまり入らない。
下手だと言うといけないが、上手ではない。
しかし、楽しそうにやっている。
公園のバスケはそれでいい。楽しければいい。オリンピックに出るわけではない。
のんびり楽しくやるに限る。
しかし、彼らもすぐに高校生になる。身長も180ほどとなり、ダンクシュートを簡単に決める選手になるだろう。
楽しみだ。
あまりにも寒くて風が強いので早々と家に帰った。
部屋に入り棚から大量のカセット・テープをひっぱり出した。
「さて、何を聞こうか、」
「美しく青きドナウ」
憧れの金曜日がやってきた。
さあ、日曜の夜まで天国だ。
では「天国への階段」を聞くとするか。
駄洒落はやめて、つつましく「美しく青きドナウ」を聞こう。
シュトラウスはいい。とても優雅だ。ウィーンの香りがする。
「美しく青きドナウ」はものものしい大作でなく小品だ。しかし、光り輝くような躍動感を持つ。
ベートーベン、バッハも素晴らしいが、シュトラウスのようなしゃれた気品はない。
そのあとは何を聞こうか?
手当たり次第に聞いてみよう。時間はたっぷり有る。
天国への階段か。ふ、鉛の船の頁。
ずいぶんご無沙汰だ。
この間大掃除の時に「Ⅱ」をチラッと見た。
しかし、「Ⅳ」は見かけなかった。もう段ボールの底の方だろう。
いやいや、しばらくしたら登場するだろう。
「G線上のアリア」
クラシックでは何がいいだろうか。モーツァルト?
いいけれど、有名で当たり前すぎる。
ブラームス? 渋い。ほかには?
あるある、たくさんある。クラシックは名曲の宝庫だ。
ロックンロールしたけりゃ、チャック・ベリー。
スウィングしたけりゃ、ジャズ。
人生が辛くなったら、泣きたくなったら酒場で演歌。
だけど、
優美で気品のある音楽ならクラシック。
「美しく青きドナウ」は素晴らしい。
では、聞いてみよう、と思う。
しかし、
「G線上のアリア」
今夜はこれでおやすみとなる・・・。
「コーヒールンバ」
この間エラを聞いたのですっかり満足した。
いや圧倒的な感動で幾分疲れた。
そういう訳で、夕方軽く聞ける音楽はないだろうか。
出来ればルノワールやモネを見ながらさりげなく聞ける音楽は?
ジャズでもロックでも演歌でもいい。
サティー? ふ、ありきたりだ。
ルノワール、印象派、ドビュッシー、サティー・・・と連想が単純だ。
何かないだろうか?
ところで、音楽とはクラシックだけなのだろうか。
聞くべき歌はジャズだけなのか。
あるいはロック一筋が正しいのか?
演歌や歌謡曲は聞いてはいけないのだろうか?
いや、演歌、歌謡曲・流行歌にもずいぶんいい歌がある。
よく歌謡曲・演歌・懐メロとひとくくりにされているが戦前・戦後直後の歌手はジャズをよく歌った。
原語で歌ったり日本語歌詞で歌っている。いい歌ばかりだ。
その後ロカビリーの歌手達はアメリカのヒット曲に日本語の歌詞をつけてロックンロールした。
カバーと言うか替え歌というか、「庭の千草」のように翻訳唱歌の手法だ。
安易だ、と通の音楽ファンは非難するだろう。
ところが、そういったものに結構いいのが有る。
何しろ元の曲がいいから、いい日本語の歌詞をつけると当然ヒットする。
プレスリーのハートブレーク・ホテルも日本語の歌詞がつけられてヒットした。
平尾昌章や山下敬二郎のファンが日劇を何重にも取り囲んだと音楽雑誌に載っている。すごい。
日劇などと言っても今の大学生にはピンと来ないだろう。
有楽町マリオンだ。
そのマリオンの中の西武百貨店も今年暮れに閉店すると言う。先日のニュースで知った。
因みに、「有楽町であいましょう」は、そごうデパート。今の有楽町ビックカメラ。
全く関係ないが、あの鹿鳴館は日比谷公園の前、帝国ホテルの横あたりに有った。
江利ちえみはテネシーワルツを大ヒットさせた。
そういった翻訳流行歌は多い。
西田佐知子の歌で「コーヒールンバ」と言う歌がある。
勿論、外国の歌だ。
これがまたいい。非常にいい。
曲が軽快でアラビア風というか何と言うか中米の雰囲気と言うかいい感じだ。
もともと向こうでヒットした歌だから曲はいい。
そのいい曲に日本語の歌詞をつけて西田佐知子が歌うと、本家の歌よりもさらに良くなった。
この「コーヒールンバ」を無性に聞きたくなる時が時々ある。
しかし、このCDは持ってない。
たまにというか10年に一度ぐらいラジオや有線で聞くことがある。
それ以外はまずかからないから聞くのに困る。
聞く事が出来ないとなるとなおさら聞きたくなる。
しかし、聞けない。
ああ、どうしようか・・・。
天地創造
日曜日のあとの月曜日。
どうしてこんなに気分が重いのだろう。
金曜日の夕方から日曜日の夜7時頃にかけては非常に爽快だ。
体全体が軽やかでうきうきしている。
しかし、日曜日の夜10時を過ぎる頃からだんだんと気が滅入ってくる。
だんだんと月曜日に近づいていくからだ。
頭の中も胸も体中が鉛のようになっていく。
そういった灰色の世界が数日続く。
そして、金曜日の夕方になると再びさわやかな青空のような爽快な気分となる。
一週間が土曜と日曜だけだったら人々はどれほど幸せだろうか。
と、くだらない事を考えてしまった。
天地創造の時に神様がもっと一生懸命仕事をしていたら、と思う。
そうすれば、天地創造は一週間もかからず三日で終わっていた。
すると、一週間は月曜日、土曜日、日曜日だけとなっていた。
月曜日に仕事をしてあとの土曜、日曜は休みとなる。
神様がのんびり仕事をしたおかげで人類は余分に働く羽目となった。
Oh, my God.
いえいえ、
旧約聖書や神様を批判している訳ではありません。
ただ、もう少し急いで仕事をして欲しかったと言っているだけです。
「マンチェスターとリバプール」
昨年暮れカセットが大量に出てきた。
CDで持ってない歌・曲が結構入っている。レコードから録ったものやエア・チェックしたものがそれらだ。ちょっと貴重だ。
「この歌がカセットに入っていたのか、」と失くした物を発見したような気分だ。
久しぶりで懐かしくもある。
カセットでそういった曲を聞くことにした。
公園から帰った夕方からカセットを積んで次々と聞いた。
CDから録ったものはある程度まとまりがある。ほとんどがカセット1本全部同じ歌手となっている。
ところがエア・チェックしたカセットは歌手などがばらばらで、ジャンルもばらばらとなっている。
連続録音しないでいい曲の時にその1曲とか、いい放送の時間帯に20分といった録音をしていたのでそういった秩序のない録音となっている。
ジャズのあとに歌謡曲がきてさらにクラシックがくる、といったとんでもない録音方法をしている。ひどい方法だと怒っても仕方がない。以前の自分だ。
CDからの録音と違いエア・チェックからなので、さほど好きでもない曲もかなり入っている。それは仕方がない。
ところがかけているうちにひょいと予想外にいい歌や貴重な歌、懐かしい歌に出くわす。
すっかり忘れていた歌に出くわした時は「ああ、これもヒットしていたなあ、」としみじみ。昔の友に会ったような気分だ。
「マンチェスターとリバプール」という歌が流れてきた。
「有った、有った、この歌、」と少し興奮。
今はこの歌はラジオでもテレビでも全く聞かない。
ラジオでも古いポピュラーのヒット曲は流れる。カーペンターズなどは時々かかる。プレスリーも。
この間はテネシー・ワルツがかかっていた。
古くても大ヒットした歌はよく流れる。
だけどこの「マンチェスターとリバプール」はラジオやテレビCMで聞いたことがない。
CDでも持ってないのでこの歌を聞くのは本当に10年を超える久しぶりだ。
ビートルズの歌で「It’s been a long long time.」と言うのがある。
まさにそれだ。
本当に久しぶりだ。
で、この歌が流れてその次も同じ系統の歌が続くかと思ったら、次は歌謡曲が流れた。
「むむ、」とうなってはいけない。
歌謡曲、流行歌にもいいのが結構有る。
音楽を聞くジャンルに関してはあまり気にしない。
いい曲、感動する曲だったら何でもいい。楽しければそれでいい。
ジャズであろうが、ロックでもクラシックでも歌謡曲でもいい。本当に何でもいい。
何曲かかけているうちに歌謡曲、流行歌でいいのが流れてきた。
「ほおずき」
じーんとくる歌がある。
グレープの「ほおずき」もその一つだ。
グレープにはそういった歌が多い。
さだまさしは天才だ。
彼が歌の道に進まず純文学の道を歩んでいたらいい小説家になっただろう。
「ほおずき」「縁切り寺」「三年坂」「精霊流し」のタイトルで短編小説を書いたらどうだろうか。
きっと素晴らしい作品となるだろう。
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意味のないつぶやき
日々ブログで意味のないつぶやきばかりしている。
本当にテーマも方針も方向性もない。
ただ毎日思った事をそのつど気ままに書いているだけだ。
以前はブログでそういった意味のない事を適当に書く事など思いもしなかった。
ツイッターの影響だ。
1、2行程度の非常に短いつぶやきが世界中で市民権を得た。
そうか、と感心してこのブログでも「つぶやく」事にした。
やってみると気楽でいい。
書く方は気楽だ。
しかし、読む人はたまったものではないだろう。
タイトルを見てクリックして読んでみたら意味のない事ばかり書いている。
「くだらない。時間の無駄だった。」と思うだろう。
申し訳ない。
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「私のお気に入り」
ここ10年ほどJRのCFで「私のお気に入り」が流れている。
非常に感心するCFだ。
映画サウンド・オブ・ミュージックの中で使われている歌だ。
映画の主題歌の「ドレミの歌」は世界中で大ヒットしたが、「私のお気に入り」はヒットチャートとしては地味だった。
映画サウンド・オブ・ミュージックは1965年頃の公開で今の大学生や高校生だと生まれる以前の歌だ。
彼らにすれば「古い、」歌なのだ。
誰もがその歌を忘れていた。気にもしない歌となっていた。
ところがある日テレビCMに使われた。じわじわと好感を呼びいつしか非常な人気CFとなった。CD売り上げの言い方を借りるとゴールド・ディスクと言う事になるだろう。
このCFを見ているととても安らいだ気持ちになる。
このCFを作った制作チーム、プロデューサーに有難うと言いたい。
特にこの曲を選んだ担当者に、あるいはこの曲を使いましょうと強く押した係の人に敬意を表する。
このCFのおかげで京都旅行の人は増えた。
JR京都旅行のCFにこの曲を使わずほかの曲だと反響は半減していたはずだ。映像がいいと言うより曲がいいと言うより、この曲と映像とがぴったり合ったのだ。
そもそも京都とサウンド・オブ・ミュージックとは何の接点もない。
この曲よりもいい曲ならいくらでもある。京都に合った曲ならもっと適した曲がある。琴や雅楽の方がもっと合うだろう。
平凡に京都旅行のCFを作った場合京都の名所の映像を流し、それに琴や和風の曲、あるいは歌謡曲で京都とタイトルのついた歌を持ってくる。
それでもそこそこ反響を呼んだだろう。
しかし、このCFの音楽を担当した人は鋭い。
そういった平凡な方法をとらず、無数にある音楽の中からこの曲を選んだ。さらにオリジナルの歌を使わず演奏だけにした。そこも鋭い。脱帽だ。
歌や曲が世の中でヒットする為には当然作曲者と作詞者がいい曲・歌詞を作ることが一番大切で、同時に曲をうまく歌う歌手が必要なのだが、その音楽の良さを知り必死で売り出しをする人、プロデューサー、音楽担当者の力が非常に大きい。
と、実感するCFである。
音楽の賞の祭典が多くあり歌手と共に作曲者が表彰される。
しかし、評価されない曲、売れない曲を「この曲はいい、」とその曲の良さを知り力を入れて世の中に広めた人も表彰しないといけない。
もし、JR京都のCFにおいてこの曲を使うという鋭い人がいなかったら、この曲が復活しCFが反響を呼ぶ事はなかったのだ。
CFを見た人たちは「京都か、」といった程度の反応をしただけで、3~6ヶ月放映されてそれっきりとなっていただろう。
京都への旅行者もそれほど増えなかった。
若い人たちが「私のお気に入り」という佳曲を知る機会は失われていた。
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いい天気だ
ラジオではだいたい最新のヒット曲や非常に話題の曲ばかりかかる。
聴取者のリクエストが多いからだろう。
たまに忘れていた曲がかかる時がある。ああ、この曲もヒットしたなあ、と思い出す。
テレビのコマーシャルも同じだ。
番組が中断して食品や自動車のCMに切り替わり音楽が流れ始める。おっ、と思うようないい曲がかかる時が多い。
テレビの場合予算があるのだろう、ラジオよりもいい曲がかかる。
ラジオもテレビもいい曲を使う、流すのだが、ラジオの場合はその時その時にいい曲をかけている、といった感じだが、テレビの場合はかなりいい曲をじっくり探してきてかけている、流しているといった感じだ。
正午となった。天気もいい。
公園に行こう。昨日行けなかったので今日こそ緑の空気を満喫しよう。
夕方はいい曲を聞こう。
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ジャズ生演奏の店
昔ジャズの生演奏の店によく行っていた。
銀座スウィングのように生演奏と食事の店だった。
銀座スウィングのように有名なジャズ・メンでなくセミプロのような演奏者ばかりだった。しかし、演奏はうまかった。
以前はそういった店があちこちに有った。
ハンバーグ・ランチやスパゲッティー(当時はパスタなどと言わなかった)などの軽食を食べながら、ビールや水割りで演奏を聞いた。
とてもいい気分だった。
小さい店がほとんどだった。だから、すぐ目の前に演奏者がいるので迫力満点だった。トランペットなど強烈だった。
ウッドベースの弦はうなり胸や腹にブーン、ブーンと重たく響いた。
最近生演奏の店に行ってない。
しばらくしたら行ってみよう。
出来れば小さい店がいい。すぐ目の前、手の届く所に演奏者がいるような店だ。
ジャズ喫茶などもところどころに有った。
今街を歩いていてもジャズ喫茶を見かけない。
暗い店で巨大なスピーカーの前に座りLP演奏を何時間も聴いていた。壁にはよくクール・ストラッティンのジャケットがかかっていた。
ポスターが貼ってあるとコルトレーンが多かった。
コルトレーンと言えば金貨のようなメダルが出てきた。これもすっかり忘れていた。
確かLP発売の時の特典だった。貴重なものだ。
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土曜日曜に聞く音楽
いい天気だ。青空だ。
公園に散歩でもに行こうかと思っていると、大蔵大臣が「買い物に行きましょう、」と言い出した。
仕方がない公園は明日にして買い物に付き合おう。どうせポーターにされるのだろう。
少し軽快なロックやポップスを聞いてから公園に行きジョギングをしたり壁打ちにでも行こうと思ったが延期だ。
春や秋は壁打ちはとても混んでいる。打つ場所がなくて困る。しかし、冬は壁打ちはあまり混んでいないのですぐ出来る、楽だ。
ところで夕方は何を聞こうか。
いつも一番好きな音楽ばかり聞いている。
当然だが、今回の土日は思い切って普段聞かない音楽を聞こう。
自分の好きな音楽ベスト 1000 のリストがある。
普段は当然その中のベスト100以内の曲ばかり聞いている。
ジャズが多い。
そういった聞き方をしないで、その中のベスト300あたりを聞いてみよう。
ここら辺は面白い。
ジャズがあまりない。
歌謡曲ありロックあり、ムードミュージックあり、オールディーズ、映画音楽、アメリカ・フォーク・ソング、日本フォーク、ラテン、クラシック、何でも有りの辺りだ。
メモを持っていき電車の中で今夜聞く曲のリストを作ろう。
「早く、」大蔵大臣の声が飛んできた。
さて、ポーターだ。
コール・ポーターは大好きだが、ただのポーターは嫌いだ。
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ラフマニノフ
普段はだいたいジャズやポピュラー、ニューミュージックばかり聞いているのでクラシックはさほど聞かない。積極的には聞いてはいない。
時々シュトラウスやリストを聞く程度だ。
雨ですっかり暗くなった夕暮れ時カフェに一人いて窓の外をぼんやりと眺めている時に、ラフマニノフのP協一番が静かに流れてきたりすると、ぞくっとするほどの感動に襲われる。
普通ラフマニノフと言うと二番の方が有名だ。
だから、みんなほとんど二番を聞いているようだ。
しかし、陰鬱な夕暮れに一番を聞くと沈みこんでしまうような感動にひたってしまう。
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何を聞くべきか。
音楽はとにかく素晴らしい音楽を聞けばいい。
感動する音楽を聞けばいい。
それで満足だ。毎日が、人生が楽しくなる。それでいいのだ。
今流行とか、今週のヒットチャート1位といった事はあまり関係ない。
自分自身が感動する音楽を聞けばいい。
その音楽が有名でなくても古くても気にする事はない。
と、思う。
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やはり、コール・ポーター
ヘレン・メリル、「帰ってくれたらうれしいわ」
ニューヨークの吐息と言われた彼女の名唱。
ハスキーな声がいい。
彼女の吐息がスピーカーからまるでそよ風のように吹いてくる。
なんともしびれる歌だ。
これで今夜はぐっすりと眠れる。
寒い冬の夜やっと家にたどり着いた時、ヘレンのようなセクシーな女性が「帰って来てくれてうれしいわ」と出迎えてくれたらどれほど幸せだろうか。
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夜の訪れ
さて、夜が来た。
さて、何を聞くべきか。
コール・ポーターか、
いや、ポピュラーか、
では、まず・・・・・・、
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「オール・オブ・ミー」
部屋に入り本を読みながらMDのスイッチを入れたらとてもいい曲が流れてくる時がある。
何が入っているか気もしないでかけたところ、その場の雰囲気や時間帯、調子にぴったりの曲が流れてきて、思わず「いい歌だ、」と感心してしまう。
自分で録音しておいて、しかもそのMDを昨日か何日か前に入れておいたのも自分自身だというのに。
しかし、自分でどのMDを入れておいたのかなどすっかり忘れてしまっていて、気にもしないでいつもどおり何気なくスイッチを入れたら、心情にぴったりの歌が流れてきて感心する時がある。
今「オール・オブ・ミー」が流れている。
今日はこの歌でおやすみだ。
ビリー・ホリディー。
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コーヒータイム
夕方一瞬時間が空く時が有る。
暇ではないのだが、予定外にぽっかり時間が空く時がある。
夏ならまだまだ明るいので公園に出かけてジョギングをしたりする。
しかし、冬では暗くてそうはいかない。
当然CDとなるが、いや後でじっくり聞こうと思ったりすると、する事がなくなる。
ぼんやりとテレビのニュースを見る事となる。
特に大事件もないのでDVDでも引っ張り出して見ようと思うが、未開封のがないとやはりあとでいいや、となる。
大蔵大臣に「コーヒー、」と頼むとインスタント・コーヒーのビンをテーブルにドンと置いて立ち去った。
そして、ポットを指差した。いや、一瞬あごで指した。
率直というか露骨というか情緒がないと言うか、困ったものだ。
そのくせ、コーヒーカップを二つ持ってきている。
あきれた。
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「マック・ザ・ナイフ」
帰った時にすぐ聞く音楽は何だろう?
いろいろだ。
昼から聞きたいと思って夕方帰り着いてやっと聞ける音楽もある。
特に決めていなくて何となくあれこれと適当に聞く時もある。
日によっては格別聞こうと思わない日もある。
そういう日は帰るとぼんやりとテレビでニュースを見ている。
昼頃から「あの曲を早く聞きたい。」と思うような日は幸せだ。
夕方、夜の楽しみがある。
目的がなく帰路を意味なく歩くほどつまらないものはない。
「早く、あのCDを、」と急ぎ足で帰る時は幸福だ。
満員電車も気にならない。
家に飛び込み棚からそのCDを取り出して手にした瞬間は砂漠でオアシスを発見した時と同じ気持ちだろう。
そんなCDは有るのだろうか?
いや、レコードでもいい。
ある、ある、これだ。
エラ・フィッツジェラルド。マック・ザ・ナイフ。
ライヴ・イン・ベルリン・ヴァージョンで。
抜群だ。
圧倒的な歌唱力で聞く者をぐいぐい引きこんでいく。
聞き終わった瞬間、嵐の海で荒波に襲われ目が覚めると浜辺にいて茫然としているといった気分になる。
虚脱感を伴う満足感がある。
真剣に聞けば聞くほど打ちのめされてしまう一枚だ。
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近所ぶらぶら
普段あまり近所の商店街を歩かない。
大蔵大臣の所管だからだ。人の領分を侵略してはいけない。
歩いてもただ道路として使用しているだけだ。通り過ぎるだけだ。
ところがこの間ふらりと寄りじっくりと見ながら歩くと、以前とはがらりと変わってしまっていた。
新しい店が何軒も増えていて、逆に以前有った店がなくなってしまっていた。
変貌に左右前後きょろきょろしてしまった。
これはいけない、「近所浦島太郎」になってしまう。
自分が生活しているすぐ近くの街の様子を知らないのでは恥ずかしい。
それで出来るだけ商店街を通って帰ることにした。
今までは駅と自分の住まいとの間を直線で歩いていた。
2,3分遠回りになるが商店街を通って帰ろう、と決心した。
じっくりと八百屋、魚屋、総菜屋、薬局などを見てみると・・・・・。
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「バードランドの子守唄」
真夜中の一枚は何だろう。
今日のお別れの一枚。満足する曲で締めくくりたい。
昼間や夕方だと失敗しても気にしない。
しかし、深夜これで最後だ、と選んだ一枚が予想に反して良くないとその落胆は大きい。
うっかりすると眠れなくなってしまう。
心地よい眠りを、と選んだ一枚で不眠症になっては困ってしまう。
気合をこめて選ぼう。
バードランドの子守唄、クリス・コナー。
これで今夜は静かに眠れるだろう。
おやすみ、クリス。
♪
あなたの吐息を聞きながら
おやすみするの
あなたの声がそっと聞こえてくる
うまく言えないけれど
小鳥たちは愛をささやく時
魔法のようなメロディーを奏でるのよ
それはすてきな子守唄
知ってる?
通りの小さな木も泣くのよ
あなたが もし いなくなったら
私もそんなふうに泣いてしまうわ
あなたのささやきは とてもすてき
バードランドの子守唄
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ピーナッツ・ハコー 北村英治
散々迷ったあげくピーナッツ・ハコーにした。
棚を見ていたら目に入った。といってもハコーのCDを持っているわけではない。
ほかの演奏家のCDに入っているのだ。一曲だけゲスト出演だ。
しかし、その演奏がいいのだ。
とても軽快でスウィングしていて聞いていると自然と体がうきうきしてくる。
タイトルは、・・・・・。
その曲名を言うとその演奏を聞いてない人は「何だ、」と言って聞くのをやめてしまう。
せっかくの名演奏を聞かないでやめてしまう。
だから、曲名は言わない。
とにかくいい。
すっかりスウィングしてしまった。
久しぶりだったのでなおさら良かった。感動。
で、続けてクラリネットを聞くことにした。
北村英治。
かなりの高齢だ。老人というより老紳士。髪は真っ白。しかし、その白さがダンディーでいい。
しゃれた紳士が軽快にスウィングする。
以前ライヴを見に行ってCDサインをしてもらった。
握手もしてもらった。とても感激をした。
そのライヴはとても緊密でスリリングなライヴでバックの演奏とも息がぴったりと合っていた。楽しいひと時だった。
ピアノは若い人がやっていたがいい腕で聞きほれた。ベースがウッドでブーン、ブーンとうなり心臓までその音が押し寄せてきた。
勿論北村英治の演奏が一番良く感激のライヴだった。
おまけに彼は喋りが抜群で曲と曲との間のトークがしゃれていて、聴衆は爆笑、爆笑、拍手、拍手だった。そのトークだけでも一聴に値する。
演奏も軽快ならしゃべりもスウィングしていた。
北村英治のサイン入りのCDを聞きながらその時のライヴを思い出してしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大寒を過ぎると
大寒を過ぎたのでもう冬は終わりか?
暖かい日が続く。このまま春になって欲しいが、そうはいかないだろう。
節分の頃が一番危ない。油断していると雪が降ってくる。
いや、雪は綺麗で歓迎なのだが、寒さがこまる。
露天風呂に入り雪が降るのを眺めるのが一番いい。
何年前だろうか、冬に箱根に行った時天気予報が外れて大雪となった。
あたり一面雪化粧で何故か「聖なる箱根、」などと感じた。
静かな山奥で真っ白な景色は情緒を通り越して神聖である。
さて、今日は何を聞こうかな?
と、悩みながらフジコ・ヘミングで、リスト、愛の夢を聞いた。
む、夕方聞くリスト、愛の夢はいまいちだった。
クラシックは夕方は駄目だ。
いや、フジコ・ヘミングの演奏は素晴らしい。リスト・愛の夢自体が少し重たかったのだろう。
のんびり気楽に聞けない。どうしても真面目に聞かないといけない、と思ってしまうのだろう。
いい音楽でも聞く時間により感じが違ってくる。
その音楽の良さが一番発揮できる時間に聞かないといけない。
朝ならビバルディー。真夜中ならダークなジャズ・ボーカル。
赤提灯で飲んでいる時は演歌がぴったり合う。
時々赤提灯や居酒屋でモダン・ジャズが流れる時がある。どうも合わない。
おでんを食べている時にビリー・ホリディーの奇妙な果実、やめて欲しい。
古い言葉だが、TPOだ。
で、何を聞こうか?
また、ジャズ?
それもいいが、何かないだろうか?
ええい、面倒だ。とりあえず◎□△○を聞こう。
では、
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「時の過ぎ行くままに」
夜最後に聞く曲は何だろうか?
やはり静かなバラード系がいい。
女性ヴォーカルがいい。ペギー・リーはとてもいい。
けれど、昨夜と先ほど十分聞いた。
「時の過ぎ行くままに」はどうだろうか。
シナトラで。
映画「カサブランカ」の主題歌だ。
ハンフリー・ボガードとバーグマンの再開シーンで黒人ピアニストが歌う。
いい歌だ。
シナトラで聞いてみよう。
映画のシーンがよみがえる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ジャニー・ギター」
サッチモをすっかり聞いてしまった。
彼の心にジーンと来るヴォーカルには参ってしまう。
ダミ声で陽気でとても暖かいのにその声は何故かせつない。
明るいニューオーリンズの表通りなのにとても寂しい、といったふうだ。
昨夜はペギー・リーのブラックコーヒーで深い夜のしじまを堪能した。
今夜もペギーを聞きたくなった。
ペギー・リー、それはとてもブルーでジャージー。
ジャニー・ギター。
♪
ね、ギターを弾いてくれる?
もう一度。私のジャニー。
あなたはほかの人よりずっとすてき。
あなたをどうしようもなく愛してるわ。
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素晴らしき世界
いい天気に誘われて公園に出かけた。
暖かで空は青くまるで春が来たかのようだ。
昨日よりもたくさんの人がいた。
すっかり茶色くなった芝生では家族連れが多く親も子供も元気に遊んでいる。
ボール投げや西洋たこで遊んでいる。
子供たちは元気に走り回っている。
そばで父親や母親は微笑みながら見守っている。
子供たちは時々母親の方を見て笑う。楽しく幸せな光景だ。
公園の周りの木々を見た。
青い空を見上げた。白い雲が浮かぶ。素敵な日曜日だ。
公園で過ごす人々の顔には笑顔があふれている。
顔見知りの人々は互いに挨拶をしている。
ベンチに座り芝生で遊ぶ子供たちを眺めた。
暖かい日差しの午後。
元気に遊ぶ子供たちは成長していく。両親に見守られながら。多くのことを学びながら。
子供たちは私たちが知っている事よりもずっと多くのことを覚えていく。そうして立派になっていく。
その子供たちはやがて大人になり自分の子供たちをこの公園に連れてくる。
そして、今と同じように自分の子供たちと楽しく遊ぶ。
やはり笑顔で家族全員で楽しく過ごす。
なんて幸せな光景なのだろう。
なんて素晴らしいのだろう、この公園は。
なんて素晴らしいのだろう、この世界は。
What a wonderful world.
サッチモの声が聞こえてくる。
サッチモの声はなんて素晴らしいのだろう。
家に帰って棚からサッチモのCDを取り出した。
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またまた公園へ
窓から差し込む明るい日差しで目覚めた。
カーテンを引くと青空が見えた。初秋の朝みたいだ。
大寒を過ぎてまだ2,3日しかたってないのにいい天気だ。
冬将軍は自分の役目を放棄して北極へ帰ったのか?
昨夜のペギー・リーは良かった。
思わず起きてすぐに聞きたくなる。
しかし、それはよくない。
ジャズは昼は聞いてはいけない。
すがすがしい朝や昼はビバルディーの四季を聞くに限る。
一日のスタートがさわやかになる。
部屋全体が軽快になる。
午後となった。もう1時となる。さて、今日も公園に行こう。
茶色に色を変えた並木道を歩きジョギングもしよう。
今日は200メートルほどは走ろう。
老人の方々が30分も楽々と走っているのをぼんやり見ていてはいけない。
一応テニス・ラケットも持っていこう。
「愛車で公園に行ってくる。」
そう告げると大蔵大臣は笑顔も見せず玄関の方を一瞥した。
「愛車? タイヤが二つしかないわ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ブラック・コーヒー」
夜のしじまが街をすっかり覆う頃、ジャージーな声がどこからともなく聞こえてくる。
ハスキーで幾分けだるい。目を閉じてソファにもたれて聞いているとそのまま眠りに誘われてしまいそうな声だ。
緩やかなテンポで音楽は流れる。
ペギー・リー、ブラック・コーヒー。
ジャージー・ブルーの暗闇に苦い香りが流れる。
ささやくように、うめくように、悲しむようにペギーは歌う。その後ろでトランペットが乾いた音を奏でる。ペギーの辛さに付き添うように、時にはただ横を通り過ぎるように。
ペギー、どうしてそんなにせつなく歌うの?
夜は静かに過ぎていく。
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冬の公園へ
家でごろごろしていても仕方がないので公園に行った。
11月ごろにはまだまだ緑濃い公園だったが、さすが冬だ。枯葉と落ち葉が多い。
常緑樹が多いから結構緑だが、それでも茶色一色の林が続く。
冬だというのに結構人がいた。
家族連れが割と多かった。
数日前は本当に寒かったが、ここ1,2日は暖かい、からか?
土日だから1000円高速で箱根や伊豆あたりへ出かけているかと思ったら結構みな近場で過ごしている。
少しか体をほぐそうと公園の中をジョギングした。
100メートルも走らないうちに疲れてやめたが、結構ほぐれた。体もホカホカしてきた。
ベンチに座ってみていると公園の中を20分も30分も走っている高齢の人がいる。元気なものだ。
やはり日ごろの鍛錬だ。毎日走ってないといけない。
たまに走ったりすると30メートルほどで疲れてくる。いけない、いけない。
4時ごろにはもう薄暗くなってきた。やはり冬だ。日が落ちるのが速い。
帰る時は商店街を通って帰った。公園からまっすぐ帰るより2,3分時間がかかるが、夕方の賑わいを楽しむ事にした。
あまり混んでいなかった。大きな売出しやバーゲンセールでもないと混まないかな。
商店街の中を注意しながら進んでいると新しい店が何軒か増えている。
一ヶ月ほど前から閉まったままの空き店舗もある。
少しすいていたがそれでも公園からまっすぐ住宅街を抜けて帰るよりは賑わいの中を通ってきたのでそれなりにそれなりだった。
家に着くとすっかり暗くなっていた。
夜、闇 ・・・・・、ジャズだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昼のテレビは、
土日の昼間のテレビとラジオはあまりいいのがない。
主婦向けなのだろうか、お笑い、料理、生活関連が多い。
ラジオもおしゃべりばかりだ。
真昼間からジャズのライヴを放映して欲しいとは言わないが、もう少しいいのがないものだろうか。
新聞のテレビ欄をくまなく見て何かいい音楽番組をやってないか探した。ない。
困った。
棚からCDを出して聞いた。
ビリー・ホリディー。
しかし、昼間聞くとしっくりこない。
ほかのCDにした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
読 書
大掃除をしていると思わぬものにでくわす。
押入れから本が大量に出てくる。
「おお、懐かしい。」
表紙や目次を眺めてしまう。
最初はぱらぱらと見る程度だったが頁をめくっているうちに熱中してしまいそのうちダンボールなどに腰掛けて真剣に読み出す。
そして、その本を読むと次の本を読み始める。
夕方我が部屋に闖入してきた大蔵大臣が叫ぶ。
「あら、まあ。朝から全然片付いてない!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
名曲のおかげで、
去年の暮れのことだった。
大掃除をする事にした。部屋を片づけ始めた。
大きな箱があった。
「何の箱だっけ?」
中を開けるとカセットが大量に出てきた。
好きな曲ばかり録音している。かっての音楽ライブラリーだ。
今はMD、アイポッドで聞いているからもうカセットは聞かない。
大きな箱はスペースをとり邪魔だ。
不要なカセットはどんどんゴミ箱に直行した。
しかし、どうしても捨てられないカセットもある。
CDやMDで持っているから捨ててもよさそなものだが、どうしても捨てられない。
タイトルを見ると「ポピュラー名曲集」と書いている。
ご丁寧に曲目まで12曲ほど書いている。まめなものだ。苦笑した。
ふとラジカセに入れて聞いてしまった。
曲が流れてきた。
意外といい音だ。
カセットだしかなり昔録音したものなので音などフニャフニャで悪いと思ったら結構いい音だ。
6曲ほど流れた。片面が終わる。
A面の最後の曲となった。
曲はプレスリー「好きにならずにいられない」
いい曲だ、と思わずつぶやいた。
そして、B面をかけた。いい曲ばかりだった。聞きほれた。
そのカセットが終わると次のカセットをかけた。
またまたいい曲がかかった。
そしてまた次のカセットをかけた。
結局大掃除は全然はかどらなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「マイ・フーリッシュ・ハート」
今ラジオをつけたらジャズが流れていた。
スウィング・ジャズ・バンドだ。
誰だろう?
ジャズというとどうしてもモダン・ジャズばかり聴く。
しかし、スウィング・ジャズ・バンドもいい。
エリントン、ミラー、ベイシー・・・・・。
少し古びた感じのスウィング感がとてもいい。
今、ビル・エヴァンスの「マイ・フーリッシュ・ハート」が流れ始めた。
クールで静かなタッチがいい。
エヴァンスの生真面目な顔が目に浮かぶ。
ラジオもこういうふうに24時間ジャズばかりかけてくれるといいのだが、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「恋とは何でしょう?」
昨夜アート・ペッパーを聞いた。良かった。
同じアルト奏者でもポール・デスモンドはとても甘美だ。うっとりする。
だが、アート・ペッパーは軽快だ。その軽快さに引き込まれてしまう。
つづきます
ブログでつぶやくツイッターです。
日々のとりとめもないつぶやきです。
一番上が最新です。下は古いです。
・・・・・・・・・・・・・・ で区切っています。
2010年1月22日からスタートしました。
なお、時々短いですが、歌詞や訳詞を書いています。
短いですが、著作権が存在します。ご注意下さい。
特に、「バードランドの子守唄」の訳詞です。
一見CDに付いている歌詞カードの訳詞と思われますが、
このブログでのオリジナルの訳詞です。
「ジャニー・ギター」も短いですがご注意下さい。
ナポレオン
◆この頁はツイッターを書いていますが、このブログにはいろいろな小説、短編物語、評論、歌詞などを掲載しています。
竜馬の小説「竜馬がくる~桂浜編」、竜馬の評論「竜馬小論」、音楽小説「あれから」、連載小説「森の中の宇宙人」、エッセー「銀座ぶらぶら歩き」、ロバート・ランブンの短編物語、ランブンの定理、オリジナルの新作の歌詞120曲などいろいろ入っています。
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■ Twitter ブログ・ツイッター その 44
ブログでのツイッターです。
日々のとりとめもないつぶやきです。
上が最新です。下の方は前回、前々回。
ゆりかもめとお台場の浜辺
先日ゆりかもめに乗ってお台場に行った。
ゆりかもめは快適でレインボーブリッジはいい眺めで非常にいい気持ちだった。ゆりかもめ&お台場は予想を超える楽しさだった。
銀座をぶらぶらしながら新橋まで歩き新橋からゆりかもめに乗り東京湾の海や走る船を眺めながらお台場に着いた。
お台場海浜公園の砂浜は白くきれいだった。江ノ島の泥色の浜辺とは大違いだ。
浜辺のすぐそばの軽食レストランのデッキチェアーでコーラを飲みスナックをつまんだ。料金は安い。良心的だ。スタッフも明るく元気で感じがいい。
すぐ前にはレインボーブリッジが広がる。いい眺めだ。
テーブルとデッキチェアーの色は白でテーブルのそばにはシュロの植木がいくつもあり、それが白のテーブル、きれいな青空ととてもマッチしていた。
2月だというのにまるで夏のハワイかグアムにいるような気分になった。
2月初旬だがいい天気で5月かと錯覚するような暖かさだった。
浜辺では恋人達や親子連れなどがレインボーブリッジを見たりかもめを眺めて楽しんでいた。いい光景だ。
ショッピングモールに行き昭和の店などを眺めた。昔懐かしい商品、グッズ、道具、ゲーム機などが有り面白かった。
その館を出てレストランで軽く食事をした。レストランの窓からはレインボーブリッジが正面に見えていていい眺めだった。
レストランはきれいで中は静かでいい時間を過ごせた。
大蔵大臣も満足の表情を浮かべていた。
レストランを出ると浜辺に沿って西の方へ歩いた。そこは遊歩道、テラスになっていた。柵によりかかりレインボーブリッジを眺めた。
浜辺から見るブリッジとは角度が幾分違いまた楽しめた。
ブリッジの上をひっきりなしに車が通る。湾の中を客船や貨物船が何隻も通っている。そのうちの何隻かはお台場の船着場にやって来る。船が着くと沢山の乗客が降りてくる。そしてお台場の観光を始める。
後ろを振り返ると大きな像が建っていた。右手を上げている。
何の像かと思いながら近づくと、それは自由の女神だった。しかも小さい。
二人で苦笑した。
場違いと言うか、何故ここに自由の女神があるのか?と首をひねった。
発想が中国の「物真似ブーム」ではないのか?
どうか将来エッフェル塔や金門橋を作ったりしないように。
そのあと日本テレビ館へ行き売店や中を歩き回った。番組収録なども見たかったが時間がなくなり帰ることにした。残念。
大蔵大臣はさざえさんの売店の中を楽しそうに歩き回っていた。
今日のお台場観光は大成功だった。満点だ。楽しかった。
銀座をぶらぶらしたあと30分後にはお台場の浜辺に着いてかもめを見ながら波打ち際を歩いていると言うことは素晴らしい。
「また行こう」と大蔵大臣も私も珍しく意見が一致した。
夏祭り
少し前に、いやもうかなり前だが盆踊りに行った。
夏の暑い日だった。近所の神社だ。
朝から太鼓の音や民謡が流れていてにぎやかだった。
昼過ぎには屋台の人たちが来て準備をしていた。
金魚すくいの桶もあった。
子供たちが珍しそうに見ていた。
いったん家に帰り夕方日が落ちる頃神社に行くとすでに大勢の人が集まっていた。
近所のご婦人たちや商店街の踊り子達が神社のあちこちに立っていた。
子供の踊り子隊も沢山いた。
踊りが始まるのを今か今かと待っている。
この日のために毎日猛練習をしてきた。今夜は晴れ舞台だ。
見物人も神社の周囲、道路、付近の住宅の前にびっしりだった。
まっすぐ歩けないほどだった。
しばらくすると民謡の音が大きくなり盆踊りが始まった。
すっかり暗くなった神社の空に提灯が明るく輝いている。
裸電球もところどころに有り子供たちの頬をオレンジ色に照らしている。
少女達は浴衣を着ている。とてもいい。すっかり日本の夏だ。
小さい女の子も浴衣を着て口紅や頬紅を塗ってもらっていておしゃまで可愛い。
子供たちは踊りよりも金魚すくい、綿菓子、たこ焼きに夢中だ。
楽しい楽しい日本の夏祭りだ。
三階建てのやぐらからは威勢のいい太鼓の音が響く。
にぎやかな民謡が流れご婦人方が揃って踊る。
神社の境内は踊り子でいっぱいだ。
踊りは休むことなく何曲も続いた。
みんな上手だ。特に年配の人は一糸乱れず手さばきも足の動きも上手だ。
若い踊り子さんや飛び入りの男性はよく間違えてそのつど前にいるご婦人の動きを見て間違いを直す。
徳島の阿波踊りのような日本有数の大盆踊りもいい。
しかし、近所の神社で見る盆踊りもほのぼのとして楽しい。
たこ焼きをほおばりながら踊りを見続けた。
楽しい楽しい夏祭りだった。
真珠貝の唄
暑い。
ニュースでは全国各地36度、37度と言っている。
都内もどこも35度だ。
室内でも35度近くある。参った。
一日中サウナの中にいるようだ。
そんな時ラジオから「真珠貝の唄」が流れてきた。
目を閉じて聞いた。
青い海の中で真っ白な泡がいくつも浮かびその下の岩の陰ににきれいな真珠が光り輝いている。そういった光景が浮かんだ。
少し涼しくなった。
暑い夏は海の音楽が一番いい。
ありがとう、いい音楽を。
青空 青空 青空
梅雨があけ最初の日曜日がやってきた。
朝窓から空を見るときれいな青空が広がっていた。
まるで南太平洋の島の空のような美しい青空だ。
青い空のところどころに雲が浮いている。その雲が真っ白だ。
純白の雲だ。今降り積もったばかりの真っ白い雪を筆にたくさんつけてその筆で空いっぱいの青いカンヴァスに真っ白な雲を描いたのではないかと思うような本当にきれいで真っ白な雲が真っ青な空にぽっかりと浮かんでいる。
太陽の強烈な日を受けた青と白が輝いている。その輝きで目が痛い。
東京の夏にこれほど美しい青い空は初めてだ。
秋や冬だとさわやかな青空を見る事ができる。
しかし、夏の空はどこかくすんでいて冬のように透明感がない。
排気ガスなどのせいだろう。
しかし、今日の空は本当に美しいきれいな青だ。
東京の空の空気がきれいになったのだろう。
工場や車の排ガス規制がとうとう効果を発揮してきたのかもしれない。
いいことだ。
東京にいて沖縄や南太平洋の島のような青空をいつでも見る事ができる事は非常にすばらしいことだ。
いい天気だ。気温は33度。海日和だ。
海の記念日は明日だが、そんな事は言っていられない。
早速水着をバッグに入れて家族全員で急いで小田急ロマンスカーに乗り込み窓から見える東京の街並みに手を振って江ノ島に向かい、江ノ島の浜辺で思いっきり海に飛び込んだ人は多かっただろう。
夕方テレビを見ると江ノ島は超混雑だ。
毎年のことだがすごい混みようだ。
小さな子供が大はしゃぎで泳ぎまくっていた。
梅雨が明けただけで日本中皆笑顔、笑顔だ。
夏来たり。
ロマンスカーには8月に乗るとして、朝食を食べたらすぐに公園に行った。
公園で真上を見あげた。
どこまでも青い夏が広がっていた。
真っ白い雲がほんわりと浮かんでいた。本当に真っ白な綿菓子だ。
木々の緑は深く万緑の夏である。
空も雲も木々も草も梅雨があけて夏のぎらぎらする太陽を受けて楽しそうだ。
みんな思いっきり夏の熱い日差しを受けている。
一応テニス・ラケットは持って行った。
こんな暑い日に壁打ちなどやっている人はいないだろう、と予想した。
が、壁打ちは混んでいた。みな33度の暑さをものとせず汗だくになってひたすらボールを追いかけている。
感心だ。この暑さで立派だと思いながら後ろで待っていた。
しばらくして皆どんどん交代する。やはり暑さでまいるのだろう。
早速炎天下でボールを叩いた。
梅雨時よりも空気が乾いているせいかボールが軽い。音もいい。
しかし、熱い。気温が33度と言っていたが、コートの中は36度はある。熱い。
足元から熱気が上がってくる。さらに空からも太陽光線が刺さってくる。
腕が痛い。暑いのでなく痛い。
汗がひどく暑すぎてまいった。30分と持たず15分ほどでコートを出た。
離れた水のみ場に行き水を飲み顔と腕を洗った。水が冷たい。いい気持ちだ。
ベンチに腰掛けて少し休んだ。汗がすごい。
ふと腕を見ると、真っ赤だ。
わずか15分ほどで腕がやけど状態となった。
ひりひりこそしないがやけどみたいに真っ赤になっている。
まるでパウル君みたいな色となった。
夏の太陽は殺人光線だ。
公園をあちこち歩き空を見上げて真っ青な空と雲を携帯で何枚も撮った。
東京ではじめての美しい青空だ。
きっと江戸時代の江戸の町の空はこういった青空だったのだろう。
と、考古学者か歴史学者のような事を考えながら、パチリ、パチリと撮った。
家に帰りパソコンに入れてみた。
きれいだ。拡大するとわっと青空が広がった。
部屋が一挙に夏の空となった。
拡大しても濃い青色はかすれない。濃厚な青のままだ。きれいだ。
雲がパソコン画面の右上あたりの位置で真っ白に輝く。
沖縄やハワイ、ニューカレドニアの空の色と比べた。
負けない。まったく負けていない。
沖縄、ハワイなどよりもずっときれいな青空だ。
東京の空が南太平洋の空よりも美しくなった記念する日だ。
公園では屋台がいくつか出ていた。
大きな箱に氷がいくつも入り缶ジュースや缶ビールが入っていた。
見ていると飛ぶように売れていた。
横には焼きそばの屋台もあった。
やはりよく売れている。
この暑いのに、と思ったが焼きそばには関係ないようだ。
パウル君は?と探したがパウル君の屋台は出てなかった。
帰り道お店に入りアイスクリームを買った。
そして、急いで我が家に走った。
帰るなり大蔵大臣にアイスクリームを上げると大変感謝された。
家に入ると太陽光線の直撃を受けないので涼しく感じた。
扇風機が心地よい風を送ってくれる。
まだクーラーをつけなくても我慢できる。
このままクーラーなしで頑張りたい。
だが、7月30日ごろには無理だろう。
帰り道に商店の店先を見ると近くの神社で盆踊りをいついつやる、と手書きのビラが貼ってあった。
金魚すくいもありますと書いている。
楽しそうだ。その日に行ってみよう。
屋台、盆踊り、真っ青な空、夏だ、夏だ。
♪ 小田急に飛び乗って
遠ざかる街に手を振って
江ノ島へ 江ノ島へ 走り続ける
夏が待っている 呼んでいる
どこまでも青い空と 白い雲
輝く太陽が 待っている
夏の小田急は 湘南列車
ロマンスカーに ボクとキミ
君の笑顔が夏にはじけている
江ノ島へ 江ノ島へ
夏が呼んでいる
梅雨時のテニス
ウェザーリポートによると30度。湿度は78。
せっかくの日曜日だというのに晴天とはいかない。曇っている。
ひどく暑いとは感じないが、かなり蒸す。梅雨だから仕方がない。
それでもここのところ雨ばかりだったので降らないのはうれしい。
昼すぎ公園へ自転車で散歩に出かけた。
一応ラケットを持っていった。壁打ちが空いていたらしてみようと思いながら。
曇り空で青空は見えないのに、空は明るくさわやかだった。
日曜日なので人はとても多かった。壁打ちできる場所も混んでいた。
今日は無理だなと壁打ちは半分あきらめて近くをぶらぶら自転車散歩して15分ほどして戻ったら一人分空いていた。
どうした事か? 並んで待っている人もいない。ラッキーだ。
早速コートに入り打ち始めた。
周りの人はみんな上手い。いいラケットを持っている。
しかし、そういった事は気にしないでひたすらボールを打った。
パコーン、パコーンといい音が空に響く。
いい高さで返ってきたボールを思い切り打った時真っ芯に当たると爽快だ。
ポイントがずれるとボールの圧力を感じるし、ラケットがずれて掌に軽い衝撃が来る。
しかし、完璧に真っ芯で当たるとボールに当たったという衝撃が全然ない。掌にも衝撃は全くない。
すーっと振りぬける。
音もやたらとパーンといった音はしないで、スコンっといった音となる。
そのボールが壁に
快感だ。
時折雲が切れてきれいな青空が見える。
もう夏はすぐそこだ。
壁打ちはコートでの競技でなく運動だ。体ほぐしだ。
打ち始めるとすぐ汗がばーっと出た。汗だらけとなった。
久しぶりだが、ボールには当たる。空振りはない。上達したか?
1時間ほどした。休み休みだ。少し動いて、座り込んでジュースを飲み、そしてまた打つ。また休む。
休んでばかりいるようだが、それでもかなりの運動となった。
本当は4時間ほどしたかったが後ろを見ると数人待っていたので1時間で切り上げた。それ以上知らん顔をしてやっていると後ろからブーイングが来る。
プレーが終わり公園の水のみ場で顔を洗った。冷たくてとても気持ちがよかった。
水道の水がこれほど気持ちがいいのは夏の時期激しい運動のあとだけだ。
帰り道花屋の前で花を見た。きれいな花ばかりだ。
菜の花のような黄色い花を買った。店の人がなにやらしゃれた名前を言っていたが難しい名前だったので忘れてしまった。
家に帰るとさっそく庭のベランダにぶら下げた。なかなかだ。ベランダが明るくなった。いい気持ちである。
大蔵大臣はあまり花など興味が無いから、ふーん、と知らん顔をしている。
美しさというものが理解できないのである。花より饅頭、団子、お菓子の人類だ。
その花の写真を撮りあとでパソコンで見た。
ありきたりの花がパソコンで画面いっぱいに大きくして見ると豪華な名花のように見えるから不思議だ。
花の後ろの庭も木が緑濃くて山奥のように見える。写真のトリックだ。
上手く撮ると京都の洛北の庭園のように撮れるかもしれない。
家に帰るとすぐシャワーを浴びた。ほとんど水に近い温度であびた。
爽快だった。
いい運動になった。体重も2キロは減ったはずだ。気のせいか体がとても軽い。
コートでしなくても壁打ちテニスだけでメタボは防げる。
一句、 五月雨の 合間を盗み テニスかな 津由野高円
緑いっぱいの公園
ここのところ30度の日が続く。まだ梅雨も来てないのにもう夏のような気温だ。
今日は朝から曇っている。昨日はさわやかな青空だったが二日続けてとは行かないようだ。
昼頃はじっとしていても暑い。汗ばむ。
公園へ出かけた。
日曜日だからかなり混んでいるかと思ったらややすいていた。
意外だ。近くで何か大きな催し物でもあるのだろうか。
それでも広場で散策路で子供も大人も老人も若者もみな楽しそうに公園ライフを楽しんでいる。
野球をする人、バスケをする人、サッカーをする人、テニスをする人、広場や公園内道路をジョギングする人、みなそれぞれ楽しんでいる。
のんびりと公園の中を歩き、別に疲れているわけでもないがベンチに座りジュースを飲みながらひと時を過ごした。
家の中では、少し蒸すなあ、といった感じだったが公園では蒸すこともなく暑くもなく丁度いい感じだった。
公園の木々は深い緑色となっていて生き生きとしている。
2月頃はほとんどの木が枯れていて薄茶色の寂しい色をしていた。
それがすっかり緑色となり元気いっぱいの木々となった。
空を見上げると灰色の空だが白い雲がきれいな色をしていた。
格別何もない日だ。
平凡と言うか当たりさわりのない日だ。
それでもいい。
近所のありきたりの公園だが、ベンチでのんびりしているといい気分だ。
近所に日比谷公園のような名園があると最高なのだが、贅沢を言ってはいけない。
この公園で十分満足だ。
緑は美しく子供も大人も誰もが幸せそうな顔をして過ごしている。
春
雨の日が多くなってきた。
冬が終わり春となったからだ。
季節が変わると今までとはがらりと違った天気となる。
上空に湿度、水分が有った場合冬なら雪となる。
しかし、気温が高いから雨となる。
雨が多くなったのではなく、雪とならず雨になっているだけなのだ。
専門的なことはテレビの天気予報官の方々にしてもらうとして、
さて、春は何を聞こうか。
寒い冬はそれに適した音楽がある。
春には春に適した音楽がある。
何がいいだろうか。
平凡に「春」とついた歌を聞くのもいい。
ちょっと調べてみよう。
多い。春とついた歌のタイトルはとても多い。
「春がきた」「春の小川」「春よ来い」などがある。
しかし、唱歌や童謡はいけない。
いけないといっても駄目と言うわけではない。
唱歌、童謡も好きだが普通の時はそれほど聞かない。
本を読んでいる時にラジオから唱歌が流れる時がある。
そういった時に聞く。
自分から積極的に聞くことはないが,流れてきた唱歌はそれなりに聞く。
春の歌で「早春賦」がある。
これは非常にいい。
歌で聞くのが普通だし、歌もいい。
しかし、クラシック演奏スタイルでピアノやギターで聞くといっそういい。
「春の声」もある。
ヨハン・シュトラウスだ。
これは抜群にいい。いかにもシュトラウスらしい美しい曲だ。
春の息吹が感じられる。山や高原の向こうから明るい春が堂々と押し寄せてくる。
今まで冷たく凍ったような原っぱや町全体がたちまち緑いっぱいとなる。
花も木々も山も丘も家も通りもすべてが春の香りに包まれる。
そういった曲だ。
とても素敵な曲だ。
とにかく春だ。
冬よさようなら。楽しい季節となった。
白い部屋
先ほども書いたが、夕方NHKラジオで民謡や浪曲が流れていてそのあとに、鉛の船、頁がギンギンにかかりその落差に驚いた。
といっても、その驚きは「すごい、よくかけてくれた。」といった幾分賞賛の驚きだ。
だが、逆に見るとどうだろうか?
浪曲、落語を楽しく聴いていたおじいちゃん、おばあちゃんの耳に突然頁のギターがギンギンうなる。
たまげるだろう。
心臓に悪い。ぽっくり行ったらどうするのか?
さらに先ほどはお菓子の白い部屋が流れていた。
久しぶりに聞いた。いい曲だ。
やはり浪曲、落語ファンのおじいちゃん、おばあちゃんにはきついだろう。
NHKは曲を流す時は切り替えを考えないといけない。
浪曲のあとには演歌、それから、歌謡曲、ニューミュージック、そして、品虎、甲虫、鉛の空飛ぶ船・頁、あるいは金持黒モワの高速星と少しずつ変えていかないと。
ソフトランディングだ。
浪曲からいきなり鉛の船はきつい。きつすぎる。
お年寄りはそう思うだろう。
NHKは硬岩や金属はやめてせいぜいビリー・ジョエル、カーペンターズ程度にしておけば?
勿論希望を言えば、一日中ジャズを流してくれると有り難い。
しゃべりも解説もニュースも入れずひたすら24時間ジャズばかり流してくれるとNHKを尊敬してしまう。
浪曲、落語、政治ニュース、鉛の船
ラジオを聞きながら本を読んでいる。
先ほどまで硬い政治のニュースをしていた。
その前は浪曲や落語をやっていた。
今、鉛の船の頁がギンギンにかかっている。
この落差。
信じられない。
TBS?文化放送?とラジオを手に取り局を確認した。
やはり、NHKだ。
何とも・・・・。
眠れない夜はビリー・ホリディー
もう夜が明けるのに少しも眠れない。
不眠症か?
いけないこのままだと一睡も出来ない。明日が地獄だ。
いや、すでに今日か。
仕方がない、ビリー・ホリディーを聞いてから寝よう。
と、したらますます目が冴えてきた。
どうすればいいのだろう。
ヘレン・メリル・・・・。駄目だ。眠れない。
センチメンタル・ジャーニー。・・・・駄目だ。
こうなったら何でもいい。
そういえば、
ジェットストリームの昔のカセットが有った。この際音などどうでもいい。
これでどうだろう。
城達也のナレーションが心地よい。
少し良くなった。
何とか眠れそうだ。
「寒い、」
寒い一日だった。
昼過ぎ公園に行った。風が吹いていた。
人はあまりいなかった。
当然だ。
こんなに風のある日に公園でのんびり過ごす人はいない。
少しジョギングをした。
ダウンを着たままジョギングをしたので、すぐに暖かくなった。
寒い時はジョギングに限る。ぽかぽかになってきた。
中学生たちがバスケをしていた。
勿論全面コートでなくバスケのゴール台がひとつのスローイングだけのコートだ。
見ているとあまり入らない。
下手だと言うといけないが、上手ではない。
しかし、楽しそうにやっている。
公園のバスケはそれでいい。楽しければいい。オリンピックに出るわけではない。
のんびり楽しくやるに限る。
しかし、彼らもすぐに高校生になる。身長も180ほどとなり、ダンクシュートを簡単に決める選手になるだろう。
楽しみだ。
あまりにも寒くて風が強いので早々と家に帰った。
部屋に入り棚から大量のカセット・テープをひっぱり出した。
「さて、何を聞こうか、」
「美しく青きドナウ」
憧れの金曜日がやってきた。
さあ、日曜の夜まで天国だ。
では「天国への階段」を聞くとするか。
駄洒落はやめて、つつましく「美しく青きドナウ」を聞こう。
シュトラウスはいい。とても優雅だ。ウィーンの香りがする。
「美しく青きドナウ」はものものしい大作でなく小品だ。しかし、光り輝くような躍動感を持つ。
ベートーベン、バッハも素晴らしいが、シュトラウスのようなしゃれた気品はない。
そのあとは何を聞こうか?
手当たり次第に聞いてみよう。時間はたっぷり有る。
天国への階段か。ふ、鉛の船の頁。
ずいぶんご無沙汰だ。
この間大掃除の時に「Ⅱ」をチラッと見た。
しかし、「Ⅳ」は見かけなかった。もう段ボールの底の方だろう。
いやいや、しばらくしたら登場するだろう。
「G線上のアリア」
クラシックでは何がいいだろうか。モーツァルト?
いいけれど、有名で当たり前すぎる。
ブラームス? 渋い。ほかには?
あるある、たくさんある。クラシックは名曲の宝庫だ。
ロックンロールしたけりゃ、チャック・ベリー。
スウィングしたけりゃ、ジャズ。
人生が辛くなったら、泣きたくなったら酒場で演歌。
だけど、
優美で気品のある音楽ならクラシック。
「美しく青きドナウ」は素晴らしい。
では、聞いてみよう、と思う。
しかし、
「G線上のアリア」
今夜はこれでおやすみとなる・・・。
「コーヒールンバ」
この間エラを聞いたのですっかり満足した。
いや圧倒的な感動で幾分疲れた。
そういう訳で、夕方軽く聞ける音楽はないだろうか。
出来ればルノワールやモネを見ながらさりげなく聞ける音楽は?
ジャズでもロックでも演歌でもいい。
サティー? ふ、ありきたりだ。
ルノワール、印象派、ドビュッシー、サティー・・・と連想が単純だ。
何かないだろうか?
ところで、音楽とはクラシックだけなのだろうか。
聞くべき歌はジャズだけなのか。
あるいはロック一筋が正しいのか?
演歌や歌謡曲は聞いてはいけないのだろうか?
いや、演歌、歌謡曲・流行歌にもずいぶんいい歌がある。
よく歌謡曲・演歌・懐メロとひとくくりにされているが戦前・戦後直後の歌手はジャズをよく歌った。
原語で歌ったり日本語歌詞で歌っている。いい歌ばかりだ。
その後ロカビリーの歌手達はアメリカのヒット曲に日本語の歌詞をつけてロックンロールした。
カバーと言うか替え歌というか、「庭の千草」のように翻訳唱歌の手法だ。
安易だ、と通の音楽ファンは非難するだろう。
ところが、そういったものに結構いいのが有る。
何しろ元の曲がいいから、いい日本語の歌詞をつけると当然ヒットする。
プレスリーのハートブレーク・ホテルも日本語の歌詞がつけられてヒットした。
平尾昌章や山下敬二郎のファンが日劇を何重にも取り囲んだと音楽雑誌に載っている。すごい。
日劇などと言っても今の大学生にはピンと来ないだろう。
有楽町マリオンだ。
そのマリオンの中の西武百貨店も今年暮れに閉店すると言う。先日のニュースで知った。
因みに、「有楽町であいましょう」は、そごうデパート。今の有楽町ビックカメラ。
全く関係ないが、あの鹿鳴館は日比谷公園の前、帝国ホテルの横あたりに有った。
江利ちえみはテネシーワルツを大ヒットさせた。
そういった翻訳流行歌は多い。
西田佐知子の歌で「コーヒールンバ」と言う歌がある。
勿論、外国の歌だ。
これがまたいい。非常にいい。
曲が軽快でアラビア風というか何と言うか中米の雰囲気と言うかいい感じだ。
もともと向こうでヒットした歌だから曲はいい。
そのいい曲に日本語の歌詞をつけて西田佐知子が歌うと、本家の歌よりもさらに良くなった。
この「コーヒールンバ」を無性に聞きたくなる時が時々ある。
しかし、このCDは持ってない。
たまにというか10年に一度ぐらいラジオや有線で聞くことがある。
それ以外はまずかからないから聞くのに困る。
聞く事が出来ないとなるとなおさら聞きたくなる。
しかし、聞けない。
ああ、どうしようか・・・。
天地創造
日曜日のあとの月曜日。
どうしてこんなに気分が重いのだろう。
金曜日の夕方から日曜日の夜7時頃にかけては非常に爽快だ。
体全体が軽やかでうきうきしている。
しかし、日曜日の夜10時を過ぎる頃からだんだんと気が滅入ってくる。
だんだんと月曜日に近づいていくからだ。
頭の中も胸も体中が鉛のようになっていく。
そういった灰色の世界が数日続く。
そして、金曜日の夕方になると再びさわやかな青空のような爽快な気分となる。
一週間が土曜と日曜だけだったら人々はどれほど幸せだろうか。
と、くだらない事を考えてしまった。
天地創造の時に神様がもっと一生懸命仕事をしていたら、と思う。
そうすれば、天地創造は一週間もかからず三日で終わっていた。
すると、一週間は月曜日、土曜日、日曜日だけとなっていた。
月曜日に仕事をしてあとの土曜、日曜は休みとなる。
神様がのんびり仕事をしたおかげで人類は余分に働く羽目となった。
Oh, my God.
いえいえ、
旧約聖書や神様を批判している訳ではありません。
ただ、もう少し急いで仕事をして欲しかったと言っているだけです。
「マンチェスターとリバプール」
昨年暮れカセットが大量に出てきた。
CDで持ってない歌・曲が結構入っている。レコードから録ったものやエア・チェックしたものがそれらだ。ちょっと貴重だ。
「この歌がカセットに入っていたのか、」と失くした物を発見したような気分だ。
久しぶりで懐かしくもある。
カセットでそういった曲を聞くことにした。
公園から帰った夕方からカセットを積んで次々と聞いた。
CDから録ったものはある程度まとまりがある。ほとんどがカセット1本全部同じ歌手となっている。
ところがエア・チェックしたカセットは歌手などがばらばらで、ジャンルもばらばらとなっている。
連続録音しないでいい曲の時にその1曲とか、いい放送の時間帯に20分といった録音をしていたのでそういった秩序のない録音となっている。
ジャズのあとに歌謡曲がきてさらにクラシックがくる、といったとんでもない録音方法をしている。ひどい方法だと怒っても仕方がない。以前の自分だ。
CDからの録音と違いエア・チェックからなので、さほど好きでもない曲もかなり入っている。それは仕方がない。
ところがかけているうちにひょいと予想外にいい歌や貴重な歌、懐かしい歌に出くわす。
すっかり忘れていた歌に出くわした時は「ああ、これもヒットしていたなあ、」としみじみ。昔の友に会ったような気分だ。
「マンチェスターとリバプール」という歌が流れてきた。
「有った、有った、この歌、」と少し興奮。
今はこの歌はラジオでもテレビでも全く聞かない。
ラジオでも古いポピュラーのヒット曲は流れる。カーペンターズなどは時々かかる。プレスリーも。
この間はテネシー・ワルツがかかっていた。
古くても大ヒットした歌はよく流れる。
だけどこの「マンチェスターとリバプール」はラジオやテレビCMで聞いたことがない。
CDでも持ってないのでこの歌を聞くのは本当に10年を超える久しぶりだ。
ビートルズの歌で「It’s been a long long time.」と言うのがある。
まさにそれだ。
本当に久しぶりだ。
で、この歌が流れてその次も同じ系統の歌が続くかと思ったら、次は歌謡曲が流れた。
「むむ、」とうなってはいけない。
歌謡曲、流行歌にもいいのが結構有る。
音楽を聞くジャンルに関してはあまり気にしない。
いい曲、感動する曲だったら何でもいい。楽しければそれでいい。
ジャズであろうが、ロックでもクラシックでも歌謡曲でもいい。本当に何でもいい。
何曲かかけているうちに歌謡曲、流行歌でいいのが流れてきた。
「ほおずき」
じーんとくる歌がある。
グレープの「ほおずき」もその一つだ。
グレープにはそういった歌が多い。
さだまさしは天才だ。
彼が歌の道に進まず純文学の道を歩んでいたらいい小説家になっただろう。
「ほおずき」「縁切り寺」「三年坂」「精霊流し」のタイトルで短編小説を書いたらどうだろうか。
きっと素晴らしい作品となるだろう。
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意味のないつぶやき
日々ブログで意味のないつぶやきばかりしている。
本当にテーマも方針も方向性もない。
ただ毎日思った事をそのつど気ままに書いているだけだ。
以前はブログでそういった意味のない事を適当に書く事など思いもしなかった。
ツイッターの影響だ。
1、2行程度の非常に短いつぶやきが世界中で市民権を得た。
そうか、と感心してこのブログでも「つぶやく」事にした。
やってみると気楽でいい。
書く方は気楽だ。
しかし、読む人はたまったものではないだろう。
タイトルを見てクリックして読んでみたら意味のない事ばかり書いている。
「くだらない。時間の無駄だった。」と思うだろう。
申し訳ない。
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「私のお気に入り」
ここ10年ほどJRのCFで「私のお気に入り」が流れている。
非常に感心するCFだ。
映画サウンド・オブ・ミュージックの中で使われている歌だ。
映画の主題歌の「ドレミの歌」は世界中で大ヒットしたが、「私のお気に入り」はヒットチャートとしては地味だった。
映画サウンド・オブ・ミュージックは1965年頃の公開で今の大学生や高校生だと生まれる以前の歌だ。
彼らにすれば「古い、」歌なのだ。
誰もがその歌を忘れていた。気にもしない歌となっていた。
ところがある日テレビCMに使われた。じわじわと好感を呼びいつしか非常な人気CFとなった。CD売り上げの言い方を借りるとゴールド・ディスクと言う事になるだろう。
このCFを見ているととても安らいだ気持ちになる。
このCFを作った制作チーム、プロデューサーに有難うと言いたい。
特にこの曲を選んだ担当者に、あるいはこの曲を使いましょうと強く押した係の人に敬意を表する。
このCFのおかげで京都旅行の人は増えた。
JR京都旅行のCFにこの曲を使わずほかの曲だと反響は半減していたはずだ。映像がいいと言うより曲がいいと言うより、この曲と映像とがぴったり合ったのだ。
そもそも京都とサウンド・オブ・ミュージックとは何の接点もない。
この曲よりもいい曲ならいくらでもある。京都に合った曲ならもっと適した曲がある。琴や雅楽の方がもっと合うだろう。
平凡に京都旅行のCFを作った場合京都の名所の映像を流し、それに琴や和風の曲、あるいは歌謡曲で京都とタイトルのついた歌を持ってくる。
それでもそこそこ反響を呼んだだろう。
しかし、このCFの音楽を担当した人は鋭い。
そういった平凡な方法をとらず、無数にある音楽の中からこの曲を選んだ。さらにオリジナルの歌を使わず演奏だけにした。そこも鋭い。脱帽だ。
歌や曲が世の中でヒットする為には当然作曲者と作詞者がいい曲・歌詞を作ることが一番大切で、同時に曲をうまく歌う歌手が必要なのだが、その音楽の良さを知り必死で売り出しをする人、プロデューサー、音楽担当者の力が非常に大きい。
と、実感するCFである。
音楽の賞の祭典が多くあり歌手と共に作曲者が表彰される。
しかし、評価されない曲、売れない曲を「この曲はいい、」とその曲の良さを知り力を入れて世の中に広めた人も表彰しないといけない。
もし、JR京都のCFにおいてこの曲を使うという鋭い人がいなかったら、この曲が復活しCFが反響を呼ぶ事はなかったのだ。
CFを見た人たちは「京都か、」といった程度の反応をしただけで、3~6ヶ月放映されてそれっきりとなっていただろう。
京都への旅行者もそれほど増えなかった。
若い人たちが「私のお気に入り」という佳曲を知る機会は失われていた。
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いい天気だ
ラジオではだいたい最新のヒット曲や非常に話題の曲ばかりかかる。
聴取者のリクエストが多いからだろう。
たまに忘れていた曲がかかる時がある。ああ、この曲もヒットしたなあ、と思い出す。
テレビのコマーシャルも同じだ。
番組が中断して食品や自動車のCMに切り替わり音楽が流れ始める。おっ、と思うようないい曲がかかる時が多い。
テレビの場合予算があるのだろう、ラジオよりもいい曲がかかる。
ラジオもテレビもいい曲を使う、流すのだが、ラジオの場合はその時その時にいい曲をかけている、といった感じだが、テレビの場合はかなりいい曲をじっくり探してきてかけている、流しているといった感じだ。
正午となった。天気もいい。
公園に行こう。昨日行けなかったので今日こそ緑の空気を満喫しよう。
夕方はいい曲を聞こう。
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ジャズ生演奏の店
昔ジャズの生演奏の店によく行っていた。
銀座スウィングのように生演奏と食事の店だった。
銀座スウィングのように有名なジャズ・メンでなくセミプロのような演奏者ばかりだった。しかし、演奏はうまかった。
以前はそういった店があちこちに有った。
ハンバーグ・ランチやスパゲッティー(当時はパスタなどと言わなかった)などの軽食を食べながら、ビールや水割りで演奏を聞いた。
とてもいい気分だった。
小さい店がほとんどだった。だから、すぐ目の前に演奏者がいるので迫力満点だった。トランペットなど強烈だった。
ウッドベースの弦はうなり胸や腹にブーン、ブーンと重たく響いた。
最近生演奏の店に行ってない。
しばらくしたら行ってみよう。
出来れば小さい店がいい。すぐ目の前、手の届く所に演奏者がいるような店だ。
ジャズ喫茶などもところどころに有った。
今街を歩いていてもジャズ喫茶を見かけない。
暗い店で巨大なスピーカーの前に座りLP演奏を何時間も聴いていた。壁にはよくクール・ストラッティンのジャケットがかかっていた。
ポスターが貼ってあるとコルトレーンが多かった。
コルトレーンと言えば金貨のようなメダルが出てきた。これもすっかり忘れていた。
確かLP発売の時の特典だった。貴重なものだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
土曜日曜に聞く音楽
いい天気だ。青空だ。
公園に散歩でもに行こうかと思っていると、大蔵大臣が「買い物に行きましょう、」と言い出した。
仕方がない公園は明日にして買い物に付き合おう。どうせポーターにされるのだろう。
少し軽快なロックやポップスを聞いてから公園に行きジョギングをしたり壁打ちにでも行こうと思ったが延期だ。
春や秋は壁打ちはとても混んでいる。打つ場所がなくて困る。しかし、冬は壁打ちはあまり混んでいないのですぐ出来る、楽だ。
ところで夕方は何を聞こうか。
いつも一番好きな音楽ばかり聞いている。
当然だが、今回の土日は思い切って普段聞かない音楽を聞こう。
自分の好きな音楽ベスト 1000 のリストがある。
普段は当然その中のベスト100以内の曲ばかり聞いている。
ジャズが多い。
そういった聞き方をしないで、その中のベスト300あたりを聞いてみよう。
ここら辺は面白い。
ジャズがあまりない。
歌謡曲ありロックあり、ムードミュージックあり、オールディーズ、映画音楽、アメリカ・フォーク・ソング、日本フォーク、ラテン、クラシック、何でも有りの辺りだ。
メモを持っていき電車の中で今夜聞く曲のリストを作ろう。
「早く、」大蔵大臣の声が飛んできた。
さて、ポーターだ。
コール・ポーターは大好きだが、ただのポーターは嫌いだ。
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ラフマニノフ
普段はだいたいジャズやポピュラー、ニューミュージックばかり聞いているのでクラシックはさほど聞かない。積極的には聞いてはいない。
時々シュトラウスやリストを聞く程度だ。
雨ですっかり暗くなった夕暮れ時カフェに一人いて窓の外をぼんやりと眺めている時に、ラフマニノフのP協一番が静かに流れてきたりすると、ぞくっとするほどの感動に襲われる。
普通ラフマニノフと言うと二番の方が有名だ。
だから、みんなほとんど二番を聞いているようだ。
しかし、陰鬱な夕暮れに一番を聞くと沈みこんでしまうような感動にひたってしまう。
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何を聞くべきか。
音楽はとにかく素晴らしい音楽を聞けばいい。
感動する音楽を聞けばいい。
それで満足だ。毎日が、人生が楽しくなる。それでいいのだ。
今流行とか、今週のヒットチャート1位といった事はあまり関係ない。
自分自身が感動する音楽を聞けばいい。
その音楽が有名でなくても古くても気にする事はない。
と、思う。
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やはり、コール・ポーター
ヘレン・メリル、「帰ってくれたらうれしいわ」
ニューヨークの吐息と言われた彼女の名唱。
ハスキーな声がいい。
彼女の吐息がスピーカーからまるでそよ風のように吹いてくる。
なんともしびれる歌だ。
これで今夜はぐっすりと眠れる。
寒い冬の夜やっと家にたどり着いた時、ヘレンのようなセクシーな女性が「帰って来てくれてうれしいわ」と出迎えてくれたらどれほど幸せだろうか。
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夜の訪れ
さて、夜が来た。
さて、何を聞くべきか。
コール・ポーターか、
いや、ポピュラーか、
では、まず・・・・・・、
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「オール・オブ・ミー」
部屋に入り本を読みながらMDのスイッチを入れたらとてもいい曲が流れてくる時がある。
何が入っているか気もしないでかけたところ、その場の雰囲気や時間帯、調子にぴったりの曲が流れてきて、思わず「いい歌だ、」と感心してしまう。
自分で録音しておいて、しかもそのMDを昨日か何日か前に入れておいたのも自分自身だというのに。
しかし、自分でどのMDを入れておいたのかなどすっかり忘れてしまっていて、気にもしないでいつもどおり何気なくスイッチを入れたら、心情にぴったりの歌が流れてきて感心する時がある。
今「オール・オブ・ミー」が流れている。
今日はこの歌でおやすみだ。
ビリー・ホリディー。
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コーヒータイム
夕方一瞬時間が空く時が有る。
暇ではないのだが、予定外にぽっかり時間が空く時がある。
夏ならまだまだ明るいので公園に出かけてジョギングをしたりする。
しかし、冬では暗くてそうはいかない。
当然CDとなるが、いや後でじっくり聞こうと思ったりすると、する事がなくなる。
ぼんやりとテレビのニュースを見る事となる。
特に大事件もないのでDVDでも引っ張り出して見ようと思うが、未開封のがないとやはりあとでいいや、となる。
大蔵大臣に「コーヒー、」と頼むとインスタント・コーヒーのビンをテーブルにドンと置いて立ち去った。
そして、ポットを指差した。いや、一瞬あごで指した。
率直というか露骨というか情緒がないと言うか、困ったものだ。
そのくせ、コーヒーカップを二つ持ってきている。
あきれた。
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「マック・ザ・ナイフ」
帰った時にすぐ聞く音楽は何だろう?
いろいろだ。
昼から聞きたいと思って夕方帰り着いてやっと聞ける音楽もある。
特に決めていなくて何となくあれこれと適当に聞く時もある。
日によっては格別聞こうと思わない日もある。
そういう日は帰るとぼんやりとテレビでニュースを見ている。
昼頃から「あの曲を早く聞きたい。」と思うような日は幸せだ。
夕方、夜の楽しみがある。
目的がなく帰路を意味なく歩くほどつまらないものはない。
「早く、あのCDを、」と急ぎ足で帰る時は幸福だ。
満員電車も気にならない。
家に飛び込み棚からそのCDを取り出して手にした瞬間は砂漠でオアシスを発見した時と同じ気持ちだろう。
そんなCDは有るのだろうか?
いや、レコードでもいい。
ある、ある、これだ。
エラ・フィッツジェラルド。マック・ザ・ナイフ。
ライヴ・イン・ベルリン・ヴァージョンで。
抜群だ。
圧倒的な歌唱力で聞く者をぐいぐい引きこんでいく。
聞き終わった瞬間、嵐の海で荒波に襲われ目が覚めると浜辺にいて茫然としているといった気分になる。
虚脱感を伴う満足感がある。
真剣に聞けば聞くほど打ちのめされてしまう一枚だ。
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近所ぶらぶら
普段あまり近所の商店街を歩かない。
大蔵大臣の所管だからだ。人の領分を侵略してはいけない。
歩いてもただ道路として使用しているだけだ。通り過ぎるだけだ。
ところがこの間ふらりと寄りじっくりと見ながら歩くと、以前とはがらりと変わってしまっていた。
新しい店が何軒も増えていて、逆に以前有った店がなくなってしまっていた。
変貌に左右前後きょろきょろしてしまった。
これはいけない、「近所浦島太郎」になってしまう。
自分が生活しているすぐ近くの街の様子を知らないのでは恥ずかしい。
それで出来るだけ商店街を通って帰ることにした。
今までは駅と自分の住まいとの間を直線で歩いていた。
2,3分遠回りになるが商店街を通って帰ろう、と決心した。
じっくりと八百屋、魚屋、総菜屋、薬局などを見てみると・・・・・。
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「バードランドの子守唄」
真夜中の一枚は何だろう。
今日のお別れの一枚。満足する曲で締めくくりたい。
昼間や夕方だと失敗しても気にしない。
しかし、深夜これで最後だ、と選んだ一枚が予想に反して良くないとその落胆は大きい。
うっかりすると眠れなくなってしまう。
心地よい眠りを、と選んだ一枚で不眠症になっては困ってしまう。
気合をこめて選ぼう。
バードランドの子守唄、クリス・コナー。
これで今夜は静かに眠れるだろう。
おやすみ、クリス。
♪
あなたの吐息を聞きながら
おやすみするの
あなたの声がそっと聞こえてくる
うまく言えないけれど
小鳥たちは愛をささやく時
魔法のようなメロディーを奏でるのよ
それはすてきな子守唄
知ってる?
通りの小さな木も泣くのよ
あなたが もし いなくなったら
私もそんなふうに泣いてしまうわ
あなたのささやきは とてもすてき
バードランドの子守唄
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ピーナッツ・ハコー 北村英治
散々迷ったあげくピーナッツ・ハコーにした。
棚を見ていたら目に入った。といってもハコーのCDを持っているわけではない。
ほかの演奏家のCDに入っているのだ。一曲だけゲスト出演だ。
しかし、その演奏がいいのだ。
とても軽快でスウィングしていて聞いていると自然と体がうきうきしてくる。
タイトルは、・・・・・。
その曲名を言うとその演奏を聞いてない人は「何だ、」と言って聞くのをやめてしまう。
せっかくの名演奏を聞かないでやめてしまう。
だから、曲名は言わない。
とにかくいい。
すっかりスウィングしてしまった。
久しぶりだったのでなおさら良かった。感動。
で、続けてクラリネットを聞くことにした。
北村英治。
かなりの高齢だ。老人というより老紳士。髪は真っ白。しかし、その白さがダンディーでいい。
しゃれた紳士が軽快にスウィングする。
以前ライヴを見に行ってCDサインをしてもらった。
握手もしてもらった。とても感激をした。
そのライヴはとても緊密でスリリングなライヴでバックの演奏とも息がぴったりと合っていた。楽しいひと時だった。
ピアノは若い人がやっていたがいい腕で聞きほれた。ベースがウッドでブーン、ブーンとうなり心臓までその音が押し寄せてきた。
勿論北村英治の演奏が一番良く感激のライヴだった。
おまけに彼は喋りが抜群で曲と曲との間のトークがしゃれていて、聴衆は爆笑、爆笑、拍手、拍手だった。そのトークだけでも一聴に値する。
演奏も軽快ならしゃべりもスウィングしていた。
北村英治のサイン入りのCDを聞きながらその時のライヴを思い出してしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大寒を過ぎると
大寒を過ぎたのでもう冬は終わりか?
暖かい日が続く。このまま春になって欲しいが、そうはいかないだろう。
節分の頃が一番危ない。油断していると雪が降ってくる。
いや、雪は綺麗で歓迎なのだが、寒さがこまる。
露天風呂に入り雪が降るのを眺めるのが一番いい。
何年前だろうか、冬に箱根に行った時天気予報が外れて大雪となった。
あたり一面雪化粧で何故か「聖なる箱根、」などと感じた。
静かな山奥で真っ白な景色は情緒を通り越して神聖である。
さて、今日は何を聞こうかな?
と、悩みながらフジコ・ヘミングで、リスト、愛の夢を聞いた。
む、夕方聞くリスト、愛の夢はいまいちだった。
クラシックは夕方は駄目だ。
いや、フジコ・ヘミングの演奏は素晴らしい。リスト・愛の夢自体が少し重たかったのだろう。
のんびり気楽に聞けない。どうしても真面目に聞かないといけない、と思ってしまうのだろう。
いい音楽でも聞く時間により感じが違ってくる。
その音楽の良さが一番発揮できる時間に聞かないといけない。
朝ならビバルディー。真夜中ならダークなジャズ・ボーカル。
赤提灯で飲んでいる時は演歌がぴったり合う。
時々赤提灯や居酒屋でモダン・ジャズが流れる時がある。どうも合わない。
おでんを食べている時にビリー・ホリディーの奇妙な果実、やめて欲しい。
古い言葉だが、TPOだ。
で、何を聞こうか?
また、ジャズ?
それもいいが、何かないだろうか?
ええい、面倒だ。とりあえず◎□△○を聞こう。
では、
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「時の過ぎ行くままに」
夜最後に聞く曲は何だろうか?
やはり静かなバラード系がいい。
女性ヴォーカルがいい。ペギー・リーはとてもいい。
けれど、昨夜と先ほど十分聞いた。
「時の過ぎ行くままに」はどうだろうか。
シナトラで。
映画「カサブランカ」の主題歌だ。
ハンフリー・ボガードとバーグマンの再開シーンで黒人ピアニストが歌う。
いい歌だ。
シナトラで聞いてみよう。
映画のシーンがよみがえる。
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「ジャニー・ギター」
サッチモをすっかり聞いてしまった。
彼の心にジーンと来るヴォーカルには参ってしまう。
ダミ声で陽気でとても暖かいのにその声は何故かせつない。
明るいニューオーリンズの表通りなのにとても寂しい、といったふうだ。
昨夜はペギー・リーのブラックコーヒーで深い夜のしじまを堪能した。
今夜もペギーを聞きたくなった。
ペギー・リー、それはとてもブルーでジャージー。
ジャニー・ギター。
♪
ね、ギターを弾いてくれる?
もう一度。私のジャニー。
あなたはほかの人よりずっとすてき。
あなたをどうしようもなく愛してるわ。
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素晴らしき世界
いい天気に誘われて公園に出かけた。
暖かで空は青くまるで春が来たかのようだ。
昨日よりもたくさんの人がいた。
すっかり茶色くなった芝生では家族連れが多く親も子供も元気に遊んでいる。
ボール投げや西洋たこで遊んでいる。
子供たちは元気に走り回っている。
そばで父親や母親は微笑みながら見守っている。
子供たちは時々母親の方を見て笑う。楽しく幸せな光景だ。
公園の周りの木々を見た。
青い空を見上げた。白い雲が浮かぶ。素敵な日曜日だ。
公園で過ごす人々の顔には笑顔があふれている。
顔見知りの人々は互いに挨拶をしている。
ベンチに座り芝生で遊ぶ子供たちを眺めた。
暖かい日差しの午後。
元気に遊ぶ子供たちは成長していく。両親に見守られながら。多くのことを学びながら。
子供たちは私たちが知っている事よりもずっと多くのことを覚えていく。そうして立派になっていく。
その子供たちはやがて大人になり自分の子供たちをこの公園に連れてくる。
そして、今と同じように自分の子供たちと楽しく遊ぶ。
やはり笑顔で家族全員で楽しく過ごす。
なんて幸せな光景なのだろう。
なんて素晴らしいのだろう、この公園は。
なんて素晴らしいのだろう、この世界は。
What a wonderful world.
サッチモの声が聞こえてくる。
サッチモの声はなんて素晴らしいのだろう。
家に帰って棚からサッチモのCDを取り出した。
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またまた公園へ
窓から差し込む明るい日差しで目覚めた。
カーテンを引くと青空が見えた。初秋の朝みたいだ。
大寒を過ぎてまだ2,3日しかたってないのにいい天気だ。
冬将軍は自分の役目を放棄して北極へ帰ったのか?
昨夜のペギー・リーは良かった。
思わず起きてすぐに聞きたくなる。
しかし、それはよくない。
ジャズは昼は聞いてはいけない。
すがすがしい朝や昼はビバルディーの四季を聞くに限る。
一日のスタートがさわやかになる。
部屋全体が軽快になる。
午後となった。もう1時となる。さて、今日も公園に行こう。
茶色に色を変えた並木道を歩きジョギングもしよう。
今日は200メートルほどは走ろう。
老人の方々が30分も楽々と走っているのをぼんやり見ていてはいけない。
一応テニス・ラケットも持っていこう。
「愛車で公園に行ってくる。」
そう告げると大蔵大臣は笑顔も見せず玄関の方を一瞥した。
「愛車? タイヤが二つしかないわ。」
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「ブラック・コーヒー」
夜のしじまが街をすっかり覆う頃、ジャージーな声がどこからともなく聞こえてくる。
ハスキーで幾分けだるい。目を閉じてソファにもたれて聞いているとそのまま眠りに誘われてしまいそうな声だ。
緩やかなテンポで音楽は流れる。
ペギー・リー、ブラック・コーヒー。
ジャージー・ブルーの暗闇に苦い香りが流れる。
ささやくように、うめくように、悲しむようにペギーは歌う。その後ろでトランペットが乾いた音を奏でる。ペギーの辛さに付き添うように、時にはただ横を通り過ぎるように。
ペギー、どうしてそんなにせつなく歌うの?
夜は静かに過ぎていく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
冬の公園へ
家でごろごろしていても仕方がないので公園に行った。
11月ごろにはまだまだ緑濃い公園だったが、さすが冬だ。枯葉と落ち葉が多い。
常緑樹が多いから結構緑だが、それでも茶色一色の林が続く。
冬だというのに結構人がいた。
家族連れが割と多かった。
数日前は本当に寒かったが、ここ1,2日は暖かい、からか?
土日だから1000円高速で箱根や伊豆あたりへ出かけているかと思ったら結構みな近場で過ごしている。
少しか体をほぐそうと公園の中をジョギングした。
100メートルも走らないうちに疲れてやめたが、結構ほぐれた。体もホカホカしてきた。
ベンチに座ってみていると公園の中を20分も30分も走っている高齢の人がいる。元気なものだ。
やはり日ごろの鍛錬だ。毎日走ってないといけない。
たまに走ったりすると30メートルほどで疲れてくる。いけない、いけない。
4時ごろにはもう薄暗くなってきた。やはり冬だ。日が落ちるのが速い。
帰る時は商店街を通って帰った。公園からまっすぐ帰るより2,3分時間がかかるが、夕方の賑わいを楽しむ事にした。
あまり混んでいなかった。大きな売出しやバーゲンセールでもないと混まないかな。
商店街の中を注意しながら進んでいると新しい店が何軒か増えている。
一ヶ月ほど前から閉まったままの空き店舗もある。
少しすいていたがそれでも公園からまっすぐ住宅街を抜けて帰るよりは賑わいの中を通ってきたのでそれなりにそれなりだった。
家に着くとすっかり暗くなっていた。
夜、闇 ・・・・・、ジャズだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昼のテレビは、
土日の昼間のテレビとラジオはあまりいいのがない。
主婦向けなのだろうか、お笑い、料理、生活関連が多い。
ラジオもおしゃべりばかりだ。
真昼間からジャズのライヴを放映して欲しいとは言わないが、もう少しいいのがないものだろうか。
新聞のテレビ欄をくまなく見て何かいい音楽番組をやってないか探した。ない。
困った。
棚からCDを出して聞いた。
ビリー・ホリディー。
しかし、昼間聞くとしっくりこない。
ほかのCDにした。
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読 書
大掃除をしていると思わぬものにでくわす。
押入れから本が大量に出てくる。
「おお、懐かしい。」
表紙や目次を眺めてしまう。
最初はぱらぱらと見る程度だったが頁をめくっているうちに熱中してしまいそのうちダンボールなどに腰掛けて真剣に読み出す。
そして、その本を読むと次の本を読み始める。
夕方我が部屋に闖入してきた大蔵大臣が叫ぶ。
「あら、まあ。朝から全然片付いてない!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
名曲のおかげで、
去年の暮れのことだった。
大掃除をする事にした。部屋を片づけ始めた。
大きな箱があった。
「何の箱だっけ?」
中を開けるとカセットが大量に出てきた。
好きな曲ばかり録音している。かっての音楽ライブラリーだ。
今はMD、アイポッドで聞いているからもうカセットは聞かない。
大きな箱はスペースをとり邪魔だ。
不要なカセットはどんどんゴミ箱に直行した。
しかし、どうしても捨てられないカセットもある。
CDやMDで持っているから捨ててもよさそなものだが、どうしても捨てられない。
タイトルを見ると「ポピュラー名曲集」と書いている。
ご丁寧に曲目まで12曲ほど書いている。まめなものだ。苦笑した。
ふとラジカセに入れて聞いてしまった。
曲が流れてきた。
意外といい音だ。
カセットだしかなり昔録音したものなので音などフニャフニャで悪いと思ったら結構いい音だ。
6曲ほど流れた。片面が終わる。
A面の最後の曲となった。
曲はプレスリー「好きにならずにいられない」
いい曲だ、と思わずつぶやいた。
そして、B面をかけた。いい曲ばかりだった。聞きほれた。
そのカセットが終わると次のカセットをかけた。
またまたいい曲がかかった。
そしてまた次のカセットをかけた。
結局大掃除は全然はかどらなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「マイ・フーリッシュ・ハート」
今ラジオをつけたらジャズが流れていた。
スウィング・ジャズ・バンドだ。
誰だろう?
ジャズというとどうしてもモダン・ジャズばかり聴く。
しかし、スウィング・ジャズ・バンドもいい。
エリントン、ミラー、ベイシー・・・・・。
少し古びた感じのスウィング感がとてもいい。
今、ビル・エヴァンスの「マイ・フーリッシュ・ハート」が流れ始めた。
クールで静かなタッチがいい。
エヴァンスの生真面目な顔が目に浮かぶ。
ラジオもこういうふうに24時間ジャズばかりかけてくれるといいのだが、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「恋とは何でしょう?」
昨夜アート・ペッパーを聞いた。良かった。
同じアルト奏者でもポール・デスモンドはとても甘美だ。うっとりする。
だが、アート・ペッパーは軽快だ。その軽快さに引き込まれてしまう。
つづきます
ブログでつぶやくツイッターです。
日々のとりとめもないつぶやきです。
一番上が最新です。下は古いです。
・・・・・・・・・・・・・・ で区切っています。
2010年1月22日からスタートしました。
なお、時々短いですが、歌詞や訳詞を書いています。
短いですが、著作権が存在します。ご注意下さい。
特に、「バードランドの子守唄」の訳詞です。
一見CDに付いている歌詞カードの訳詞と思われますが、
このブログでのオリジナルの訳詞です。
「ジャニー・ギター」も短いですがご注意下さい。
ナポレオン
◆この頁はツイッターを書いていますが、このブログにはいろいろな小説、短編物語、評論、歌詞などを掲載しています。
竜馬の小説「竜馬がくる~桂浜編」、竜馬の評論「竜馬小論」、音楽小説「あれから」、連載小説「森の中の宇宙人」、エッセー「銀座ぶらぶら歩き」、ロバート・ランブンの短編物語、ランブンの定理、オリジナルの新作の歌詞120曲などいろいろ入っています。
左欄の最新記事一覧やカテゴリーをクリックしてご覧下さい。
◆このブログに来る時にアドレスを忘れた場合は、ヤフーやグーグル、SO-NET、SO-NETブログなどで下記の言葉で検索して下さい。
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◇竜馬と小説と歌 ◇銀座ぶらぶら歩き
◇ロバート・ランブン ◇紫四季 ◇森の中の宇宙人
◇ランブンの定理 ◇竜馬小論
あるいは、ダブル、トリプル検索で、
◇竜馬 小説 ◇竜馬 評論 ◇竜馬 小論
◇歌 新作 ◇歌 新作 歌詞
「竜馬と小説と歌のブログ」 編集長 ナポレオン
.
■竜馬の小説のあらすじ 紫四季 [・・・・ご案内]
.
◆ 竜馬の小説「竜馬がくる~桂浜編」のあらすじ。
作 紫 四季
■ 「竜馬がくる」 あらすじ その 1
竜馬が幕末から現代にやって来て大活躍。
そして、再び幕末に還り大政奉還を成し遂げる。
竜馬が幕末慶応3年1867年の夏、京の三条大橋で雷に打たれ現代の桂浜にやって来た。
突然現代の高知市に来て驚く竜馬。はりまや橋で車や周辺のビルを見て非常に驚く。
桂浜で出会った竜馬の大ファンの美しい少女、楢崎京(ならさき・きょう)やその父楢崎将蔵、家族、海援隊の子孫などに現代の高知、京都、東京などを案内される。
現代で起きた大事件を竜馬が大活躍して解決。
やがて再び竜馬は慶応3年へと還って行く。その時京も一緒について行く。
京都、長崎、土佐などを舞台に大政奉還成立を目指して竜馬の大奮闘が続く。
京も竜馬に寄り添い幕末を駆け巡る。
大政奉還か武力倒幕か。西郷、大久保達と激論。西郷は総攻撃をかける寸前だ。
10月15日、とうとう大政奉還成立。感無量の竜馬。京も喜ぶ。
竜馬は約束した。近江屋事件を避けて明治の時代には一層日本の為に尽くす、と。
京は竜馬と二人で竜馬の作った新しい日本、明治時代を見る事を夢みた。
この小説では竜馬は25才としています。
ヒロインの京は幕末の竜馬の妻、楢崎お龍(おりょう)の生まれ変わりです。
大政奉還、明治維新の小説であると同時に青春ラブ・ストーリーです。
■ 「竜馬がくる」 あらすじ その 2
京の父楢崎将蔵や家族は竜馬が本物である事を周りには秘密にする。
大竜馬祭の竜馬役の人だと説明する。
高知、京都、東京などを案内する。
竜馬はいつか再び幕末へ還れる時の為に現代の科学技術、政治システム、法律、歴史などを研究。京も手伝う。
京は高校3年生。高校は高知城の正面に有る。陸上部に入っている。
父は同じ高校の教師であり剣道部の顧問でもある。
優しい父であるが、道場に入ったとたん鬼になる。大竜馬保存委員会の幹事をやっている。
家族全員竜馬を尊敬している。特に京は友達の間でも有名な竜馬の大ファン。
竜馬はある日京や陸上部のみんなと高知城、はりまや橋、竜馬の生家、五台山、筆山、竜馬記念館、幕末大竜馬村、桂浜などを回る。よさこい祭りも楽しむ。
京の父、長岡、京などと京都、東京へ行き中岡、勝、陸奥などの子孫とも会う。
西郷、大久保、木戸の子孫とも桂浜で会う。京都で竜馬は寺田屋に行きその変わらぬ佇まいに懐かしい顔をする。
酢屋、近江屋と訪れ溜息を漏らす。一行は八坂神社、清水寺も訪れる。
東京では千葉道場跡、江戸城、日本橋、銀座などを見てその変わりよう、大発展に改めて驚く。
首相が竜馬の来ている事を知り高知へ来る。首相は竜馬の大ファンだ。
首相がはりまや橋をパレードしている時テロ団に襲撃される。
竜馬は襲いかかるテロ団から首相を守る。
現代に来て10日ほどした時竜馬は再び幕末へ還れると分かる。京は悲しむ。
みんなに見送られて竜馬は桂浜から再び幕末へと還る。
幕末へ還る竜馬を追いかけ京も幕末へと行く。
ところが竜馬が現代から幕末へ持ち帰った機械、資料、本などはすべて途中で消滅。
違う時代の品物、資料は移動が出来ない。
竜馬の現代の記憶も着いてすぐに完全に消滅。
京の記憶も竜馬ほどではないが殆ど消滅していく。
京はかすかに残った未来の記憶を竜馬に伝えようとするが、未来の事を伝えようとするとどうしても言葉が出てこない。
伝えようとしない時は割と未来の記憶が有るのに、いざ竜馬に伝えようとするとその瞬間記憶がふっとすべて消えてしまう。
何も伝える事が出来ないまま京は竜馬の活躍を見守る。
幕末に還った竜馬は、京を連れて各地を回り倒幕大政奉還実現の為に大奮闘する。
京は幕末の各地の美しさに感嘆する。特に京の都、長崎の美しい港。
土佐へも行き昔の土佐も見て大喜び。竜馬の姉の乙女にも会う。
9月下旬から10月上旬にかけて竜馬は大政奉還実現の為に西郷、木戸さらに幕府の要人などとも会談を重ねる。
幕府の要人は竜馬の話を理解し受け入れの方向へと進む。
だが、逆に西郷、大久保、木戸、中岡達は竜馬の大政奉還策に頑として首を縦に振らない。
皆竜馬に面と向かって大政奉還策そのものに強く反対や激しく非難はしないが、言葉厳しく竜馬の大政奉還策の不備な点、漠然とした所を突いてくる。
さらに時おり穏やかな口調で大政奉還など実現不可能だ、慶喜が大政奉還を行なう訳などないと竜馬の政策の撤回を求めてくる。
それよりも早く一緒に武力総攻撃を行なおうと竜馬に迫ってくる。
竜馬譲らず。「今日内外の情勢を見れば、もはや幕府には大政奉還しか道はない。必ず大政奉還は成される。出兵を急ぐな、内戦の愚を避けよ」 と皆に説く。
西郷、木戸とも竜馬の要請により出兵を保留する。
勿論攻撃、武力倒幕を放棄した訳ではない。西郷の右手が高く上がれば薩摩、長州の兵は一斉に出撃する。土佐も続く。
慶喜が大政奉還建白書を蹴った瞬間、一挙に総攻撃に入る。むしろ大政奉還よりもその方を西郷は待っている。
徳川慶喜の処遇をめぐって連日激論が続く。
竜馬と激論する西郷、大久保はすさまじい形相である。
あまりの凄まじい会談に、一緒にいる京は驚き一瞬にして胃が激痛に襲われた。
■ 竜馬の小説 あらすじ その 3
幕末に着くとすぐに竜馬と京は、イカルス号事件の裁判の為に長崎へと向かった。
長崎に到着すると奉行所でイギリス側を交えて審問が始まった。
完全に海援隊の隊員が犯人扱いである。
審問の途中、証拠もなく推論だけで早く犯人を出せと迫るアーネストを竜馬は笑った。
失礼だと怒るアーネスト・サトウ。
失礼なのはそっちじゃと竜馬はテーブルを激しく叩いた。
後藤はあせった。「竜馬よ、我慢してくれ。何も言うな」
後藤はイギリスと土佐や倒幕側との関係がこじれるのを恐れた。
結局裁判は流れた。
長い裁判の間竜馬と京は小曽根英四郎の屋敷を拠点とした。海援隊の連中も集まった。
小曽根英四郎は長崎に入る貿易品の価格、品質、性能などの説明をし、欧州の工業力が一層向上していると竜馬に注意を促した。
竜馬と京はある日長崎の町や丘を歩いた。
亀山社中、グラバー邸、オランダ坂、出島を訪れた。
丘から眺める長崎の港は美しく二人はいつまでも見続けた。
グラバー邸から港を見ながら京は歌を歌った。長崎の歌だ。
長崎から京都へ戻る途中下関、鹿児島、土佐に寄る。
高知で竜馬は藩の重役達に大政奉還成立に全力を上げるように強く説得した。
いつまでも親徳川ではいけない。逆に情勢判断や時機を誤り薩摩、長州の後をただ付いて行くだけでは、新政府に於いて土佐藩の席はない、と激しく畳を叩いた。
また、すでに政局の最終段階である、万が一の場合には土佐藩も即動けるよう準備をしておくようにと強く述べた。重役達は竜馬の説明に絶句した。
竜馬達二人は桂浜、はりまや橋を見て竜馬の家に行く。
昔の桂浜は一層美しい。五色の石が輝く。実家に親戚、近所の人々、同志が多く集まる。
乙女は弟の帰りを喜んだ。京は乙女と楽しく話す。弟思いの優しい姉だ。
京都に戻った竜馬は西郷、大久保、木戸そして幕府の要人達と大政奉還について何度も会談をした。
危険だ。西郷達は今にも総攻撃をしかねない。
竜馬は必死で西郷達を抑えた。
そして、大政奉還の意義を説いた。何とか西郷達は攻撃を待ってくれた。
しかし、それはあくまでも慶喜がすぐに大政奉還をするという条件でだ。
慶喜が少しでも引き伸ばすようなら待てないと竜馬を睨む。
西郷、大久保、木戸は判断した。自分達の権益、保身のみを考えている幕府が大政奉還をする事など有り得ない、と。
慶喜が大政奉還建白書を拒否した時点で、竜馬、海援隊、陸援隊、土佐の軍を薩長軍に合流させ一挙に幕府を叩き潰す予定だ。
闘将西郷は薩長土の軍勢で短期間に幕府を壊滅できると確信していた。
京の都で竜馬は連日殆ど徹夜である。西郷達と会談している日以外は、机に向かい書物を調べ書類を作成してばかりいる。
忙しくてあまり話もしてくれない竜馬に少し文句を言って、京は土佐藩邸の下女のななとよく京の街を買い物に歩いた。土佐藩の者と知り新撰組が時々絡んでくる。
京の町は美しく、歩く人々の着ている着物は豪華である。
十歳になるななは頭も良く真面目に働く。
京はななの仕事を手伝うが、台所、風呂焚き、料理、洗濯などに悪戦苦闘。時々ななに笑われる。ななに読み書きを教える。
徳川にすれば、日本の発展は徳川幕府を継続しながら進めればいい事である。
現に、フランス、オランダなどから各分野で提案を受け欧米にも既に使節団を派遣し、各国と交流している。
科学、文明、諸制度も取り入れている。日本の発展は幕府を継続しながら十分行える。
大政奉還をして幕府がすべてを失わなければ新しい日本が出来ないというものではない。
幕府はやはり人材は豊富であるし、日常の行政実務に於いても優秀な役人が多い。
幕府が政権から退席したら、日常の行政の実務経験者が居なくなる。
薩摩や長州に全国の行政、財政、外交が出来るのか。そういった経験がない。
却って政治が大混乱になり国益を損なう。心配である。
だが、幕府が新制度を作り新しい政策を実施しようとしても幕府の前に立ちはだかる勢力がある。長州である。そして、このところ薩摩もである。さらに竜馬をはじめとする全国の倒幕の志士集団である。非協力的である。
それどころか総攻撃をかけるという声が聞こえて来る。
もう幕府だけで平穏に政策を実施していくのは不可能となって来た。
かといって公武合体制では上手く行かない。もう古い。
国内外の情勢は大きく動いている。
新しい、幕府主導の各藩による協議体を作らないといけない。早くいい政治体制を創らないといけない。
創ろうとするが上手く行かない。幕府は焦った。
薩長をはじめ全国の藩や朝廷も納得するいい方法はないか。
大政奉還政策が聞かれるようになった頃、幕府の要人宅に知らない武士が何度も訪れるようになった。竜馬である。要人達は一様に驚いた。
後藤と時々来るので土佐藩の要職の者かと思ったが、名前を聞いて驚いた。
竜馬という名は危険人物として幕府の高級官僚、重臣達の間でも有名である。
竜馬は名高い倒幕派の志士だ。しかも、武闘派だ。剣豪と聞く。寺田屋事件の乱闘の事も聞いた。驚くほど豪胆な人物だ。
土佐を脱藩して浪人のまま薩摩、長州を拠点としている。
活動というより、各方面で暗躍している。幕府にすれば困った人物だ。
長崎では浪人のような連中をたくさん集めて海援隊と称して船で商売をし、そこで隊長をやっているという。
武士のくせに商人か船問屋のような事をやったりして変わった男だと重役達は首を傾げた。
薩長同盟を締結させたのも竜馬であると聞く。憎き人物だ。
では、西郷の連絡係として来ているのかと調べると違う。
竜馬が何故、後藤と一緒に居るのか。後藤に聞くと今は土佐藩に戻り大政奉還策に尽力していると言う。
そうか土佐藩の藩士に戻った訳か、それならもう過激な事もするまいと安心した。
だが、竜馬と会談して重臣達は別の驚きに遭遇した。
竜馬の述べる政策の内容のあまりの凄さに要人達は唖然とした。
欧米型の新政府を。憲法、議会、国会、海軍、天皇直属の国軍、中央集権国家、地方・各藩の行政は中央からの長官が、貿易、海運業、科学、産業、経済の発展、教育制度、能力主義、あらゆる面で欧米型の政治・社会体制にして日本を強国とする・・・・などである。
熱弁を振るう竜馬の話の中にはもう幕府など全く存在していない。遥か遠くの高い領域に到達している。
新日本論を述べる竜馬はまるで学者である。
ところがこの竜馬は自分で改革していく実践者だ。机上の論者ではない。
幕府、倒幕側双方を奔走する政治家だ。
さらに、竜馬と話しているとすぐにでも日本がそういった素晴しい国家になるという気がしてくる。驚く。
感心するのは大政奉還後に慶喜公が政府の重要職に就く事に否定的でないという事だ。
薩長方面からの声を聞くと、慶喜公・幕府を追放とか完全壊滅という動きが有る。
後藤や容堂公に聞くと慶喜公の新政権での重要職は保証されると言うが、それは土佐藩が徳川家と親しいからそう言うのである。
竜馬は、保証はしないが慶喜公の重要職は新日本の為に公が尽力・奮闘する限り構わないと述べる。
竜馬によると、肝心の薩長も大政奉還政策は支持していると言う。
薩長が大政奉還政策を支持しているとすれば障害がない。
竜馬の政策だと幕府の発展的解消となる。
新政府で幕府の人材も活躍出来る。
たんなる後藤の付き添いの部下かと思ったら、とんでもない。
大政奉還政策の話を詳しく聞くと後藤よりも遥かに具体的で深い。
大政奉還建白書の真の作成者が竜馬と判明した。
世界に通用する強力な新政府を作るのは幕府も当然真剣に模索している。
だが、妙案が出ない。幕府という巨大な機構をどうするか。
幕府、徳川家だけでなく全国の各藩の存亡、利害という大問題も有る。
家康公以来朝廷から将軍職を賜り日本国を統治して来た。
その間全国の各藩は幕藩体制に大いに協力してくれた。どの藩も各自の領地に於いて領民の為に善き政治を行なってきた。
そういった各藩の新時代に於いての存続を保証しないといけない。
長い間日本の政権担当者であった幕府にはその責任が有る。
薩長のように新政府が出来さえすれば、薩長以外の藩は壊滅しても構わないという暴論は、現政権者として許す訳にはいけない。
政治体制が変わる事は大変な事である。ただ変更すれば良いというものではない。簡単にはいかぬ。
また、どのような政治体制がいいのか。決定出来ない。
さらに新政府を創る時にいったい全国の藩、特に薩長が協力してくれるかという大問題が有る。
その点を竜馬に聞くと、薩長も新政府が出来るのが目的と言う。
薩長も大政奉還には賛成である。何が何でも戦争を好んでいる訳ではないと言う。
そうであるならいい事である。
竜馬の話し振りだと、西郷などの薩長の要人と連日会談をしているようだ。
夏前から薩長の軍がいつ攻撃して来るかと気懸りであった。
気配は有るしいつ攻撃してもおかしくない、だが攻撃して来ない。
竜馬が西郷達を抑えているのだと分かった。
竜馬の言う新政府の創建はあまりにも凄すぎて驚くが、大まかな点では幕府と同じ路線だ。
薩長の政策だと新政府が出来ると徳川は壊滅だ。薩長幕府となる。
そこまで行かなくても薩長主導だ。徳川は政権から除外される。
だが、竜馬の話だと朝廷に英仏のような議会が出来る。そこで、政策が決定される。
政権は天皇に戻るが、実質的な政権者はその議会の議長、若しくは総理大臣だ。
竜馬と話していると、重要職や主要な席に慶喜公が就いても格別問題はないと言う。
但し新政府、新しい日本の為に奮闘する事が条件だと念を押してくる。
そんな事は当然ではないか。徳川家は270年間国政に尽力して来た。
江戸のみならず、全国の村も町も発展して来た。
その間外国と紛争もなく戦争も起こさず、国内に於いては平和であった。
徳川家の誇るべき功績である。朝廷にも誠心誠意尽くして来た。
そう言うと竜馬は、まだ幕府は日本の事よりも幕府の権益を考えていると平然と言った。
失礼な、そんな事はないと怒ったが、幕府以外の者から見ればそう見えるのかも知れない。仕方がない。
今後は大政奉還策を採った方が幕府、徳川にとっても利益が出る。
幕府が消滅するのは権現様に申し訳なく慙愧に耐えないが、世界情勢の急激な変化だ。止むを得まい。
新政府に於いて慶喜公が奮闘し主導権を取れば再び徳川の時代だ。
第一竜馬の目指す新政府に於いては人材が大量に必要となる。
優秀な人材は徳川家に多くいる。慶喜公だけでなく幕府の役人も新政府で活躍するであろう。
竜馬はしきりと海軍や海運事業の重要性を説くが、海軍にしても幕府が全国で軍艦数、人材とも一番豊富だ。海軍に於いても幕府の優秀な人材が活躍出来る。
大政奉還政策を聞いた時、最初は怒ったが竜馬と何度も会談していると、大政奉還こそ幕府が採る唯一の政策と思えて来た。
竜馬の言う通り英仏の政治体制などと比較して、幕藩体制は今や時代遅れで新しい時代には有効に機能しない。
政策を決定するのは優秀な人材の集まる議会というものが最適である。
大政奉還政策自体は幕府内でもかなり以前から検討はされて来た。
竜馬と親しい大久保忠寛、海舟なども提案している。他の重臣達も提案をしている。
だが、あまりにも不可能であるし、敗北の選択と見られて来た。
だが、竜馬の論だと新しい日本の為の必要不可欠唯一の政策である。
大政奉還により日本は生まれ変わり欧米に負けない強国となる。大発展の為の政策だと言う。
竜馬の言う事を聞いているとそう思えてくる。不思議だ。熱弁する竜馬につい引き込まれてしまう。
重臣達は何度も集まり会議をした。
オランダ、イギリス、フランスなどの公使からも意見を聞いた。
国内外の急変する情勢に対応するには、竜馬の言う大政奉還政策が最適であると結論が出た。
板倉、永井など重臣達は慶喜に大政奉還政策を熟慮検討するよう勧めた。
「新しい時代じゃな」 慶喜は静かに言った。
竜馬は気が向くと京を薩摩藩邸での西郷達との会談に連れて行ってくれる。
実物の西郷、大久保などは恐ろしいほど迫力がある。
幕末・維新の超大物西郷達と凄まじく激論。
大久保は大政奉還は不可能だ、早く攻撃しないと機を失うと竜馬に厳しく翻意を促した。
木戸、中岡も大久保に続いて竜馬を攻める。
西郷は黙って大きな目でぐっと竜馬を睨んだ。
大政奉還が成されるか、あるいは駄目かという10月11日、竜馬は必死で西郷達を抑えた。
「大政奉還は必ず成される。あと暫く待って欲しい。慶喜公も聡明な方じゃ。大政奉還の必要性はよく分かっちゅうはずじゃ。内乱は今の日本にとって危険じゃ。幕府はやはり財政、軍備、人員、人材に於いて日本一、簡単に勝てるとは限らん。
御三家、親藩、譜代、さらに徳川家に親しい外様大名も含めた幕府全体が薩長を攻撃するようになったらどうなるか分からん。フランス、オランダに援助を頼んだら危険だ。
劣勢となった幕府全軍が江戸に下がり、さらに会津、仙台、奥州へと下がって行けば終りのない内乱となる。冬となり雪深い東北での戦いは南国の薩摩、長州、土佐には不利じゃ。日本の国土 が田畑、町、物品、人心とも荒れる。
内乱により双方の優秀な人材が亡くなってしまう。産業力、国力が落ちる。財政も破綻する。政権を取ってもその後の財政不足で新政府運営が不可能になる。国力の落ちた日本へ列強がいともたやすく干渉、介入、侵攻して来る。どうするがですか?」
10月13日慶喜が各藩の重臣を二条城に招集した。
いよいよだ。西郷は全軍に攻撃の準備を伝えた。
竜馬と海援隊も近江屋に集結した。変事に備え最新型のライフルが大量に持ち込まれた。
京の都が緊迫に包まれた。
夜近江屋に後藤から急報が入った。
「大政奉還成る」
近江屋が歓声に包まれた。
竜馬も海援隊の連中も京もみんな大喜びした。泣いている者もいる。
竜馬は慶喜の英断を賞賛した。
14日慶喜は朝廷に大政奉還上表文を提出し大政奉還を願い出た。
10月15日朝廷より慶喜に大政奉還勅許の沙汰書が出され、ここに大政奉還は正式に成立した。
この日をもって265年間続いた徳川幕府はもちろん、鎌倉幕府開府以来約680年続いた幕府は消滅した。
新しい時代の扉が開かれた。
翌日竜馬は薩摩藩邸に行き西郷達に会った。
作成した新政府の閣僚名簿を西郷に提出するためだ。
名簿の中に竜馬の名はない。
みんなどういう事だと尋ねた。
竜馬が新政府には入らん、海援隊と一緒にヨーロッパへ行くと言うと西郷達は全員激しく怒った。
これから新政府でやる事は山積している。
議会、憲法、外交、更に幕府解消の後処理、慶喜の処遇、各藩の領地の朝廷への返上、新しい社会制度、産業発展、工業化・・・・。
そういう時に新政府から離れては困る。負担が残りの者に全部かかる。
第一、新政権樹立の一番の功労者が新政府に入らないのでは大問題だ。
西郷が竜馬を睨んだ。
秋晴れの爽やかな日、竜馬は京とななを連れて八坂神社、清水寺などを巡り歩いた。
紅葉鮮やかな京都の山々を見ながら古都の一日を三人は楽しんだ。
貧しい家のななはこんな風に京の都を巡り歩くのは生まれて初めてである。
とても喜んだ。大好きな竜馬や優しい京と一緒で、しかもおはぎやお寿司がいっぱい入ったお弁当まで有る。
南禅寺に着き三人で楽しくおいしい弁当を食べながら、ななは生まれて初めて幸せというものを感じた。
10月下旬、竜馬と京は福井に旅立った。
大物藩主春嶽に早く上洛するように要請した。
また、新政府の最大の懸案である財政、大蔵の任を由利公正に引き受けて貰う事も要請した。
財政が上手く行かなければ新政府は即座に崩壊だ。
信じられない事だが新政府に財源は全く無い。
竜馬は困った。
由利しかいない。
由利は快く引き受けてくれた。
「これで新政府は大丈夫だ」 ほっとして竜馬達は帰途についた。
11月15日となった。
本来なら11月15日は近江屋事件:竜馬暗殺の日である。
その日竜馬と京の二人は土佐藩邸にいた。
京は竜馬に15日は決して藩邸から出ないように言った。
まして、近江屋など絶対行かないように頼んだ。
竜馬は格別気にもしないで、藩邸から出ないと約束してくれた。
京は竜馬に、近江屋事件を逃れて明治時代には大臣などをやって、更に活躍して欲しいと願った。
竜馬は明言した。
「明治になったらすぐ憲法、議会をやらないといけない。急を要する。憲法・議会こそ近代国家の要だ。そして、産業、科学、海運、教育などを発展させる。日本の為に頑張る。新政府が一段落したら、そのあとは海援隊を発展させ海軍、海運事業を強力に行なう。世界の海へ行くんじゃ。」
「そんなにあれもこれも出来ないわ」 京は微笑んだ。
「なあに、憲法、国会さえ済んだら、あとの政治の方は西郷、木戸、大久保さん達にやらせとけばいい。わしは船に乗って海援隊の連中とヨーロッパへ行くんじゃ」
竜馬の目が輝いた。
その後さらに竜馬は明治時代にやるべき事を種々述べた。
そんな竜馬を見て京は心から喜んだ。
竜馬と京は二人して縁側に座り庭の草花を見つめた。
京は心からの幸福を感じた。
・・・・・・・・・以上 あらすじ3 でした。
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■「竜馬がくる~桂浜編」は実録物語ではなく小説ですのでご了承下さい。
小説「竜馬がくる~桂浜編」は簡略編です(300頁)。
本編の「「竜馬がくる~はりまや橋編」(1000頁)よりかなり短くしています。背景などの描写が省略されていて読みづらいと思いますが、大政奉還頃の竜馬の活躍を大いに楽しんで下さい。
◇作者は、 紫 四季 です。
◇大政奉還当時の幕末・維新小説であると同時に青春物語です。
読者は、高校生から28才ぐらいを想定しています。
30才以上の方は自分が25才の竜馬になった気分で読んでみて下さい。
◇文中に登場する人物、団体、大竜馬祭、竜馬保存委員会、大竜馬村などは架空です。
桂浜の波打ち際で小説のように遊ばないで下さい。桂浜は波が非常に荒く危険です。
◇小説の人名は有名な言い方を使用しています。
西郷吉之助、桂小五郎、三岡八郎・・・と書かず、西郷隆盛、木戸孝允、由利公正・・・と幕末明治全体で一般的・有名な言い方を使用しました。
◇官職名、職名等に於いても江戸時代・幕末の、議定、参議、卿、摂政、関白、太政官・・・などをそのまま使わず現代の用語を使っています。 総裁、総理大臣、大臣、内閣と置き換えています。
ただし、現代に同じ内容の役職、名称がない場合も有り正確に置き換えている訳では有りません。
人名、官職名を変えているのは、高校生、中学生などの若い読者も多くいるので読みやすくする為です。
年配の読者の方には逆に読みにくくなると思いますがご容赦下さい。
◆この「竜馬がくる~桂浜編」は「竜馬小論」同様高知、東京で一部配布していますのでお読みになった方が既に何人かいると思います。今回はこのブログでご覧下さい。
前回配布した本を一部手直ししています。
◆「竜馬がくる~桂浜編」 は1999年9月に完成した小説です。
◆この小説には主題歌が15曲有ります。主題歌付の小説です。
桂浜の歌、はりまや橋の歌、長崎の歌、竜馬の歌、「世界の海援隊」「俺は坂本竜馬」「すてきな京都」
「潮風が知っている」「あこがれ」「波はともだち」・・・・などすばらしい歌ばかりです。
これらの歌は大ヒットして日本中を流れるでしょう。
「竜馬がくる~桂浜編」もテレビ・ドラマや映画、舞台となり、多くの人々を感動させる事でしょう。
◆この小説の著作権は、紫四季に有ります。
◆紫四季の小説、小論、あらすじ、歌詞、楽譜、歌、イラスト、写真などには、すべて著作権等が存在致します。無断・複写・配布・引用・レンタル・ネット送信や掲載などはご遠慮下さい。
◆このブログにはいろいろな小説、短編物語、童話、評論などを掲載しています。
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「竜馬と小説と歴史のブログ」館長 ナポレオン
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◆ 竜馬の小説「竜馬がくる~桂浜編」のあらすじ。
作 紫 四季
■ 「竜馬がくる」 あらすじ その 1
竜馬が幕末から現代にやって来て大活躍。
そして、再び幕末に還り大政奉還を成し遂げる。
竜馬が幕末慶応3年1867年の夏、京の三条大橋で雷に打たれ現代の桂浜にやって来た。
突然現代の高知市に来て驚く竜馬。はりまや橋で車や周辺のビルを見て非常に驚く。
桂浜で出会った竜馬の大ファンの美しい少女、楢崎京(ならさき・きょう)やその父楢崎将蔵、家族、海援隊の子孫などに現代の高知、京都、東京などを案内される。
現代で起きた大事件を竜馬が大活躍して解決。
やがて再び竜馬は慶応3年へと還って行く。その時京も一緒について行く。
京都、長崎、土佐などを舞台に大政奉還成立を目指して竜馬の大奮闘が続く。
京も竜馬に寄り添い幕末を駆け巡る。
大政奉還か武力倒幕か。西郷、大久保達と激論。西郷は総攻撃をかける寸前だ。
10月15日、とうとう大政奉還成立。感無量の竜馬。京も喜ぶ。
竜馬は約束した。近江屋事件を避けて明治の時代には一層日本の為に尽くす、と。
京は竜馬と二人で竜馬の作った新しい日本、明治時代を見る事を夢みた。
この小説では竜馬は25才としています。
ヒロインの京は幕末の竜馬の妻、楢崎お龍(おりょう)の生まれ変わりです。
大政奉還、明治維新の小説であると同時に青春ラブ・ストーリーです。
■ 「竜馬がくる」 あらすじ その 2
京の父楢崎将蔵や家族は竜馬が本物である事を周りには秘密にする。
大竜馬祭の竜馬役の人だと説明する。
高知、京都、東京などを案内する。
竜馬はいつか再び幕末へ還れる時の為に現代の科学技術、政治システム、法律、歴史などを研究。京も手伝う。
京は高校3年生。高校は高知城の正面に有る。陸上部に入っている。
父は同じ高校の教師であり剣道部の顧問でもある。
優しい父であるが、道場に入ったとたん鬼になる。大竜馬保存委員会の幹事をやっている。
家族全員竜馬を尊敬している。特に京は友達の間でも有名な竜馬の大ファン。
竜馬はある日京や陸上部のみんなと高知城、はりまや橋、竜馬の生家、五台山、筆山、竜馬記念館、幕末大竜馬村、桂浜などを回る。よさこい祭りも楽しむ。
京の父、長岡、京などと京都、東京へ行き中岡、勝、陸奥などの子孫とも会う。
西郷、大久保、木戸の子孫とも桂浜で会う。京都で竜馬は寺田屋に行きその変わらぬ佇まいに懐かしい顔をする。
酢屋、近江屋と訪れ溜息を漏らす。一行は八坂神社、清水寺も訪れる。
東京では千葉道場跡、江戸城、日本橋、銀座などを見てその変わりよう、大発展に改めて驚く。
首相が竜馬の来ている事を知り高知へ来る。首相は竜馬の大ファンだ。
首相がはりまや橋をパレードしている時テロ団に襲撃される。
竜馬は襲いかかるテロ団から首相を守る。
現代に来て10日ほどした時竜馬は再び幕末へ還れると分かる。京は悲しむ。
みんなに見送られて竜馬は桂浜から再び幕末へと還る。
幕末へ還る竜馬を追いかけ京も幕末へと行く。
ところが竜馬が現代から幕末へ持ち帰った機械、資料、本などはすべて途中で消滅。
違う時代の品物、資料は移動が出来ない。
竜馬の現代の記憶も着いてすぐに完全に消滅。
京の記憶も竜馬ほどではないが殆ど消滅していく。
京はかすかに残った未来の記憶を竜馬に伝えようとするが、未来の事を伝えようとするとどうしても言葉が出てこない。
伝えようとしない時は割と未来の記憶が有るのに、いざ竜馬に伝えようとするとその瞬間記憶がふっとすべて消えてしまう。
何も伝える事が出来ないまま京は竜馬の活躍を見守る。
幕末に還った竜馬は、京を連れて各地を回り倒幕大政奉還実現の為に大奮闘する。
京は幕末の各地の美しさに感嘆する。特に京の都、長崎の美しい港。
土佐へも行き昔の土佐も見て大喜び。竜馬の姉の乙女にも会う。
9月下旬から10月上旬にかけて竜馬は大政奉還実現の為に西郷、木戸さらに幕府の要人などとも会談を重ねる。
幕府の要人は竜馬の話を理解し受け入れの方向へと進む。
だが、逆に西郷、大久保、木戸、中岡達は竜馬の大政奉還策に頑として首を縦に振らない。
皆竜馬に面と向かって大政奉還策そのものに強く反対や激しく非難はしないが、言葉厳しく竜馬の大政奉還策の不備な点、漠然とした所を突いてくる。
さらに時おり穏やかな口調で大政奉還など実現不可能だ、慶喜が大政奉還を行なう訳などないと竜馬の政策の撤回を求めてくる。
それよりも早く一緒に武力総攻撃を行なおうと竜馬に迫ってくる。
竜馬譲らず。「今日内外の情勢を見れば、もはや幕府には大政奉還しか道はない。必ず大政奉還は成される。出兵を急ぐな、内戦の愚を避けよ」 と皆に説く。
西郷、木戸とも竜馬の要請により出兵を保留する。
勿論攻撃、武力倒幕を放棄した訳ではない。西郷の右手が高く上がれば薩摩、長州の兵は一斉に出撃する。土佐も続く。
慶喜が大政奉還建白書を蹴った瞬間、一挙に総攻撃に入る。むしろ大政奉還よりもその方を西郷は待っている。
徳川慶喜の処遇をめぐって連日激論が続く。
竜馬と激論する西郷、大久保はすさまじい形相である。
あまりの凄まじい会談に、一緒にいる京は驚き一瞬にして胃が激痛に襲われた。
■ 竜馬の小説 あらすじ その 3
幕末に着くとすぐに竜馬と京は、イカルス号事件の裁判の為に長崎へと向かった。
長崎に到着すると奉行所でイギリス側を交えて審問が始まった。
完全に海援隊の隊員が犯人扱いである。
審問の途中、証拠もなく推論だけで早く犯人を出せと迫るアーネストを竜馬は笑った。
失礼だと怒るアーネスト・サトウ。
失礼なのはそっちじゃと竜馬はテーブルを激しく叩いた。
後藤はあせった。「竜馬よ、我慢してくれ。何も言うな」
後藤はイギリスと土佐や倒幕側との関係がこじれるのを恐れた。
結局裁判は流れた。
長い裁判の間竜馬と京は小曽根英四郎の屋敷を拠点とした。海援隊の連中も集まった。
小曽根英四郎は長崎に入る貿易品の価格、品質、性能などの説明をし、欧州の工業力が一層向上していると竜馬に注意を促した。
竜馬と京はある日長崎の町や丘を歩いた。
亀山社中、グラバー邸、オランダ坂、出島を訪れた。
丘から眺める長崎の港は美しく二人はいつまでも見続けた。
グラバー邸から港を見ながら京は歌を歌った。長崎の歌だ。
長崎から京都へ戻る途中下関、鹿児島、土佐に寄る。
高知で竜馬は藩の重役達に大政奉還成立に全力を上げるように強く説得した。
いつまでも親徳川ではいけない。逆に情勢判断や時機を誤り薩摩、長州の後をただ付いて行くだけでは、新政府に於いて土佐藩の席はない、と激しく畳を叩いた。
また、すでに政局の最終段階である、万が一の場合には土佐藩も即動けるよう準備をしておくようにと強く述べた。重役達は竜馬の説明に絶句した。
竜馬達二人は桂浜、はりまや橋を見て竜馬の家に行く。
昔の桂浜は一層美しい。五色の石が輝く。実家に親戚、近所の人々、同志が多く集まる。
乙女は弟の帰りを喜んだ。京は乙女と楽しく話す。弟思いの優しい姉だ。
京都に戻った竜馬は西郷、大久保、木戸そして幕府の要人達と大政奉還について何度も会談をした。
危険だ。西郷達は今にも総攻撃をしかねない。
竜馬は必死で西郷達を抑えた。
そして、大政奉還の意義を説いた。何とか西郷達は攻撃を待ってくれた。
しかし、それはあくまでも慶喜がすぐに大政奉還をするという条件でだ。
慶喜が少しでも引き伸ばすようなら待てないと竜馬を睨む。
西郷、大久保、木戸は判断した。自分達の権益、保身のみを考えている幕府が大政奉還をする事など有り得ない、と。
慶喜が大政奉還建白書を拒否した時点で、竜馬、海援隊、陸援隊、土佐の軍を薩長軍に合流させ一挙に幕府を叩き潰す予定だ。
闘将西郷は薩長土の軍勢で短期間に幕府を壊滅できると確信していた。
京の都で竜馬は連日殆ど徹夜である。西郷達と会談している日以外は、机に向かい書物を調べ書類を作成してばかりいる。
忙しくてあまり話もしてくれない竜馬に少し文句を言って、京は土佐藩邸の下女のななとよく京の街を買い物に歩いた。土佐藩の者と知り新撰組が時々絡んでくる。
京の町は美しく、歩く人々の着ている着物は豪華である。
十歳になるななは頭も良く真面目に働く。
京はななの仕事を手伝うが、台所、風呂焚き、料理、洗濯などに悪戦苦闘。時々ななに笑われる。ななに読み書きを教える。
徳川にすれば、日本の発展は徳川幕府を継続しながら進めればいい事である。
現に、フランス、オランダなどから各分野で提案を受け欧米にも既に使節団を派遣し、各国と交流している。
科学、文明、諸制度も取り入れている。日本の発展は幕府を継続しながら十分行える。
大政奉還をして幕府がすべてを失わなければ新しい日本が出来ないというものではない。
幕府はやはり人材は豊富であるし、日常の行政実務に於いても優秀な役人が多い。
幕府が政権から退席したら、日常の行政の実務経験者が居なくなる。
薩摩や長州に全国の行政、財政、外交が出来るのか。そういった経験がない。
却って政治が大混乱になり国益を損なう。心配である。
だが、幕府が新制度を作り新しい政策を実施しようとしても幕府の前に立ちはだかる勢力がある。長州である。そして、このところ薩摩もである。さらに竜馬をはじめとする全国の倒幕の志士集団である。非協力的である。
それどころか総攻撃をかけるという声が聞こえて来る。
もう幕府だけで平穏に政策を実施していくのは不可能となって来た。
かといって公武合体制では上手く行かない。もう古い。
国内外の情勢は大きく動いている。
新しい、幕府主導の各藩による協議体を作らないといけない。早くいい政治体制を創らないといけない。
創ろうとするが上手く行かない。幕府は焦った。
薩長をはじめ全国の藩や朝廷も納得するいい方法はないか。
大政奉還政策が聞かれるようになった頃、幕府の要人宅に知らない武士が何度も訪れるようになった。竜馬である。要人達は一様に驚いた。
後藤と時々来るので土佐藩の要職の者かと思ったが、名前を聞いて驚いた。
竜馬という名は危険人物として幕府の高級官僚、重臣達の間でも有名である。
竜馬は名高い倒幕派の志士だ。しかも、武闘派だ。剣豪と聞く。寺田屋事件の乱闘の事も聞いた。驚くほど豪胆な人物だ。
土佐を脱藩して浪人のまま薩摩、長州を拠点としている。
活動というより、各方面で暗躍している。幕府にすれば困った人物だ。
長崎では浪人のような連中をたくさん集めて海援隊と称して船で商売をし、そこで隊長をやっているという。
武士のくせに商人か船問屋のような事をやったりして変わった男だと重役達は首を傾げた。
薩長同盟を締結させたのも竜馬であると聞く。憎き人物だ。
では、西郷の連絡係として来ているのかと調べると違う。
竜馬が何故、後藤と一緒に居るのか。後藤に聞くと今は土佐藩に戻り大政奉還策に尽力していると言う。
そうか土佐藩の藩士に戻った訳か、それならもう過激な事もするまいと安心した。
だが、竜馬と会談して重臣達は別の驚きに遭遇した。
竜馬の述べる政策の内容のあまりの凄さに要人達は唖然とした。
欧米型の新政府を。憲法、議会、国会、海軍、天皇直属の国軍、中央集権国家、地方・各藩の行政は中央からの長官が、貿易、海運業、科学、産業、経済の発展、教育制度、能力主義、あらゆる面で欧米型の政治・社会体制にして日本を強国とする・・・・などである。
熱弁を振るう竜馬の話の中にはもう幕府など全く存在していない。遥か遠くの高い領域に到達している。
新日本論を述べる竜馬はまるで学者である。
ところがこの竜馬は自分で改革していく実践者だ。机上の論者ではない。
幕府、倒幕側双方を奔走する政治家だ。
さらに、竜馬と話しているとすぐにでも日本がそういった素晴しい国家になるという気がしてくる。驚く。
感心するのは大政奉還後に慶喜公が政府の重要職に就く事に否定的でないという事だ。
薩長方面からの声を聞くと、慶喜公・幕府を追放とか完全壊滅という動きが有る。
後藤や容堂公に聞くと慶喜公の新政権での重要職は保証されると言うが、それは土佐藩が徳川家と親しいからそう言うのである。
竜馬は、保証はしないが慶喜公の重要職は新日本の為に公が尽力・奮闘する限り構わないと述べる。
竜馬によると、肝心の薩長も大政奉還政策は支持していると言う。
薩長が大政奉還政策を支持しているとすれば障害がない。
竜馬の政策だと幕府の発展的解消となる。
新政府で幕府の人材も活躍出来る。
たんなる後藤の付き添いの部下かと思ったら、とんでもない。
大政奉還政策の話を詳しく聞くと後藤よりも遥かに具体的で深い。
大政奉還建白書の真の作成者が竜馬と判明した。
世界に通用する強力な新政府を作るのは幕府も当然真剣に模索している。
だが、妙案が出ない。幕府という巨大な機構をどうするか。
幕府、徳川家だけでなく全国の各藩の存亡、利害という大問題も有る。
家康公以来朝廷から将軍職を賜り日本国を統治して来た。
その間全国の各藩は幕藩体制に大いに協力してくれた。どの藩も各自の領地に於いて領民の為に善き政治を行なってきた。
そういった各藩の新時代に於いての存続を保証しないといけない。
長い間日本の政権担当者であった幕府にはその責任が有る。
薩長のように新政府が出来さえすれば、薩長以外の藩は壊滅しても構わないという暴論は、現政権者として許す訳にはいけない。
政治体制が変わる事は大変な事である。ただ変更すれば良いというものではない。簡単にはいかぬ。
また、どのような政治体制がいいのか。決定出来ない。
さらに新政府を創る時にいったい全国の藩、特に薩長が協力してくれるかという大問題が有る。
その点を竜馬に聞くと、薩長も新政府が出来るのが目的と言う。
薩長も大政奉還には賛成である。何が何でも戦争を好んでいる訳ではないと言う。
そうであるならいい事である。
竜馬の話し振りだと、西郷などの薩長の要人と連日会談をしているようだ。
夏前から薩長の軍がいつ攻撃して来るかと気懸りであった。
気配は有るしいつ攻撃してもおかしくない、だが攻撃して来ない。
竜馬が西郷達を抑えているのだと分かった。
竜馬の言う新政府の創建はあまりにも凄すぎて驚くが、大まかな点では幕府と同じ路線だ。
薩長の政策だと新政府が出来ると徳川は壊滅だ。薩長幕府となる。
そこまで行かなくても薩長主導だ。徳川は政権から除外される。
だが、竜馬の話だと朝廷に英仏のような議会が出来る。そこで、政策が決定される。
政権は天皇に戻るが、実質的な政権者はその議会の議長、若しくは総理大臣だ。
竜馬と話していると、重要職や主要な席に慶喜公が就いても格別問題はないと言う。
但し新政府、新しい日本の為に奮闘する事が条件だと念を押してくる。
そんな事は当然ではないか。徳川家は270年間国政に尽力して来た。
江戸のみならず、全国の村も町も発展して来た。
その間外国と紛争もなく戦争も起こさず、国内に於いては平和であった。
徳川家の誇るべき功績である。朝廷にも誠心誠意尽くして来た。
そう言うと竜馬は、まだ幕府は日本の事よりも幕府の権益を考えていると平然と言った。
失礼な、そんな事はないと怒ったが、幕府以外の者から見ればそう見えるのかも知れない。仕方がない。
今後は大政奉還策を採った方が幕府、徳川にとっても利益が出る。
幕府が消滅するのは権現様に申し訳なく慙愧に耐えないが、世界情勢の急激な変化だ。止むを得まい。
新政府に於いて慶喜公が奮闘し主導権を取れば再び徳川の時代だ。
第一竜馬の目指す新政府に於いては人材が大量に必要となる。
優秀な人材は徳川家に多くいる。慶喜公だけでなく幕府の役人も新政府で活躍するであろう。
竜馬はしきりと海軍や海運事業の重要性を説くが、海軍にしても幕府が全国で軍艦数、人材とも一番豊富だ。海軍に於いても幕府の優秀な人材が活躍出来る。
大政奉還政策を聞いた時、最初は怒ったが竜馬と何度も会談していると、大政奉還こそ幕府が採る唯一の政策と思えて来た。
竜馬の言う通り英仏の政治体制などと比較して、幕藩体制は今や時代遅れで新しい時代には有効に機能しない。
政策を決定するのは優秀な人材の集まる議会というものが最適である。
大政奉還政策自体は幕府内でもかなり以前から検討はされて来た。
竜馬と親しい大久保忠寛、海舟なども提案している。他の重臣達も提案をしている。
だが、あまりにも不可能であるし、敗北の選択と見られて来た。
だが、竜馬の論だと新しい日本の為の必要不可欠唯一の政策である。
大政奉還により日本は生まれ変わり欧米に負けない強国となる。大発展の為の政策だと言う。
竜馬の言う事を聞いているとそう思えてくる。不思議だ。熱弁する竜馬につい引き込まれてしまう。
重臣達は何度も集まり会議をした。
オランダ、イギリス、フランスなどの公使からも意見を聞いた。
国内外の急変する情勢に対応するには、竜馬の言う大政奉還政策が最適であると結論が出た。
板倉、永井など重臣達は慶喜に大政奉還政策を熟慮検討するよう勧めた。
「新しい時代じゃな」 慶喜は静かに言った。
竜馬は気が向くと京を薩摩藩邸での西郷達との会談に連れて行ってくれる。
実物の西郷、大久保などは恐ろしいほど迫力がある。
幕末・維新の超大物西郷達と凄まじく激論。
大久保は大政奉還は不可能だ、早く攻撃しないと機を失うと竜馬に厳しく翻意を促した。
木戸、中岡も大久保に続いて竜馬を攻める。
西郷は黙って大きな目でぐっと竜馬を睨んだ。
大政奉還が成されるか、あるいは駄目かという10月11日、竜馬は必死で西郷達を抑えた。
「大政奉還は必ず成される。あと暫く待って欲しい。慶喜公も聡明な方じゃ。大政奉還の必要性はよく分かっちゅうはずじゃ。内乱は今の日本にとって危険じゃ。幕府はやはり財政、軍備、人員、人材に於いて日本一、簡単に勝てるとは限らん。
御三家、親藩、譜代、さらに徳川家に親しい外様大名も含めた幕府全体が薩長を攻撃するようになったらどうなるか分からん。フランス、オランダに援助を頼んだら危険だ。
劣勢となった幕府全軍が江戸に下がり、さらに会津、仙台、奥州へと下がって行けば終りのない内乱となる。冬となり雪深い東北での戦いは南国の薩摩、長州、土佐には不利じゃ。日本の国土 が田畑、町、物品、人心とも荒れる。
内乱により双方の優秀な人材が亡くなってしまう。産業力、国力が落ちる。財政も破綻する。政権を取ってもその後の財政不足で新政府運営が不可能になる。国力の落ちた日本へ列強がいともたやすく干渉、介入、侵攻して来る。どうするがですか?」
10月13日慶喜が各藩の重臣を二条城に招集した。
いよいよだ。西郷は全軍に攻撃の準備を伝えた。
竜馬と海援隊も近江屋に集結した。変事に備え最新型のライフルが大量に持ち込まれた。
京の都が緊迫に包まれた。
夜近江屋に後藤から急報が入った。
「大政奉還成る」
近江屋が歓声に包まれた。
竜馬も海援隊の連中も京もみんな大喜びした。泣いている者もいる。
竜馬は慶喜の英断を賞賛した。
14日慶喜は朝廷に大政奉還上表文を提出し大政奉還を願い出た。
10月15日朝廷より慶喜に大政奉還勅許の沙汰書が出され、ここに大政奉還は正式に成立した。
この日をもって265年間続いた徳川幕府はもちろん、鎌倉幕府開府以来約680年続いた幕府は消滅した。
新しい時代の扉が開かれた。
翌日竜馬は薩摩藩邸に行き西郷達に会った。
作成した新政府の閣僚名簿を西郷に提出するためだ。
名簿の中に竜馬の名はない。
みんなどういう事だと尋ねた。
竜馬が新政府には入らん、海援隊と一緒にヨーロッパへ行くと言うと西郷達は全員激しく怒った。
これから新政府でやる事は山積している。
議会、憲法、外交、更に幕府解消の後処理、慶喜の処遇、各藩の領地の朝廷への返上、新しい社会制度、産業発展、工業化・・・・。
そういう時に新政府から離れては困る。負担が残りの者に全部かかる。
第一、新政権樹立の一番の功労者が新政府に入らないのでは大問題だ。
西郷が竜馬を睨んだ。
秋晴れの爽やかな日、竜馬は京とななを連れて八坂神社、清水寺などを巡り歩いた。
紅葉鮮やかな京都の山々を見ながら古都の一日を三人は楽しんだ。
貧しい家のななはこんな風に京の都を巡り歩くのは生まれて初めてである。
とても喜んだ。大好きな竜馬や優しい京と一緒で、しかもおはぎやお寿司がいっぱい入ったお弁当まで有る。
南禅寺に着き三人で楽しくおいしい弁当を食べながら、ななは生まれて初めて幸せというものを感じた。
10月下旬、竜馬と京は福井に旅立った。
大物藩主春嶽に早く上洛するように要請した。
また、新政府の最大の懸案である財政、大蔵の任を由利公正に引き受けて貰う事も要請した。
財政が上手く行かなければ新政府は即座に崩壊だ。
信じられない事だが新政府に財源は全く無い。
竜馬は困った。
由利しかいない。
由利は快く引き受けてくれた。
「これで新政府は大丈夫だ」 ほっとして竜馬達は帰途についた。
11月15日となった。
本来なら11月15日は近江屋事件:竜馬暗殺の日である。
その日竜馬と京の二人は土佐藩邸にいた。
京は竜馬に15日は決して藩邸から出ないように言った。
まして、近江屋など絶対行かないように頼んだ。
竜馬は格別気にもしないで、藩邸から出ないと約束してくれた。
京は竜馬に、近江屋事件を逃れて明治時代には大臣などをやって、更に活躍して欲しいと願った。
竜馬は明言した。
「明治になったらすぐ憲法、議会をやらないといけない。急を要する。憲法・議会こそ近代国家の要だ。そして、産業、科学、海運、教育などを発展させる。日本の為に頑張る。新政府が一段落したら、そのあとは海援隊を発展させ海軍、海運事業を強力に行なう。世界の海へ行くんじゃ。」
「そんなにあれもこれも出来ないわ」 京は微笑んだ。
「なあに、憲法、国会さえ済んだら、あとの政治の方は西郷、木戸、大久保さん達にやらせとけばいい。わしは船に乗って海援隊の連中とヨーロッパへ行くんじゃ」
竜馬の目が輝いた。
その後さらに竜馬は明治時代にやるべき事を種々述べた。
そんな竜馬を見て京は心から喜んだ。
竜馬と京は二人して縁側に座り庭の草花を見つめた。
京は心からの幸福を感じた。
・・・・・・・・・以上 あらすじ3 でした。
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■「竜馬がくる~桂浜編」は実録物語ではなく小説ですのでご了承下さい。
小説「竜馬がくる~桂浜編」は簡略編です(300頁)。
本編の「「竜馬がくる~はりまや橋編」(1000頁)よりかなり短くしています。背景などの描写が省略されていて読みづらいと思いますが、大政奉還頃の竜馬の活躍を大いに楽しんで下さい。
◇作者は、 紫 四季 です。
◇大政奉還当時の幕末・維新小説であると同時に青春物語です。
読者は、高校生から28才ぐらいを想定しています。
30才以上の方は自分が25才の竜馬になった気分で読んでみて下さい。
◇文中に登場する人物、団体、大竜馬祭、竜馬保存委員会、大竜馬村などは架空です。
桂浜の波打ち際で小説のように遊ばないで下さい。桂浜は波が非常に荒く危険です。
◇小説の人名は有名な言い方を使用しています。
西郷吉之助、桂小五郎、三岡八郎・・・と書かず、西郷隆盛、木戸孝允、由利公正・・・と幕末明治全体で一般的・有名な言い方を使用しました。
◇官職名、職名等に於いても江戸時代・幕末の、議定、参議、卿、摂政、関白、太政官・・・などをそのまま使わず現代の用語を使っています。 総裁、総理大臣、大臣、内閣と置き換えています。
ただし、現代に同じ内容の役職、名称がない場合も有り正確に置き換えている訳では有りません。
人名、官職名を変えているのは、高校生、中学生などの若い読者も多くいるので読みやすくする為です。
年配の読者の方には逆に読みにくくなると思いますがご容赦下さい。
◆この「竜馬がくる~桂浜編」は「竜馬小論」同様高知、東京で一部配布していますのでお読みになった方が既に何人かいると思います。今回はこのブログでご覧下さい。
前回配布した本を一部手直ししています。
◆「竜馬がくる~桂浜編」 は1999年9月に完成した小説です。
◆この小説には主題歌が15曲有ります。主題歌付の小説です。
桂浜の歌、はりまや橋の歌、長崎の歌、竜馬の歌、「世界の海援隊」「俺は坂本竜馬」「すてきな京都」
「潮風が知っている」「あこがれ」「波はともだち」・・・・などすばらしい歌ばかりです。
これらの歌は大ヒットして日本中を流れるでしょう。
「竜馬がくる~桂浜編」もテレビ・ドラマや映画、舞台となり、多くの人々を感動させる事でしょう。
◆この小説の著作権は、紫四季に有ります。
◆紫四季の小説、小論、あらすじ、歌詞、楽譜、歌、イラスト、写真などには、すべて著作権等が存在致します。無断・複写・配布・引用・レンタル・ネット送信や掲載などはご遠慮下さい。
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「竜馬と小説と歴史のブログ」館長 ナポレオン
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■竜馬小論「竜馬はハイテク人間」 紫四季 [・・・・竜馬の評論]
.
※この頁には竜馬小論が10作ほど掲載されています。
⇒ 1.「竜馬は最先端 竜馬はハイテク人間 ハイテク集団海援隊」
「竜馬は未来志向人間」
2.「竜馬は偉大な教育者」
3.「海援隊と榎本武揚の蝦夷共和国との比較、竜馬と榎本武揚」
4.「大政奉還建白書は船中八策の模写」
これは、
「後藤象二郎は・・・」 「後藤、容堂、土佐藩は・・・」
「何度見ても船中八策と・・・」 「大政奉還建白書の発案・・・」
「竜馬の船中八策は・・・・」 の五作連続の合計です。
5.「竜馬は自由人」
6.『大政奉還建白書とは、すなわち船中八策」
7.竜馬の有名な写真
8.「竜馬小論の各項目タイトル」
などです。
■竜馬小論です。
.
幕末、蒸気船やライフルなどの欧米の近代機械・兵器をらくらくとこなした龍馬は日本有数のハイテク人間。海援隊も同様にハイテク集団。
そのハイテク人間龍馬が日本を変えてしまった。
維新の真の英雄坂本龍馬の評論です。どうぞご覧下さい。
■ 竜馬小論
竜馬は最先端人間
ハイテク人間竜馬 ハイテク集団海援隊
紫 四季
竜馬はハイテク人間だ。海援隊もそうだ。
実は、この「ハイテク」「最先端」というのが竜馬の大きな武器だった。
軍艦、船、武器の最先端にいた。
これは、激動の政局で竜馬が先頭に躍り出る大きな武器だった。
幕末多くの志士、政治家が居た。だが、この、軍艦、船、武器などの最先端技術に苦労した、不得意だった。
みんな竜馬に水をあけられた。いつの時代も最先端技術をこなせる人物は貴重だ。
論語などの漢籍、つまり中国語の学問に弱い竜馬だったが、逆に欧米の軍艦、船舶、ライフル、機関銃、大砲、最新兵器などハイテク関係は日本トップ・クラスであった。
中国語よりも英語型だった。
東洋型でなく欧米型だった。
さらに、竜馬は近代思想の面でも最先端だった。
江戸時代、封建制、幕藩体制の社会の中に居て近代議会制国家・近代社会制度を理解できる政治思想面での最先端人間だった。
また、その近代国家を自分で創建していく事が出来る政治活動面での最先端人間だった。
竜馬の「ハイテク」「最先端」、これが大きな特色だ。
日本に当然竜馬よりも学問的に優秀な人物はたくさんいた。
だが、そういった人々は殆ど、思想、生き方、哲学、基盤、その人の世界が封建社会、江戸時代、武士社会、幕藩体制にどっぷり漬かっていて、その世界での完全な生活者だ。
その世界を取り囲んでいる大きな壁から飛び出た思考、生き方をどうしても出来ない。
壁の外の考えを知る事がない。
壁の外に世界が有るなどと想像もしない。
竜馬は、そういった強固な壁を非常に簡単に超えて行った。
壁の向こうの新しい世界へ行ってしまった。
思想面でも時代の先頭を進んでいく「最先端」人間だ。
殆どの人々は竜馬が壁を壊して通路を造ったのに、まだその通路を進む事すら出来ない。
頭も体全体もどっぷりと完全に封建社会、江戸時代、武士社会、幕藩体制に漬かりきっていて、頭が古い時代のままなので、次の時代へ足が進まない。
笑ってはいけない。実は、優秀な人々でも殆どがそうなのである。
学問は優秀なのだが、思想や人生観がどうしても新しい時代に切り替わらない。
永遠に江戸時代のままの思考なのだ。
いつの時代もこういった人々は多い。
勿論、竜馬のあとをすぐさまついて行った人もいる。
そういった人は、新しい時代を果敢に変えていった。
竜馬は時代を進んでいく人々の最先端にいた。
この進み方が大きな武器だ。
政治思想、政治活動、海運事業、船舶・航海技術、すべての面に於いて竜馬は「最先端」にいた。
「ハイテク」「最先端」、竜馬の大きな武器であった。
■ 竜馬のハイテク技術をみんなは必要とした。
紫 四季
竜馬が多くの人と懇意になる事が出来る理由は人柄だけではない。
竜馬が持つハイテク技術だ。軍艦、武器、最新器械の操作に堪能であった事が竜馬の大きな武器だ。
また、貿易会社海援隊に竜馬のようなハイテク人間を多数抱えている。
竜馬と海援隊のハイテク技術を多くの人々は必要とする。
政治力も抜群だ。海外政治体制の知識も豊富だ。
当時に於いて竜馬のこういった知識、政治能力が西郷、木戸、後藤などから必要とされた。
■ 「竜馬小論」 竜馬は未来志向人間
紫 四季
孔子が生まれたのは紀元前551年だ。
幕府が唯一最高の学問とした朱子学が完成したのは竜馬の時代より500年も昔だ。
つまり、江戸時代の武士は2400年もの大昔の孔子を尊敬し、論語に傾倒しひたすらその習得に努めた。
そして、寛政異学の禁以降いっそう重点的に朱子学の精神を叩き込まれた。
論語や朱子学を丸暗記する事に全力をあげた。現代の受験生が問題集の解答を丸暗記するのと同じように。
孔子は確かに偉人だ。
論語には多くの鋭い人生訓が有る。
江戸時代の武士にとってそれらを学ぶ事は意義有る事だった。
しかし、それだけでは進歩というものがない。
多くの江戸時代の武士が大昔の孔子を模倣する事に全力をあげている時に、竜馬は西洋の近代兵器、船舶、機械、航海術、海運業、商取引、新しい事業スタイル:株式会社、海軍、政治思想などを学んでいった。
そして、完璧に習得していった。
さらに、日々の商取引、グラバーなど外人商人との駆け引きの中で実践的な事業経営スタイルを完成させていった。
さらに、長崎に入って来るたびに日毎に新型となっていく種々の最新兵器や機械をこなしていった。
竜馬は自分自身で亀山社中:海援隊というハイテク集団・新スタイル海運業を創めた。
竜馬の生き方は過去の孔子の書物を丸暗記するよりも、最新の欧米の機械、船舶、兵器を即座に習得していく現在進行形だった。
いや、急速な進化発展型だった。
また、新しい近代政治思想を即座にこなしていく新時代型だった。
江戸時代ほとんどの武士が大昔の孔子の書物を丸暗記し紀元前551年への過去回帰型・現状維持安住型だった。
だが、竜馬は違った。
竜馬は激動の時代を駆け巡りひたすら未来に向かって疾走して行った。
竜馬は立ち止まって過去を振り返る事などしない。
今の自分の位置で停滞しない。
竜馬はひたすら前に進む。
竜馬は未来志向の人間だ。
2007.2.12.
■竜馬小論 「竜馬は偉大な教育者」
紫 四季
竜馬は教育者である。偉大な人物を多く育てている。
竜馬というと薩長同盟、大政奉還を成立させた事で有名である。
また、海援隊を率い海運事業を行なった事も賞賛されている。
幕末の英雄として多くのファンがいる。
ところが教育者として竜馬を取り上げる人はいない。
幕末優れた教育者としては吉田松陰が有名である。
久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文など多くの人材を育てた。
だが、竜馬も多くの人材を育てている。
竜馬は海援隊で陸奥、中島、石田、長岡、野村、白峰、新宮などを育てている。
明治時代に日本国は幕末欧米列強と締結した不平等条約の改正に非常に苦労をした。
多くの政治家、外交官が試みたが悉く失敗している。
名政治家井上馨だけでなく幕末明治において最優秀と言われた大隈重信も失敗している。
その不平等条約改正を行ったのは竜馬の弟子である海援隊隊員陸奥宗光である。
また、1890年明治23年に国会が開催された。近代国家日本国念願の国会である。
その国会の初代衆議院議長は海援隊隊員中島信行である。
明治になり自由を求める国民により民権運動が盛んになった。自由党が結成された。日本初の政党である。その初代副党首が中島信行である。
そのほかの海援隊隊員も全員明治時代に政界、実業界、海軍などで活躍をした。
竜馬は多くの逸材を育て世に送り出している。
優れた教育者である。教育者竜馬という事を忘れてはいけない。
偉大なり竜馬。
※余談だが陸奥宗光は伯爵となった。
竜馬の弟子の陸奥宗光でさえ伯爵である。
ならば陸奥の先生である竜馬はそれよりも遥かに上である。
この点を見ても竜馬の偉大さが分かるのである。
※著作権者から掲載の許可を得ています。
無断転載複写配布掲載禁止です。
2005.9.7. ナポレオン
■ 海援隊と榎本武揚の蝦夷共和国との比較、竜馬と榎本武揚
紫 四季
榎本武揚は蝦夷共和国を独立させて世界に認めさせようとした。
もちろんそういった事を実行しようとした榎本は非常に優秀だ。
欧米の近代法律に精通している榎本であるからこそ実現寸前だったのである。
上手く行けば英仏米蘭露などから承認を得るところだった。
素晴しく優秀で実行力もある。凄い。
世界に対して行なった蝦夷共和国独立宣言という高度な行動・方法をかなりの人々が賞賛している。
だが、根本的におかしい。
僅か数千人の兵士によって建国された蝦夷共和国が世界から独立国として承認されたとしよう。
素晴しい、などと喜んではいけない。
そのあと、他国に、例えば、すぐロシアに蝦夷共和国を武力侵略されて蝦夷共和国、つまり、北海道がロシアの領土となったらいったいどうするのか。
独立国として世界に承認された蝦夷共和国がロシアに軍事占領されても日本国はどうする事も出来ない。
僅か数千人の兵士しかいない国を軍事占領する事ぐらいロシアなどの国にすれば非常に簡単な事だ。
蝦夷が日本の領土ならロシアも迂闊に攻めて来ない。
また、蝦夷、北海道にロシアが攻めて来ても日本は当然戦う権利がある。
ロシアと戦争などしなくても比較的友好的であるフランスやイギリスから協力を得て、ロシアに厳重に抗議をしてもらい、結果ロシアを退散させる事は容易である。
当時、フランスは日本、特に幕府とは割と友好的であった。
また、イギリスはロシアが東南アジアで勢力を伸ばすのを快く思っていなかった。
ロシアの力は当時まだ弱く英仏はロシアなど及びもつかない強国であった。
しかし、蝦夷が独立国となってしまえば蝦夷共和国がロシアに支配されるのは、蝦夷共和国とロシアとの二国間の政治問題となるのである。
日本国にとって取り返しのつかない事となっていたのである。
ロシアでなくて、ドイツ、アメリカ、英仏蘭でも同じ事だ。
蝦夷共和国建国をしようとした榎本は恐ろしく優秀である。
だが、上記のように非常に危険な行為であった。
榎本は竜馬の内乱を避ける必死の船中八策、大政奉還政策の理念を全然理解していない。
竜馬と榎本武揚、比較してみると竜馬の方がやはり大局観、時代・国家を見る目に於いて遥かに勝る。
榎本は以前から北海道に蝦夷共和国を、と真剣に目指していた訳ではない。
鳥羽伏見の戦いで薩長土によって幕府が武力敗退して、その時点の薩長土憎さの感情や徳川幕府存続という時代遅れの考えで、突如、海舟や慶喜必死の恭順策を嫌い蝦夷へ脱走しただけである。
江戸より西の方は薩長土に完全に支配されている。
逃げて行く先が蝦夷しか無かっただけの事である。
本来強力な幕府を目指していた榎本が、逃げて行った先で仕方なく蝦夷共和国を突如建国宣言しただけの事である。
竜馬は日本に欧米型の統一近代国家を創建しようと生命を省みず長年奔走・大奮闘してきた。
だが、榎本は格別長年蝦夷共和国を建国しようと願っていた訳ではなかった。
行き当たりばったりの蝦夷共和国建国宣言であった。
また、榎本について行った部下達は日本の将来を願って行動を共にしたのであろうか。
榎本同様幕府敗退の口惜しさから、幕府復活を夢見て蝦夷へと向かっただけの事である。
海援隊は近代日本の完成を目指し日々活動してきた。
特に強力な海国日本を夢見て竜馬と共に命を賭けてきた。
日本の将来・方向・必要性を正確に知り何年間も日夜奮闘し続けた海援隊は立派である。
海援隊の目指していた事は明治早々実現し大きな成果となった。
竜馬と海援隊の行なってきた事は海国日本の大きな礎石・基盤となったのである。
海援隊の業績、その後の日本に対する成果を見る時素晴しいものがある。
榎本の蝦夷共和国とは桁違いである。
竜馬は若い頃から、蝦夷を開拓しようとしていた。
蝦夷に多くの浪人などを大量に送り込もうと具体的に計画して実行できる状態であった。
蝦夷の可能性を早くから熟知していた。
榎本は格別若い頃から、蝦夷を開拓しようとしていたわけではなかった。
優秀榎本が幕末に採るべき行動は、大政奉還成立後速やかに、新政府・日本の為に自分が欧州で得た先進技術・思想を生かす事であった。
だが、現実に大政奉還成立後榎本のとった行為は、幕府存続,幕府主導の新政府である。従来の姑息な幕閣となんら変わらない。困ったものである。
竜馬のように土佐藩や倒幕派、自分自身の利益も考えず、ただひたすら新しい日本の発展のみを願う純粋な気持と大きな違いだ。
竜馬・海援隊と榎本武揚・蝦夷共和国とを比較してみると、やはり竜馬・海援隊の方が数段上だ。
榎本武揚は大きなミスを犯した。蝦夷を独立国家として外国に認めさせようとした。もちろん、英仏などは認めない。当然だ。
だが、際どい。認めるかもしれないという空気が多少はあった。
もし、各国が榎本の独立宣言を受け入れて蝦夷を正式に独立国として認めていたら大変な事となっていた。
正式に国際的に認められて日本国以外の独立した国となった蝦夷を、ロシア、アメリカ、あるいは、英仏などが大軍で榎本軍をた易く打ち破り占領したら、蝦夷・北海道は外国の領土となる。
そういった事をいったい考えていたのか。
蝦夷独立をしようとした榎本を凄い、やはり優秀であると賞賛する人が多い。
上記の事を十分考えて榎本を賞賛しているのであろうか。
確かに、榎本は頭脳明晰秀才だ。欧州に留学もした。
薩長藩閥政府の明治時代において、旧幕臣、そして、官軍と戦った朝敵の総大将だったというのに明治時代になっても政府に入り大臣として活躍した。
抜群に優秀な人物である。
だが、根本的に間違っているのである。
最後まで滅びゆく幕府に忠誠を尽くして戦った忠臣といった扱いで悲しみを誘い、多くのファンがいるようである。
個人ならそれでいいかもしれない。
だが、政治の上層部、指導層にいる人物はそうであってはならない。
個人の感情よりも国家・社会・国民の事を考えて行動しなければならない。
竜馬を見るとよく分かる。
常に自分や藩、所属する集団の利益よりも日本の事を考えて政治活動をしてきた。
竜馬が個人の権益、個人感情を優先して西郷に遠慮して大政奉還政策を採らなかったら日本はどうなっていたか。
竜馬が土佐藩からいい地位を提供されて重役となり、土佐藩の事を最優先にして動く人間となっていたら、日本はどうなっていたか。
榎本武揚はいつも幕府、徳川家の為に動き、竜馬はいつも新しい日本の為に活動し続けた。
竜馬と榎本武揚の精神を比較した時、いかに竜馬が優れているか良く分かる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
榎本武揚の蝦夷共和国が軍隊を50万人擁する国家であったなら独立してもどこの国からも侵略される事はない。
しかし、3000人ほどの軍隊しかいない「榎本共和国」が世界から承認されていたら、それは、ロシア、あるいは、その他の国に「どうぞ、侵略して下さい。わが国は軍隊はたったの3000人です。」と呼びかけるのと同じである。
幕末日本が英米仏露から簡単に侵略されなかったのはやはり日本国全体で20万人を超える軍隊を擁していたからである。
いくらフランスが小栗や慶喜に好意的であったとか、英国が西郷、小松を気に入っていたとしても日本国体で軍隊が5000人しかいなかったら簡単に植民地となっていたのである。
榎本武揚の行為・方法論は現代なら通用するし立派だ。
しかし、弱肉強食、帝国主義、侵略植民地時代、砲艦外交の当時にあっては「侵略国を自宅に呼び込む」自殺行為であった。
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2005.8.21. ナポレオン
◆「大政奉還建白書は船中八策の模写」
紫 四季
後藤象二郎は優秀である。
竜馬という人物がこれからの日本には重要と理解した。
後藤は同時に竜馬の持つ貿易、船舶、軍艦、兵器、海運、商社などの実務のノウハウも大いに必要とした。
だが、後藤が一番希望したのは、竜馬の持つ倒幕側等の豪華な人脈だ。
西郷、大久保、小松、木戸、あるいは海舟、春嶽、横井小楠・・・・、そういった人物、藩と土佐藩、後藤自身が懇意になる事によって、新政府に於いて土佐は間違いなく主流に入り込む事が出来る。
動きは早かった。たちまち竜馬に接近し意気投合した。
後藤は豪放な性格だ。竜馬を再び土佐藩に引き戻すよりも、土佐藩を竜馬に合わせてしまった。
竜馬が頑として土佐藩に戻らないので、困った末の方法だったかも知れないが、愉快な方法である。
竜馬が大物であるから当然だと言ってしまえば当然だが、なかなか出来る事ではない。
第一土佐藩に於いて倒幕派の竜馬が全面的に支持されている訳ではない。
保守的な連中から見れば、脱藩した勤王党の大物竜馬と手を組む後藤は許せない人物という事になる。
が、後藤はそういった非難など気にもせず竜馬との提携を続けその関係は一層深くなって行った。
西郷や大久保よりも若いが、やはり土佐藩を背負う男である。ただの優秀ではない。
後藤も人物である。
後藤、容堂、土佐藩は幕府の存続を必死で模索した
幕府と薩長間の戦争を回避出来ないか。
つまり幕府の壊滅を防止できないか。
何とか幕府と薩長がうまくやって行けないか。
共同政権を作れないか。
同時に、土佐藩がもう少し政局の重要な位置を占める事が出来るようにならないか。
妙案が出ない。
その時後藤は竜馬から船中八策を示された。
これだ。
後藤は喜んだ。
これで幕府と薩長が戦争をする事なく新政府が出来る。
同時に土佐藩が政局の主流になる事が出来る。
しかも軍事攻撃寸前の薩長も、船中八策、すなわち大政奉還政策を支持してくれるはずだと竜馬は後藤に明言した。
薩長も支持するとは凄い。
これ以上のものは無いと喜んだ。
後藤はすばやく土佐藩全体を動かした。いい手腕をしている。
竜馬が大政奉還政策の為に動くのは当然であるが、後藤も大政奉還政策の理解と支持を得るために精力的に各藩を回った。
すでに竜馬の船中八策、すなわち大政奉還政策を理解した後藤は竜馬の分身の如く大奮闘した。
大政奉還政策を説く後藤に対してどの藩も不可能だと驚いたが、土佐藩がそれほど力を入れるなら反対はしないと一応支持はしてくれた。
難関である薩長は竜馬が必死で頼んだ。
西郷も木戸も怒ったが、盟友であり親友の竜馬に頼まれ仕方なく一応総攻撃は保留してくれた。
ほかならぬ竜馬が推進する大政奉還政策だからしぶしぶ賛成である。
但し、大政奉還など不可能である。いつまでも待てない。慶喜が即座に大政奉還を実行する事が条件だと念を押された。
竜馬の発した船中八策という奇策と後藤の奮闘により土佐藩は幕末の最終段階に於いて先頭に躍り出て最後の大舞台で政局を主導する事となった。
そして、各方面から不可能だと言われ続ける中で大政奉還建白書は慶喜に受理され、即座に朝廷に大政奉還の上表文が提出された。
翌日早くも朝廷に正式に受理された。
大政奉還成立。
倒幕側も幕臣も全国の各藩も、そして、当の竜馬や後藤も驚くあまりにも早い大政奉還成立であった。
慶喜に大政奉還建白書が提出されてから、わずか十日ほどの事である。
信じられない速さであった。
とにかく、この時点に於いて土佐藩は政局の最前列に位置する事となった。
これからの朝廷における議会に於いて必ず対立する薩長と徳川の間に入り、議題、政策を調停しまとめ上げて実施して行く重要な役割を持つ事となった。
いや、上手くいけば主導権を取れる。
更に大政奉還建白書に記載されている近代国家が完成した時には、大政奉還建白書を提出した土佐藩は大きな功績となり、完全に新国家の主流となる。
後藤も容堂も喜色満面となった。
何度見ても船中八策と大政奉還建白書はそっくりである。
どちらも八項目である。
項目数だけではない。
書かれている内容がそっくりなのである。
勿論ご存知のように先に作成されたのは船中八策である。
竜馬が後藤象二郎に渡した船中八策を見て、後藤や容堂達は大政奉還建白書を作成したのである。
後藤や容堂達は大政奉還建白書を作成する時に、国家の重要基本項目として、徴税、財政、国境、交戦規定、前政権者の処遇、産業発展、社会制度、科学文明の海外からの取入れなど、あと五つや六つぐらい追加しても良さそうなものであった。
時間も十分に有ったのである。
しかし、増える事なく八項目のままであった。
名君と世に知られた容堂公と優秀後藤の二人をもってしても、船中八策以上の建白書は作成できなかった。
いかに竜馬の船中八策が当時のレベルを超えた高度な政策書であったかが理解できる。
大政奉還建白書の発案・作成は後藤の功績か?
「大政奉還建白書の発案及び作成は土佐藩が主導して始めた。
主力は後藤象二郎である。
竜馬はほんの少し参考程度の事を提案しただけだ。
後藤は竜馬の短い荒削りのメモ書き程度の船中八策を軽く参考にして、持ち前の学識と政治能力で高度の大政奉還建白書を完成した。
大政奉還建白書は後藤と土佐藩の大きな功績である。」
と、思っていた方は前述をご覧頂ければ、そうではないという事がお分かり頂ける。
竜馬の船中八策は後藤と容堂によって大政奉還建白書となり幕府を消滅させる事となった。
だが、どういう訳か幕末、明治に於いては、いや現代に於いても大政奉還成立は土佐藩と後藤の功績となっているようだ。
大政奉還建白書の真の作成者、大政奉還成立の真の功労者として坂本竜馬の名は、特に、大政奉還直後や明治初期に於いてあまり出なかったようである。
何故であろうか?
大きな理由が有ったのだろう。
だが、歴史は正しく坂本竜馬を評価する。
竜馬の功績を知る事の出来る二つの書類が現代にも残っている。
竜馬の船中八策と土佐藩が作成した大政奉還建白書両方の書類である。
船中八策と大政奉還建白書は同じ八項目、内容が複写したようにそっくりである。
後藤と容堂の書き上げた大政奉還建白書を見れば、竜馬の船中八策の模写であるとすぐに分かる。
※「大政奉還建白書は船中八策の模写」は、
「後藤象二郎は優秀である」と
「後藤、容堂、土佐藩は幕府の存続を必死で模索した」
「何度見ても船中八策と大政奉還建白書はそっくり・・・」
「大政奉還建白書の発案・作成は後藤の功績か?」
「竜馬の船中八策は後藤と容堂によって・・・・・」
の五作の合計です。
重複となりますが、連続すると読みやすくなりますので、
掲載しました。
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2007.1.14. ナポレオン
◆「自由人竜馬」
紫 四季
西郷や木戸、大久保など多くの志士達は武力倒幕・戦争を睨んで活動していた。
西郷や木戸などは政治家であると同時に軍人・武将であった。
多くの志士達は毎日政治家というよりも軍人、戦士といった気構えで倒幕運動をしていた。
だが、竜馬は独特であった。
まるで商人のようであった。
もちろん多くの要人と倒幕や政治的な会談をしている。
だが、それ以外の竜馬を見ると船に乗って商業活動をしている。
竜馬と知らない人がそれを見たら商人と思うであろう。
つまり、小曽根や白石、伊藤のような大商人が倒幕運動をしているのと同じだ。
多くの志士は朝から晩まで武器を持ち常に攻撃する事ばかり考えている。
中岡がいい例だ。
西郷、木戸も同じだ。朝から晩までいつ攻撃の命令を出そうかと考えてばかりいる。
頭の中は戦争の事ばかりだ。
だが、竜馬は全然違う。
武器を運ぶ事も多いが、それ以外は通常の産物・商品を運んでいる。
完全に商人である。
そういった毎日では刀を抜く事もまずない。
刀より算盤を握り英語、オランダ語を話す時間の方が多かったはずだ。
算盤や英語、オランダ語も上手かった事であろう。
商人、実業人といった方がいい竜馬がいざ武力攻撃となれば、米や海産物を港に下ろして代わりに大砲、ライフルを大量に積み込み薩長の兵士も多数乗せて幕府軍に向かっていくのである。
ユニークな倒幕の武士である。
同時に海援隊という集団もユニークな倒幕の集団だ。
倒幕運動の中心にいたが竜馬を武闘派の武士、つまり軍人・戦士だと断定できない。
海援隊という会社を率いて海運業を行い活躍した。
別の角度から見るとまるで商人・実業家のようだ。
陸奥、中島といった後に明治時代に大活躍する大物を育てた。
そのほか多数の海援隊の隊員を育てた。
つまり後年政治家、思想家、軍人、官僚・官吏となる連中を育てた。
優れた教育者である。
竜馬を「教育者」として取り上げる人は殆どいない。
だが、竜馬は実践的な教育者だった。
海援隊は会社でありながら商船大学という学校の側面を持つ。
もちろん竜馬は政治家だ。
新政府創建を目指した。
薩長同盟において見せた竜馬の斡旋能力、交渉術は老練な政治家だ。
大政奉還直後に作成した新政府・明治政府の要職を記載した人事案は抜群である。
竜馬の作成した人事表と明治時代の政府要職一覧表はまったく同じだ。
大政奉還の時点で、明治時代に政府要職に就き活躍する人々を見事に予想している。
竜馬の人を見る目、未来を見通す目は鋭い。
遥か先の時代を的確に見る優れた政治家だ。
船中八策という政策書で大政奉還を成し遂げ日本を大きく変えた。
封建制の日本において劇的に進んだ議会制国家を目指し竜馬自身の手で完成直前だった。
封建制・幕藩体制と竜馬の目指した議会制近代国家を比較すると革命と言える大変化だ。
では、思想家か?
しかし、思想家だと言うとかなり雰囲気が違うと言う人が多い。
では、いったい竜馬は何なのだ?
と、分からなくなってくる。
竜馬は、自由人なのだ。
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2006.11.5.
◆ 海援隊と新撰組
紫 四季
共に幕末同時代の集団だ。
人気が有る。共通点が有るからだろうか?
共に浪人集団である。
藩に属して来た正規の武士集団ではない。
いや、武士集団というより出身が武士でない者が多い。
寄せ集めだ。
その為に同じように考えて比較する人も居る。
倒幕側のヒーローと幕府側の崩壊していく哀しきヒーローとして扱う人もいる。
海援隊と新撰組、比較してみよう。
つづく
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2006.10.19. ナポレオン
■ 大政奉還建白書とは、すなわち船中八策
紫 四季
つまり慶喜は恭しく朝廷に竜馬の船中八策を差し出した。
そして、朝廷もそれを受理した。
日本はこの時大きく変わった。
大砲を撃つ事もなく刀を抜く事もせず、たった一通の書類によって、その瞬間幕府は消滅し歴史は方向を変えた。
一介の浪人の思想が日本の歴史を変えた一瞬である。
竜馬は非常に多彩な面を持つ英雄である。
倒幕派の志士であるが、限りない夢とロマンを持つ海の男。
だが、寺田屋事件に見られるように百人の役人を相手に平然と死闘を演じる千葉道場出の凄まじい剣豪、豪傑である。
ライフルなどの最新兵器を輸入し、兵器や軍艦などの近代機械の操作に堪能なハイテク人間である。
海援隊を率い潮の香りのする政治家、思想家。時代の最先端を行く男だ。
竜馬が求め続けたのは、ただひたすら新しい日本。
たんに幕府壊滅が目的ではなく大きな目標を目指した。
船中八策に有るように議会開設、憲法制定、統一近代国家、能力主義、平等社会、素晴しい日本の大発展である。
権力や名誉も財産も欲しない。
薩長同盟、大政奉還、この二つの内どちらか一つを成し遂げただけでも歴史的偉業であるというのに、何の後ろ盾も持たない浪人である竜馬が両方とも成し遂げてしまった。
凄まじいとか破天荒と言っても表現しきれない。桁外れの政治家であり、思想家である。
誠に坂本竜馬は天才である。
二度と竜馬のような真の英雄は出て来ないであろう。
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2006.8.16.
■ 竜馬の有名な写真
紫四季
上野彦馬が撮った台座にもたれている写真である。
部屋の中で撮った写真だというのに、船の舳先かマストに立って前方の海を見ているように颯爽としている。
右手を懐に入れている。大切な物が入っているのであろう。
いったい何を持っているのか?
法律か海運の本だろう。みんなそう思う。
だが、ピストルである。
腕や手首の角度をじっくり見ればどう見てもピストルである。
本が入っていれば懐は大きく膨らむ。あの頃の本というのは殆ど大きく分厚い。
当時の外国の法律の本が文庫本サイズというのは寡聞にして知らない。
※竜馬の例の写真を見て、懐にはピストルを入れていると断定すると、「そのような事は分からない。確実な歴史の記録や当時の人の日記でピストルを入れていたといった記録が残っていないのに手首の角度だけで断定する事はおかしい。ピストルでなく本でないか。第一写真を撮る時に何故ピストルなど持つ必要があるのか?」と反論が出ると思います。
しかし、腕、手首の角度、懐のふくらみ具合からして間違いなくピストルです。
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ナポレオン
◆竜馬小論
紫 四季
■何故竜馬だけが大政奉還を実現できたのか?
大政奉還は横井小楠の影響を強く受けている。
また、幕府の大久保忠寛なども論を持っていた。海舟も早い段階から幕府の政治では駄目だと西郷に語っていた。
優秀な大隈重信や副島種臣などは論を持つだけでなく大政奉還を建白しようとした。行動に移した。だが、できなかった。見事に失敗した。
結局達成したのは竜馬のみであった。
何故幕末優秀と言われた人々が論を持ちながら、あるいは、実行しようと奔走しながら実現できなかったのか。
そして、何故竜馬だけが実行できたのか。
薩長同盟もそうであるが、竜馬以外に論を持ち推進する人々がいた。
だが、やはり実現できなかった。決裂寸前の土壇場竜馬の登場によりやっと薩長同盟は実現した。
何故竜馬だけが次々と偉業を達成する事が出来るのか?
ご存知のように竜馬は下級武士、郷士である。
西郷や大久保、木戸、小松、高杉のように藩の重臣や幹部でない。地位は低い。いや、全くない。浪人そのものである。
であるのに、偉業を成し遂げてしまう。
その理由は?
つづく
作 紫 四季
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2006.9.22. ナポレオン
■ 竜馬小論
紫四季
■明治の大発展は西郷、大久保、木戸の大奮闘による。
明治になると維新の三傑によって矢継ぎ早に政策・改革が断行された。
そのスピードは予想以上であった。
政権が変わるとこうも国家の進展、改革がダイナミックに実行されるものかと国民は感嘆した。
廃藩置県も西郷の力によって混乱もなく達成された。
予想された何藩かの武力抵抗も起きなかった。
この達成により日本は軍事面でも経済面でも世界と互角に戦える体制が完成した。
完全なる統一中央集権国家の完成は幕末以来多くの志士・政治家達の大目標であった。
政治だけでなく、社会制度、産業、生活水準・・・・とあらゆる面で発展が成された。
総合的な国力は江戸時代よりも桁外れに大きくなった。
西郷、大久保、木戸の三名は私利私欲もなく日夜全精力を傾注して新日本の為に大奮闘した。
多くの後進国のクーデター時の政権打倒者達に見られるように、政権獲得時のドサクサに乗じて莫大な私財を蓄積するという事もなかった。
その気になれば、西郷、大久保、木戸達は明治政府開始早々に、いともたやすく巨額の財産を手に入れる事が出来たのである。
私財を増やす事を三人とも毛頭考えていなかったのである。
ただひたすら国家の大発展を願って大奮闘をした。
日本の明治時代のように世界中で多くの国が、封建制、古びた旧体制、あるいは植民地から新国家へと政変等によって体制が変わった。19世紀に於いても現代に於いても。
だが、意外と日本のように上手く大発展をしていない。
地理的にも時期的にも資源の面からいっても、日本よりも遥かに好条件の国はいくらでも有ったのである。
国家だけではない。大きな集団、事業集団などに於いても同様である。
知識を持った優秀な人材も十分いる。だが、上手くいかない。
何故か?
西郷、大久保、木戸のような凄まじい政治力と高潔な人格の両方を兼ね備えた人物が居ないからである。
西郷、大久保、木戸の三人が今もなお尊敬され続けているのは、その政治能力・手腕によって明治時代を発展させたからだけではない。
優れた人間性により140年後の現代人でも敬服せざるを得ないのである。
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2006.2.14. ナポレオン
■ 大政奉還建白書とは、すなわち船中八策
紫 四季
つまり慶喜は恭しく朝廷に竜馬の船中八策を差し出した。
そして、朝廷もそれを受理した。
日本はこの時大きく変わった。
大砲を撃つ事もなく刀を抜く事もせず、たった一通の書類によって、その瞬間幕府は消滅し歴史は方向を変えた。
一介の浪人の思想が日本の歴史を変えた一瞬である。
竜馬は非常に多彩な面を持つ英雄である。
倒幕派の志士であるが、限りない夢とロマンを持つ海の男。
だが、寺田屋事件に見られるように百人の役人を相手に平然と死闘を演じる千葉道場出の凄まじい剣豪、豪傑である。
ライフルなどの最新兵器を輸入し、兵器や軍艦などの近代機械の操作に堪能なハイテク人間である。
海援隊を率い潮の香りのする政治家、思想家。時代の最先端を行く男だ。
竜馬が求め続けたのは、ただひたすら新しい日本。
たんに幕府壊滅が目的ではなく大きな目標を目指した。
船中八策に有るように議会開設、憲法制定、統一近代国家、能力主義、平等社会、素晴しい日本の大発展である。
権力や名誉も財産も欲しない。
薩長同盟、大政奉還、この二つの内どちらか一つを成し遂げただけでも歴史的偉業であるというのに、何の後ろ盾も持たない浪人である竜馬が両方とも成し遂げてしまった。
凄まじいとか破天荒と言っても表現しきれない。桁外れの政治家であり、思想家である。
誠に坂本竜馬は天才である。
二度と竜馬のような真の英雄は出て来ないであろう。
作 紫 四季
※著作権者から掲載の許可を得ています。
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2006.8.16.
■竜馬小論
紫 四季
■ 竜馬の生誕の碑の文字を書いたのは、大久保利通の孫の夫だ。
竜馬の生誕の碑が高知市内のはりまや橋の近くの上町に有る。
その碑の文字を書いたのは、大久保利通の孫の夫である。
幕末竜馬と共に新日本創建の為に戦ってきた大久保利通の家系の者が竜馬の生誕の碑の文字を書く。何という素晴しい事であろうか。
大久保利通の孫の夫とは内閣総理大臣吉田茂だ。
吉田茂の妻の祖父が大久保利通である。吉田茂の岳父の父が大久保利通である。
岳父とは外相、内大臣などを歴任し大正、昭和初期に活躍した政治家牧野伸顕だ。親英米派である。226事件では襲撃されている。後に伯爵となる。
竜馬と大久保利通は昭和になって再度つながった。
竜馬も明治時代を生きていればその実績、政治能力により、当然西郷や、木戸、大久保などと共に総理大臣をやっていたのである。
総理大臣としての後輩吉田茂が碑の文字を書いたという事である。
明治維新から80年ほど経った頃の事である。
幕末に共に近代国家を目指した二人が、維新後80年経って再びつながった。
大政奉還成立直後無念にも暗殺された竜馬の生誕の碑の文字を、大久保の孫の夫の吉田茂が書いた。
まるで、大久保の気持が子供、孫と伝わり、その夫を動かして碑の文字を書かせたようだ。
多くの人が竜馬の生誕の地を訪れて感動する。
だが、意外と前記の事を忘れていて竜馬の生誕の碑を見る時に大久保利通を思い出さない。
※著作権者から掲載の許可を得ています。
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2005.9.13. ナポレオン
紫 四季
■ 少し竜馬の多彩な面に触れてみよう。
驚くほど多彩な人物である。
一般的には倒幕の志士と呼ばれている。
寺田屋事件では三吉慎蔵と共にたった二人で、包囲する幕府の百人の役人と死闘を演じている。
竜馬らしいところである。剛毅な剣豪だ。
百人に包囲されても悠然としている胆力の有る豪傑である。
竜馬を語る時この寺田屋事件の死闘の印象が大きい。
颯爽と京の町を駆け巡り、幕府の連中と激しく戦いながら倒幕を目指した格好いい勤王の志士、剣豪というイメージが有る。
だが、彼はやはり政治家である。
政策書船中八策を作成し新しい日本の政治、社会を築き上げていく思想家でもある。
薩長同盟を締結させ大政奉還建をも成立させた。
さらに彼は海援隊を率いる潮の香りのする海の男である。世界中の海を駆け巡ろうとしている夢を持つロマンの男でもある。
軍艦、最新兵器、ヨーロッパの新型製品を扱う時代の最先端を進む人物である。
現代で言えばハイテク人間である。
※著作権者から掲載の許可を得ています。
無断転載複写配布掲載禁止です。
2005.9.9. ナポレオン
■竜馬小論
紫 四季
世界を目指す者は海援隊に集まれ。
何という楽しく夢の有る言葉だろう。
身分も藩も問わない。土佐藩でも薩摩でも紀州でもいい、どこの藩でもいい。
武士でも町人でも農民でもいい。
海外に志が有り、船で世界中を駆け巡り貿易をしようと思う者は海援隊に来い。
そう呼びかけている。
海援隊規約にも大きく記載している。
本当に竜馬の夢を実現していくための集団だ。
幕末の動乱期に命をかけて国家の革命を成し遂げようとしている男が、同時にロマンチストさながらに青い 海原を走りヨーロッパへ行こうとしている。
そして、仲間を集めようとする。
驚いた事に多くの仲間が集まって来た。
何という楽しく夢の有る集団だろうか、海援隊は。
何という楽しくロマンの有る人だろうか、坂本竜馬は。
■日本・世界の歴史上多くの英雄・偉人がいる。
しかし、竜馬ほど楽しく夢の有る英雄はいない。
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2005.9.8. ナポレオン
■竜馬小論
紫 四季
■ 薩長同盟成立。大政奉還政策と並ぶ竜馬の偉業である。
竜馬は薩長同盟締結斡旋に於いて、まず犬猿の仲だった薩摩と長州両藩の仲直りをさせた。
両藩には凄まじい憎悪の感情が有った。同盟を結ぶ場合、多少の政策の違いなら何とかなる場合も有る。
しかし、感情的に憎しみあっている時は、無理だ。感情のもつれ、憎悪は理屈、論理ではどうしようもないのである。誠に厄介だ。手に負えない。
政策は同じだが、感情のこじれや憎悪により敵対し反目し仲違いする事は多い。
特に長州は薩摩を激しく憎んでいる。
長州は薩摩と会津の陰謀により朝廷、京都を追われた。七卿落ちとなった。
さらに禁門の変、第一次長州征討とすべて薩摩にやられてきた。
それらの政変・事件で薩摩の主役は常に西郷だった。彼の為に凄まじい苦汁をなめた。
会奸薩賊と恨み続けた。憎し西郷だった。
長州は幕府により処罰を受けたが、むしろ幕府よりも薩摩と戦争をしかねないほど薩摩、西郷を恨んでいた。
長州と薩摩が同盟を締結するような雰囲気など微塵もなかった。
犬猿の仲である両藩の仲を先に友好的な状態にしておかなければ同盟の話し合いすら出来ない。
首尾よく軍事同盟を結んでも感情的な衝突ばかり起きてうまく機能しない。
双方の不信感、疑いの気持も解消しなければいけない。
仲直りさせる事も軍事同盟の締結同様大変であった。
その難事は竜馬の奇策により成功した。
次は薩長同盟という名の倒幕軍事同盟の締結である。
武力倒幕を目指しているが、完全に孤立している長州にとって同盟は得策だが、薩摩は久光の方針が公武合体、公儀政体路線であるから、武力倒幕に藩論が完全に固まっている訳ではない。
西郷、大久保、小松などの藩の首脳陣にすれば場合によっては危険な同盟だ。
長州が何かで自爆すればその巻き添えを食う。その時、西郷、大久保などは一挙に失脚する。
この頃の失脚は場合によっては生命の危険が有る。たんなる辞職、免職ぐらいでは済まない事がある。
まして、西郷は部下からは絶大な信望が有るが久光とは仲が悪い、憎まれている。何度も久光により失脚している。過酷な処罰を受けている。
長州はもう薩摩と同盟するしか道はない。同盟が成立しなかったらあとは藩が消滅するまで尊王精神を持ち続けて幕府と戦っていくだけだ。
しかし、薩摩にすればそのような爆弾を抱えて幕府に向かって行く長州と積極的に同盟をしなくても、自分の藩だけで全国や朝廷内に十分力を持っている。
大藩薩摩は全国でも有数の発言力を持っている。表面的には幕府ともうまくいっている。何も危ない長州を助けるような同盟は不要だ。
むしろ、薩摩だけでやっていった方が確実に政権を取れる。取れなくても主導権を得る事が出来る。日本に於いて徳川の次の位置を占める事が出来る。
名目的には幕府でも実質的には薩摩が政治を動かせる。久光もその方向だ。
長州と同盟をすれば成功した時、その利益を半分取られる。割が合わない。
長州は放っとけば、すぐにでも沈んで行くのである。
それを助けて、しかも上手く行った時には利益を半分も取られる。
よく考えると馬鹿馬鹿しい。薩摩にとってあまり利益にならない。
長州と一緒にやらずに、薩摩だけでやった方が遥かに権力も利益も多く入る。
そういった不利益の有る、対等の同盟というよりも片務条約である薩長同盟を西郷、大久保、小松などを説得して締結させたのであるから、竜馬の手腕の凄さは格別だ。
王政復古宣言、慶喜追放、鳥羽伏見の戦い、戊辰戦争、江戸への総攻撃進軍、江戸城無血開城・・・・、政治家・武将西郷の圧倒的な勝利・活躍と比較して、やや過小に評価する人が多いが、竜馬の薩長同盟成立斡旋は偉業である。
勿論多くの人がやろうと試みた。しかし、竜馬以外では不可能であった。
薩長同盟斡旋を受けて西郷、木戸は何を考えたのか。
竜馬以外の者には不可能であったのに、何故、竜馬だけが成し遂げたのか?
他の者と竜馬と何処が違ったのか?
■竜馬小論
「わずか2年で日本を完全に変えてしまった竜馬。」
紫 四季
薩長同盟成立は1866年初頭。竜馬が満30歳の時である。
前年竜馬は亀山社中、つまり海援隊を結成している。竜馬満29歳の時である。
薩長同盟成立の翌年1867年竜馬は続いて船中八策、すなわち大政奉還建白書を完成した。それにより幕府は消滅した。竜馬が満31歳の時である。
薩長同盟といった政治の表舞台に登場してわずか2年で竜馬は徳川将軍、幕府、江戸時代、幕藩体制、封建社会を消滅させ、日本に新しい時代:明治近代国家の扉を大きく開けた。
誠に竜馬偉大なり。
西郷、木戸、大久保を維新の三傑として人々は賞賛する。
しかし、維新の真の英雄は坂本竜馬である。
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2005.9.3.. ナポレオン
※年齢の事・・・・・・・・・竜馬は1835年11月生まれですから1866年の薩長同盟の年の11月には満31歳となります。しかし、薩長同盟成立時点、1866年初頭には、まだ満30歳でした。
大政奉還成立の慶応三年1867年の11月に満32歳ととなりますが、大政奉還成立は10月です。竜馬が満31歳の時です。
誕生日を過ぎているかどうかで満年齢の数え方が違ってきます。
■ 竜馬は小さい頃劣等生であった?
紫 四季
竜馬の本を見るとどの本にも幼年時代の竜馬をそういうふうに書いてある。
小さい頃は近隣に名が響く秀才ではなかったようである。
それどころか、普通・平凡というよりも劣等生であると書かれた本が殆どだ。どうやら本当らしい。
小さい頃は優秀でなかった。だが、後に偉大な業績を成し遂げたと書かれている。
さて、優秀でなかったと言うが何をもって優秀でないと、また逆に、優秀であると言うのだろうか。
ひたすら漢書、論語、朱子学などを暗記、暗誦するのが得意な者と、そういった二千三百年も大昔の文章などに学問の意義を見出さず意欲を持たない者もいる。
本来はこれからの新しい政治・思想が得意な者に、遥か古代、紀元前の古い論語などの政治の暗記を押し付けてもさほど興味を示す訳がない。
新時代の政治、思想、海運、貿易の授業が始まるまで悠然と待っているのである。
その姿を見て、竜馬は小さい頃優秀でなかったと言うのは正当ではない。
もし、竜馬の幼年期の教育所、塾に於いて海運、貿易、機械、船舶操縦、新しい時代・欧米の政治、思想などの講座が行われていれば即座に最優秀と賞賛されていたのである。
本領を発揮する分野、時期は人により違うのである。
新しい政治・思想、新しい文明の吸収、機械、船舶、貿易の得意な人間が古い論語、朱子学の暗誦に四苦八苦しているからといって頭脳平凡以下なりと判断してしまうのは大いなる過ちである。
その人物の真の優秀な点はどこかと見抜く事が必要だ。
竜馬は機械、物理、理工系であろう。
和歌、詩、論語、漢書、文章暗記の文科系ではない。大器晩成型だ。
話がそれて申し訳ないが、幼年、小学期の勉強は素早く覚えてすぐ答える授業中心。
利発な暗記・算数型の子供が有利である。
物事の本質をじっくりと考える物理、政治、数学系の子供は不利である。
暗記が素早く得意で利発な子が悪いといっているのではない。先生の言った事を即座に飲み込み覚えてその通り行なうといういい面が有る。
ただそういった利発な目立つ子供の陰に隠れて、じっくりと物の本質を時間をかけて自分の頭脳で考えるタイプの子供が目立たなくなる危険がある。
場合によっては自分自身の考え方で時間をかけてじっくりと独創的な答えを探している子供が、物覚えが遅い、理解が遅い、教えた事と違ったやり方や答えを言って来るおかしな子供だ、みんなと異なった考えを持っている変った子供であるなどと見なされてしまう。
あるいは先生が教えた事と違ったやり方で答えや解決策を持って来る先生にとっては面倒で困った生徒、時には先生が言った通りにしない生意気な生徒として先生から嫌われる。
混迷の時代にはこれから社会・国家が進むべき道を教えてくれる先生は居ない。
当然暗記得意の利発な秀才は方向が分からず、右往左往するばかりとなる。
自分の頭脳で時間をかけて情勢を見極め最善の道を進まねばならない。
真の優秀が必要となる。
激動・混乱の時代には必ずそういった人物が後方から登場し、平凡な秀才達を押しのけて先頭に躍り出て来るのである。
竜馬はまさしく混迷の時代の優駿である。
大器晩成の子供は早熟・利発な子供の陰に隠れてしまう。この点に要注意である。
意外な事であるが、歴史に名を残す偉人のうちかなりの人が子供時代に平凡とみなされて四苦八苦している。気をつけなければいけない。
また、いくら優駿と言っても狭い柵に閉じ込めていてはその速さは分からない。
狭い柵を飛び出し広大な原野に出て初めてその疾走する速さに気づくのである。
竜馬は土佐を飛び出て江戸へ行き、さらに薩摩、長州、神戸、福井、長崎、京都と各地を駆け巡って行く度に徐々に速度を上げていき、やがて激動の幕末を怒涛のように疾走し偉業を次々と成し遂げていったのである。
まさしく混迷の時代を駆け抜けた竜馬(りょうめ)である。
竜馬が幼年時代平凡な子であったという見方は的確ではない。
後年偉業を成し遂げるような人物の幼年時代にはきらめく所が必ず有る。
竜馬の幼年・少年時代の教授陣、周囲の人々はやがて大器となる人物の片鱗に気づかなかった。
迂闊であった。
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2005.6.1. ナポレオン
■ 明治維新の真の英雄、竜馬。
維新の三傑は西郷、木戸、大久保である。誰もが認めている。
では、「維新の真の英雄」は誰か?
坂本竜馬である。
作 紫 四季
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■ 下記は「竜馬小論」の各項目のタイトルです。タイトルのみ掲載。
これらのタイトルを順次当ブログにて掲載予定です。
下記に記載しているタイトルの順番と
竜馬小論に掲載している順番とは違います。
◆ 明治維新の真の英雄は坂本竜馬。
◆ 大政奉還建白書とはすなわち船中八策。
◆ 薩長同盟締結斡旋。竜馬の大政奉還政策と並ぶ偉業である。
◆ 倒幕という事だけを考えれば、この薩長同盟成立により幕府壊滅は・・・・
◆ 少し竜馬の多彩な面に触れてみよう。
◆ 世界を目指す者は海援隊に集まれ。
◆ 日本・世界の歴史上多くの英雄、偉人がいる。
◆ 薩長同盟の後再び竜馬が破天荒な事をやり遂げた。
◆ 竜馬は小さい頃劣等生であった?
◆ 維新に於いて竜馬の活躍は群を抜いている。
◆ 竜馬は凄まじい努力家。
◆ 竜馬は優れた経営者
◆ 大政奉還政策を採らず薩長同盟により総攻撃をかけた場合・・・・
◆ この小論の中では大政奉還建白書と船中八策とは同じもの。
◆ 竜馬の特技
◆ 竜馬のハイテク技術をみんなは必要とした。
◆ 明治の大発展は西郷、大久保、木戸の大奮闘による。
◆ 政治力の落ちた幕府を追放した後、どのような国家なら日本は強国と・・・・
◆ 海援隊と新撰組
◆ 竜馬の生誕の碑の文字を書いたのは、大久保利通の孫の夫だ。
◆ 後藤象二郎は優秀である。
◆ 後藤、容堂、土佐藩は幕府の存続を必死で模索した。
◆ 何度見ても船中八策と大政奉還建白書はそっくりである。
◆ 大政奉還建白書の発案・作成は後藤の功績か。
◆ 竜馬の船中八策は後藤と容堂によって幕府を消滅させる事となった。
◆ 日本のみならず、世界の政権史上に於いてもすばらしき大政奉還。
◆ 慶喜は修正要求もせず大政奉還建白書を受理した。
◆ 船中八策はハイレベルである。
◆ 船中八策を現代人は当然と思うが、当時は革命的な政策だ。
◆ 幕末は軍事力で勝った方が正義という時代
◆ 大政奉還建白書はそれ自体が平和
◆ 大政奉還は成立した。現政権者からも日本中にも支持された。
◆ 大政奉還を検討している幕府の要人の屋敷を竜馬は訪れた。
◆ 言論の勝利である。
◆ 竜馬は言論、思想による政権交代を行なった。
◆ 竜馬の大政奉還建白書はオリジナルではない?
◆ 竜馬の真髄は政治家であり思想家である。
◆ 明治維新の本を見ていると、西郷、大久保、木戸はどの本に於いても・・・・
◆ 何故、大政奉還成立の日の翌日十月十六日が明治初日とならないのか。
◆ 革命とは? 明治維新は革命か?
◆ 戊辰戦争に於いて江戸城に対する攻撃を止めたのは、勝海舟と西郷である。
◆ 戊辰戦争は結局起きた。悲惨な内戦であった。
◆ 勿論、大政奉還政策は慶喜に辞職を要求するだけの政策ではない。
◆ 大政奉還建白書通りの国家となった時に日本は素晴らしくなる。
◆ いったい大政奉還政策とは何か? この凄まじいもの。
◆ 西郷は立派な人間だ。
◆ 竜馬の凄い所。
◆ 西郷、小松など薩摩の人々は何故あれほど、竜馬を応援したのか。
◆ 竜馬はいい人々に恵まれた。
◆ 竜馬は孤独な英雄。
◆ 明治維新の真の英雄竜馬。
◆ 明治時代は竜馬の目指したとおりの時代となったのであろうか。
◆ 竜馬が大政奉還建白書を出さなくてもやがて誰かが出すだろう?
◆ 竜馬の有名な写真が有る。
◆ 桂浜の竜馬の銅像の下に立ち、竜馬を後ろにして遠く太平洋を望めて・・・・
◆ 竜馬像の下で竜馬と同じポーズで海を見ていると気持がいい。
◆ 大政奉還は朝廷と慶喜との高度の契約
◆ 大政奉還は慶喜と朝廷の契約。破棄は許されない。
◆ 大政奉還成立によって明治近代国家は完成した。
◆ 大政奉還が成立し徳川幕府が消滅した。
◆ 竜馬が大政奉還政策を採った理由は。
◆ 西郷達も竜馬の人脈には感心した。
◆ 竜馬が薩長同盟を成立させた事はどの本を見ても大きく評価されている
◆ 江戸時代の終結が大政奉還によって成されたという事は大きい
◆ 大政奉還には、重大な事が三つも入っている。
◆ 竜馬の先見性、柔軟性
◆ 竜馬は超越している。
◆ 倒幕なら薩長同盟だけで十分である
◆ 夢のような大政奉還政策
◆ 慶喜の大政奉還は大英断である
◆ 大政奉還建白書すなわち船中八策はすべてを超越した政策
◆ 薩摩藩家老小松帯刀
◆ 小松帯刀は重要な人物である。
◆ 黒船来航で幕府が狼狽したとよく言われるが、幕府だけの問題であろうか
◆ 竜馬と薩長の間のすれ違い。
◆ 西郷隆盛
◆ 竜馬の凄い点
◆ 竜馬は聞き上手か
◆ 西郷も竜馬の才能には感服
◆ 竜馬の夢、世界の海援隊
◆ 寺田屋事件
◆ 竜馬は好奇心旺盛な科学者のようだ。探検家のようでもある。
◆ 竜馬七不思議
◆ 竜馬は学問に於いて優秀
◆ 竜馬は学問は出来ない?
◆ 竜馬の学問のレベルは日本有数
◆ 竜馬の功績。
◆ 竜馬は、「最先端」人間。
◆ 竜馬は時代の先頭にいた。
◆ 竜馬の功績。
◆ 竜馬は薩長同盟を斡旋したのではない。
◆ 後藤象二郎の銅像を見たことがない。
◆ 西郷も以前は慶喜を支持していた。
◆ 竜馬は組織を嫌う自由人
◆ 何故、西郷は幕府に完勝すると確実に自信を持って予想したのか
◆ 竜馬は海援隊に於いて世界を志す者は藩や身分に関係なく集まれと宣言
◆ 大政奉還は即藩政奉還。法律的根拠がある。
◆ 竜馬の船中八策、すなわち大政奉還建白書の真の凄さ。
◆ いったい大政奉還政策、すなわち船中八策とは? この凄まじいもの。
◆ 寺田屋事件でおりょうの機転により竜馬は助かったが、竜馬だけでない。
◆ 薩長同盟に於いて見落としてはいけない事が有る。
◆ 他の人ではなくて、竜馬が薩長同盟の斡旋をしたという事が大きな意味。
◆ 即平和が訪れ近代国家となる。そんな夢のような政策が一体有るのか。
◆ 幕府も薩長も朝廷も全国みんなが賛成するような政策が有るのだろうか。
◆ 大政奉還建白書通りの国家となった時に明治維新の完了と言える。
◆ 明治時代に竜馬が居ればどうなっていたか。
◆ 竜馬が明治時代に過小評価された理由。
◆ 賢明な将軍慶喜の不幸。
◆ 慶喜は敗戦が確定した時、フランス軍の援助を要請しなかった。立派だ。
◆ 慶喜は亡命しなかった。立派である。
◆ 鳥羽伏見の戦いを避け慶喜が戦略を誤らず朝廷工作で政権に復帰し・・・・
◆ 明治維新は革命と言えるだろうか。
◆ 勝海舟は何故脱藩して倒幕側に入らなかったのか?
◆ ところで海舟といえば、疑問に思う事が二つ有る。
◆ 明治維新とはいつからいつ迄か。
◆ 竜馬と海舟、西郷の銅像を皇居前に作ればいい。
◆ 西郷は凄い。政治家として、武将としても凄い。
◆ 竜馬がいた土佐藩について。
◆ 竜馬は本当に海舟を斬りに行ったのか?
◆ 竜馬という事で中学生の方や小学生の方も読んでいる事と思います。
◆ 大久保利通は明治時代の英雄。
◆ 江戸時代と現代、どちらが優れているか。
◆ 日本文化・芸術論。
・・・・・ ほか、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆このブログにはいろいろな小説、短編物語、評論などを掲載しています。
竜馬の小説「竜馬がくる~桂浜編」、竜馬の評論「竜馬小論」、連載小説「森の中の宇宙人」、「広場のイレブン」、ロバート・ランブンの「モンマルトルのピアノ弾き」、ロバート・ランブンの短編物語などいろいろ入っています。
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ブログ・タイトルは「竜馬と小説と魔法の歴史年代暗記」です。
タイトルとアドレスを確認してお読み下さい。
検索画面のトップに出てくるという事はそれだけ多くの人が、ロバート・ランブン、紫四季などの小説、短編物語、童話、竜馬小論をご覧になっているからです。
◇竜馬 小説 ◇竜馬と小説 ◇竜馬 評論 ◇竜馬 小論
◇竜馬 紫四季 ◇竜馬がくる 小説 ◇竜馬 ナポレオン
◇小説と魔法の歴史年代暗記
◇数学 小説 ◇ランブンの定理 ◇銀座ぶらぶら歩き
◇ロバート・ランブン ◇紫四季 ◇広場のイレブン ◇森の中の宇宙人
※ヤフーで「竜馬 小説」と検索すると、40万ものホーム・ページ、ブログの中からこのブログ:竜馬の小説「竜馬がくる~桂浜編」が一番目か上位に出てきます。驚きです。
それほど多くの人が小説「竜馬がくる~桂浜編」を読んでいるのです。
「竜馬と小説と歴史のブログ」 編集長 ナポレオン
.
.
※この頁には竜馬小論が10作ほど掲載されています。
⇒ 1.「竜馬は最先端 竜馬はハイテク人間 ハイテク集団海援隊」
「竜馬は未来志向人間」
2.「竜馬は偉大な教育者」
3.「海援隊と榎本武揚の蝦夷共和国との比較、竜馬と榎本武揚」
4.「大政奉還建白書は船中八策の模写」
これは、
「後藤象二郎は・・・」 「後藤、容堂、土佐藩は・・・」
「何度見ても船中八策と・・・」 「大政奉還建白書の発案・・・」
「竜馬の船中八策は・・・・」 の五作連続の合計です。
5.「竜馬は自由人」
6.『大政奉還建白書とは、すなわち船中八策」
7.竜馬の有名な写真
8.「竜馬小論の各項目タイトル」
などです。
■竜馬小論です。
.
幕末、蒸気船やライフルなどの欧米の近代機械・兵器をらくらくとこなした龍馬は日本有数のハイテク人間。海援隊も同様にハイテク集団。
そのハイテク人間龍馬が日本を変えてしまった。
維新の真の英雄坂本龍馬の評論です。どうぞご覧下さい。
■ 竜馬小論
竜馬は最先端人間
ハイテク人間竜馬 ハイテク集団海援隊
紫 四季
竜馬はハイテク人間だ。海援隊もそうだ。
実は、この「ハイテク」「最先端」というのが竜馬の大きな武器だった。
軍艦、船、武器の最先端にいた。
これは、激動の政局で竜馬が先頭に躍り出る大きな武器だった。
幕末多くの志士、政治家が居た。だが、この、軍艦、船、武器などの最先端技術に苦労した、不得意だった。
みんな竜馬に水をあけられた。いつの時代も最先端技術をこなせる人物は貴重だ。
論語などの漢籍、つまり中国語の学問に弱い竜馬だったが、逆に欧米の軍艦、船舶、ライフル、機関銃、大砲、最新兵器などハイテク関係は日本トップ・クラスであった。
中国語よりも英語型だった。
東洋型でなく欧米型だった。
さらに、竜馬は近代思想の面でも最先端だった。
江戸時代、封建制、幕藩体制の社会の中に居て近代議会制国家・近代社会制度を理解できる政治思想面での最先端人間だった。
また、その近代国家を自分で創建していく事が出来る政治活動面での最先端人間だった。
竜馬の「ハイテク」「最先端」、これが大きな特色だ。
日本に当然竜馬よりも学問的に優秀な人物はたくさんいた。
だが、そういった人々は殆ど、思想、生き方、哲学、基盤、その人の世界が封建社会、江戸時代、武士社会、幕藩体制にどっぷり漬かっていて、その世界での完全な生活者だ。
その世界を取り囲んでいる大きな壁から飛び出た思考、生き方をどうしても出来ない。
壁の外の考えを知る事がない。
壁の外に世界が有るなどと想像もしない。
竜馬は、そういった強固な壁を非常に簡単に超えて行った。
壁の向こうの新しい世界へ行ってしまった。
思想面でも時代の先頭を進んでいく「最先端」人間だ。
殆どの人々は竜馬が壁を壊して通路を造ったのに、まだその通路を進む事すら出来ない。
頭も体全体もどっぷりと完全に封建社会、江戸時代、武士社会、幕藩体制に漬かりきっていて、頭が古い時代のままなので、次の時代へ足が進まない。
笑ってはいけない。実は、優秀な人々でも殆どがそうなのである。
学問は優秀なのだが、思想や人生観がどうしても新しい時代に切り替わらない。
永遠に江戸時代のままの思考なのだ。
いつの時代もこういった人々は多い。
勿論、竜馬のあとをすぐさまついて行った人もいる。
そういった人は、新しい時代を果敢に変えていった。
竜馬は時代を進んでいく人々の最先端にいた。
この進み方が大きな武器だ。
政治思想、政治活動、海運事業、船舶・航海技術、すべての面に於いて竜馬は「最先端」にいた。
「ハイテク」「最先端」、竜馬の大きな武器であった。
■ 竜馬のハイテク技術をみんなは必要とした。
紫 四季
竜馬が多くの人と懇意になる事が出来る理由は人柄だけではない。
竜馬が持つハイテク技術だ。軍艦、武器、最新器械の操作に堪能であった事が竜馬の大きな武器だ。
また、貿易会社海援隊に竜馬のようなハイテク人間を多数抱えている。
竜馬と海援隊のハイテク技術を多くの人々は必要とする。
政治力も抜群だ。海外政治体制の知識も豊富だ。
当時に於いて竜馬のこういった知識、政治能力が西郷、木戸、後藤などから必要とされた。
■ 「竜馬小論」 竜馬は未来志向人間
紫 四季
孔子が生まれたのは紀元前551年だ。
幕府が唯一最高の学問とした朱子学が完成したのは竜馬の時代より500年も昔だ。
つまり、江戸時代の武士は2400年もの大昔の孔子を尊敬し、論語に傾倒しひたすらその習得に努めた。
そして、寛政異学の禁以降いっそう重点的に朱子学の精神を叩き込まれた。
論語や朱子学を丸暗記する事に全力をあげた。現代の受験生が問題集の解答を丸暗記するのと同じように。
孔子は確かに偉人だ。
論語には多くの鋭い人生訓が有る。
江戸時代の武士にとってそれらを学ぶ事は意義有る事だった。
しかし、それだけでは進歩というものがない。
多くの江戸時代の武士が大昔の孔子を模倣する事に全力をあげている時に、竜馬は西洋の近代兵器、船舶、機械、航海術、海運業、商取引、新しい事業スタイル:株式会社、海軍、政治思想などを学んでいった。
そして、完璧に習得していった。
さらに、日々の商取引、グラバーなど外人商人との駆け引きの中で実践的な事業経営スタイルを完成させていった。
さらに、長崎に入って来るたびに日毎に新型となっていく種々の最新兵器や機械をこなしていった。
竜馬は自分自身で亀山社中:海援隊というハイテク集団・新スタイル海運業を創めた。
竜馬の生き方は過去の孔子の書物を丸暗記するよりも、最新の欧米の機械、船舶、兵器を即座に習得していく現在進行形だった。
いや、急速な進化発展型だった。
また、新しい近代政治思想を即座にこなしていく新時代型だった。
江戸時代ほとんどの武士が大昔の孔子の書物を丸暗記し紀元前551年への過去回帰型・現状維持安住型だった。
だが、竜馬は違った。
竜馬は激動の時代を駆け巡りひたすら未来に向かって疾走して行った。
竜馬は立ち止まって過去を振り返る事などしない。
今の自分の位置で停滞しない。
竜馬はひたすら前に進む。
竜馬は未来志向の人間だ。
2007.2.12.
■竜馬小論 「竜馬は偉大な教育者」
紫 四季
竜馬は教育者である。偉大な人物を多く育てている。
竜馬というと薩長同盟、大政奉還を成立させた事で有名である。
また、海援隊を率い海運事業を行なった事も賞賛されている。
幕末の英雄として多くのファンがいる。
ところが教育者として竜馬を取り上げる人はいない。
幕末優れた教育者としては吉田松陰が有名である。
久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文など多くの人材を育てた。
だが、竜馬も多くの人材を育てている。
竜馬は海援隊で陸奥、中島、石田、長岡、野村、白峰、新宮などを育てている。
明治時代に日本国は幕末欧米列強と締結した不平等条約の改正に非常に苦労をした。
多くの政治家、外交官が試みたが悉く失敗している。
名政治家井上馨だけでなく幕末明治において最優秀と言われた大隈重信も失敗している。
その不平等条約改正を行ったのは竜馬の弟子である海援隊隊員陸奥宗光である。
また、1890年明治23年に国会が開催された。近代国家日本国念願の国会である。
その国会の初代衆議院議長は海援隊隊員中島信行である。
明治になり自由を求める国民により民権運動が盛んになった。自由党が結成された。日本初の政党である。その初代副党首が中島信行である。
そのほかの海援隊隊員も全員明治時代に政界、実業界、海軍などで活躍をした。
竜馬は多くの逸材を育て世に送り出している。
優れた教育者である。教育者竜馬という事を忘れてはいけない。
偉大なり竜馬。
※余談だが陸奥宗光は伯爵となった。
竜馬の弟子の陸奥宗光でさえ伯爵である。
ならば陸奥の先生である竜馬はそれよりも遥かに上である。
この点を見ても竜馬の偉大さが分かるのである。
※著作権者から掲載の許可を得ています。
無断転載複写配布掲載禁止です。
2005.9.7. ナポレオン
■ 海援隊と榎本武揚の蝦夷共和国との比較、竜馬と榎本武揚
紫 四季
榎本武揚は蝦夷共和国を独立させて世界に認めさせようとした。
もちろんそういった事を実行しようとした榎本は非常に優秀だ。
欧米の近代法律に精通している榎本であるからこそ実現寸前だったのである。
上手く行けば英仏米蘭露などから承認を得るところだった。
素晴しく優秀で実行力もある。凄い。
世界に対して行なった蝦夷共和国独立宣言という高度な行動・方法をかなりの人々が賞賛している。
だが、根本的におかしい。
僅か数千人の兵士によって建国された蝦夷共和国が世界から独立国として承認されたとしよう。
素晴しい、などと喜んではいけない。
そのあと、他国に、例えば、すぐロシアに蝦夷共和国を武力侵略されて蝦夷共和国、つまり、北海道がロシアの領土となったらいったいどうするのか。
独立国として世界に承認された蝦夷共和国がロシアに軍事占領されても日本国はどうする事も出来ない。
僅か数千人の兵士しかいない国を軍事占領する事ぐらいロシアなどの国にすれば非常に簡単な事だ。
蝦夷が日本の領土ならロシアも迂闊に攻めて来ない。
また、蝦夷、北海道にロシアが攻めて来ても日本は当然戦う権利がある。
ロシアと戦争などしなくても比較的友好的であるフランスやイギリスから協力を得て、ロシアに厳重に抗議をしてもらい、結果ロシアを退散させる事は容易である。
当時、フランスは日本、特に幕府とは割と友好的であった。
また、イギリスはロシアが東南アジアで勢力を伸ばすのを快く思っていなかった。
ロシアの力は当時まだ弱く英仏はロシアなど及びもつかない強国であった。
しかし、蝦夷が独立国となってしまえば蝦夷共和国がロシアに支配されるのは、蝦夷共和国とロシアとの二国間の政治問題となるのである。
日本国にとって取り返しのつかない事となっていたのである。
ロシアでなくて、ドイツ、アメリカ、英仏蘭でも同じ事だ。
蝦夷共和国建国をしようとした榎本は恐ろしく優秀である。
だが、上記のように非常に危険な行為であった。
榎本は竜馬の内乱を避ける必死の船中八策、大政奉還政策の理念を全然理解していない。
竜馬と榎本武揚、比較してみると竜馬の方がやはり大局観、時代・国家を見る目に於いて遥かに勝る。
榎本は以前から北海道に蝦夷共和国を、と真剣に目指していた訳ではない。
鳥羽伏見の戦いで薩長土によって幕府が武力敗退して、その時点の薩長土憎さの感情や徳川幕府存続という時代遅れの考えで、突如、海舟や慶喜必死の恭順策を嫌い蝦夷へ脱走しただけである。
江戸より西の方は薩長土に完全に支配されている。
逃げて行く先が蝦夷しか無かっただけの事である。
本来強力な幕府を目指していた榎本が、逃げて行った先で仕方なく蝦夷共和国を突如建国宣言しただけの事である。
竜馬は日本に欧米型の統一近代国家を創建しようと生命を省みず長年奔走・大奮闘してきた。
だが、榎本は格別長年蝦夷共和国を建国しようと願っていた訳ではなかった。
行き当たりばったりの蝦夷共和国建国宣言であった。
また、榎本について行った部下達は日本の将来を願って行動を共にしたのであろうか。
榎本同様幕府敗退の口惜しさから、幕府復活を夢見て蝦夷へと向かっただけの事である。
海援隊は近代日本の完成を目指し日々活動してきた。
特に強力な海国日本を夢見て竜馬と共に命を賭けてきた。
日本の将来・方向・必要性を正確に知り何年間も日夜奮闘し続けた海援隊は立派である。
海援隊の目指していた事は明治早々実現し大きな成果となった。
竜馬と海援隊の行なってきた事は海国日本の大きな礎石・基盤となったのである。
海援隊の業績、その後の日本に対する成果を見る時素晴しいものがある。
榎本の蝦夷共和国とは桁違いである。
竜馬は若い頃から、蝦夷を開拓しようとしていた。
蝦夷に多くの浪人などを大量に送り込もうと具体的に計画して実行できる状態であった。
蝦夷の可能性を早くから熟知していた。
榎本は格別若い頃から、蝦夷を開拓しようとしていたわけではなかった。
優秀榎本が幕末に採るべき行動は、大政奉還成立後速やかに、新政府・日本の為に自分が欧州で得た先進技術・思想を生かす事であった。
だが、現実に大政奉還成立後榎本のとった行為は、幕府存続,幕府主導の新政府である。従来の姑息な幕閣となんら変わらない。困ったものである。
竜馬のように土佐藩や倒幕派、自分自身の利益も考えず、ただひたすら新しい日本の発展のみを願う純粋な気持と大きな違いだ。
竜馬・海援隊と榎本武揚・蝦夷共和国とを比較してみると、やはり竜馬・海援隊の方が数段上だ。
榎本武揚は大きなミスを犯した。蝦夷を独立国家として外国に認めさせようとした。もちろん、英仏などは認めない。当然だ。
だが、際どい。認めるかもしれないという空気が多少はあった。
もし、各国が榎本の独立宣言を受け入れて蝦夷を正式に独立国として認めていたら大変な事となっていた。
正式に国際的に認められて日本国以外の独立した国となった蝦夷を、ロシア、アメリカ、あるいは、英仏などが大軍で榎本軍をた易く打ち破り占領したら、蝦夷・北海道は外国の領土となる。
そういった事をいったい考えていたのか。
蝦夷独立をしようとした榎本を凄い、やはり優秀であると賞賛する人が多い。
上記の事を十分考えて榎本を賞賛しているのであろうか。
確かに、榎本は頭脳明晰秀才だ。欧州に留学もした。
薩長藩閥政府の明治時代において、旧幕臣、そして、官軍と戦った朝敵の総大将だったというのに明治時代になっても政府に入り大臣として活躍した。
抜群に優秀な人物である。
だが、根本的に間違っているのである。
最後まで滅びゆく幕府に忠誠を尽くして戦った忠臣といった扱いで悲しみを誘い、多くのファンがいるようである。
個人ならそれでいいかもしれない。
だが、政治の上層部、指導層にいる人物はそうであってはならない。
個人の感情よりも国家・社会・国民の事を考えて行動しなければならない。
竜馬を見るとよく分かる。
常に自分や藩、所属する集団の利益よりも日本の事を考えて政治活動をしてきた。
竜馬が個人の権益、個人感情を優先して西郷に遠慮して大政奉還政策を採らなかったら日本はどうなっていたか。
竜馬が土佐藩からいい地位を提供されて重役となり、土佐藩の事を最優先にして動く人間となっていたら、日本はどうなっていたか。
榎本武揚はいつも幕府、徳川家の為に動き、竜馬はいつも新しい日本の為に活動し続けた。
竜馬と榎本武揚の精神を比較した時、いかに竜馬が優れているか良く分かる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
榎本武揚の蝦夷共和国が軍隊を50万人擁する国家であったなら独立してもどこの国からも侵略される事はない。
しかし、3000人ほどの軍隊しかいない「榎本共和国」が世界から承認されていたら、それは、ロシア、あるいは、その他の国に「どうぞ、侵略して下さい。わが国は軍隊はたったの3000人です。」と呼びかけるのと同じである。
幕末日本が英米仏露から簡単に侵略されなかったのはやはり日本国全体で20万人を超える軍隊を擁していたからである。
いくらフランスが小栗や慶喜に好意的であったとか、英国が西郷、小松を気に入っていたとしても日本国体で軍隊が5000人しかいなかったら簡単に植民地となっていたのである。
榎本武揚の行為・方法論は現代なら通用するし立派だ。
しかし、弱肉強食、帝国主義、侵略植民地時代、砲艦外交の当時にあっては「侵略国を自宅に呼び込む」自殺行為であった。
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2005.8.21. ナポレオン
◆「大政奉還建白書は船中八策の模写」
紫 四季
後藤象二郎は優秀である。
竜馬という人物がこれからの日本には重要と理解した。
後藤は同時に竜馬の持つ貿易、船舶、軍艦、兵器、海運、商社などの実務のノウハウも大いに必要とした。
だが、後藤が一番希望したのは、竜馬の持つ倒幕側等の豪華な人脈だ。
西郷、大久保、小松、木戸、あるいは海舟、春嶽、横井小楠・・・・、そういった人物、藩と土佐藩、後藤自身が懇意になる事によって、新政府に於いて土佐は間違いなく主流に入り込む事が出来る。
動きは早かった。たちまち竜馬に接近し意気投合した。
後藤は豪放な性格だ。竜馬を再び土佐藩に引き戻すよりも、土佐藩を竜馬に合わせてしまった。
竜馬が頑として土佐藩に戻らないので、困った末の方法だったかも知れないが、愉快な方法である。
竜馬が大物であるから当然だと言ってしまえば当然だが、なかなか出来る事ではない。
第一土佐藩に於いて倒幕派の竜馬が全面的に支持されている訳ではない。
保守的な連中から見れば、脱藩した勤王党の大物竜馬と手を組む後藤は許せない人物という事になる。
が、後藤はそういった非難など気にもせず竜馬との提携を続けその関係は一層深くなって行った。
西郷や大久保よりも若いが、やはり土佐藩を背負う男である。ただの優秀ではない。
後藤も人物である。
後藤、容堂、土佐藩は幕府の存続を必死で模索した
幕府と薩長間の戦争を回避出来ないか。
つまり幕府の壊滅を防止できないか。
何とか幕府と薩長がうまくやって行けないか。
共同政権を作れないか。
同時に、土佐藩がもう少し政局の重要な位置を占める事が出来るようにならないか。
妙案が出ない。
その時後藤は竜馬から船中八策を示された。
これだ。
後藤は喜んだ。
これで幕府と薩長が戦争をする事なく新政府が出来る。
同時に土佐藩が政局の主流になる事が出来る。
しかも軍事攻撃寸前の薩長も、船中八策、すなわち大政奉還政策を支持してくれるはずだと竜馬は後藤に明言した。
薩長も支持するとは凄い。
これ以上のものは無いと喜んだ。
後藤はすばやく土佐藩全体を動かした。いい手腕をしている。
竜馬が大政奉還政策の為に動くのは当然であるが、後藤も大政奉還政策の理解と支持を得るために精力的に各藩を回った。
すでに竜馬の船中八策、すなわち大政奉還政策を理解した後藤は竜馬の分身の如く大奮闘した。
大政奉還政策を説く後藤に対してどの藩も不可能だと驚いたが、土佐藩がそれほど力を入れるなら反対はしないと一応支持はしてくれた。
難関である薩長は竜馬が必死で頼んだ。
西郷も木戸も怒ったが、盟友であり親友の竜馬に頼まれ仕方なく一応総攻撃は保留してくれた。
ほかならぬ竜馬が推進する大政奉還政策だからしぶしぶ賛成である。
但し、大政奉還など不可能である。いつまでも待てない。慶喜が即座に大政奉還を実行する事が条件だと念を押された。
竜馬の発した船中八策という奇策と後藤の奮闘により土佐藩は幕末の最終段階に於いて先頭に躍り出て最後の大舞台で政局を主導する事となった。
そして、各方面から不可能だと言われ続ける中で大政奉還建白書は慶喜に受理され、即座に朝廷に大政奉還の上表文が提出された。
翌日早くも朝廷に正式に受理された。
大政奉還成立。
倒幕側も幕臣も全国の各藩も、そして、当の竜馬や後藤も驚くあまりにも早い大政奉還成立であった。
慶喜に大政奉還建白書が提出されてから、わずか十日ほどの事である。
信じられない速さであった。
とにかく、この時点に於いて土佐藩は政局の最前列に位置する事となった。
これからの朝廷における議会に於いて必ず対立する薩長と徳川の間に入り、議題、政策を調停しまとめ上げて実施して行く重要な役割を持つ事となった。
いや、上手くいけば主導権を取れる。
更に大政奉還建白書に記載されている近代国家が完成した時には、大政奉還建白書を提出した土佐藩は大きな功績となり、完全に新国家の主流となる。
後藤も容堂も喜色満面となった。
何度見ても船中八策と大政奉還建白書はそっくりである。
どちらも八項目である。
項目数だけではない。
書かれている内容がそっくりなのである。
勿論ご存知のように先に作成されたのは船中八策である。
竜馬が後藤象二郎に渡した船中八策を見て、後藤や容堂達は大政奉還建白書を作成したのである。
後藤や容堂達は大政奉還建白書を作成する時に、国家の重要基本項目として、徴税、財政、国境、交戦規定、前政権者の処遇、産業発展、社会制度、科学文明の海外からの取入れなど、あと五つや六つぐらい追加しても良さそうなものであった。
時間も十分に有ったのである。
しかし、増える事なく八項目のままであった。
名君と世に知られた容堂公と優秀後藤の二人をもってしても、船中八策以上の建白書は作成できなかった。
いかに竜馬の船中八策が当時のレベルを超えた高度な政策書であったかが理解できる。
大政奉還建白書の発案・作成は後藤の功績か?
「大政奉還建白書の発案及び作成は土佐藩が主導して始めた。
主力は後藤象二郎である。
竜馬はほんの少し参考程度の事を提案しただけだ。
後藤は竜馬の短い荒削りのメモ書き程度の船中八策を軽く参考にして、持ち前の学識と政治能力で高度の大政奉還建白書を完成した。
大政奉還建白書は後藤と土佐藩の大きな功績である。」
と、思っていた方は前述をご覧頂ければ、そうではないという事がお分かり頂ける。
竜馬の船中八策は後藤と容堂によって大政奉還建白書となり幕府を消滅させる事となった。
だが、どういう訳か幕末、明治に於いては、いや現代に於いても大政奉還成立は土佐藩と後藤の功績となっているようだ。
大政奉還建白書の真の作成者、大政奉還成立の真の功労者として坂本竜馬の名は、特に、大政奉還直後や明治初期に於いてあまり出なかったようである。
何故であろうか?
大きな理由が有ったのだろう。
だが、歴史は正しく坂本竜馬を評価する。
竜馬の功績を知る事の出来る二つの書類が現代にも残っている。
竜馬の船中八策と土佐藩が作成した大政奉還建白書両方の書類である。
船中八策と大政奉還建白書は同じ八項目、内容が複写したようにそっくりである。
後藤と容堂の書き上げた大政奉還建白書を見れば、竜馬の船中八策の模写であるとすぐに分かる。
※「大政奉還建白書は船中八策の模写」は、
「後藤象二郎は優秀である」と
「後藤、容堂、土佐藩は幕府の存続を必死で模索した」
「何度見ても船中八策と大政奉還建白書はそっくり・・・」
「大政奉還建白書の発案・作成は後藤の功績か?」
「竜馬の船中八策は後藤と容堂によって・・・・・」
の五作の合計です。
重複となりますが、連続すると読みやすくなりますので、
掲載しました。
※著作権者から掲載の許可を得ています。
無断転載複写配布掲載禁止です。
2007.1.14. ナポレオン
◆「自由人竜馬」
紫 四季
西郷や木戸、大久保など多くの志士達は武力倒幕・戦争を睨んで活動していた。
西郷や木戸などは政治家であると同時に軍人・武将であった。
多くの志士達は毎日政治家というよりも軍人、戦士といった気構えで倒幕運動をしていた。
だが、竜馬は独特であった。
まるで商人のようであった。
もちろん多くの要人と倒幕や政治的な会談をしている。
だが、それ以外の竜馬を見ると船に乗って商業活動をしている。
竜馬と知らない人がそれを見たら商人と思うであろう。
つまり、小曽根や白石、伊藤のような大商人が倒幕運動をしているのと同じだ。
多くの志士は朝から晩まで武器を持ち常に攻撃する事ばかり考えている。
中岡がいい例だ。
西郷、木戸も同じだ。朝から晩までいつ攻撃の命令を出そうかと考えてばかりいる。
頭の中は戦争の事ばかりだ。
だが、竜馬は全然違う。
武器を運ぶ事も多いが、それ以外は通常の産物・商品を運んでいる。
完全に商人である。
そういった毎日では刀を抜く事もまずない。
刀より算盤を握り英語、オランダ語を話す時間の方が多かったはずだ。
算盤や英語、オランダ語も上手かった事であろう。
商人、実業人といった方がいい竜馬がいざ武力攻撃となれば、米や海産物を港に下ろして代わりに大砲、ライフルを大量に積み込み薩長の兵士も多数乗せて幕府軍に向かっていくのである。
ユニークな倒幕の武士である。
同時に海援隊という集団もユニークな倒幕の集団だ。
倒幕運動の中心にいたが竜馬を武闘派の武士、つまり軍人・戦士だと断定できない。
海援隊という会社を率いて海運業を行い活躍した。
別の角度から見るとまるで商人・実業家のようだ。
陸奥、中島といった後に明治時代に大活躍する大物を育てた。
そのほか多数の海援隊の隊員を育てた。
つまり後年政治家、思想家、軍人、官僚・官吏となる連中を育てた。
優れた教育者である。
竜馬を「教育者」として取り上げる人は殆どいない。
だが、竜馬は実践的な教育者だった。
海援隊は会社でありながら商船大学という学校の側面を持つ。
もちろん竜馬は政治家だ。
新政府創建を目指した。
薩長同盟において見せた竜馬の斡旋能力、交渉術は老練な政治家だ。
大政奉還直後に作成した新政府・明治政府の要職を記載した人事案は抜群である。
竜馬の作成した人事表と明治時代の政府要職一覧表はまったく同じだ。
大政奉還の時点で、明治時代に政府要職に就き活躍する人々を見事に予想している。
竜馬の人を見る目、未来を見通す目は鋭い。
遥か先の時代を的確に見る優れた政治家だ。
船中八策という政策書で大政奉還を成し遂げ日本を大きく変えた。
封建制の日本において劇的に進んだ議会制国家を目指し竜馬自身の手で完成直前だった。
封建制・幕藩体制と竜馬の目指した議会制近代国家を比較すると革命と言える大変化だ。
では、思想家か?
しかし、思想家だと言うとかなり雰囲気が違うと言う人が多い。
では、いったい竜馬は何なのだ?
と、分からなくなってくる。
竜馬は、自由人なのだ。
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2006.11.5.
◆ 海援隊と新撰組
紫 四季
共に幕末同時代の集団だ。
人気が有る。共通点が有るからだろうか?
共に浪人集団である。
藩に属して来た正規の武士集団ではない。
いや、武士集団というより出身が武士でない者が多い。
寄せ集めだ。
その為に同じように考えて比較する人も居る。
倒幕側のヒーローと幕府側の崩壊していく哀しきヒーローとして扱う人もいる。
海援隊と新撰組、比較してみよう。
つづく
※著作権者から掲載の許可を得ています。
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2006.10.19. ナポレオン
■ 大政奉還建白書とは、すなわち船中八策
紫 四季
つまり慶喜は恭しく朝廷に竜馬の船中八策を差し出した。
そして、朝廷もそれを受理した。
日本はこの時大きく変わった。
大砲を撃つ事もなく刀を抜く事もせず、たった一通の書類によって、その瞬間幕府は消滅し歴史は方向を変えた。
一介の浪人の思想が日本の歴史を変えた一瞬である。
竜馬は非常に多彩な面を持つ英雄である。
倒幕派の志士であるが、限りない夢とロマンを持つ海の男。
だが、寺田屋事件に見られるように百人の役人を相手に平然と死闘を演じる千葉道場出の凄まじい剣豪、豪傑である。
ライフルなどの最新兵器を輸入し、兵器や軍艦などの近代機械の操作に堪能なハイテク人間である。
海援隊を率い潮の香りのする政治家、思想家。時代の最先端を行く男だ。
竜馬が求め続けたのは、ただひたすら新しい日本。
たんに幕府壊滅が目的ではなく大きな目標を目指した。
船中八策に有るように議会開設、憲法制定、統一近代国家、能力主義、平等社会、素晴しい日本の大発展である。
権力や名誉も財産も欲しない。
薩長同盟、大政奉還、この二つの内どちらか一つを成し遂げただけでも歴史的偉業であるというのに、何の後ろ盾も持たない浪人である竜馬が両方とも成し遂げてしまった。
凄まじいとか破天荒と言っても表現しきれない。桁外れの政治家であり、思想家である。
誠に坂本竜馬は天才である。
二度と竜馬のような真の英雄は出て来ないであろう。
※著作権者から掲載の許可を得ています。
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2006.8.16.
■ 竜馬の有名な写真
紫四季
上野彦馬が撮った台座にもたれている写真である。
部屋の中で撮った写真だというのに、船の舳先かマストに立って前方の海を見ているように颯爽としている。
右手を懐に入れている。大切な物が入っているのであろう。
いったい何を持っているのか?
法律か海運の本だろう。みんなそう思う。
だが、ピストルである。
腕や手首の角度をじっくり見ればどう見てもピストルである。
本が入っていれば懐は大きく膨らむ。あの頃の本というのは殆ど大きく分厚い。
当時の外国の法律の本が文庫本サイズというのは寡聞にして知らない。
※竜馬の例の写真を見て、懐にはピストルを入れていると断定すると、「そのような事は分からない。確実な歴史の記録や当時の人の日記でピストルを入れていたといった記録が残っていないのに手首の角度だけで断定する事はおかしい。ピストルでなく本でないか。第一写真を撮る時に何故ピストルなど持つ必要があるのか?」と反論が出ると思います。
しかし、腕、手首の角度、懐のふくらみ具合からして間違いなくピストルです。
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ナポレオン
◆竜馬小論
紫 四季
■何故竜馬だけが大政奉還を実現できたのか?
大政奉還は横井小楠の影響を強く受けている。
また、幕府の大久保忠寛なども論を持っていた。海舟も早い段階から幕府の政治では駄目だと西郷に語っていた。
優秀な大隈重信や副島種臣などは論を持つだけでなく大政奉還を建白しようとした。行動に移した。だが、できなかった。見事に失敗した。
結局達成したのは竜馬のみであった。
何故幕末優秀と言われた人々が論を持ちながら、あるいは、実行しようと奔走しながら実現できなかったのか。
そして、何故竜馬だけが実行できたのか。
薩長同盟もそうであるが、竜馬以外に論を持ち推進する人々がいた。
だが、やはり実現できなかった。決裂寸前の土壇場竜馬の登場によりやっと薩長同盟は実現した。
何故竜馬だけが次々と偉業を達成する事が出来るのか?
ご存知のように竜馬は下級武士、郷士である。
西郷や大久保、木戸、小松、高杉のように藩の重臣や幹部でない。地位は低い。いや、全くない。浪人そのものである。
であるのに、偉業を成し遂げてしまう。
その理由は?
つづく
作 紫 四季
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2006.9.22. ナポレオン
■ 竜馬小論
紫四季
■明治の大発展は西郷、大久保、木戸の大奮闘による。
明治になると維新の三傑によって矢継ぎ早に政策・改革が断行された。
そのスピードは予想以上であった。
政権が変わるとこうも国家の進展、改革がダイナミックに実行されるものかと国民は感嘆した。
廃藩置県も西郷の力によって混乱もなく達成された。
予想された何藩かの武力抵抗も起きなかった。
この達成により日本は軍事面でも経済面でも世界と互角に戦える体制が完成した。
完全なる統一中央集権国家の完成は幕末以来多くの志士・政治家達の大目標であった。
政治だけでなく、社会制度、産業、生活水準・・・・とあらゆる面で発展が成された。
総合的な国力は江戸時代よりも桁外れに大きくなった。
西郷、大久保、木戸の三名は私利私欲もなく日夜全精力を傾注して新日本の為に大奮闘した。
多くの後進国のクーデター時の政権打倒者達に見られるように、政権獲得時のドサクサに乗じて莫大な私財を蓄積するという事もなかった。
その気になれば、西郷、大久保、木戸達は明治政府開始早々に、いともたやすく巨額の財産を手に入れる事が出来たのである。
私財を増やす事を三人とも毛頭考えていなかったのである。
ただひたすら国家の大発展を願って大奮闘をした。
日本の明治時代のように世界中で多くの国が、封建制、古びた旧体制、あるいは植民地から新国家へと政変等によって体制が変わった。19世紀に於いても現代に於いても。
だが、意外と日本のように上手く大発展をしていない。
地理的にも時期的にも資源の面からいっても、日本よりも遥かに好条件の国はいくらでも有ったのである。
国家だけではない。大きな集団、事業集団などに於いても同様である。
知識を持った優秀な人材も十分いる。だが、上手くいかない。
何故か?
西郷、大久保、木戸のような凄まじい政治力と高潔な人格の両方を兼ね備えた人物が居ないからである。
西郷、大久保、木戸の三人が今もなお尊敬され続けているのは、その政治能力・手腕によって明治時代を発展させたからだけではない。
優れた人間性により140年後の現代人でも敬服せざるを得ないのである。
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2006.2.14. ナポレオン
■ 大政奉還建白書とは、すなわち船中八策
紫 四季
つまり慶喜は恭しく朝廷に竜馬の船中八策を差し出した。
そして、朝廷もそれを受理した。
日本はこの時大きく変わった。
大砲を撃つ事もなく刀を抜く事もせず、たった一通の書類によって、その瞬間幕府は消滅し歴史は方向を変えた。
一介の浪人の思想が日本の歴史を変えた一瞬である。
竜馬は非常に多彩な面を持つ英雄である。
倒幕派の志士であるが、限りない夢とロマンを持つ海の男。
だが、寺田屋事件に見られるように百人の役人を相手に平然と死闘を演じる千葉道場出の凄まじい剣豪、豪傑である。
ライフルなどの最新兵器を輸入し、兵器や軍艦などの近代機械の操作に堪能なハイテク人間である。
海援隊を率い潮の香りのする政治家、思想家。時代の最先端を行く男だ。
竜馬が求め続けたのは、ただひたすら新しい日本。
たんに幕府壊滅が目的ではなく大きな目標を目指した。
船中八策に有るように議会開設、憲法制定、統一近代国家、能力主義、平等社会、素晴しい日本の大発展である。
権力や名誉も財産も欲しない。
薩長同盟、大政奉還、この二つの内どちらか一つを成し遂げただけでも歴史的偉業であるというのに、何の後ろ盾も持たない浪人である竜馬が両方とも成し遂げてしまった。
凄まじいとか破天荒と言っても表現しきれない。桁外れの政治家であり、思想家である。
誠に坂本竜馬は天才である。
二度と竜馬のような真の英雄は出て来ないであろう。
作 紫 四季
※著作権者から掲載の許可を得ています。
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2006.8.16.
■竜馬小論
紫 四季
■ 竜馬の生誕の碑の文字を書いたのは、大久保利通の孫の夫だ。
竜馬の生誕の碑が高知市内のはりまや橋の近くの上町に有る。
その碑の文字を書いたのは、大久保利通の孫の夫である。
幕末竜馬と共に新日本創建の為に戦ってきた大久保利通の家系の者が竜馬の生誕の碑の文字を書く。何という素晴しい事であろうか。
大久保利通の孫の夫とは内閣総理大臣吉田茂だ。
吉田茂の妻の祖父が大久保利通である。吉田茂の岳父の父が大久保利通である。
岳父とは外相、内大臣などを歴任し大正、昭和初期に活躍した政治家牧野伸顕だ。親英米派である。226事件では襲撃されている。後に伯爵となる。
竜馬と大久保利通は昭和になって再度つながった。
竜馬も明治時代を生きていればその実績、政治能力により、当然西郷や、木戸、大久保などと共に総理大臣をやっていたのである。
総理大臣としての後輩吉田茂が碑の文字を書いたという事である。
明治維新から80年ほど経った頃の事である。
幕末に共に近代国家を目指した二人が、維新後80年経って再びつながった。
大政奉還成立直後無念にも暗殺された竜馬の生誕の碑の文字を、大久保の孫の夫の吉田茂が書いた。
まるで、大久保の気持が子供、孫と伝わり、その夫を動かして碑の文字を書かせたようだ。
多くの人が竜馬の生誕の地を訪れて感動する。
だが、意外と前記の事を忘れていて竜馬の生誕の碑を見る時に大久保利通を思い出さない。
※著作権者から掲載の許可を得ています。
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2005.9.13. ナポレオン
紫 四季
■ 少し竜馬の多彩な面に触れてみよう。
驚くほど多彩な人物である。
一般的には倒幕の志士と呼ばれている。
寺田屋事件では三吉慎蔵と共にたった二人で、包囲する幕府の百人の役人と死闘を演じている。
竜馬らしいところである。剛毅な剣豪だ。
百人に包囲されても悠然としている胆力の有る豪傑である。
竜馬を語る時この寺田屋事件の死闘の印象が大きい。
颯爽と京の町を駆け巡り、幕府の連中と激しく戦いながら倒幕を目指した格好いい勤王の志士、剣豪というイメージが有る。
だが、彼はやはり政治家である。
政策書船中八策を作成し新しい日本の政治、社会を築き上げていく思想家でもある。
薩長同盟を締結させ大政奉還建をも成立させた。
さらに彼は海援隊を率いる潮の香りのする海の男である。世界中の海を駆け巡ろうとしている夢を持つロマンの男でもある。
軍艦、最新兵器、ヨーロッパの新型製品を扱う時代の最先端を進む人物である。
現代で言えばハイテク人間である。
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2005.9.9. ナポレオン
■竜馬小論
紫 四季
世界を目指す者は海援隊に集まれ。
何という楽しく夢の有る言葉だろう。
身分も藩も問わない。土佐藩でも薩摩でも紀州でもいい、どこの藩でもいい。
武士でも町人でも農民でもいい。
海外に志が有り、船で世界中を駆け巡り貿易をしようと思う者は海援隊に来い。
そう呼びかけている。
海援隊規約にも大きく記載している。
本当に竜馬の夢を実現していくための集団だ。
幕末の動乱期に命をかけて国家の革命を成し遂げようとしている男が、同時にロマンチストさながらに青い 海原を走りヨーロッパへ行こうとしている。
そして、仲間を集めようとする。
驚いた事に多くの仲間が集まって来た。
何という楽しく夢の有る集団だろうか、海援隊は。
何という楽しくロマンの有る人だろうか、坂本竜馬は。
■日本・世界の歴史上多くの英雄・偉人がいる。
しかし、竜馬ほど楽しく夢の有る英雄はいない。
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2005.9.8. ナポレオン
■竜馬小論
紫 四季
■ 薩長同盟成立。大政奉還政策と並ぶ竜馬の偉業である。
竜馬は薩長同盟締結斡旋に於いて、まず犬猿の仲だった薩摩と長州両藩の仲直りをさせた。
両藩には凄まじい憎悪の感情が有った。同盟を結ぶ場合、多少の政策の違いなら何とかなる場合も有る。
しかし、感情的に憎しみあっている時は、無理だ。感情のもつれ、憎悪は理屈、論理ではどうしようもないのである。誠に厄介だ。手に負えない。
政策は同じだが、感情のこじれや憎悪により敵対し反目し仲違いする事は多い。
特に長州は薩摩を激しく憎んでいる。
長州は薩摩と会津の陰謀により朝廷、京都を追われた。七卿落ちとなった。
さらに禁門の変、第一次長州征討とすべて薩摩にやられてきた。
それらの政変・事件で薩摩の主役は常に西郷だった。彼の為に凄まじい苦汁をなめた。
会奸薩賊と恨み続けた。憎し西郷だった。
長州は幕府により処罰を受けたが、むしろ幕府よりも薩摩と戦争をしかねないほど薩摩、西郷を恨んでいた。
長州と薩摩が同盟を締結するような雰囲気など微塵もなかった。
犬猿の仲である両藩の仲を先に友好的な状態にしておかなければ同盟の話し合いすら出来ない。
首尾よく軍事同盟を結んでも感情的な衝突ばかり起きてうまく機能しない。
双方の不信感、疑いの気持も解消しなければいけない。
仲直りさせる事も軍事同盟の締結同様大変であった。
その難事は竜馬の奇策により成功した。
次は薩長同盟という名の倒幕軍事同盟の締結である。
武力倒幕を目指しているが、完全に孤立している長州にとって同盟は得策だが、薩摩は久光の方針が公武合体、公儀政体路線であるから、武力倒幕に藩論が完全に固まっている訳ではない。
西郷、大久保、小松などの藩の首脳陣にすれば場合によっては危険な同盟だ。
長州が何かで自爆すればその巻き添えを食う。その時、西郷、大久保などは一挙に失脚する。
この頃の失脚は場合によっては生命の危険が有る。たんなる辞職、免職ぐらいでは済まない事がある。
まして、西郷は部下からは絶大な信望が有るが久光とは仲が悪い、憎まれている。何度も久光により失脚している。過酷な処罰を受けている。
長州はもう薩摩と同盟するしか道はない。同盟が成立しなかったらあとは藩が消滅するまで尊王精神を持ち続けて幕府と戦っていくだけだ。
しかし、薩摩にすればそのような爆弾を抱えて幕府に向かって行く長州と積極的に同盟をしなくても、自分の藩だけで全国や朝廷内に十分力を持っている。
大藩薩摩は全国でも有数の発言力を持っている。表面的には幕府ともうまくいっている。何も危ない長州を助けるような同盟は不要だ。
むしろ、薩摩だけでやっていった方が確実に政権を取れる。取れなくても主導権を得る事が出来る。日本に於いて徳川の次の位置を占める事が出来る。
名目的には幕府でも実質的には薩摩が政治を動かせる。久光もその方向だ。
長州と同盟をすれば成功した時、その利益を半分取られる。割が合わない。
長州は放っとけば、すぐにでも沈んで行くのである。
それを助けて、しかも上手く行った時には利益を半分も取られる。
よく考えると馬鹿馬鹿しい。薩摩にとってあまり利益にならない。
長州と一緒にやらずに、薩摩だけでやった方が遥かに権力も利益も多く入る。
そういった不利益の有る、対等の同盟というよりも片務条約である薩長同盟を西郷、大久保、小松などを説得して締結させたのであるから、竜馬の手腕の凄さは格別だ。
王政復古宣言、慶喜追放、鳥羽伏見の戦い、戊辰戦争、江戸への総攻撃進軍、江戸城無血開城・・・・、政治家・武将西郷の圧倒的な勝利・活躍と比較して、やや過小に評価する人が多いが、竜馬の薩長同盟成立斡旋は偉業である。
勿論多くの人がやろうと試みた。しかし、竜馬以外では不可能であった。
薩長同盟斡旋を受けて西郷、木戸は何を考えたのか。
竜馬以外の者には不可能であったのに、何故、竜馬だけが成し遂げたのか?
他の者と竜馬と何処が違ったのか?
■竜馬小論
「わずか2年で日本を完全に変えてしまった竜馬。」
紫 四季
薩長同盟成立は1866年初頭。竜馬が満30歳の時である。
前年竜馬は亀山社中、つまり海援隊を結成している。竜馬満29歳の時である。
薩長同盟成立の翌年1867年竜馬は続いて船中八策、すなわち大政奉還建白書を完成した。それにより幕府は消滅した。竜馬が満31歳の時である。
薩長同盟といった政治の表舞台に登場してわずか2年で竜馬は徳川将軍、幕府、江戸時代、幕藩体制、封建社会を消滅させ、日本に新しい時代:明治近代国家の扉を大きく開けた。
誠に竜馬偉大なり。
西郷、木戸、大久保を維新の三傑として人々は賞賛する。
しかし、維新の真の英雄は坂本竜馬である。
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2005.9.3.. ナポレオン
※年齢の事・・・・・・・・・竜馬は1835年11月生まれですから1866年の薩長同盟の年の11月には満31歳となります。しかし、薩長同盟成立時点、1866年初頭には、まだ満30歳でした。
大政奉還成立の慶応三年1867年の11月に満32歳ととなりますが、大政奉還成立は10月です。竜馬が満31歳の時です。
誕生日を過ぎているかどうかで満年齢の数え方が違ってきます。
■ 竜馬は小さい頃劣等生であった?
紫 四季
竜馬の本を見るとどの本にも幼年時代の竜馬をそういうふうに書いてある。
小さい頃は近隣に名が響く秀才ではなかったようである。
それどころか、普通・平凡というよりも劣等生であると書かれた本が殆どだ。どうやら本当らしい。
小さい頃は優秀でなかった。だが、後に偉大な業績を成し遂げたと書かれている。
さて、優秀でなかったと言うが何をもって優秀でないと、また逆に、優秀であると言うのだろうか。
ひたすら漢書、論語、朱子学などを暗記、暗誦するのが得意な者と、そういった二千三百年も大昔の文章などに学問の意義を見出さず意欲を持たない者もいる。
本来はこれからの新しい政治・思想が得意な者に、遥か古代、紀元前の古い論語などの政治の暗記を押し付けてもさほど興味を示す訳がない。
新時代の政治、思想、海運、貿易の授業が始まるまで悠然と待っているのである。
その姿を見て、竜馬は小さい頃優秀でなかったと言うのは正当ではない。
もし、竜馬の幼年期の教育所、塾に於いて海運、貿易、機械、船舶操縦、新しい時代・欧米の政治、思想などの講座が行われていれば即座に最優秀と賞賛されていたのである。
本領を発揮する分野、時期は人により違うのである。
新しい政治・思想、新しい文明の吸収、機械、船舶、貿易の得意な人間が古い論語、朱子学の暗誦に四苦八苦しているからといって頭脳平凡以下なりと判断してしまうのは大いなる過ちである。
その人物の真の優秀な点はどこかと見抜く事が必要だ。
竜馬は機械、物理、理工系であろう。
和歌、詩、論語、漢書、文章暗記の文科系ではない。大器晩成型だ。
話がそれて申し訳ないが、幼年、小学期の勉強は素早く覚えてすぐ答える授業中心。
利発な暗記・算数型の子供が有利である。
物事の本質をじっくりと考える物理、政治、数学系の子供は不利である。
暗記が素早く得意で利発な子が悪いといっているのではない。先生の言った事を即座に飲み込み覚えてその通り行なうといういい面が有る。
ただそういった利発な目立つ子供の陰に隠れて、じっくりと物の本質を時間をかけて自分の頭脳で考えるタイプの子供が目立たなくなる危険がある。
場合によっては自分自身の考え方で時間をかけてじっくりと独創的な答えを探している子供が、物覚えが遅い、理解が遅い、教えた事と違ったやり方や答えを言って来るおかしな子供だ、みんなと異なった考えを持っている変った子供であるなどと見なされてしまう。
あるいは先生が教えた事と違ったやり方で答えや解決策を持って来る先生にとっては面倒で困った生徒、時には先生が言った通りにしない生意気な生徒として先生から嫌われる。
混迷の時代にはこれから社会・国家が進むべき道を教えてくれる先生は居ない。
当然暗記得意の利発な秀才は方向が分からず、右往左往するばかりとなる。
自分の頭脳で時間をかけて情勢を見極め最善の道を進まねばならない。
真の優秀が必要となる。
激動・混乱の時代には必ずそういった人物が後方から登場し、平凡な秀才達を押しのけて先頭に躍り出て来るのである。
竜馬はまさしく混迷の時代の優駿である。
大器晩成の子供は早熟・利発な子供の陰に隠れてしまう。この点に要注意である。
意外な事であるが、歴史に名を残す偉人のうちかなりの人が子供時代に平凡とみなされて四苦八苦している。気をつけなければいけない。
また、いくら優駿と言っても狭い柵に閉じ込めていてはその速さは分からない。
狭い柵を飛び出し広大な原野に出て初めてその疾走する速さに気づくのである。
竜馬は土佐を飛び出て江戸へ行き、さらに薩摩、長州、神戸、福井、長崎、京都と各地を駆け巡って行く度に徐々に速度を上げていき、やがて激動の幕末を怒涛のように疾走し偉業を次々と成し遂げていったのである。
まさしく混迷の時代を駆け抜けた竜馬(りょうめ)である。
竜馬が幼年時代平凡な子であったという見方は的確ではない。
後年偉業を成し遂げるような人物の幼年時代にはきらめく所が必ず有る。
竜馬の幼年・少年時代の教授陣、周囲の人々はやがて大器となる人物の片鱗に気づかなかった。
迂闊であった。
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2005.6.1. ナポレオン
■ 明治維新の真の英雄、竜馬。
維新の三傑は西郷、木戸、大久保である。誰もが認めている。
では、「維新の真の英雄」は誰か?
坂本竜馬である。
作 紫 四季
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■ 下記は「竜馬小論」の各項目のタイトルです。タイトルのみ掲載。
これらのタイトルを順次当ブログにて掲載予定です。
下記に記載しているタイトルの順番と
竜馬小論に掲載している順番とは違います。
◆ 明治維新の真の英雄は坂本竜馬。
◆ 大政奉還建白書とはすなわち船中八策。
◆ 薩長同盟締結斡旋。竜馬の大政奉還政策と並ぶ偉業である。
◆ 倒幕という事だけを考えれば、この薩長同盟成立により幕府壊滅は・・・・
◆ 少し竜馬の多彩な面に触れてみよう。
◆ 世界を目指す者は海援隊に集まれ。
◆ 日本・世界の歴史上多くの英雄、偉人がいる。
◆ 薩長同盟の後再び竜馬が破天荒な事をやり遂げた。
◆ 竜馬は小さい頃劣等生であった?
◆ 維新に於いて竜馬の活躍は群を抜いている。
◆ 竜馬は凄まじい努力家。
◆ 竜馬は優れた経営者
◆ 大政奉還政策を採らず薩長同盟により総攻撃をかけた場合・・・・
◆ この小論の中では大政奉還建白書と船中八策とは同じもの。
◆ 竜馬の特技
◆ 竜馬のハイテク技術をみんなは必要とした。
◆ 明治の大発展は西郷、大久保、木戸の大奮闘による。
◆ 政治力の落ちた幕府を追放した後、どのような国家なら日本は強国と・・・・
◆ 海援隊と新撰組
◆ 竜馬の生誕の碑の文字を書いたのは、大久保利通の孫の夫だ。
◆ 後藤象二郎は優秀である。
◆ 後藤、容堂、土佐藩は幕府の存続を必死で模索した。
◆ 何度見ても船中八策と大政奉還建白書はそっくりである。
◆ 大政奉還建白書の発案・作成は後藤の功績か。
◆ 竜馬の船中八策は後藤と容堂によって幕府を消滅させる事となった。
◆ 日本のみならず、世界の政権史上に於いてもすばらしき大政奉還。
◆ 慶喜は修正要求もせず大政奉還建白書を受理した。
◆ 船中八策はハイレベルである。
◆ 船中八策を現代人は当然と思うが、当時は革命的な政策だ。
◆ 幕末は軍事力で勝った方が正義という時代
◆ 大政奉還建白書はそれ自体が平和
◆ 大政奉還は成立した。現政権者からも日本中にも支持された。
◆ 大政奉還を検討している幕府の要人の屋敷を竜馬は訪れた。
◆ 言論の勝利である。
◆ 竜馬は言論、思想による政権交代を行なった。
◆ 竜馬の大政奉還建白書はオリジナルではない?
◆ 竜馬の真髄は政治家であり思想家である。
◆ 明治維新の本を見ていると、西郷、大久保、木戸はどの本に於いても・・・・
◆ 何故、大政奉還成立の日の翌日十月十六日が明治初日とならないのか。
◆ 革命とは? 明治維新は革命か?
◆ 戊辰戦争に於いて江戸城に対する攻撃を止めたのは、勝海舟と西郷である。
◆ 戊辰戦争は結局起きた。悲惨な内戦であった。
◆ 勿論、大政奉還政策は慶喜に辞職を要求するだけの政策ではない。
◆ 大政奉還建白書通りの国家となった時に日本は素晴らしくなる。
◆ いったい大政奉還政策とは何か? この凄まじいもの。
◆ 西郷は立派な人間だ。
◆ 竜馬の凄い所。
◆ 西郷、小松など薩摩の人々は何故あれほど、竜馬を応援したのか。
◆ 竜馬はいい人々に恵まれた。
◆ 竜馬は孤独な英雄。
◆ 明治維新の真の英雄竜馬。
◆ 明治時代は竜馬の目指したとおりの時代となったのであろうか。
◆ 竜馬が大政奉還建白書を出さなくてもやがて誰かが出すだろう?
◆ 竜馬の有名な写真が有る。
◆ 桂浜の竜馬の銅像の下に立ち、竜馬を後ろにして遠く太平洋を望めて・・・・
◆ 竜馬像の下で竜馬と同じポーズで海を見ていると気持がいい。
◆ 大政奉還は朝廷と慶喜との高度の契約
◆ 大政奉還は慶喜と朝廷の契約。破棄は許されない。
◆ 大政奉還成立によって明治近代国家は完成した。
◆ 大政奉還が成立し徳川幕府が消滅した。
◆ 竜馬が大政奉還政策を採った理由は。
◆ 西郷達も竜馬の人脈には感心した。
◆ 竜馬が薩長同盟を成立させた事はどの本を見ても大きく評価されている
◆ 江戸時代の終結が大政奉還によって成されたという事は大きい
◆ 大政奉還には、重大な事が三つも入っている。
◆ 竜馬の先見性、柔軟性
◆ 竜馬は超越している。
◆ 倒幕なら薩長同盟だけで十分である
◆ 夢のような大政奉還政策
◆ 慶喜の大政奉還は大英断である
◆ 大政奉還建白書すなわち船中八策はすべてを超越した政策
◆ 薩摩藩家老小松帯刀
◆ 小松帯刀は重要な人物である。
◆ 黒船来航で幕府が狼狽したとよく言われるが、幕府だけの問題であろうか
◆ 竜馬と薩長の間のすれ違い。
◆ 西郷隆盛
◆ 竜馬の凄い点
◆ 竜馬は聞き上手か
◆ 西郷も竜馬の才能には感服
◆ 竜馬の夢、世界の海援隊
◆ 寺田屋事件
◆ 竜馬は好奇心旺盛な科学者のようだ。探検家のようでもある。
◆ 竜馬七不思議
◆ 竜馬は学問に於いて優秀
◆ 竜馬は学問は出来ない?
◆ 竜馬の学問のレベルは日本有数
◆ 竜馬の功績。
◆ 竜馬は、「最先端」人間。
◆ 竜馬は時代の先頭にいた。
◆ 竜馬の功績。
◆ 竜馬は薩長同盟を斡旋したのではない。
◆ 後藤象二郎の銅像を見たことがない。
◆ 西郷も以前は慶喜を支持していた。
◆ 竜馬は組織を嫌う自由人
◆ 何故、西郷は幕府に完勝すると確実に自信を持って予想したのか
◆ 竜馬は海援隊に於いて世界を志す者は藩や身分に関係なく集まれと宣言
◆ 大政奉還は即藩政奉還。法律的根拠がある。
◆ 竜馬の船中八策、すなわち大政奉還建白書の真の凄さ。
◆ いったい大政奉還政策、すなわち船中八策とは? この凄まじいもの。
◆ 寺田屋事件でおりょうの機転により竜馬は助かったが、竜馬だけでない。
◆ 薩長同盟に於いて見落としてはいけない事が有る。
◆ 他の人ではなくて、竜馬が薩長同盟の斡旋をしたという事が大きな意味。
◆ 即平和が訪れ近代国家となる。そんな夢のような政策が一体有るのか。
◆ 幕府も薩長も朝廷も全国みんなが賛成するような政策が有るのだろうか。
◆ 大政奉還建白書通りの国家となった時に明治維新の完了と言える。
◆ 明治時代に竜馬が居ればどうなっていたか。
◆ 竜馬が明治時代に過小評価された理由。
◆ 賢明な将軍慶喜の不幸。
◆ 慶喜は敗戦が確定した時、フランス軍の援助を要請しなかった。立派だ。
◆ 慶喜は亡命しなかった。立派である。
◆ 鳥羽伏見の戦いを避け慶喜が戦略を誤らず朝廷工作で政権に復帰し・・・・
◆ 明治維新は革命と言えるだろうか。
◆ 勝海舟は何故脱藩して倒幕側に入らなかったのか?
◆ ところで海舟といえば、疑問に思う事が二つ有る。
◆ 明治維新とはいつからいつ迄か。
◆ 竜馬と海舟、西郷の銅像を皇居前に作ればいい。
◆ 西郷は凄い。政治家として、武将としても凄い。
◆ 竜馬がいた土佐藩について。
◆ 竜馬は本当に海舟を斬りに行ったのか?
◆ 竜馬という事で中学生の方や小学生の方も読んでいる事と思います。
◆ 大久保利通は明治時代の英雄。
◆ 江戸時代と現代、どちらが優れているか。
◆ 日本文化・芸術論。
・・・・・ ほか、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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◇小説と魔法の歴史年代暗記
◇数学 小説 ◇ランブンの定理 ◇銀座ぶらぶら歩き
◇ロバート・ランブン ◇紫四季 ◇広場のイレブン ◇森の中の宇宙人
※ヤフーで「竜馬 小説」と検索すると、40万ものホーム・ページ、ブログの中からこのブログ:竜馬の小説「竜馬がくる~桂浜編」が一番目か上位に出てきます。驚きです。
それほど多くの人が小説「竜馬がくる~桂浜編」を読んでいるのです。
「竜馬と小説と歴史のブログ」 編集長 ナポレオン
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■「銀座ぶらぶら歩き その7~スーザン・ボイル」 ナポレオン [・・・・再掲載]
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■ 銀座ぶらぶら歩き その7
「スーザン・ボイル」 「コージー・コーナー」
気がつくともう2009年は終わり2010年、平成22年となった。早い。
光陰矢の如し、だ。
大晦日の夜はやはり紅白となる。
別に法律でNHKを見るように強制がある訳ではないが、最後の日なので音楽界でその年ヒットした人々を見ながら新年を迎えようという気になる。
今年の紅白では話題のスーザン・ボイルが美しい歌声を披露した。
2009年の音楽界で一番刺激的でほほえましい人だった。
テレビ報道やユーチューブで彼女のオーディションの映像を見た人は多いだろう。
オーディションの舞台に出てきた彼女の野暮ったく冴えない顔と服装、体型、田舎丸出しのしゃべり、47歳という年齢を見て誰もが出場を間違っていると思ったことだろう。
審査員も同様だった。
「?? 早く帰りなさい・・・・」という表情だった。
観客はもっとひどい。露骨に眉をしかめ嘲笑していた。
しかし、スーザンが歌いだした瞬間審査員達の表情は一変した。
「えっ?」「まさか?「な、何???」といった何とも言えない表情となった。
会場も同じだった。一瞬まるで凍りついたように沈黙し次の瞬間賞賛の大拍手となった。
歌う直前までのどうしようもない野暮ったさと歌いだした瞬間の歌声の信じられない美しさ、そのギャップが審査員と見ている人々を一瞬にして魅了した。
何度ユーチューブを見ても愉快な光景だ。
今年一番見た映像はワールド・シリーズの松井のホームランでも新政権誕生でもオバマでもなく、スーザン・ボイルのオーディション光景だ。
おそらく皆さんも同様だろう。
紅白に出たスーザンの歌声は確かにすばらしかった。
しかし、何か物足りなかった。
そう、あの三人の審査員がいないからだ。
登場したスーザンに幾分こ馬鹿にしたような言葉と表情で質問をしたというのに、歌いだした瞬間驚き、いやあ、参ったといった表情をし、微笑み、立ち上がりスタンディング・オベーションをしたあの三人の審査員だ。
スーザン・ボイルの歌声は本当に美しく見ている人々を感動させる。と同時に愉快で楽しいのは、三人の審査員とのセットだ。
審査員達の最初のこ馬鹿にしたような質問・表情とそのあとのびっくりした表情が面白いのだ。
審査員の場面がなくいきなりスーザンが画面に出てきて歌っただけなら、世界中の人々はそれほど引き込まれなかった。
「綺麗な声をしているね。」でそのまま終わっていたはずだ。
しかし、冒頭のあの三人の審査員の質問と歌いだした瞬間の彼らの反応が何とも面白かったからあの映像を何度見ても楽しいのだ。
それで世界中で受けたのだ。
スーザン・ボイル騒動の主演は勿論スーザンだ。しかし、主演以上に光る演技をしたのがあの三人の審査員達だ。
名脇役賞を上げないといけない。
だから、今年音楽界で一番の話題の人物と言えば、スーザン・ボイルと一緒にあの三人の審査員も入れないといけない。
ところで、スーザン・ボイルの登場には別の教訓がある。
それは、歌手はやはり歌だ、という事だ。
ルックスは野暮ったく冴えない。体型も然り。おまけに47歳。
モデルや女優のオーディションだったら書類審査で落ちただろう。
しかし、いくら野暮ったくても田舎丸出しでも、会場全体から失笑を受けてもスーザンは万雷の拍手と賞賛を受けた。
何故?
歌がすばらしかったから。
今の歌手はルックスがいい。スタイルもいい。
だから、歌手になるには、ヒットするにはルックスが良くなければ、と思っている歌手志望の人が多いだろう。
そして、自分はルックスとスタイルが良くないから売れないだろう、と心配している人がいるだろう。
心配無用。
スーザン・ボイルを見ればいい。
歌さえうまければ人々は賞賛してくれる。大ヒットする。
自分の歌声に、あるいは作曲に自信があるなら自信を持って進みなさい。
スーザン・ボイルの教訓だ。
スーザン・ボイルの登場には二つの意味がある。
一つは、もう音楽界は飽和状態だから強烈な新人は出ないだろう、もう刺激的な事はないだろう、といった世紀末限界説をあっさり打ち砕いた。
それと、歌さえうまければ人々は拍手で受け入れてくれる、スターになれるという事だ。
ルックスとスタイルに自信がない新人にとって大きな福音だ。
紅白ではもう一人教訓となる歌手が出ていた。
女性歌手で歳は60を過ぎる。秋元順子だ。
デビューが60歳近く、紅白出場が61歳と完全に遅咲きだ。スーザン・ボイルの47歳をはるかに上回る。
やはり歌で勝負の人だ。
若いアイドル歌手のようにルックス、スタイル、若さで評価されている訳ではない。
歌手らしく歌で評価されてビッグになり紅白に出場となった。
顔じゃない、スタイルでない、若さでない、話題づくりでもない、大プロダクションの力と後押しでもない、本当に歌で勝負、歌で評価されて賞賛されている。
秋元順子の音楽活動も参考となる。
ひたすらデビューとヒットを夢見て歌手活動を行なってきた。しかし、デビューできない。大きなプロダクションに所属してなかったので強力なプロモーションがなくテレビ出演などをセットしてくれない。派手な売出しをしてくれない。孤軍奮闘だ。
年齢も60歳ほどだ。もう老人と言ってもいい年齢だ。若い人ばかりの音楽界・芸能界では60歳という年齢は致命傷だ。
何年も小さな酒場でジャズ、ポピュラーを歌う日々を過ごしてきた。
おそらく彼女自身もう大ヒットなど、いやデビューすらあきらめていただろう。紅白などとんでもないと思っていたはずだ。
このまま小さな酒場で誰にも知られず一生を終えると思っていただろう。
しかし、それでも彼女は歌い続けた。
そして夢が叶いデビューしヒットし紅白にも出場した。
スーザン・ボイルがオーディションで歌った歌のタイトルは「夢やぶれて」だったが、夢やぶれてどころか二人とも夢が叶った。
この二人の出来事は歌手志望の人々に大いなる励みとなる。
「自分はルックスが駄目だし若くないからデビューできないのでは?ヒットしないのでは?」
そういった心配はいらないという事です。
当たり前の事だが、歌手は歌さえうまければ、いい歌さえ歌えばデビューできヒットする。
頑張ってください。
さて、新しい年となった。平成22年、2010年だ。
元旦は昼頃のんびりとお参りにでかけた。
神社はかなり混んでいた。
振袖姿、着物姿の人はほとんどいなかった。
気のせいか誰もが黒や灰色の服装で背中をかがめていて楽しそうな笑い声があまり聞こえない。陽気な笑顔で歩いている人も少ない。
不況のせいだろうか。
だいぶ前に銀座コージーコーナーで食事をした。
昼過ぎに大蔵大臣とぶらぶらしていたら銀座のはずれに来た。
国境の向こうは・・・・、ではないがその先は京橋だ。
別に京橋を歩いてはいけないという事はないのだが、どうも心理的に銀座を越えて行きたくないといった気持ちがある。
自然と足が止まる。
ふと右を見るとコージーコーナーの看板が目に入った。
ランチタイム、パスタ・セット、サラダとドリンク付きで980円とある。
「えっ?」と思い二人でそのメニューをニ、三度見た。
確かに980円だ。安い。
高級な料理は好きだが安い料理はもっと好きだ。
店のドアを開け入ると階段が右手にある。少し狭い。
ゆっくりと上がり2階に着いた。
コージーコーナーのビル全体が小さいので当然2階のレストランも小さい。
レストランというよりも喫茶、軽食コーナーといった感じだ。
テーブルもほとんど二人掛けで、四人掛け六人掛けの大きなテーブルはない。入ってきた客を圧倒する豪華さより小さな居場所というつくりだ。
その小じんまり感がなかなかいい。
銀座というとついつい三越、和光を中心とした付近ばかり歩くから1丁目や8丁目のはずれにはなかなか来ない。来ても通り過ぎる。
ちょいと穴場という気もしないでもない。
ランチ・タイム980円はありがたい。
席に座ると窓から京橋の街が見える。
ビル群の中に製菓会社の本社ビルがほんの少し見える。
以前近所に住んでいた人がそこに勤めている。
そのビルを眺めながらのんびりとパスタを食べサラダをつまみ食後にわりかしおいしいコーヒーを飲みながらひと時を過ごした。
サラダと一緒にドレッシングがきた。2種類あり一つがゆずドレッシングだった。
それがとてもおいしかった。
パスタも980円という金額を考えるとおいしかった。
麺はほどよく柔らかくにんにくとオリーブの絡んだソースはじわっとおいしい。
食後のコーヒーも、セットだから仕方なく出した、といった味でなく十分おいしかった。
ランチセットは満足でした。
銀座の裏通りでなく大通りでサラダ、コーヒー付きのランチが980円は有難い。
是非ずっと続けて欲しい。
1階ではケーキを販売している。
銀座というのに値段が高すぎるといった事がなく手ごろな価格だ。
特にシュークリームの150円というのは非常に安い。
で、二人分買って店を出た。
行儀は悪いが買ったばかりのシュークリームを食べながら4丁目の方へと向かった。
例によって大蔵大臣が「歩きながら行儀が悪い」といった非難の目つきをした。
いいではないか。アメリカ人はハンバーガーを食べながら銀座のど真ん中を平然と歩いている。
空を見た。
いい天気だ。
京橋の先には八重洲がある。
銀座からはっきりと見えないが黒くシックな色調のブリジストン・ビルがある。
美術館となっていてルノワールの名画がある。
一丁目から歩いて5分ほどだ。
銀座にいて急にルノワールを見たくなったらすぐに見る事ができるから有難いものだ。
2010.1.2.
※銀座をぶらぶらしながら気ままに
書いているエッセーです。
2006年12月10日から書き始めています。
現在進行形エッセーです。
別頁の「銀座ぶらぶら・・その4と5、6」から続いています。
先にその4と5、6をお読みください。
4、5、6と7は連続していています。
また、その1、その2、その3もご覧ください。
その1などは、カテゴリー欄の「エッセー、日記」欄を
クリックしてご覧ください。
※記載している店やレストランの味などの印象は私の
主観です。
また、記事を書いた時点での印象です。ご了承ください。
ナポレオン
※無断転載複写配布掲載禁止です。
◇下記は以前記載のものです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ 銀座ぶらぶら歩き
◇◇◇ 荘村清志 ◇◇◇
銀座を歩いていると時々有名人を見かける。
前から歩いて来る人がどこか見覚えがあると思っていると有名人だったという事が有る。
あれっと思った時にはもうだいぶ後ろの方へ行ってしまい後姿しか見えなくなってしまっている。
名前を思い出した時にはもう人ごみの向こうに行ってしまい追いかけて話をしたり握手を求める事もできない。
この間の土曜日1月28日、銀座ヤマハの前を歩いていると店の人が数人チラシを配っていた。
何気なくもらったチラシを見て驚いた。
荘村清志だ。
そう、あの世界的なギタリストの荘村清志だ。
3時からヤマハの店内でミニ・コンサートとサイン会をするという。
信じられない。
世界の巨匠が銀座ヤマハの店内の小さな舞台で無料ミニ・コンサートをするという。
荘村清志のコンサートを見ようとした場合、普通はかなり前から予約をしないといけない。
直前だとチケットは入らない。予約してチケットが入っても前の方の席はまず取れない。はるか後ろで見る羽目となる。料金も高額だ。
その巨匠のミニ・ライブをあとしばらくしたら見ることができる。しかも、目の前、まん前で見ることができる。
これは素晴らしいと大喜びでヤマハに入った。
当然のことながら中は超満員だ。後ろの方に立ち開演を待った。
時計を見ると2時半だ。
しかし、30分はすぐに過ぎた。
3時になった。長い髪を後ろに束ねて黒いシャツを着た荘村清志が現れた。
非常に盛大な拍手が起きた。
1曲目はボサノバ調の曲だ。その後3曲ほどラテン系の曲を演奏した。
最新アルバムからの選曲だ。
指が驚く速さでギターのネックの上を動く。
鮮やかな超絶テクニックだ。
世界の巨匠がほんの5メートルほど前に座って素晴らしいテクニックを披露している。
感激だ。
ミニ・コンサートの30分はあっという間に過ぎた。
しかし、拍手は鳴り止まない。
誰もが大きな拍手をしてアンコールを求めている。
荘村清志は世界的なギタリストだ。超大物だ。
こういった無料のイヴェントなどでアンコール演奏などする訳がない。
そう思った。
しかし、盛大な拍手を受けて荘村清志は微笑んだ。
「では、定番のアルハンブラの思い出をやります。」と言ってトレモロを開始した。
滑らかに指が動く。
その動きはまるで魔法のようだ。
目の前にスペインの古い宮殿と庭園が浮かんで見えるようだ。
目を閉じると遠い世界に吸い込まれていく。銀座にいる事を忘れてしまいそうだ。
何度も何度もアルハンブラの主旋律が流れた。
やがてすばらしい演奏は終わった。
荘村清志はゆっくりと立ち上がり盛大な拍手に見送られながら舞台を去っていった。
ありがとう、素晴らしい演奏を。
イエペスのあと世界ナンバーワンとも言える巨匠の演奏を目の前で見ることが出来てその日は幸福な一日だった。
かなり前一度街で荘村清志を見かけたことがあった。
しゃれたレストランの前だった。顔は若々しかった。一言二言話したいと思い近づこうとしたら向こうへと歩いて行ってしまった。残念だった。
その頃も髪は長かったが後ろで束ねてはいなかった。フォーク系の歌手のように長い髪を5分に分けて伸ばしていた。
あれからかなりたって見た荘村清志はとても渋い演奏家となっていた。
しかし、巨匠といってもソファにどっかりと座り込んでいる引退同然の巨匠ではない。
顔は浅黒く精悍で目は温和だがぎらぎらしている。
ギターの道をひたすら歩み続ける挑戦者の目だ。
これからもいい演奏をし続けて欲しい。
※再掲載です。2006.2.3.に記載したものです。
◆銀座ぶらぶら歩きは、6、5、4とたくさん掲載しています。
左欄の最新記事をクリックして御覧下さい。
できれば4、5、6と順番通りお読み下さい。
4、5、6と連続連載しています。
※無断転載複写配布掲載禁止です。
著作権が存在します。
◇この下は前回の記載です。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ 銀座ぶらぶら歩き・その7
「有楽町 ビックカメラ」
満席では仕方がない。
では、コアビルの1階のケーキと紅茶のティーサロンはというとやはり満席だ。
困った。四つ角に立ち三愛のビルの喫茶店も窓際は満席だ。1階の注文カウンターを見ると混んでいる。これでは2階は窓の席だけでなく満席だ。
大通りをやめてみゆき通りに入った。並木通りの風月堂に通りかかった。連休だから満席だろうと思って何気なく覗くと窓際の席がひとつだけ空いている。
これはチャンスだと思いすぐ中に入り窓際の席に座った。
銀座大通の風月堂も並木通りの風月堂もいつも混んでいる。窓際の席はめったに座れない。
係の人がメニューを持ってきた。コーヒーが560円だ。あれ、安くなっている。以前は600円だったはずだ。いい事である。
銀座の大通りから入ってすぐのみゆき通りで風月堂のような有名店で560円だと安い、と感じる。
もちろん欲を言えば200円だが、勝手な事を言ってはいけない。
おいしいコーヒーを飲みながら二人で雑談をしたり買った物の話をしたりしながら外の通りを眺めた。
並木通りとみゆき通りは混んでない。平日の昼間と同じだ。すぐそこの銀座大通りやさっきの築地の大混雑が嘘のようだ。
大蔵大臣は買った物についてもう少しこれよりいいのが欲しかったと非難に満ちた目を向けた。困ったものだ。人間の欲望にはきりがない。そんなにハイグレードで高級な物が欲しかったら数寄屋橋へ行け、と言いたい。
数寄屋橋の宝くじコーナーで1億円のくじを買えばいいのだ。
「あとで数寄屋橋へ行け。」と文句を言うと、「どうせ当たらないからいい。」と言う。
「買わなければ当たらない。」と宝くじで1億円を当てる丸秘の必勝方法を伝授した。
その有り難い宝くじ必勝ノウハウを聞いた大蔵大臣は「くだらない、」といった顔をして私を見た。
人の親切が分からない人間だ。その必勝方法を守らない限り永遠に1億円は当たらない。いい気味だ。
風月堂を出て再度大通りに向かった。ウインドウ・ショッピングでなくショーケース・ショッピングをしようと思い鳩居堂に入ったが混んでいるのでユニクロに移動した。しかし、同じだった。人、人、人だ。大蔵大臣は2階に行きセーターを探した。安い。いいのがたくさん有った。フロアーでは多くの女性が服やジャケットを抱えて歩いている。一人で数点買うのがこの店の特徴のようだ。レジも大変混んでいた
ユニクロ絶好調・好決算の現実を目の前で見てしまった。感心。
大蔵大臣はH&Mにも行こうと新橋方面を指差した。
それは断った。左手が地球の重力に耐え切れない。足も1年ぶりに宇宙から帰還した宇宙飛行士のごとく重たい。
銀座に飽きて有楽町のビックカメラに向かった。そこの階段で少し休んだ。
最近はデパートでもなかなかちょっと一休みする椅子がない。
しかし、ビックカメラはいくつも一休みの場所がある。ありがたい。親切だ。
大蔵大臣は人の手の痛さも知らずにパソコンを見よう、とさっさと上へ上がって行った。
パソコンコーナーはそれほど混んでいなかった。
パソコンはどれも非常に安くなっている。しかも驚くほど高性能になっている。
ハードディスク300G、メモリー3Gといった説明書きが目に飛び込む。ウインドウズ98やMEからすれば夢のようだ。
あの頃ハードディスク10G、メモリー64で使っていたのが昔話だ。しかも電磁波いっぱいのブラウン管だった。
今は液晶画面がつやつやと輝く宝石のようになり機能も非常に増えて高性能となっている。
2002年?登場したXPを見て進化した性能と同時に、ハードディスク80Gを見てすごいと大喜びで買ったが、いまや80Gなどおもちゃだ。
そのXPをはるかに超える高性能のパソコンがその当時の半額で楽々と買える。
進化とは本当にすごい。
人類史上産業革命といえば蒸気機関の改良である。
それにより工場を中心とする産業パワーは飛躍的に伸びた。世界、いやイギリスのGDPを天文学的なものにした。イギリスが世界を制覇する原動力だった。
しかし、現代のパソコン、つまりコンピューターであるが、その登場とその後の性能のすさまじい向上は産業革命に匹敵する。
現在のノートパソコンを1950年ごろの世界初真空管コンピューターの性能と比較するとその性能は1億倍を軽く超えるだろう。
現代の15万円のノートパソコンと同じ性能のコンピューターを1950年代方式で作れば、そのコンピューターの大きさは太平洋の大きさでも不足する。
今電卓は500円で買える。正確で10年は軽く持つ。その電卓の性能を1950年当時のコンピューターで求めればその真空管コンピューターの大きさは広い部屋いっぱいとなるらしい。
製作費用も今の金額にして1000万円は越えるらしい。
たった50年ほどでこの進化だ。すさまじい。
感心しつつパソコンを眺めながら店内を歩き回った。
どのパソコンも高性能で安く、デザインは良く、画面はつるつると滑らかで宝石のように輝いている。人物の顔など非常に美しい。花の写真はため息がでるほどきれいだ。
パソコンの前に立ちじっと見ていると店員がさりげなく近づいて来て丁寧にそのパソコンのいい点を教えてくれる。
感心しているとさらにもっと高性能の機能のついたパソコンの所へ誘導してくれてさらに詳しく説明してくれる。
別に買うと一言も言ってない。ただ見ていただけだ。
それなのに、非常に詳しく丁寧に説明をしてくれる。
目の前のパソコンのいい点や高性能の点が良く分かる。
店員さんは非常にパソコンの操作や機能に精通していて何を聞いても即座に詳しく説明してくれる。
感心するほどだ。
その説明を聞いていて思わず「では、これを買います。」と言いそうになる。
説明を聞いてすごく分かり、有難うと礼を言ってその場を離れる時でも店員は不愉快な顔をしない。
また来てください、と親切丁寧に笑顔で見送ってくれる。時にはわざわざ名刺をくれる。
別の店なら、あるいは、他の業種の店なら説明を受けたら買わないといけないような圧迫を受ける。
あるいは、説明を受けて買わないでその場を離れる時に店員は少し不愉快な顔をする。
なんだ、買わないのか、といった表情となる。
しかし、ビックカメラではそういった事はない。
それは有楽町店だけでなく新宿のビックカメラでも池袋のビックカメラでも、ビックカメラのパソコン、デジカメ、携帯、大型テレビ、家電、とどの売り場でも同じように感じがいい。
だから、ビックカメラは行きやすいし、買う時も気持ちがいいし、買う直前にいろいろ質問をする時も気楽だ。
パソコンは今XP、MEと2台持っているが性能が古くて駄目だ。新しいのが欲しい。
デジカメも高性能の新型が欲しい。今持っているデジカメはすでに時代遅れだ。
大蔵大臣は大型家電をいくつか狙っている。
やがてそれらを求めてビックカメラに行く事となるだろう。
その時買う時も機能や性能について詳しく丁寧に教えて欲しい。
人類の英知、特に日本のパソコン技術者のレベルの高さに感動をしながらパソコン・フロアーをあとにした。手に富士通,NECなどのパソコンのパンフレットを数冊持って。
是非数寄屋橋のお世話になりたい。1億円とは言わない。28万円当たるだけで人類が到達した最先端、高性能のパソコンと言う名のコンピューターをいともたやすく手に入れる事が出来る。
大蔵大臣は地下1階の電気売り場に向かった。人類の英知にはさほど関心はなく、大型冷蔵庫、新式洗濯機に興味があるようだ。
途中1階の写真プリント機で写真を3枚ほどプリントした。本日の銀座と築地の写真だ。
携帯で撮ったというのにきれいだ。先ほどの1950年の真空管コンピューターを思えば携帯電話すら驚きだが、その携帯にカメラがいともたやすく内蔵されていてその写真が一昔前の金額の張るカメラと同じ写りだから驚く。しかも、写真店に撮り終わったフィルムを持参して24枚全部DPEする事もなく、携帯で撮った写真の中からたった1枚だけでもプリントできる。わずか30円で。しかもすぐに。
街を歩いていて何気なく撮った写真をすぐ近くの電気店やコンビニに入り1枚だけでも気楽にプリントして見て楽しめる。
カメラで撮ってから10分後にはその写真をもうプリントしている。早い。全く便利だ。
パソコン・コーナー、携帯コーナー、デジカメ・コーナー、大型テレビコーナー、DVD録画再生デッキ・コーナーを見るたびにまるで浦島太郎の気分となってしまう。
人類の進化と英知に乾杯。
家電コーナーで大蔵大臣がある商品の前で立ち止まった。少し大きく重たい。
家に有るのとさほど変らない性能だ。
大蔵大臣はその商品の色か何かが気に入ったようだ。
店員さんをよび説明を受け始めた。
店員さんも忙しいのだから、やたらと質問をしないようにと注意をした。
すると「買うからいいでしょう。」と言った。
オー・マイ・ゴッド、それならデジカメを買ってくれと文句を言った。
しかし、大蔵大臣はさっさと買ってしまった。
む・・・、私の両手を見てくれ。もう余裕はない。
重たい荷物を両手に持ちながら有楽町、銀座を歩く羽目となった。
ま、それでも楽しい築地、銀座の一日でした。
金融大臣のように海外旅行は出来なかったが、近場、公園、ジョギング、散策、築地、銀座とそれなりに楽しめた。
そうこうしているうちにシルバーウィークは終わった。
楽しい事はすぐに過ぎ去ってしまう。
さて、次のシルバーウィークは何年後だろうか。待ち遠しいものである。
つづく
◇下記は前回の記載です。
突然降って湧いたシルバー連休。有り難い。
9月19日(土)から23日(水)まで何と5連休だ。のんきなもので夏ごろまでそういった事など知らずにいたので非常に得をした気分だ。
夏休みが終わったと思ったら今度は秋休みだ。
正月、ゴールデンウィーク、夏休み、シルバーウィークと年に4回連休がある。4回有ると連休が次々とやって来るので気分的に楽だ。
今年だけらしいが是非毎年行って欲しい。
秋は行楽、紅葉、スポーツ、グルメの季節だから秋に5連休があると本当に助かる。
シルバー連休中はどこへ行こうかと迷った。
例によって大蔵大臣がおいしい寿司を食べたいと言い出した。
寿司?銀座? 銀座で非常においしい寿司を食べる金額が有れば箱根、鬼怒川、伊豆へ旅行できる。
で、寿司より鬼怒川はどうかと相談をした。
金融大臣にもどうすると声をかけたが、その時金融大臣はすでに荷物を持って玄関を出て成田へ向かうところだった。友達数人と外国旅行だ。すばやい。
いつ帰るのかと聞くと「3日後。」と返事があった。
3日?短い。それではヨーロッパは無理だ。ニューヨークも不可能だ。
ハワイか? いや、3日ではハワイもきつい。
グアムだな。グアム1泊3日9800円だろう。
金融大臣は格安旅行が得意だ。
以前も土曜日の朝姿が見えないので大蔵大臣に「いないぞ?」と聞くとグアムだと返事があった。
直前に格安券の案内か売込みがあるらしい。
ぎりぎりの金曜日にそういった案内が来るようだ。
土曜日の朝いないので、おや、と思うとその頃はすでにグアムの浜辺を散歩している。気楽なものだ。
グアムは飛行機で3時間ほどだから新幹線で京都や神戸へ旅行に行くのとさほど変らない。
京都は素敵な街だがやはり日本だ。東京と地続きだ。だが、行き先を南へ変えるとほぼ同じ時間で外国に着いている。国境を越えてしまっている。
そして、江ノ島や三浦海岸、御宿よりもはるかにきれいな太平洋の海に着く。
国内と違って南の潮風と椰子の並木道を満喫できる。
それなりにきれいなグアムだが食事となるとグアムはこれといったものはないらしい。
やたらと大きいハンバーグ、ステーキだけらしい。
外国はいいが、食事で困る。特に和食好きの日本人は外国の大味のステーキにはこまってしまう。寿司を食べたくて仕方がなくなる。
おいしい食事なら寿司だ。
金融大臣が南へ行ってしまったので、それじゃあしょうがないと鬼怒川へ行くのは次回にした。
大蔵大臣はどうしても寿司を食べたいらしい。
どこがいいだろうか、と考えた。
とにかくメトロに乗り銀座へ向かった。
どこに行こうかと話していると大蔵大臣が「築地」と言った。
そうだ、築地だ。
寿司なら築地。魚、生鮮なら築地。市場直結で安くて新鮮でうまい。
銀座をひとつはずすだけで非常に安くなる。新橋がいい例だ。
銀座を通り過ぎて築地で降りた。大蔵大臣は何度か築地の場外へ友達数人と買出しに行った事がある。近所の魚屋やスーパーの価格よりも2,3割安い値段がたまらないそうだ。
メトロ築地駅を降りて3分ほどで築地場外市場についた。一見昔風のレトロ商店街かと思うような店がびっしりと並ぶ。市場と言うより昭和30年代、下町の商店街だ。大晦日のアメ横に雰囲気が似ている。
とにかく混んでいる。まっすぐ歩けない。外人さんも多い。乾物屋、佃煮屋、明太子屋、魚屋、鮪専門店、餃子屋、プロ用の料理道具店、瀬戸物屋、そして寿司屋などが延々と続く。
値段は安い。主婦にはたまらない市場だ。
市場をぶらぶらして、一軒の回転寿司屋に入った。混んでいる。寿司はあまり廻っていない。せいぜい、鯵や玉子、ネギトロが回っている程度だ。ではどうやって食べるのか?
中の板前さんに直接注文をする。つまり、普通の寿司屋のカウンターに座り、トロ、海老と頼むのと変らない。回転寿司の意味がない。
しかし、その方がいい。食べたくもない干からびた寿司が回転のレールの上を通って来てそれを仕方なく食べるよりも板前さんに頼んで握ったばかりの寿司を食べるのが一番いい。目の前の板前さんに注文して握ってもらい食べるのは普通の寿司屋だ。回転寿司に入って回転寿司の値段で普通の寿司屋と同じように食べれる。いい事だ。
さすが築地だ。大トロもイクラも新鮮で安くてうまい。
勿論大トロが一皿2個で100円といった金額ではない。玉子やたこに比べてやはり大トロらしい高い金額だ。しかし、その金額が安いと思えるほどおいしい味だ。うまい。
大トロがおいしいのはさすがだが、そのほかのあわびやウニ、ぶり、イカなどもおいしい。
あちこちの街には100円ほどの安い回転寿司がある。値段が安いから非常に助かる。
しかし、そういった所では鮪もあわびも当然冷凍であり、ひどい所だと解凍が完全に終わってない寿司が回転レールの上を廻り、食べると舌の上で鮪の切り身がざりざりする。
先週近所の回転寿司に入ってその経験をした。かなり派手で大きな看板の店で味は満点といった雰囲気の店構えだったので幾分がっかりした。
築地では回転寿司屋ですらそういった事がない。鮪や大トロが取れたてのようにやわらかく甘くおいしい。大トロはやたらと脂でぎとぎとするわけでなくしっとりとした照りで甘く適度に脂がのりおいしかった。
店は混んでいた。超満員だ。何気なく入り口を見ると10人ほど並んでいた。すごい。
たくさんの人が待っていたが、申し訳ないけれどそういった事など全然気にしないでのんびりと食べた。
大蔵大臣の横顔を見るととても満足した表情だ。「おいしい、おいしい」と連発している。やはり築地はすごい。安くてうまい。満足だ。
すっかり満腹となり食事が終わり店の外に出てもっと驚いた。10人並んでいると感心していたが、外に出るとその後ろにさらに人が並んでいて合計20人ほど並んでいた。本当にすごい。
やはり東京中、いや、外人さんも多いから世界中から築地においしい寿司を求めてやってくるのだ。
市場の中を歩いているとどの寿司屋も10人ほどは行列している。
銀座・有楽町にも多くの寿司屋がありいくつかの回転寿司屋が有る。しかし、昼時を過ぎた午後に20人も入店待ちで並んでいる光景は見た事がない。
築地でおいしい回転寿司を満喫し銀座へ向かった。
銀座ではやたらと重たい買い物をする大蔵大臣のポーター役を務め、左手に地球の重力をずっしりと感じながら歩いた。
宇宙飛行士もそうだが地球の重力には困る。
連休中の銀座大通りは歩行者天国で大混雑だ。いつもの土日よりも混んでいる。
重たくて疲れたしのども渇きおいしいコーヒーをと思い通りの店を見たがどこも満席だ。
土日や連休中の午後銀座大通で喫茶店の空席を探すのは至難の業だ。
鳩居堂の先のニューメルサの1階のコーヒーサロン文明堂も満席だ。
ナポレオン
※無断転載複写配布掲載禁止です。
◇下記は2009.9.22.頃の新掲載です。・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ 銀座ぶらぶら歩き
「夏の一日」「高円寺阿波踊り」
お盆休みは近場で過ごした。
大富豪はハワイやモルディブで。そうでない人は近所で。それが日本人の夏のすごし方だ。
お盆夏休み、近所の公園は混んでいた。大富豪でない人が多いようだ。
幾分ほっとしながら木々の間を散策した。
もしこの公園ががらがらでハワイやプーケットが大混雑だとしたら悔しいのであったが、そうでなくてよかった。と、妙に安心をした。
公園にいる人々が長年の親友のように思えてきた。
ベンチで遊ぶ子供やその親達を見ながら暑い夏の日々を過ごした。
天気は良く公園の樹木の緑と抜けるような青い空、白い雲が爽快だった。
真夏の暑い日差しの中雑木林の中を歩くと結構涼しい。
原っぱで少し走ったりして汗をかいたら木陰のベンチでジュースを飲みながら休んだ。流れ出る汗が気持ちがいい。爽快。
すぐ近くに木々の中を散策出来る公園がある事はいい事である。
公園の中を散歩ばかりしていたわけではない。時々近所で壁打ちをした。
別にウインブルドンに出場するわけではない。ただの体ほぐしだ。
そこでテニス仲間達に会った。久しぶりだ。みんなも国内、いや近場を堂々と選んだようだ。いい仲間である。
しばらくその人達とはコートでプレーをしてないので、秋になり涼しくなったらコートで一緒にしましょうと約束をして別れた。
考えてみるとここのところコートで全然テニスをしてない。
だからテニス仲間に会うのも久しぶりとなった。
夕方自転車でテニスコートへ行ってみた。
コートを覗いたが仲間はいなかった。みんなお盆休みで田舎に帰ったかな。
それとも軽井沢か。江ノ島あたりでのんびり海水浴か。
ま、秋になり涼しくなればどこからともなく現れてくるのが我が楽しき仲間達なのである。
暑い夏や寒い冬はあまりしない。歯を食いしばってまでテニスをする熱心な人はいない。
快適な春と秋のみプレーをする。春夏テニスクラブである。
そのくせテニスのあと居酒屋などへ行くと、全英、全仏の試合の批評を辛らつにするのである。
我が春夏テニスクラブの連中にかかれば全英の覇者も、まだまだ、らしい。
どうやらテニスはビールジョッキ片手にするらしい。
困った連中だ。
まっ、とにかくフェデラーとポトロに乾杯。
8月29日、まだまだうだるような暑さの中、高円寺阿波踊りに行った。
毎年テレビのニュースでにぎやかな高円寺阿波踊りを見るので興味があったからだ。
踊り子1万人、見物客120万人という数字を聞いてなおさら行こうと思った。
踊りは夕方6時ごろから始まった。期待を裏切らず迫力満点だった。
男も女も子供も老人もみんな踊りがうまい。編み笠を深くかぶった姉さん姿の踊り子が良かった。踊り子のあとを太鼓、カネを鳴らしながら男衆が続く。
町中に響くすさまじい太鼓とカネの音に圧倒された。太鼓の音が腹にどんどん響いた。
とにかく音がすごい。太鼓、カネの音が町中鳴り響き町中が興奮の坩堝と化したようだ。
大迫力であった。家に帰っても太鼓とカネの音が耳の奥で鳴り響き続けた。
テレビで見るのとはえらい違いだった。迫力満点。本当に圧倒された。
来年も高円寺へ。
銀座ではいろいろ祭りをやっている。
ジャズ祭りなどはセンスがありとてもいい。
パレードもよく行っている。すばらしい。
この高円寺阿波踊りを銀座大通でやったらどうだろうか。
絶対に受けると思うが。
毎年でなくても時々高円寺の踊り子の人々、さらには本場阿波の踊り子を呼んでやって欲しい。
銀座には阿波踊りはあわない、と言う意見が多いだろう。
そうかもしれない。しかし、間違いなく楽しめる。
銀座は中央区の一商店街ではない。世界の銀座であり。日本ナンバーワンの商店街だ。
日本中、世界中の人々が訪れる街だ。日本の銀座なのだ。
だから、日本中のすばらしい祭り、踊りをやってみてはいかがだろうか。
そうすれば銀座をぶらぶらするのがまたひとつ楽しくなる。
つづく
ナポレオン
◆これは新掲載です。銀座ぶらぶら歩き6に続きます。
頁を作れば、「銀座ぶらぶら歩き・7」となるかもしれません。
銀座ぶらぶら歩きは、6、5、4とたくさん掲載しています。
左欄の最新記事をクリックして御覧下さい。
できれば4、5、6と順番通りお読み下さい。
4、5、6と連続連載しています。
※無断転載複写配布掲載禁止です。
◆下記は「銀座ぶらぶら歩き」の4、5,6のタイトル、目次です。
以前の記事もどうぞ御覧下さい。単行本にすると220頁ほどとなります。
1.「銀座」 「日比谷」
2.「国会議事堂」 「霞ヶ関」
3.「東京タワー」 4.「上野動物園」
5.「国立西洋美術館、モネ、ルノワール、ロダン」
6.「皇居外苑」 「一般参賀」 「クリスマスの銀座」
7.「銀座とセレブ」 8.「有楽町ガード下」
9.「銀座で安く食事をするには?」 10.「銀座は意外と普通の街」
11「神聖三段論法」 12.「アメ横とサッカー」
13 「銀座は街の女王」 「新年と神社と仏教とキリスト教」
14 「初詣と・・・、」 「銀座の名店」 「日本芸術と文明開化と音楽」
15「滝廉太郎、・・・・、黒船来航と日本美術、北斎、」
16「西洋音楽、クラシック、流行歌、ジャズ、」
17「いい街銀座」 「行楽地銀座周辺」 18「銀座周辺ハイキング」
19「自然のままの宮殿、皇居、観光客」
20「皇居をマラソンする外人」
21「楠木正成像と外人観光客とお弁当」「外人さんの団体」
22「陽気なアメリカ人、静かなイギリス人」
23「外人に道案内は簡単だ。奥の手が有る。」
24「銀座の外人は丁寧」 25「そもそも英語はおかしい」
26「皇居サイクリング」 27「皇居サイクリングは景色抜群」
28「子供にとって皇居は旅行気分」 29「東京の子供は有利だ」
30「皇居一周マラソン」
31「日比谷公園とレストランとテニスコート」
32「日比谷公園と森林浴と児童遊園」
33「日比谷公園は広い」 「初の西洋式公園」
34「日比谷公園のイヴェント、盆踊り」 35「日比谷図書館」
36「日比谷公園で安く食事をするには」
37「公園の中の無料休憩所」 38「デートなら皇居、日比谷公園」
39「有名人、政治家とすれ違う」
40「27日の銀座歩行者天国」
41「銀座に手頃なレストランは有るのか?」
42「世界の高級街銀座に手頃なレストランが有る理由、」
43「銀座は庶民の街?」 44「立春、混雑する銀座・・・、」
45「オルセー美術館展が始まった。」 46「東京マラソン2007」
47「村治佳織・アルハンブラの思い出」
48「銀座の街や駅で無料ジャズ・ライヴ」
49「春爛漫。桜は満開。花めぐり」
50「首相官邸の桜」「オルセー美術展がいよいよ終わる」
51「感動のオルセー美術展」
52「ゴッホの絵から影がなくなっている。オルセー美術展」
53「名画が次々と現れる。オルセー美術展」
54「ルノワール」 「モネ」
55「ゴールデン・ウィークが始まった」
56「日比谷公園盆踊り」 57「国会議事堂参観」
58「江戸天下祭り」 59 「江戸天下祭り・日比谷公園の屋台」
60「江戸天下祭り、仮装行列は?」 61「銀座の街頭演奏家」
62「年末大晦日」 63 「福袋 混雑 パン屋 」
64「元旦 」 「銀座ライオン」 65 「春爛漫。桜。千鳥が淵。」
66「春の銀座と外人観光客」 67「副都心線と銀座」
68「出勤前の日比谷公園で涼をとる」
69「夏の暑い夜は有楽町ガード下」
70「朝出勤前に皇居二重橋を散策して涼む」 「丸の内並木街」
71「銀座四丁目、和光の所を国民的ヒーローが歩いていた」
72 「銀座の真ん中で天ぷらが500円ほどで」
73 「神宮外苑の近くでかまやつひろしに会う」
74 「三笠会館で食事」
75 「夏の一日」 「高円寺阿波踊り」
76 「築地 銀座」
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「竜馬と小説と歴史のブログ」 編集長 ナポレオン
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■ 銀座ぶらぶら歩き その7
「スーザン・ボイル」 「コージー・コーナー」
気がつくともう2009年は終わり2010年、平成22年となった。早い。
光陰矢の如し、だ。
大晦日の夜はやはり紅白となる。
別に法律でNHKを見るように強制がある訳ではないが、最後の日なので音楽界でその年ヒットした人々を見ながら新年を迎えようという気になる。
今年の紅白では話題のスーザン・ボイルが美しい歌声を披露した。
2009年の音楽界で一番刺激的でほほえましい人だった。
テレビ報道やユーチューブで彼女のオーディションの映像を見た人は多いだろう。
オーディションの舞台に出てきた彼女の野暮ったく冴えない顔と服装、体型、田舎丸出しのしゃべり、47歳という年齢を見て誰もが出場を間違っていると思ったことだろう。
審査員も同様だった。
「?? 早く帰りなさい・・・・」という表情だった。
観客はもっとひどい。露骨に眉をしかめ嘲笑していた。
しかし、スーザンが歌いだした瞬間審査員達の表情は一変した。
「えっ?」「まさか?「な、何???」といった何とも言えない表情となった。
会場も同じだった。一瞬まるで凍りついたように沈黙し次の瞬間賞賛の大拍手となった。
歌う直前までのどうしようもない野暮ったさと歌いだした瞬間の歌声の信じられない美しさ、そのギャップが審査員と見ている人々を一瞬にして魅了した。
何度ユーチューブを見ても愉快な光景だ。
今年一番見た映像はワールド・シリーズの松井のホームランでも新政権誕生でもオバマでもなく、スーザン・ボイルのオーディション光景だ。
おそらく皆さんも同様だろう。
紅白に出たスーザンの歌声は確かにすばらしかった。
しかし、何か物足りなかった。
そう、あの三人の審査員がいないからだ。
登場したスーザンに幾分こ馬鹿にしたような言葉と表情で質問をしたというのに、歌いだした瞬間驚き、いやあ、参ったといった表情をし、微笑み、立ち上がりスタンディング・オベーションをしたあの三人の審査員だ。
スーザン・ボイルの歌声は本当に美しく見ている人々を感動させる。と同時に愉快で楽しいのは、三人の審査員とのセットだ。
審査員達の最初のこ馬鹿にしたような質問・表情とそのあとのびっくりした表情が面白いのだ。
審査員の場面がなくいきなりスーザンが画面に出てきて歌っただけなら、世界中の人々はそれほど引き込まれなかった。
「綺麗な声をしているね。」でそのまま終わっていたはずだ。
しかし、冒頭のあの三人の審査員の質問と歌いだした瞬間の彼らの反応が何とも面白かったからあの映像を何度見ても楽しいのだ。
それで世界中で受けたのだ。
スーザン・ボイル騒動の主演は勿論スーザンだ。しかし、主演以上に光る演技をしたのがあの三人の審査員達だ。
名脇役賞を上げないといけない。
だから、今年音楽界で一番の話題の人物と言えば、スーザン・ボイルと一緒にあの三人の審査員も入れないといけない。
ところで、スーザン・ボイルの登場には別の教訓がある。
それは、歌手はやはり歌だ、という事だ。
ルックスは野暮ったく冴えない。体型も然り。おまけに47歳。
モデルや女優のオーディションだったら書類審査で落ちただろう。
しかし、いくら野暮ったくても田舎丸出しでも、会場全体から失笑を受けてもスーザンは万雷の拍手と賞賛を受けた。
何故?
歌がすばらしかったから。
今の歌手はルックスがいい。スタイルもいい。
だから、歌手になるには、ヒットするにはルックスが良くなければ、と思っている歌手志望の人が多いだろう。
そして、自分はルックスとスタイルが良くないから売れないだろう、と心配している人がいるだろう。
心配無用。
スーザン・ボイルを見ればいい。
歌さえうまければ人々は賞賛してくれる。大ヒットする。
自分の歌声に、あるいは作曲に自信があるなら自信を持って進みなさい。
スーザン・ボイルの教訓だ。
スーザン・ボイルの登場には二つの意味がある。
一つは、もう音楽界は飽和状態だから強烈な新人は出ないだろう、もう刺激的な事はないだろう、といった世紀末限界説をあっさり打ち砕いた。
それと、歌さえうまければ人々は拍手で受け入れてくれる、スターになれるという事だ。
ルックスとスタイルに自信がない新人にとって大きな福音だ。
紅白ではもう一人教訓となる歌手が出ていた。
女性歌手で歳は60を過ぎる。秋元順子だ。
デビューが60歳近く、紅白出場が61歳と完全に遅咲きだ。スーザン・ボイルの47歳をはるかに上回る。
やはり歌で勝負の人だ。
若いアイドル歌手のようにルックス、スタイル、若さで評価されている訳ではない。
歌手らしく歌で評価されてビッグになり紅白に出場となった。
顔じゃない、スタイルでない、若さでない、話題づくりでもない、大プロダクションの力と後押しでもない、本当に歌で勝負、歌で評価されて賞賛されている。
秋元順子の音楽活動も参考となる。
ひたすらデビューとヒットを夢見て歌手活動を行なってきた。しかし、デビューできない。大きなプロダクションに所属してなかったので強力なプロモーションがなくテレビ出演などをセットしてくれない。派手な売出しをしてくれない。孤軍奮闘だ。
年齢も60歳ほどだ。もう老人と言ってもいい年齢だ。若い人ばかりの音楽界・芸能界では60歳という年齢は致命傷だ。
何年も小さな酒場でジャズ、ポピュラーを歌う日々を過ごしてきた。
おそらく彼女自身もう大ヒットなど、いやデビューすらあきらめていただろう。紅白などとんでもないと思っていたはずだ。
このまま小さな酒場で誰にも知られず一生を終えると思っていただろう。
しかし、それでも彼女は歌い続けた。
そして夢が叶いデビューしヒットし紅白にも出場した。
スーザン・ボイルがオーディションで歌った歌のタイトルは「夢やぶれて」だったが、夢やぶれてどころか二人とも夢が叶った。
この二人の出来事は歌手志望の人々に大いなる励みとなる。
「自分はルックスが駄目だし若くないからデビューできないのでは?ヒットしないのでは?」
そういった心配はいらないという事です。
当たり前の事だが、歌手は歌さえうまければ、いい歌さえ歌えばデビューできヒットする。
頑張ってください。
さて、新しい年となった。平成22年、2010年だ。
元旦は昼頃のんびりとお参りにでかけた。
神社はかなり混んでいた。
振袖姿、着物姿の人はほとんどいなかった。
気のせいか誰もが黒や灰色の服装で背中をかがめていて楽しそうな笑い声があまり聞こえない。陽気な笑顔で歩いている人も少ない。
不況のせいだろうか。
だいぶ前に銀座コージーコーナーで食事をした。
昼過ぎに大蔵大臣とぶらぶらしていたら銀座のはずれに来た。
国境の向こうは・・・・、ではないがその先は京橋だ。
別に京橋を歩いてはいけないという事はないのだが、どうも心理的に銀座を越えて行きたくないといった気持ちがある。
自然と足が止まる。
ふと右を見るとコージーコーナーの看板が目に入った。
ランチタイム、パスタ・セット、サラダとドリンク付きで980円とある。
「えっ?」と思い二人でそのメニューをニ、三度見た。
確かに980円だ。安い。
高級な料理は好きだが安い料理はもっと好きだ。
店のドアを開け入ると階段が右手にある。少し狭い。
ゆっくりと上がり2階に着いた。
コージーコーナーのビル全体が小さいので当然2階のレストランも小さい。
レストランというよりも喫茶、軽食コーナーといった感じだ。
テーブルもほとんど二人掛けで、四人掛け六人掛けの大きなテーブルはない。入ってきた客を圧倒する豪華さより小さな居場所というつくりだ。
その小じんまり感がなかなかいい。
銀座というとついつい三越、和光を中心とした付近ばかり歩くから1丁目や8丁目のはずれにはなかなか来ない。来ても通り過ぎる。
ちょいと穴場という気もしないでもない。
ランチ・タイム980円はありがたい。
席に座ると窓から京橋の街が見える。
ビル群の中に製菓会社の本社ビルがほんの少し見える。
以前近所に住んでいた人がそこに勤めている。
そのビルを眺めながらのんびりとパスタを食べサラダをつまみ食後にわりかしおいしいコーヒーを飲みながらひと時を過ごした。
サラダと一緒にドレッシングがきた。2種類あり一つがゆずドレッシングだった。
それがとてもおいしかった。
パスタも980円という金額を考えるとおいしかった。
麺はほどよく柔らかくにんにくとオリーブの絡んだソースはじわっとおいしい。
食後のコーヒーも、セットだから仕方なく出した、といった味でなく十分おいしかった。
ランチセットは満足でした。
銀座の裏通りでなく大通りでサラダ、コーヒー付きのランチが980円は有難い。
是非ずっと続けて欲しい。
1階ではケーキを販売している。
銀座というのに値段が高すぎるといった事がなく手ごろな価格だ。
特にシュークリームの150円というのは非常に安い。
で、二人分買って店を出た。
行儀は悪いが買ったばかりのシュークリームを食べながら4丁目の方へと向かった。
例によって大蔵大臣が「歩きながら行儀が悪い」といった非難の目つきをした。
いいではないか。アメリカ人はハンバーガーを食べながら銀座のど真ん中を平然と歩いている。
空を見た。
いい天気だ。
京橋の先には八重洲がある。
銀座からはっきりと見えないが黒くシックな色調のブリジストン・ビルがある。
美術館となっていてルノワールの名画がある。
一丁目から歩いて5分ほどだ。
銀座にいて急にルノワールを見たくなったらすぐに見る事ができるから有難いものだ。
2010.1.2.
※銀座をぶらぶらしながら気ままに
書いているエッセーです。
2006年12月10日から書き始めています。
現在進行形エッセーです。
別頁の「銀座ぶらぶら・・その4と5、6」から続いています。
先にその4と5、6をお読みください。
4、5、6と7は連続していています。
また、その1、その2、その3もご覧ください。
その1などは、カテゴリー欄の「エッセー、日記」欄を
クリックしてご覧ください。
※記載している店やレストランの味などの印象は私の
主観です。
また、記事を書いた時点での印象です。ご了承ください。
ナポレオン
※無断転載複写配布掲載禁止です。
◇下記は以前記載のものです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ 銀座ぶらぶら歩き
◇◇◇ 荘村清志 ◇◇◇
銀座を歩いていると時々有名人を見かける。
前から歩いて来る人がどこか見覚えがあると思っていると有名人だったという事が有る。
あれっと思った時にはもうだいぶ後ろの方へ行ってしまい後姿しか見えなくなってしまっている。
名前を思い出した時にはもう人ごみの向こうに行ってしまい追いかけて話をしたり握手を求める事もできない。
この間の土曜日1月28日、銀座ヤマハの前を歩いていると店の人が数人チラシを配っていた。
何気なくもらったチラシを見て驚いた。
荘村清志だ。
そう、あの世界的なギタリストの荘村清志だ。
3時からヤマハの店内でミニ・コンサートとサイン会をするという。
信じられない。
世界の巨匠が銀座ヤマハの店内の小さな舞台で無料ミニ・コンサートをするという。
荘村清志のコンサートを見ようとした場合、普通はかなり前から予約をしないといけない。
直前だとチケットは入らない。予約してチケットが入っても前の方の席はまず取れない。はるか後ろで見る羽目となる。料金も高額だ。
その巨匠のミニ・ライブをあとしばらくしたら見ることができる。しかも、目の前、まん前で見ることができる。
これは素晴らしいと大喜びでヤマハに入った。
当然のことながら中は超満員だ。後ろの方に立ち開演を待った。
時計を見ると2時半だ。
しかし、30分はすぐに過ぎた。
3時になった。長い髪を後ろに束ねて黒いシャツを着た荘村清志が現れた。
非常に盛大な拍手が起きた。
1曲目はボサノバ調の曲だ。その後3曲ほどラテン系の曲を演奏した。
最新アルバムからの選曲だ。
指が驚く速さでギターのネックの上を動く。
鮮やかな超絶テクニックだ。
世界の巨匠がほんの5メートルほど前に座って素晴らしいテクニックを披露している。
感激だ。
ミニ・コンサートの30分はあっという間に過ぎた。
しかし、拍手は鳴り止まない。
誰もが大きな拍手をしてアンコールを求めている。
荘村清志は世界的なギタリストだ。超大物だ。
こういった無料のイヴェントなどでアンコール演奏などする訳がない。
そう思った。
しかし、盛大な拍手を受けて荘村清志は微笑んだ。
「では、定番のアルハンブラの思い出をやります。」と言ってトレモロを開始した。
滑らかに指が動く。
その動きはまるで魔法のようだ。
目の前にスペインの古い宮殿と庭園が浮かんで見えるようだ。
目を閉じると遠い世界に吸い込まれていく。銀座にいる事を忘れてしまいそうだ。
何度も何度もアルハンブラの主旋律が流れた。
やがてすばらしい演奏は終わった。
荘村清志はゆっくりと立ち上がり盛大な拍手に見送られながら舞台を去っていった。
ありがとう、素晴らしい演奏を。
イエペスのあと世界ナンバーワンとも言える巨匠の演奏を目の前で見ることが出来てその日は幸福な一日だった。
かなり前一度街で荘村清志を見かけたことがあった。
しゃれたレストランの前だった。顔は若々しかった。一言二言話したいと思い近づこうとしたら向こうへと歩いて行ってしまった。残念だった。
その頃も髪は長かったが後ろで束ねてはいなかった。フォーク系の歌手のように長い髪を5分に分けて伸ばしていた。
あれからかなりたって見た荘村清志はとても渋い演奏家となっていた。
しかし、巨匠といってもソファにどっかりと座り込んでいる引退同然の巨匠ではない。
顔は浅黒く精悍で目は温和だがぎらぎらしている。
ギターの道をひたすら歩み続ける挑戦者の目だ。
これからもいい演奏をし続けて欲しい。
※再掲載です。2006.2.3.に記載したものです。
◆銀座ぶらぶら歩きは、6、5、4とたくさん掲載しています。
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できれば4、5、6と順番通りお読み下さい。
4、5、6と連続連載しています。
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◇この下は前回の記載です。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ 銀座ぶらぶら歩き・その7
「有楽町 ビックカメラ」
満席では仕方がない。
では、コアビルの1階のケーキと紅茶のティーサロンはというとやはり満席だ。
困った。四つ角に立ち三愛のビルの喫茶店も窓際は満席だ。1階の注文カウンターを見ると混んでいる。これでは2階は窓の席だけでなく満席だ。
大通りをやめてみゆき通りに入った。並木通りの風月堂に通りかかった。連休だから満席だろうと思って何気なく覗くと窓際の席がひとつだけ空いている。
これはチャンスだと思いすぐ中に入り窓際の席に座った。
銀座大通の風月堂も並木通りの風月堂もいつも混んでいる。窓際の席はめったに座れない。
係の人がメニューを持ってきた。コーヒーが560円だ。あれ、安くなっている。以前は600円だったはずだ。いい事である。
銀座の大通りから入ってすぐのみゆき通りで風月堂のような有名店で560円だと安い、と感じる。
もちろん欲を言えば200円だが、勝手な事を言ってはいけない。
おいしいコーヒーを飲みながら二人で雑談をしたり買った物の話をしたりしながら外の通りを眺めた。
並木通りとみゆき通りは混んでない。平日の昼間と同じだ。すぐそこの銀座大通りやさっきの築地の大混雑が嘘のようだ。
大蔵大臣は買った物についてもう少しこれよりいいのが欲しかったと非難に満ちた目を向けた。困ったものだ。人間の欲望にはきりがない。そんなにハイグレードで高級な物が欲しかったら数寄屋橋へ行け、と言いたい。
数寄屋橋の宝くじコーナーで1億円のくじを買えばいいのだ。
「あとで数寄屋橋へ行け。」と文句を言うと、「どうせ当たらないからいい。」と言う。
「買わなければ当たらない。」と宝くじで1億円を当てる丸秘の必勝方法を伝授した。
その有り難い宝くじ必勝ノウハウを聞いた大蔵大臣は「くだらない、」といった顔をして私を見た。
人の親切が分からない人間だ。その必勝方法を守らない限り永遠に1億円は当たらない。いい気味だ。
風月堂を出て再度大通りに向かった。ウインドウ・ショッピングでなくショーケース・ショッピングをしようと思い鳩居堂に入ったが混んでいるのでユニクロに移動した。しかし、同じだった。人、人、人だ。大蔵大臣は2階に行きセーターを探した。安い。いいのがたくさん有った。フロアーでは多くの女性が服やジャケットを抱えて歩いている。一人で数点買うのがこの店の特徴のようだ。レジも大変混んでいた
ユニクロ絶好調・好決算の現実を目の前で見てしまった。感心。
大蔵大臣はH&Mにも行こうと新橋方面を指差した。
それは断った。左手が地球の重力に耐え切れない。足も1年ぶりに宇宙から帰還した宇宙飛行士のごとく重たい。
銀座に飽きて有楽町のビックカメラに向かった。そこの階段で少し休んだ。
最近はデパートでもなかなかちょっと一休みする椅子がない。
しかし、ビックカメラはいくつも一休みの場所がある。ありがたい。親切だ。
大蔵大臣は人の手の痛さも知らずにパソコンを見よう、とさっさと上へ上がって行った。
パソコンコーナーはそれほど混んでいなかった。
パソコンはどれも非常に安くなっている。しかも驚くほど高性能になっている。
ハードディスク300G、メモリー3Gといった説明書きが目に飛び込む。ウインドウズ98やMEからすれば夢のようだ。
あの頃ハードディスク10G、メモリー64で使っていたのが昔話だ。しかも電磁波いっぱいのブラウン管だった。
今は液晶画面がつやつやと輝く宝石のようになり機能も非常に増えて高性能となっている。
2002年?登場したXPを見て進化した性能と同時に、ハードディスク80Gを見てすごいと大喜びで買ったが、いまや80Gなどおもちゃだ。
そのXPをはるかに超える高性能のパソコンがその当時の半額で楽々と買える。
進化とは本当にすごい。
人類史上産業革命といえば蒸気機関の改良である。
それにより工場を中心とする産業パワーは飛躍的に伸びた。世界、いやイギリスのGDPを天文学的なものにした。イギリスが世界を制覇する原動力だった。
しかし、現代のパソコン、つまりコンピューターであるが、その登場とその後の性能のすさまじい向上は産業革命に匹敵する。
現在のノートパソコンを1950年ごろの世界初真空管コンピューターの性能と比較するとその性能は1億倍を軽く超えるだろう。
現代の15万円のノートパソコンと同じ性能のコンピューターを1950年代方式で作れば、そのコンピューターの大きさは太平洋の大きさでも不足する。
今電卓は500円で買える。正確で10年は軽く持つ。その電卓の性能を1950年当時のコンピューターで求めればその真空管コンピューターの大きさは広い部屋いっぱいとなるらしい。
製作費用も今の金額にして1000万円は越えるらしい。
たった50年ほどでこの進化だ。すさまじい。
感心しつつパソコンを眺めながら店内を歩き回った。
どのパソコンも高性能で安く、デザインは良く、画面はつるつると滑らかで宝石のように輝いている。人物の顔など非常に美しい。花の写真はため息がでるほどきれいだ。
パソコンの前に立ちじっと見ていると店員がさりげなく近づいて来て丁寧にそのパソコンのいい点を教えてくれる。
感心しているとさらにもっと高性能の機能のついたパソコンの所へ誘導してくれてさらに詳しく説明してくれる。
別に買うと一言も言ってない。ただ見ていただけだ。
それなのに、非常に詳しく丁寧に説明をしてくれる。
目の前のパソコンのいい点や高性能の点が良く分かる。
店員さんは非常にパソコンの操作や機能に精通していて何を聞いても即座に詳しく説明してくれる。
感心するほどだ。
その説明を聞いていて思わず「では、これを買います。」と言いそうになる。
説明を聞いてすごく分かり、有難うと礼を言ってその場を離れる時でも店員は不愉快な顔をしない。
また来てください、と親切丁寧に笑顔で見送ってくれる。時にはわざわざ名刺をくれる。
別の店なら、あるいは、他の業種の店なら説明を受けたら買わないといけないような圧迫を受ける。
あるいは、説明を受けて買わないでその場を離れる時に店員は少し不愉快な顔をする。
なんだ、買わないのか、といった表情となる。
しかし、ビックカメラではそういった事はない。
それは有楽町店だけでなく新宿のビックカメラでも池袋のビックカメラでも、ビックカメラのパソコン、デジカメ、携帯、大型テレビ、家電、とどの売り場でも同じように感じがいい。
だから、ビックカメラは行きやすいし、買う時も気持ちがいいし、買う直前にいろいろ質問をする時も気楽だ。
パソコンは今XP、MEと2台持っているが性能が古くて駄目だ。新しいのが欲しい。
デジカメも高性能の新型が欲しい。今持っているデジカメはすでに時代遅れだ。
大蔵大臣は大型家電をいくつか狙っている。
やがてそれらを求めてビックカメラに行く事となるだろう。
その時買う時も機能や性能について詳しく丁寧に教えて欲しい。
人類の英知、特に日本のパソコン技術者のレベルの高さに感動をしながらパソコン・フロアーをあとにした。手に富士通,NECなどのパソコンのパンフレットを数冊持って。
是非数寄屋橋のお世話になりたい。1億円とは言わない。28万円当たるだけで人類が到達した最先端、高性能のパソコンと言う名のコンピューターをいともたやすく手に入れる事が出来る。
大蔵大臣は地下1階の電気売り場に向かった。人類の英知にはさほど関心はなく、大型冷蔵庫、新式洗濯機に興味があるようだ。
途中1階の写真プリント機で写真を3枚ほどプリントした。本日の銀座と築地の写真だ。
携帯で撮ったというのにきれいだ。先ほどの1950年の真空管コンピューターを思えば携帯電話すら驚きだが、その携帯にカメラがいともたやすく内蔵されていてその写真が一昔前の金額の張るカメラと同じ写りだから驚く。しかも、写真店に撮り終わったフィルムを持参して24枚全部DPEする事もなく、携帯で撮った写真の中からたった1枚だけでもプリントできる。わずか30円で。しかもすぐに。
街を歩いていて何気なく撮った写真をすぐ近くの電気店やコンビニに入り1枚だけでも気楽にプリントして見て楽しめる。
カメラで撮ってから10分後にはその写真をもうプリントしている。早い。全く便利だ。
パソコン・コーナー、携帯コーナー、デジカメ・コーナー、大型テレビコーナー、DVD録画再生デッキ・コーナーを見るたびにまるで浦島太郎の気分となってしまう。
人類の進化と英知に乾杯。
家電コーナーで大蔵大臣がある商品の前で立ち止まった。少し大きく重たい。
家に有るのとさほど変らない性能だ。
大蔵大臣はその商品の色か何かが気に入ったようだ。
店員さんをよび説明を受け始めた。
店員さんも忙しいのだから、やたらと質問をしないようにと注意をした。
すると「買うからいいでしょう。」と言った。
オー・マイ・ゴッド、それならデジカメを買ってくれと文句を言った。
しかし、大蔵大臣はさっさと買ってしまった。
む・・・、私の両手を見てくれ。もう余裕はない。
重たい荷物を両手に持ちながら有楽町、銀座を歩く羽目となった。
ま、それでも楽しい築地、銀座の一日でした。
金融大臣のように海外旅行は出来なかったが、近場、公園、ジョギング、散策、築地、銀座とそれなりに楽しめた。
そうこうしているうちにシルバーウィークは終わった。
楽しい事はすぐに過ぎ去ってしまう。
さて、次のシルバーウィークは何年後だろうか。待ち遠しいものである。
つづく
◇下記は前回の記載です。
突然降って湧いたシルバー連休。有り難い。
9月19日(土)から23日(水)まで何と5連休だ。のんきなもので夏ごろまでそういった事など知らずにいたので非常に得をした気分だ。
夏休みが終わったと思ったら今度は秋休みだ。
正月、ゴールデンウィーク、夏休み、シルバーウィークと年に4回連休がある。4回有ると連休が次々とやって来るので気分的に楽だ。
今年だけらしいが是非毎年行って欲しい。
秋は行楽、紅葉、スポーツ、グルメの季節だから秋に5連休があると本当に助かる。
シルバー連休中はどこへ行こうかと迷った。
例によって大蔵大臣がおいしい寿司を食べたいと言い出した。
寿司?銀座? 銀座で非常においしい寿司を食べる金額が有れば箱根、鬼怒川、伊豆へ旅行できる。
で、寿司より鬼怒川はどうかと相談をした。
金融大臣にもどうすると声をかけたが、その時金融大臣はすでに荷物を持って玄関を出て成田へ向かうところだった。友達数人と外国旅行だ。すばやい。
いつ帰るのかと聞くと「3日後。」と返事があった。
3日?短い。それではヨーロッパは無理だ。ニューヨークも不可能だ。
ハワイか? いや、3日ではハワイもきつい。
グアムだな。グアム1泊3日9800円だろう。
金融大臣は格安旅行が得意だ。
以前も土曜日の朝姿が見えないので大蔵大臣に「いないぞ?」と聞くとグアムだと返事があった。
直前に格安券の案内か売込みがあるらしい。
ぎりぎりの金曜日にそういった案内が来るようだ。
土曜日の朝いないので、おや、と思うとその頃はすでにグアムの浜辺を散歩している。気楽なものだ。
グアムは飛行機で3時間ほどだから新幹線で京都や神戸へ旅行に行くのとさほど変らない。
京都は素敵な街だがやはり日本だ。東京と地続きだ。だが、行き先を南へ変えるとほぼ同じ時間で外国に着いている。国境を越えてしまっている。
そして、江ノ島や三浦海岸、御宿よりもはるかにきれいな太平洋の海に着く。
国内と違って南の潮風と椰子の並木道を満喫できる。
それなりにきれいなグアムだが食事となるとグアムはこれといったものはないらしい。
やたらと大きいハンバーグ、ステーキだけらしい。
外国はいいが、食事で困る。特に和食好きの日本人は外国の大味のステーキにはこまってしまう。寿司を食べたくて仕方がなくなる。
おいしい食事なら寿司だ。
金融大臣が南へ行ってしまったので、それじゃあしょうがないと鬼怒川へ行くのは次回にした。
大蔵大臣はどうしても寿司を食べたいらしい。
どこがいいだろうか、と考えた。
とにかくメトロに乗り銀座へ向かった。
どこに行こうかと話していると大蔵大臣が「築地」と言った。
そうだ、築地だ。
寿司なら築地。魚、生鮮なら築地。市場直結で安くて新鮮でうまい。
銀座をひとつはずすだけで非常に安くなる。新橋がいい例だ。
銀座を通り過ぎて築地で降りた。大蔵大臣は何度か築地の場外へ友達数人と買出しに行った事がある。近所の魚屋やスーパーの価格よりも2,3割安い値段がたまらないそうだ。
メトロ築地駅を降りて3分ほどで築地場外市場についた。一見昔風のレトロ商店街かと思うような店がびっしりと並ぶ。市場と言うより昭和30年代、下町の商店街だ。大晦日のアメ横に雰囲気が似ている。
とにかく混んでいる。まっすぐ歩けない。外人さんも多い。乾物屋、佃煮屋、明太子屋、魚屋、鮪専門店、餃子屋、プロ用の料理道具店、瀬戸物屋、そして寿司屋などが延々と続く。
値段は安い。主婦にはたまらない市場だ。
市場をぶらぶらして、一軒の回転寿司屋に入った。混んでいる。寿司はあまり廻っていない。せいぜい、鯵や玉子、ネギトロが回っている程度だ。ではどうやって食べるのか?
中の板前さんに直接注文をする。つまり、普通の寿司屋のカウンターに座り、トロ、海老と頼むのと変らない。回転寿司の意味がない。
しかし、その方がいい。食べたくもない干からびた寿司が回転のレールの上を通って来てそれを仕方なく食べるよりも板前さんに頼んで握ったばかりの寿司を食べるのが一番いい。目の前の板前さんに注文して握ってもらい食べるのは普通の寿司屋だ。回転寿司に入って回転寿司の値段で普通の寿司屋と同じように食べれる。いい事だ。
さすが築地だ。大トロもイクラも新鮮で安くてうまい。
勿論大トロが一皿2個で100円といった金額ではない。玉子やたこに比べてやはり大トロらしい高い金額だ。しかし、その金額が安いと思えるほどおいしい味だ。うまい。
大トロがおいしいのはさすがだが、そのほかのあわびやウニ、ぶり、イカなどもおいしい。
あちこちの街には100円ほどの安い回転寿司がある。値段が安いから非常に助かる。
しかし、そういった所では鮪もあわびも当然冷凍であり、ひどい所だと解凍が完全に終わってない寿司が回転レールの上を廻り、食べると舌の上で鮪の切り身がざりざりする。
先週近所の回転寿司に入ってその経験をした。かなり派手で大きな看板の店で味は満点といった雰囲気の店構えだったので幾分がっかりした。
築地では回転寿司屋ですらそういった事がない。鮪や大トロが取れたてのようにやわらかく甘くおいしい。大トロはやたらと脂でぎとぎとするわけでなくしっとりとした照りで甘く適度に脂がのりおいしかった。
店は混んでいた。超満員だ。何気なく入り口を見ると10人ほど並んでいた。すごい。
たくさんの人が待っていたが、申し訳ないけれどそういった事など全然気にしないでのんびりと食べた。
大蔵大臣の横顔を見るととても満足した表情だ。「おいしい、おいしい」と連発している。やはり築地はすごい。安くてうまい。満足だ。
すっかり満腹となり食事が終わり店の外に出てもっと驚いた。10人並んでいると感心していたが、外に出るとその後ろにさらに人が並んでいて合計20人ほど並んでいた。本当にすごい。
やはり東京中、いや、外人さんも多いから世界中から築地においしい寿司を求めてやってくるのだ。
市場の中を歩いているとどの寿司屋も10人ほどは行列している。
銀座・有楽町にも多くの寿司屋がありいくつかの回転寿司屋が有る。しかし、昼時を過ぎた午後に20人も入店待ちで並んでいる光景は見た事がない。
築地でおいしい回転寿司を満喫し銀座へ向かった。
銀座ではやたらと重たい買い物をする大蔵大臣のポーター役を務め、左手に地球の重力をずっしりと感じながら歩いた。
宇宙飛行士もそうだが地球の重力には困る。
連休中の銀座大通りは歩行者天国で大混雑だ。いつもの土日よりも混んでいる。
重たくて疲れたしのども渇きおいしいコーヒーをと思い通りの店を見たがどこも満席だ。
土日や連休中の午後銀座大通で喫茶店の空席を探すのは至難の業だ。
鳩居堂の先のニューメルサの1階のコーヒーサロン文明堂も満席だ。
ナポレオン
※無断転載複写配布掲載禁止です。
◇下記は2009.9.22.頃の新掲載です。・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ 銀座ぶらぶら歩き
「夏の一日」「高円寺阿波踊り」
お盆休みは近場で過ごした。
大富豪はハワイやモルディブで。そうでない人は近所で。それが日本人の夏のすごし方だ。
お盆夏休み、近所の公園は混んでいた。大富豪でない人が多いようだ。
幾分ほっとしながら木々の間を散策した。
もしこの公園ががらがらでハワイやプーケットが大混雑だとしたら悔しいのであったが、そうでなくてよかった。と、妙に安心をした。
公園にいる人々が長年の親友のように思えてきた。
ベンチで遊ぶ子供やその親達を見ながら暑い夏の日々を過ごした。
天気は良く公園の樹木の緑と抜けるような青い空、白い雲が爽快だった。
真夏の暑い日差しの中雑木林の中を歩くと結構涼しい。
原っぱで少し走ったりして汗をかいたら木陰のベンチでジュースを飲みながら休んだ。流れ出る汗が気持ちがいい。爽快。
すぐ近くに木々の中を散策出来る公園がある事はいい事である。
公園の中を散歩ばかりしていたわけではない。時々近所で壁打ちをした。
別にウインブルドンに出場するわけではない。ただの体ほぐしだ。
そこでテニス仲間達に会った。久しぶりだ。みんなも国内、いや近場を堂々と選んだようだ。いい仲間である。
しばらくその人達とはコートでプレーをしてないので、秋になり涼しくなったらコートで一緒にしましょうと約束をして別れた。
考えてみるとここのところコートで全然テニスをしてない。
だからテニス仲間に会うのも久しぶりとなった。
夕方自転車でテニスコートへ行ってみた。
コートを覗いたが仲間はいなかった。みんなお盆休みで田舎に帰ったかな。
それとも軽井沢か。江ノ島あたりでのんびり海水浴か。
ま、秋になり涼しくなればどこからともなく現れてくるのが我が楽しき仲間達なのである。
暑い夏や寒い冬はあまりしない。歯を食いしばってまでテニスをする熱心な人はいない。
快適な春と秋のみプレーをする。春夏テニスクラブである。
そのくせテニスのあと居酒屋などへ行くと、全英、全仏の試合の批評を辛らつにするのである。
我が春夏テニスクラブの連中にかかれば全英の覇者も、まだまだ、らしい。
どうやらテニスはビールジョッキ片手にするらしい。
困った連中だ。
まっ、とにかくフェデラーとポトロに乾杯。
8月29日、まだまだうだるような暑さの中、高円寺阿波踊りに行った。
毎年テレビのニュースでにぎやかな高円寺阿波踊りを見るので興味があったからだ。
踊り子1万人、見物客120万人という数字を聞いてなおさら行こうと思った。
踊りは夕方6時ごろから始まった。期待を裏切らず迫力満点だった。
男も女も子供も老人もみんな踊りがうまい。編み笠を深くかぶった姉さん姿の踊り子が良かった。踊り子のあとを太鼓、カネを鳴らしながら男衆が続く。
町中に響くすさまじい太鼓とカネの音に圧倒された。太鼓の音が腹にどんどん響いた。
とにかく音がすごい。太鼓、カネの音が町中鳴り響き町中が興奮の坩堝と化したようだ。
大迫力であった。家に帰っても太鼓とカネの音が耳の奥で鳴り響き続けた。
テレビで見るのとはえらい違いだった。迫力満点。本当に圧倒された。
来年も高円寺へ。
銀座ではいろいろ祭りをやっている。
ジャズ祭りなどはセンスがありとてもいい。
パレードもよく行っている。すばらしい。
この高円寺阿波踊りを銀座大通でやったらどうだろうか。
絶対に受けると思うが。
毎年でなくても時々高円寺の踊り子の人々、さらには本場阿波の踊り子を呼んでやって欲しい。
銀座には阿波踊りはあわない、と言う意見が多いだろう。
そうかもしれない。しかし、間違いなく楽しめる。
銀座は中央区の一商店街ではない。世界の銀座であり。日本ナンバーワンの商店街だ。
日本中、世界中の人々が訪れる街だ。日本の銀座なのだ。
だから、日本中のすばらしい祭り、踊りをやってみてはいかがだろうか。
そうすれば銀座をぶらぶらするのがまたひとつ楽しくなる。
つづく
ナポレオン
◆これは新掲載です。銀座ぶらぶら歩き6に続きます。
頁を作れば、「銀座ぶらぶら歩き・7」となるかもしれません。
銀座ぶらぶら歩きは、6、5、4とたくさん掲載しています。
左欄の最新記事をクリックして御覧下さい。
できれば4、5、6と順番通りお読み下さい。
4、5、6と連続連載しています。
※無断転載複写配布掲載禁止です。
◆下記は「銀座ぶらぶら歩き」の4、5,6のタイトル、目次です。
以前の記事もどうぞ御覧下さい。単行本にすると220頁ほどとなります。
1.「銀座」 「日比谷」
2.「国会議事堂」 「霞ヶ関」
3.「東京タワー」 4.「上野動物園」
5.「国立西洋美術館、モネ、ルノワール、ロダン」
6.「皇居外苑」 「一般参賀」 「クリスマスの銀座」
7.「銀座とセレブ」 8.「有楽町ガード下」
9.「銀座で安く食事をするには?」 10.「銀座は意外と普通の街」
11「神聖三段論法」 12.「アメ横とサッカー」
13 「銀座は街の女王」 「新年と神社と仏教とキリスト教」
14 「初詣と・・・、」 「銀座の名店」 「日本芸術と文明開化と音楽」
15「滝廉太郎、・・・・、黒船来航と日本美術、北斎、」
16「西洋音楽、クラシック、流行歌、ジャズ、」
17「いい街銀座」 「行楽地銀座周辺」 18「銀座周辺ハイキング」
19「自然のままの宮殿、皇居、観光客」
20「皇居をマラソンする外人」
21「楠木正成像と外人観光客とお弁当」「外人さんの団体」
22「陽気なアメリカ人、静かなイギリス人」
23「外人に道案内は簡単だ。奥の手が有る。」
24「銀座の外人は丁寧」 25「そもそも英語はおかしい」
26「皇居サイクリング」 27「皇居サイクリングは景色抜群」
28「子供にとって皇居は旅行気分」 29「東京の子供は有利だ」
30「皇居一周マラソン」
31「日比谷公園とレストランとテニスコート」
32「日比谷公園と森林浴と児童遊園」
33「日比谷公園は広い」 「初の西洋式公園」
34「日比谷公園のイヴェント、盆踊り」 35「日比谷図書館」
36「日比谷公園で安く食事をするには」
37「公園の中の無料休憩所」 38「デートなら皇居、日比谷公園」
39「有名人、政治家とすれ違う」
40「27日の銀座歩行者天国」
41「銀座に手頃なレストランは有るのか?」
42「世界の高級街銀座に手頃なレストランが有る理由、」
43「銀座は庶民の街?」 44「立春、混雑する銀座・・・、」
45「オルセー美術館展が始まった。」 46「東京マラソン2007」
47「村治佳織・アルハンブラの思い出」
48「銀座の街や駅で無料ジャズ・ライヴ」
49「春爛漫。桜は満開。花めぐり」
50「首相官邸の桜」「オルセー美術展がいよいよ終わる」
51「感動のオルセー美術展」
52「ゴッホの絵から影がなくなっている。オルセー美術展」
53「名画が次々と現れる。オルセー美術展」
54「ルノワール」 「モネ」
55「ゴールデン・ウィークが始まった」
56「日比谷公園盆踊り」 57「国会議事堂参観」
58「江戸天下祭り」 59 「江戸天下祭り・日比谷公園の屋台」
60「江戸天下祭り、仮装行列は?」 61「銀座の街頭演奏家」
62「年末大晦日」 63 「福袋 混雑 パン屋 」
64「元旦 」 「銀座ライオン」 65 「春爛漫。桜。千鳥が淵。」
66「春の銀座と外人観光客」 67「副都心線と銀座」
68「出勤前の日比谷公園で涼をとる」
69「夏の暑い夜は有楽町ガード下」
70「朝出勤前に皇居二重橋を散策して涼む」 「丸の内並木街」
71「銀座四丁目、和光の所を国民的ヒーローが歩いていた」
72 「銀座の真ん中で天ぷらが500円ほどで」
73 「神宮外苑の近くでかまやつひろしに会う」
74 「三笠会館で食事」
75 「夏の一日」 「高円寺阿波踊り」
76 「築地 銀座」
◆このブログにはいろいろな小説、短編物語、評論、歌詞などを掲載しています。
竜馬の小説「竜馬がくる~桂浜編」、竜馬の評論「竜馬小論」、連載小説「森の中の宇宙人」、「銀座ぶらぶら歩き」ロバート・ランブンの短編物語、ランブンの定理、オリジナルの新作の歌詞120曲などいろいろ入っています。
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◇竜馬と小説と歌 ◇銀座ぶらぶら歩き
◇ロバート・ランブン ◇紫四季 ◇森の中の宇宙人
◇ランブンの定理 ◇竜馬小論
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◇竜馬 小説 ◇竜馬 評論 ◇竜馬 小論
◇歌 新作 ◇歌 新作 歌詞
「竜馬と小説と歴史のブログ」 編集長 ナポレオン
.
■「片思い」 歌 伊東和雄 [・・・・再掲載]
.
◇ 歌
「片思い」 ★★
詞 伊東和雄
♪
あなたと話すのは
あなたが好きだから
あなたと街を歩くのは
あなたが好きだから
あなたとドライブに行くのは
あなたが好きだから
あなたに好きと言えないのは
あなたが好きだから
あなたに好きと うちあけて
私の恋が消えたら
とても悲しくなるから
だから私はいつまでも
片思い
あなたと話をして
あなたと街を歩き
あなたとドライブして
あなたの笑顔を見て
私はとても しあわせ
あなたに好きと言えないのは
あなたが好きだから
あなたに好きと うちあけて
私の恋が消えたら
とても悲しくなるから
だから私はいつまでも
片思い
◆再掲載です。2008.3.15.に掲載した作品です。
※歌詞は一部です。
発売の時にすべて記載します。
歌詞は発売の時には少し変更になります。
歌詞のあとの日付は歌詞の完成日でなく掲載の日付です。
※著作権者から掲載の許可を得ています。
無断転載複写配布掲載禁止です。
ナポレオン
◆下記はこのブログに掲載の歌詞の目次です。左の最新記事一覧をクリックして、歌詞1、2、3、をクリックして御覧下さい。なお、歌詞1が最新です。
◇ 目 次 作詞、歌、音楽に関するご案内です。
1. 「文豪と東京、フランス、ショパン・・・」 ★★★ 歌詞
2. 「あれから」 ★★ 歌詞 「あれから」より
3. 「優しい心がほしい」 ★★ 歌詞 「あれから」より
4. 「夢を信じよう」 ★ 歌詞 「幸せがくる」より
5. 「古ぼけたピアノ」 歌詞 「幸せがくる」より
6. 「古ぼけたピアノ パート2」 歌詞 「幸せがくる」より
7. 「僕の友達について」 歌詞
8. 「気ままに」 歌詞
9. 「なみだ」 歌詞
10. 町を捨てよう 歌詞 「あれから」より
11. 歌はすばらしい 歌詞 「幸せがくる」より
12. 古い壁を壊せ 歌詞 「あれから」より
13. 二人の夢 作詞 「あれから」より
14. 好きだ 作詞 「あれから」より
15. アレアレア ★★ 作詞
16. 森のレストラン 作詞 「あれから」より
17. フリーマーケット ※恋のフリーマーケット 作詞
18. 誘拐犯 ★ 作詞
19. 花言葉 作詞
20. 夏の公園 作詞
21. 湘南 江ノ島 江ノ電 ★★★ 作詞
22. 二人の江ノ島 ★ 作詞
23. 銀座へ行きましょう 作詞
23. 君が好きだ 作詞
24. 暑中お見舞い申し上げます 作詞
25. モンマルトルのピアノ弾き 作詞
26. 映画のように 作詞
27. モンマルトルの思い出 作詞
28. 波のきらめき 作詞
29. 心から愛したい 作詞
30. 僕たちはどこへ行くのだろう 作詞
31. 気がついてね 作詞
32. 夏のなぎさ 作詞
33. 「都会の午後三時」 作詞
34. 「江ノ島においで」 作詞
35. 「ヨットにふたり」 ★ 作詞
36. 「南 風」 作詞
37. 「 涙 」 作詞
38. 「予約席」 作詞
39. 「恋をしてみたい」 ★ 作詞
40. 「軽井沢」 作詞
41. 「モンマルトルのピアノ弾き ~ 清らかな修道女」 作詞
42. 「愛のよろこび」 ★★★ 作詞
43. 「 春 」 作詞
44. 「走れメロスのごとく」 作詞
45. 「竹下通り」 作詞
46. 「もうすぐ江ノ島」 ★★★ 作詞
47. 「ラブリー・ブランチ」 作詞
48. 「季節はめぐる」 ★★★ 作詞
49. 「江の島エンジェル」 ★ 作詞
50. 「真実の愛」 作詞
51. 「ハートはこなごな」 作詞
52. 「私は知っている」 作詞
53. 「原宿午後三時」 作詞
54. 「Oh、my God」 ★ 作詞
55. 「キミは年下」 ★ 作詞
56. 「Yeah,I love you」 作詞
57. 「さすらい人」 作詞
58. 「すてきな人」 作詞
59. 「じゃあね」 ★ 作詞
60. 「美しい花」 作詞
61. 「見つめて」 作詞
62. 「ブルー・バレンタイン」 作詞
63. 「表参道のあの店」 作詞
64. 「新婚家庭」 ★ 作詞
65. 「夏のかわいいベイビー」 作詞
66. 「浜辺のパーティー」 ★★ 作詞
67. 「夢が逃げて行く」 作詞
68. 「夏が消えていく」 作詞
69. 「春の銀座」 作詞
70. 「時は過ぎ行く」 ★ 作詞
71. 「レモン」 作詞
72. 「愛していたのに」 ★ 作詞
73. 「夏の香り」 ★ 歌詞
74. 「思い出のアルバム 」 作詞
75. 「愛していると言って」 作詞
76. 「美しい少女」 作詞
77. 「夜の闇の中で」 作詞
78. 「愛の思い出」 ★★ 作詞
79. 「君を愛している」 作詞
80. 「 珈 琲 」 ★ 作詞
81. 「丘の上の一人の男」 ★★ 作詞
82. 「僕は今でも」 作詞
83. 「浜辺の少女」 ★ 作詞
84. 「湘南においで」 作詞
85. 「いつのまにか」 ★★ 作詞
86. 「ゆれる心」 ★ 作詞
87. 「夏の午後」 作詞
88. 「小さな手」 ★ 作詞
89. 「いつかきっと」 作詞
90. 「ふとした事から」 作詞
91. 「すばらしいあなた」 ★★ 作詞
92. 「子供たちは大人になる」 作詞
93. 「魔法の鏡」 作詞
94. 「片思い」 ★★ 作詞
95. 「あの娘がいない」 作詞
96. 「 ミルク 」 作詞
97. 「湘南ララバイ」 ★ 作詞
98. 「小説」 作詞
99. 「恋のシンデレラ・ナイト」 作詞
100. 「恋もアメリカン」 作詞
101. 「渚の少女」 ★★ 作詞
102. 「夏の終わり」 ★★★ 作詞
103. 「占い」 作詞
104. 「ダンス・パーティー」 作詞
105. 「あの頃へ」 ★ 作詞
106. 「暗い闇の中で」 作詞
107. 「お願いだ」 作詞
108. 「愛される君」 作詞
109. 「いい気味だわ」 ★ 作詞
110. 「ニューオーリンズ」 ★ 作詞
111. 「てれくさいのさ」 ★ 作詞
112. 「あの頃は美しかった」 作詞
113. 「彼は寂しかった」 ★ 作詞
114. 「さよなら、茅ヶ崎 ★★★ 作詞
115. 「茅ヶ崎ブルース」 ★★ 作詞
116. 「午後の陽射しの中」 作詞
117. 「見つめないで」 作詞
⇒ 118. 「青山通り」 作詞
⇒ 119. 「昔、そう、ずっと昔」 作詞
⇒ 120. 「 卒 業 」 作詞
⇒ 121. 「 青 山 」 作詞
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「竜馬と小説と歌のブログ」 編集長 ナポレオン
.
◇ 歌
「片思い」 ★★
詞 伊東和雄
♪
あなたと話すのは
あなたが好きだから
あなたと街を歩くのは
あなたが好きだから
あなたとドライブに行くのは
あなたが好きだから
あなたに好きと言えないのは
あなたが好きだから
あなたに好きと うちあけて
私の恋が消えたら
とても悲しくなるから
だから私はいつまでも
片思い
あなたと話をして
あなたと街を歩き
あなたとドライブして
あなたの笑顔を見て
私はとても しあわせ
あなたに好きと言えないのは
あなたが好きだから
あなたに好きと うちあけて
私の恋が消えたら
とても悲しくなるから
だから私はいつまでも
片思い
◆再掲載です。2008.3.15.に掲載した作品です。
※歌詞は一部です。
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2. 「あれから」 ★★ 歌詞 「あれから」より
3. 「優しい心がほしい」 ★★ 歌詞 「あれから」より
4. 「夢を信じよう」 ★ 歌詞 「幸せがくる」より
5. 「古ぼけたピアノ」 歌詞 「幸せがくる」より
6. 「古ぼけたピアノ パート2」 歌詞 「幸せがくる」より
7. 「僕の友達について」 歌詞
8. 「気ままに」 歌詞
9. 「なみだ」 歌詞
10. 町を捨てよう 歌詞 「あれから」より
11. 歌はすばらしい 歌詞 「幸せがくる」より
12. 古い壁を壊せ 歌詞 「あれから」より
13. 二人の夢 作詞 「あれから」より
14. 好きだ 作詞 「あれから」より
15. アレアレア ★★ 作詞
16. 森のレストラン 作詞 「あれから」より
17. フリーマーケット ※恋のフリーマーケット 作詞
18. 誘拐犯 ★ 作詞
19. 花言葉 作詞
20. 夏の公園 作詞
21. 湘南 江ノ島 江ノ電 ★★★ 作詞
22. 二人の江ノ島 ★ 作詞
23. 銀座へ行きましょう 作詞
23. 君が好きだ 作詞
24. 暑中お見舞い申し上げます 作詞
25. モンマルトルのピアノ弾き 作詞
26. 映画のように 作詞
27. モンマルトルの思い出 作詞
28. 波のきらめき 作詞
29. 心から愛したい 作詞
30. 僕たちはどこへ行くのだろう 作詞
31. 気がついてね 作詞
32. 夏のなぎさ 作詞
33. 「都会の午後三時」 作詞
34. 「江ノ島においで」 作詞
35. 「ヨットにふたり」 ★ 作詞
36. 「南 風」 作詞
37. 「 涙 」 作詞
38. 「予約席」 作詞
39. 「恋をしてみたい」 ★ 作詞
40. 「軽井沢」 作詞
41. 「モンマルトルのピアノ弾き ~ 清らかな修道女」 作詞
42. 「愛のよろこび」 ★★★ 作詞
43. 「 春 」 作詞
44. 「走れメロスのごとく」 作詞
45. 「竹下通り」 作詞
46. 「もうすぐ江ノ島」 ★★★ 作詞
47. 「ラブリー・ブランチ」 作詞
48. 「季節はめぐる」 ★★★ 作詞
49. 「江の島エンジェル」 ★ 作詞
50. 「真実の愛」 作詞
51. 「ハートはこなごな」 作詞
52. 「私は知っている」 作詞
53. 「原宿午後三時」 作詞
54. 「Oh、my God」 ★ 作詞
55. 「キミは年下」 ★ 作詞
56. 「Yeah,I love you」 作詞
57. 「さすらい人」 作詞
58. 「すてきな人」 作詞
59. 「じゃあね」 ★ 作詞
60. 「美しい花」 作詞
61. 「見つめて」 作詞
62. 「ブルー・バレンタイン」 作詞
63. 「表参道のあの店」 作詞
64. 「新婚家庭」 ★ 作詞
65. 「夏のかわいいベイビー」 作詞
66. 「浜辺のパーティー」 ★★ 作詞
67. 「夢が逃げて行く」 作詞
68. 「夏が消えていく」 作詞
69. 「春の銀座」 作詞
70. 「時は過ぎ行く」 ★ 作詞
71. 「レモン」 作詞
72. 「愛していたのに」 ★ 作詞
73. 「夏の香り」 ★ 歌詞
74. 「思い出のアルバム 」 作詞
75. 「愛していると言って」 作詞
76. 「美しい少女」 作詞
77. 「夜の闇の中で」 作詞
78. 「愛の思い出」 ★★ 作詞
79. 「君を愛している」 作詞
80. 「 珈 琲 」 ★ 作詞
81. 「丘の上の一人の男」 ★★ 作詞
82. 「僕は今でも」 作詞
83. 「浜辺の少女」 ★ 作詞
84. 「湘南においで」 作詞
85. 「いつのまにか」 ★★ 作詞
86. 「ゆれる心」 ★ 作詞
87. 「夏の午後」 作詞
88. 「小さな手」 ★ 作詞
89. 「いつかきっと」 作詞
90. 「ふとした事から」 作詞
91. 「すばらしいあなた」 ★★ 作詞
92. 「子供たちは大人になる」 作詞
93. 「魔法の鏡」 作詞
94. 「片思い」 ★★ 作詞
95. 「あの娘がいない」 作詞
96. 「 ミルク 」 作詞
97. 「湘南ララバイ」 ★ 作詞
98. 「小説」 作詞
99. 「恋のシンデレラ・ナイト」 作詞
100. 「恋もアメリカン」 作詞
101. 「渚の少女」 ★★ 作詞
102. 「夏の終わり」 ★★★ 作詞
103. 「占い」 作詞
104. 「ダンス・パーティー」 作詞
105. 「あの頃へ」 ★ 作詞
106. 「暗い闇の中で」 作詞
107. 「お願いだ」 作詞
108. 「愛される君」 作詞
109. 「いい気味だわ」 ★ 作詞
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111. 「てれくさいのさ」 ★ 作詞
112. 「あの頃は美しかった」 作詞
113. 「彼は寂しかった」 ★ 作詞
114. 「さよなら、茅ヶ崎 ★★★ 作詞
115. 「茅ヶ崎ブルース」 ★★ 作詞
116. 「午後の陽射しの中」 作詞
117. 「見つめないで」 作詞
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■短編「最後のパン」 ロバート・ランブン 短編物語 [・・・・再掲載]
.
■ 「最後のパン」
ロバート・ランブン
カトリーヌは美しい少女だった。
父は貴族の執事をしていた。
生活は裕福であった。
カトリーヌは両親や兄から愛され幸福な日々を過ごしていた。
だが、フランス革命が勃発し父が仕える貴族が没落し父も同様に没落していった。
カトリーヌの一家は生活に困窮した。
18歳になったカトリーヌはパリへ行き小さな店で職についた。しかし、革命派の連中がやって来てカトリーヌは店を追い出された。
父と母はある日襲撃してきた革命派の連中に連行された。兄は革命軍との市街戦の最中死亡した。
カトリーヌは困り果て父や貴族の知人を頼って行ったが、みんな革命の動乱の中で襲撃を受け行方不明となっていた。あるいは国外へ亡命していた。
両親も兄も失い住んでいる家も勤め先も追われカトリーヌは独りぼっちになってしまった。
ある日の夕方カトリーヌはセーヌ川にかかる小さな橋のたもとに居た。
その日は朝から食事もできず空腹だった。
そこへ数人の男達がやって来た。カトリーヌを取り囲み手をつかみ金を出せと脅した。
「金は持っていません。」カトリーヌは震えながら言った。
「それならそのコートと鞄を頂こうか、」男は鞄を引っ張った。カトリーヌは鞄を放さなかった。男はカトリーヌの腕や肩、頬を殴った。頬が切れて血が出た。
カトリーヌは大きな悲鳴を上げた。
悲鳴を聞いて一人の男がやって来た。
「やめろ。」男はカトリーヌの前に立ち持っていた棒で暴漢を殴りつけた。暴漢達は逃げて行った。
「大丈夫か?気をつけた方がいい。あの連中はいつもこのあたりでたむろしている。弱い人や女性を見るととたんに強盗になり金を巻き上げるのだ。」男は名前も言わず立ち去った。
次の日カトリーヌは町の小さな公園に居た。
この日もカトリーヌは空腹だった。昨夜は知人の家に行ったが知人も貧しく追い出された。
二日間全然食事をしていない。
ふと気がつくとカトリーヌの隣のベンチに鞄が有った。何気なく見ると鞄の口からパンが見えた。
カトリーヌは空腹に耐えかねてそのパンに手を伸ばした。
パンを口に持っていった時に、「何をしている。」と後ろから厳しい声がした。
はっと後ろを振り返ると昨日の男がいた。
男はカトリーヌを見て笑顔を見せた。「すみません。実は空腹で、」詫びるカトリーヌを叱りもせず男は「どうぞ、」と言った。
男はベルナールと言った。カトリーヌの父同様ある貴族に仕えていた。やはり貴族が没落した。ベルナールはパリに来ていろいろな仕事をしていた。25歳だった。
パリは革命騒ぎでろくな仕事はなかった。
男も金を使い果たしてそのパンが最後のパンだとカトリーヌに説明した。
カトリーヌは手を止めた。
だが、男は「いいよ。食べなさい。僕はこれから友人の家に行く。そこで食事ができる。」とカトリーヌにパンを食べるように言った。
最後のパンと聞きカトリーヌは食べる事が出来なかった。
「ごめんなさい。昨日は命を救ってもらったのに。あなたの最後のパンを盗んで、」カトリーヌは涙を流した。
男に対して申し訳ないのと自分自身の惨めさに泣いた。
「あなたはパンを盗んでいない。僕はあなたにパンを与えると言っている。僕は今日はパンを必要としていない。」
カトリーヌは泣きながらパンを食べた。
一個のパンはカトリーヌの空腹を少し和らげた。
ベルナールは立ち上がった。「僕はこれから友人の家に行く。そうだ。この棒を上げよう。昨日のような泥棒が襲って来たらこの棒で叩けばいい。」
ベルナールは昨日強盗を殴りつけた棒をカトリーヌに渡した。
「それから職を探す時は革命派の人の店で働いた方がいい。これからは革命派の世の中だ。貴族や王族の店を頼って働いてもそこはすぐになくなる。人と知り合うにも革命派の連中と親しくした方がいい。連中と親しくすれば職にもありつける。何もかもうまくいく。今は苦しいだろうけれど頑張って生きていきなさい。」
そう言ってベルナールは公園を去って行った。
カトリーヌはそれから友人の家を訪ね歩きやっとしばらく泊めてくれる人にめぐり会えた。
友人は革命派の人の店で働いていた。カトリーヌもそこで働けるようになった。
美しいカトリーヌはたちまち評判になった。
ある日立派な紳士がやって来てカトリーヌを食事に招待した。
その紳士は革命派の仕事を受け持ち工場を所有するようになり羽振りが良かった。
革命で激変する社会の成功者だった。いや、すでに富豪と呼べるほどの財産を得ていた。
紳士はカトリーヌと食事を何度もしているうちに、カトリーヌの品の良さと心の優しさを知りカトリーヌに求婚した。
幾つもの工場を持つ富豪から求婚されてカトリーヌは心が動いた。
紳士は立派で優しく趣味も言動もマナーもすべて上品だった。
そしてカトリーヌを心から愛していた。
カトリーヌはどうすべきか考えた。迷った。
ベルナールの言葉を思い出した。「これからは革命派の人々と親しくした方がいい。これからは連中の世の中だ。」
数日後熱く恋を語り求婚する男にカトリーヌはとうとううなずいた。
父の没落以後生活に困窮していたカトリーヌはたちまち富豪の夫人となった。
以前貴族のお城に住んでいた頃よりも遥かに豊かな生活をする事が出来るようになった。
数年が流れた。
カトリーヌの主人の事業はいっそう発展しますます財産は増えた。
カトリーヌは贅沢と言えるほどの生活をした。
パリの街はずれに新しく豪邸を買いそこで優雅な毎日を送った。
やがてルイ16世が革命広場で処刑された。社会は行き先のない濁流のように混沌としていき不安が広がった。
だが、カトリーヌの主人は事業をますます発展させた。いくら世情が騒然となってもカトリーヌの家庭は日に日に豊かになっていった。
カトリーヌの生活はさらに豪華になった。
いつしかカトリーヌは25歳となっていた。革命勃発から7年が過ぎていた。
その間両親は牢獄を転々と移されていくうちに行方不明となっていた。もちろんカトリーヌは両親を必死で探した。
しかし、見つからなかった。おそらく混乱の中で死亡したのだろう。
またカトリーヌは密かにベルナールを探した。
命の恩人であり、最後のパンを惜しげもなく与えてくれた優しい心の持ち主だった。
あの時ベルナールが来なかったら自分はどうなっていたか分からない。ひどい目にあっただろう。また、ベルナールのパンを盗んだ事で役所に連行されていたら、長い間牢獄に入れられただろう。罪人となっていた。
今の幸福な自分はなかっただろう。
ベルナールに会ってあの時のお礼を言いたかった。十分なお礼をしたかった。
何年間も何度もベルナールを探した。
だが、ベルナールも見つける事は出来なかった。
実はあれ以来ベルナールは適した職につけず苦しい生活を送っていた。住所も不明となりもはや困窮者と言える人間へと落ちぶれていた。
ある日の午後カトリーヌの邸宅の部屋と庭で工事が行われた。
邸宅に何人もの工事の作業員がやって来た。
作業員は庭の修理と手入れをし4階の召使の部屋を手直しした。
作業員の一人が広い邸宅で迷いカトリーヌの部屋に間違って入った。
作業員は貧しい身なりで空腹だった。
カトリーヌの部屋に入った作業員は大理石のテーブルの上の沢山の宝石を見て驚いた。
壁際のテーブルにパンが有った。
空腹の作業員は思わずそのパンに手を伸ばして口に運んだ。
その時ドアーが開いた。カトリーヌが入ってきた。
「何をしているのですか?」
作業員はびっくりしてパンを持ったまま壁に向かい立ちつくした。
カトリーヌの部屋に入り込みパンを食べている作業員をカトリーヌは泥棒と思った。
カトリーヌはそばに有った棒で作業員の背中を強く数回叩いた。その棒は昔ベルナールから護身用にもらったものだった。
「この泥棒め。」
作業員は痛みでしゃがみこみうずくまった。さらにカトリーヌは棒を振り下ろした。棒は背中と肩を打った。
心が優しく上品なカトリーヌだが不正は嫌いだった。泥棒も嫌いだった。
「何故、人の部屋に入るのですか?何故パンを盗むのですか?」
カトリーヌはパンを持ったままうずくまっているみすぼらしい作業員を何度も叩いた。
「宝石も盗ったのでしょう?さあ、出しなさい。」
「宝石は盗んでいません。二日間食事をしてなくて空腹で、ついパンを食べようと思っただけです。すみません。」
「盗むより仕事をしてその稼ぎでパンを買いなさい。そのパンは返しなさい。」
言い訳をする作業員を許さずカトリーヌはなおも叱り叩いた。男の手からパンを取り戻した。
「下を向いていないで顔を上げなさい。」
作業員は顔を上げた。その顔をカトリーヌは棒で叩いた。頬から血が出た。痛みで顔をしかめた。
そして、カトリーヌを見あげた。
「・・・、」作業員は何か小さくつぶやいた。
カトリーヌを見上げる男の顔を見てカトリーヌも驚いた。
「あ、」
カトリーヌは棒を落とした。
「ベルナール・・・、」
カトリーヌは取り戻したパンを持ったまま立ちつくした。
終わり
※再掲載です。
2006.10.8.に掲載した作品です。
※著作権者から掲載の許可を得ています。
無断転載複写配布掲載禁止です。
ナポレオン
■■■ ロバート・ランブンの作品の案内 ■■■
※頁数のない作品は短編です。
■町の不思議な大きな木 200頁
■広場のイレブン 100頁
■うそつきのいない国 100頁
■広場の不思議な扉~ケーキ大戦争 50頁
■モンマルトルのピアノ弾き ■しあわせの蒼い石
■最後のパン ■勝利の伝令
■王様と奴隷 ■少年とライオン
■魔女のレストラン ■黄金の国に行ったアキレス
■大砲を撃てと命じた王様 ■欲張りな王様
■王国の大馬鹿者 ■正直な子供と王様
■予言者 ■王様と王子を救った兵士
■オリンポスの歌自慢 ■夢画廊
■哀しみのパンドラ ■おとぎの国のはかり屋さん
■空を見て歩くヨハン ■広場の賢者
■おとぎの国の子供戦争 ■美しい落しもの
■とても美しい町 ■とっても偉い太陽
■ソクラテスの皮袋 ■おとぎの国のはかり屋さん
■空が落ちてきた王国 ■幸せの箱
■おとぎの国のものさし ■一日で天国と地獄を見た男
■お星様はなぜ空にあるの? ■夢を売る工場
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■神々の黄昏~忘却編 ■乾杯~酒は悪魔の贈り物
■小鳥と少女 ■凱旋門でラ・マルセイエーズを歌う男
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「竜馬と小説と歌のブログ」 編集長 ナポレオン
.
■音楽小説 「あれから」 作 伊東和雄 [・・・・小説]
.
2008.11.22. 更新しました。
★ 音楽小説「あれから」を更新しました。
「あれから」のあらすじと本文を簡略に記載しました。
ビッグスターを目指す少年と少女の物語です。
スターを目指して毎日公園で歌う少年。
夢に向かって進む少年を見守る少女。
◇ヤフーで「歌 新作」と検索しますと、このブログが
1600万中1位から10位の間で出ます。
再度このブログを訪問する時にすぐ来れます。
「歌 新作」と検索してご来訪ください。
■ 目 次
⇒ 1. 音楽小説 「あれから」 あらすじ
作 伊東和雄
2. 小説 「幸せがくる」 あらすじ
3. 小説 「うそつきのいない王国」 あらすじ
4. 短編 「いたずら雲さん」 短編物語
5. 小説 「涙のフォークボール」 あらすじ
■ 音楽小説「あれから」 あらすじ&本文
伊東和雄
1.少年は歌手を目指していた。
曲を作りいい作品ができると駅前、街角や公園で歌った。
少女はレストランを持つ夢を持っていた。
2.少年と少女は共に夢を持っていた。
二人は夢を語り合い互いを応援した。少女はいつも少年を見つめていた。
少年はやがて自分の夢ばかりを追いかけるようになった。
少女の小さな夢など気にしなくなった。少年は町を出て大きな都会に行った。
少年の夢はかなった。そして、三年が過ぎた。
ふと思った。少年は町に戻った。
あの通り、あの角、あの公園、あの店。
少年は少女を探した。もう少女はどこにもいなかった。
3.地方の小さな町の街角で少年はいつもギターを弾いていた。
公園でも弾いた。
少年は歌手を目指した。
ギターで歌いみんなを感動させたかった。
スターになりたかった。
少年の大きな夢だった。
自作の曲、歌が出来るとすぐ街角で歌った。
だが、誰も振り向いてくれなかった。
立ち止まる人もいなかった。
黙って通り過ぎるだけだった。
少女は小さなレストランで働いていた。
夕方と日曜日だけのアルバイトだ。
少女には夢があった。
小さなレストランでおいしい料理、飲み物、ケーキでみんなに喜んでもらいたい。
小さいけれど幸せなレストランを開きたい、と。
ある日少女が公園を通りかかった時に、噴水の前で少年が歌っていた。
最初は何をしているのかと思った。
少年の前には誰もいない。
一人で歌の練習でもしているのかと思った。
でも、観客の前で歌っているような歌い方だ。
あまり上手でない、と少女は最初思った。
しかし、必死で歌う少年にどこか心を魅かれた。
少女は木の陰からしばらく見ていた。
次の日も少年は歌っていた。
やはり誰も聞いている人はいなかった。
公園に入る人は少年の前を通るが誰も少年の歌に注目をしなかった。
少女は木の陰から眺めた。
今日の歌は昨日よりはいい歌だった。
少女は思わず拍手をした。
少年は驚いたような顔をして木に隠れるように立っている少女を見た。
うれしいのか驚いたのか少年はしばらく下を向いて歌った。
声が上ずった。コードも間違えた。
少年は途中で歌をやめた。
少女は近づいた。
少年は有難うと言った。
「ボクの歌に拍手をしてくれたのは君が最初だよ。」
少年はとてもうれしそうに言った。
「いつもこの公園で歌っているのね。」
少女が聞くと「そうだよ。ここはボクのライヴ・ハウスさ。」少年は自慢するように言った。
「すごいわ。」少女は感心した。
「歌手になるの?」少女は聞いた。
「そうだよ。」
少年はきっぱりと言った。
自分の夢を明確に持ち力強く進んで行こうとしている少年を見て少女は感心した。
「この公園に来る連中はジャガイモとニンジンばかりだ。」
少年は怒ったようにつぶやいた。
「ふふ、」少女は笑った。
少年は笑う少女を見て変な顔をした。
「ジャガイモやニンジンは大切よ。」
「???」
少年は少女が何を言っているのか分からなかった。
「いいジャガイモとニンジンがないとおいしいスープは出来ないわ。」
何を言ってるのだろうといった顔をして少女の顔をると少女はまた笑った。
「私も夢が有るの。私は小さなレストランを持ちたいの。そこでおいしいスープ、ステーキ、ムニエル、ケーキでお客さんに喜んでもらいたいの。」
少女は自分の夢を語った。
「へぇ、すごいな。」
少年は料理やケーキなどには興味がなかったので適当に相槌を打った。
「今ね、おじさんのレストランでバイトしているの、今度来てね。」
少女は時計を見た。
「バイトの時間だから行かなくちゃ、さようなら。」
少女は公園の森の奥へと去っていった。
公園の森の中に小さなレストランが有る。
少女はそこでアルバイトをしていた。
少年は歌い終わるとそのレストランに行ってみた。
少し離れた所からレストランを眺めた。
きれいな店だった。
あまり近づくといけないような気がして離れた所から頭をきょろきょろしながら眺めた。
しばらくしておそるおそる入り口に近づいてメニューを見た。
スープやビーフ・シチュー、ステーキ、ドリンクなどが並んでいた。
料金は高かった。
少年は見てはいけないものを見てしまったような気持ちになりそこを足早に去った。
4.少年はもっといいギターが欲しかった。
駅前の楽器店にいいギターが陳列されていた。だが、高かった。
バイトをしようと思ったが、小さな町なのでアルバイトを募集している会社はほとんどなかった。
工場なら多少募集はしていた。
以前工場でバイトをしていた。だがそこの作業で指を痛めた。
重いものを運んだり機械を操作したりするのでどうしても手や指が傷ついた。つめが折れたりした。指を怪我したらギターが弾けなくなる。
工場のバイトはやめた。
本当はCDショップか楽器店でバイトをしたかった。
しかし、どちらも募集はしてなかった。
少女のレストランでバイトを募集していた。
いつものように公園の噴水の近くで歌っていた。
少女がやってきた。
少年は少女に聞いた。「ね、君のレストランでバイトを募集しているの?」
「ええ、募集しているわ。人がいなくて困っているの。週に5日ほど働ける人、土日祝日できる人よ。お昼と夕方よ。誰かいい人いないかしら。」
少女は困ったように返事をした。
「僕ではだめかい?ギターを買いたいのでバイトをしたいんだ。」
「えっ、あなたが?」
少女はうれしそうに言った。しかし、すぐ顔を曇らせた。
「募集しているけどウエイターよ。経験ある?」
募集しているのは経験者だった。即戦力のバイトを募集しているのだった。
「やったことないけど、無理かなあ。一生懸命働くよ。どうしてもギターが欲しいんだ。楽譜もたくさん買いたいし。仕事ができないうちは給料はすごく安くてもいいよ。仕事ができるようになったら普通の給料にしてくれればいいよ。」
少年は何とか雇ってくれと少女に頼んだ。
「いいわ、おじさんに頼んでみる。うちも人がいなくて本当に困っているのよ。」
少年は少女の勤めているレストランでバイトをすることになった。
夕方からラスト8時までだ。
小さなレストランだが料理はおいしくお得意さんが多くいて店はいつも混んでいた。
テーブルは10ほどだが、どうしてもホールに3人必要だった。
少女も働いているが、週に4日ほどしかできない。
ほかにフルタイムのアルバイトがいる。現在はその人と少女の二人しかいない。
土曜日曜は完全に手が足りない。
接客が遅れてお客からいつもクレームがくる。
だから、本当に困っていた。
少年は慣れないウエイターのアルバイトを始めた。ギターの代わりにお皿を持つ日が始まった。
少女が少年に教えた。
一言で言えば簡単なのだが、実際はなかなかうまくいかない。ミスの連続だ。
工場のアルバイトと違ってお客さん相手なのでミスをするとすぐ目の前のお客からクレームや叱責がくる。工場のようにミスをした場合追いかけてすぐ修正するといったことができない。
少女は高校一年の時からアルバイトをしてきているので慣れたものだ。
少女の教え方は上手で丁寧だった。
「仕事は簡単よ。料理を注文したテーブルに運ぶだけ。最初は見ていてください。」
お客が来ると少女は水とメニューを持ちテーブルに行き、注文を聞き、出来上がった料理やドリンクを運ぶ。
その動きはベテランのウエイトレスだ。スムースに仕事をこなしている。
年上のベテランの人と動きは変わらない。
始業前や暇な時に何度もお皿の持ち方やお客に対する言葉遣いを教えてもらったが、実際にやるとなると緊張して全くできない。
少年は顔が赤くなるのが分かった。
「最初は下げ物をやりましょう。」
少女はトレイを少年に渡した。
お客が帰った後にお皿やカップを下げる。テーブルを拭く。クロスが汚れていたらすばやく取り替える。
一番簡単で、お客と接しないので最初にやる分担としてはいい作業だ。
だが、それもなかなか難しい。
お皿を落としそうになったり、水の入ったコップを倒したり、スプーンを落としたりと最初の日に何度もミスをした。
先輩の人は暗い顔をした。
少女はにこやかだった。
「最初は誰でもそうよ。気にしない、気にしない。すぐうまくなるわ。」
少年は少女の動きを見て一生懸命仕事を覚えようとした。
少女の動きはリズミカルだった。
歩き方、手の動かし方、体の曲げ方など滑らかだった。
少女がテーブルに行くと少年の半分の時間でテーブルの上はきれいになった。
テーブルクロスを換える時、少年は悪戦苦闘をする。
しかし、少女はさっと換えてしまう。鮮やかだ。
お客としてレストランや食堂で食事をする時は当たり前に接客のサービスを受けていて何も感じないが、いざ、ウエイトレスなどの仕事を自分がするとなると、なかなか難しい。
最初の一日で少年はひどく疲れた。
「やっていけるかなあ?」
少年はすっかり落ち込んだ。
ギターを弾いたり歌を歌うなら得意だが、ウエイターの仕事などまったくできない。
自分が本当は不器用だということが分かった。
「大丈夫、大丈夫、すぐ慣れるわよ。私も最初はお皿を落として割ったり、コップの水をお客さんの服にかけたりしておじさんに何度も怒られたのよ。ナイフやフォークなど何回も落としていまだに10本ほど行方不明よ。」
少女は優しく少年を慰めた。
次の日も特訓は続いた。
「トレイはこう持ちます。グラスやお皿は中心よりも手前におきます。外側に置くとトレイが傾きグラスや料理のお皿が落ちます。」
「グラスは下の方を持ちます。グラスの上の部分はお客様が口をつけるので絶対に持ちません。触りません。」
「お皿はこう持ちます。親指は使いません。親指の先はお皿の外に出します。親指の根元でお皿を押さえます。親指が料理に触れないようにします。爪はいつもきれいにして短くしておきます。」
少女は丁寧に的確に教えていった。
少女の教え方は非常にうまかった。教えているが言葉が命令口調でない。
すべて「・・・です。・・・します。」「はい、つぎはこれを運びます。」と言った言い方だ。
これは少女の性格だろう。
通常は友達に教える場合でも、ついつい先輩として命令口調なる。
「こうしてね、こうするのよ、違う、違う、こうして。」
「あれやって、これやってね、」となる。
だが、少女はどういうわけかそういった言い方を絶対しない。不思議だ。
「トレイはここ置いといてね。」「この荷物を倉庫に運んでおいて。」と通常は言う。
だが、少女は「トレイはいつもここです。」「この荷物は倉庫に行きます。」と言う。
同じようだが、実は違う。
少女の言葉には命令や指示する口調は全然ない。
道具や備品などの場所、そして、次に移動していく場所を説明しているといった言い方だ。
もちろん、少年はそのことに気がつかない。
気がつかないが、少年は少女から圧迫感をぜんぜん受けない。気がつかないがとても気持ちがリラックスして仕事ができる。
通常どういった会社や工場、店でも先輩が新人に教えるときは、命令口調となる。
100%丁寧に教えても命令口調となる。当然だ。
時には、小姑のごとく口うるさい先輩が箸の上げ下げを注意するがごとくじっと監視する。それが指導や教育だと思っている。どこもそうだ。
普段は親切でいい人が、部下や新人、後輩を持ったとたん、突然小姑のごとくなり、口うるさい命令者となる。
部下は毎日がうっとうしくなる。仕事の能率が下がる。
そういった会社や店では新人はすぐ辞めていく。
少女はそういったことが全然ない。
先天的なのだろう。いい教え方だ。少女の部下となり働く人は誰でもリラックスして仕事ができる。結果として仕事が楽しくなり、やる気が出て仕事を早く覚える。
少年は一生懸命少女の説明を覚えた。
そして、失敗しながら作業を覚えていった。
一週間ほどすると何とかできるようになった。
バイトが終わると掃除が終わった店で少年はギターを出して歌を歌った。
少女はテーブルに座りじっとその歌を聴いた。
観客が少女一人のコンサートだ。
終わると少女は大きな拍手をしてくれた。
「いい歌だわ。きっと大ヒットするわ。」
笑顔でほめてくれる少女の声を聞いていると本当に今すぐにでもヒットしそうに思えてきた。
時間が遅いので2曲ほど歌うと店を出て帰った。
すっかり暗くなった森の小道を二人は並んで歩いた。
少年は少女の横顔を見た。
きれいな顔だ。
少女も少年を見た。
少年はあわてて目をそらした。少し顔が赤くなるのが分かった。
でも、なんだか幸せな気分だった。
少年は高校時代音楽ばかりやっていた。
ロックとポピュラーだ。
女の娘(こ)よりも音楽だった。女の娘たちと学校で楽しく話したりお茶に行ったり、みんなと海に行ったりするといったことは普通にしていた。ガールフレンドは何人かいた。
だが、特定の女の娘と恋人のように付き合うといった気持ちは全くなかった。
頭の中がロックと音楽で女の娘のことなど考えている暇などなかった。
暇さえあればギターを弾きCDを聞き作曲や作詞ばかりしていた。
授業中は作詞と作曲ばかりしていた。
夢は歌手で、作曲家だった。
その夢はすぐに実現すると確信していた。
頭の中は音符ばかりだった。少年の頭の中に女の娘などいる場所はなかった。
森のレストランでアルバイトをしだして、いつも少女といるようになって、少し女性というものを意識し始めた。
夕方、時には朝からいつも少女と一緒に仕事をしていた。
少年の一日の中に少女が一番長くいるようになった。
少年の気持ちが少女の方ばかり向くようになった。
作曲や作詞をしていても、家でギターを弾いていても目の前に少女の顔が浮かぶようになった。
少年は少女を主人公にした歌をいくつも作った。
軽快なラブソングや軽めのロックだった。
作った歌を歌ってみると少し恥ずかしかったが、わりといい歌だった。
レストランではホールは三人しかいないのでどうしても少年と少女はペアで仕事をするようになる。
テーブルのセッティングや片付け、小部屋の予約席のセット、片付けなどもいつも一緒にやった。
テーブルを移動する時は二人で持った。
注意深くテーブルを持つ少女の下を向いた表情に少年は見とれた。
テーブルの方、下を見る少女の目は二重がくっきりと目立ちまつげは長い。
正面から見る少女の顔は幾分丸顔でかわいい顔だが、下を向いた長いまつげの表情はドキッとする。大人の女性の表情だ。
じっと少女を見つめる少年に少女は気がついて、少女もじっと見返した。
「クロスをかけます。」
少女は長いクロスの端を少年に投げた。
二人はクロスの両端を持ちながら八人掛けのテーブルのセッティングをした。
「もう少しこっち、もう少し右、もう、少し・・・。」
仕事のリードは少女だ。
少年は少女の言うとおりにクロスを動かした。
少女と一緒に仕事をする少年は言いようのない幸福感を味わった。
この状態で、彼女との仕事をいつまでも続けていけるなら、楽しいだろう。
少女の表情、手や足、体の動きをぼんやり見ながら少年は思った。
「さあ、終わったわ。ね、食事をしましょう。」
今お客は二組だけだ。
先輩のウエイトレスもいる。
少女はすばやく少年をキッチンの中に誘った。
「チーフ、いただきます。」
少女はそう声をかけて鍋からカレーをすくった。
二人分盛りひとつを少年に渡すと、しゃがみこんだ。夕食だ。
しゃがむと完全に客席から見えない。
二人はキッチンのガス台の間でカレーを食べた。
狭い場所で体を寄せ合って、顔をくっつけるようにしてビーフカレーを食べた。
「おいしい、」少女は満足そうに食べた。
確かにおいしい。しかも少年の皿にはビーフが4個ほど入っている。
柔らかくてとろけるようだ。カレーはスパイスもきいていて、少年にとって初めて食べる高級な味だ。
家で食べるカレーとは段違いだ。
「うまいよ、最高だ。」少年は少女にささやいた。
「そうでしょう。」少女はうれしそうに答えた。
「もうひとつお肉いらない?」少女は自分の皿から肉をスプーンにすくい少年に渡そうとした。
「いいよ、いいよ、」少年はびっくりして遠慮した。
顔が赤くなるのが分かった。
「遠慮深いのね。」少女はその肉を自分で食べた。
レストランでバイトを始めてから少年が一番接するのは少女となった。
他の友達やガールフレンドたちとはめったに会わなくなった。
バイトの場所が比較的値段の高いレストランなので少年の友人たちは金銭面で来ることなどできなかった。
逆に言えば少女にすれば少年を一日中独占できることとなった。
少女もだんだんと少年に魅かれていった。
最初公園で見かけた時は、一人で黙々とギターを弾いている孤独なギター少年と言った感じで格好いいと思っただけだった。
正直言って少女は音楽や歌はあまり得意でなく少年の歌う歌がいいのか悪いのかよく分からなかった。
また少年の作曲した歌がどの程度のレベルかといった事も分からなかった。
なんとなくいいとは思った。
ただ、一生懸命応援しようと思っていた。
夜片付けの終わった店で椅子に座り少し離れた所で台に立ち歌う少年の歌を聞いている時は少し感動する。本当のコンサートやライブのような感じだ。
二人でアルバイトをしていると少年を独占しているといった気持ちとなった。少しうれしい気分だ。
二人ともだんだんと好きになっていった。
平日の三時ごろは二人一緒に休憩をとることができる。
平日なら三時ごろは店も暇になる。
ベテランの人がいるのでそれで大丈夫だった。
時にはおじさんがホールを一人でやる時もある。
そういった時は二人は森の池のベンチに座って話しながら過ごした。
「私、早くレストランを持ちたいの。」
少女は夢を語った。
少女の父は隣の駅の近くに使ってない事務所のような家を持っていた。
そこを少し改装すれば小さなレストランとなる。駅前だし近くにレストランはないので繁盛するはずだ。
少女は高校一年の時からそういった計画を持ちレストランの料理やウエイトレスの勉強のためにおじさんの店でバイトをしてきた。
そして、アルバイト代はすべて貯金してきた。
もうすでに小さな店なら出せるほどの貯金をしている。父も母も資金面で応援してくれると約束してくれている。
料理も高級なものはまだまだ作れないが、ちょっとした料理ならできる腕前となっている。
もし、少年が少女の作ったハンバーグ、パスタ、オムレツ、牛肉のソテーなどを食べた場合、そのうまさに驚くはずだ。
ファミレス程度の味の店ならすぐにでも開店できる。
パフェ類、ケーキ類も得意だ。
少女の夢は夢でなく現実寸前のことだった。非常に着実な計画だ。
まじめで堅実な性格だからだ。
「すごいなあ、」
少年は感心した。
そして、立派だと思った。
少年も夢を持ち必死で歌を作っている。客観的に見ていい歌をたくさん作っている。歌もうまいと自信を持っている。音楽仲間の間でも歌は一番うまいと言われている。
しかし、少女のようにすぐに夢が実現する状態かと言われると、はっきり言って遠い遠い夢だった。本当に夢の状態だった。
今までレコードメーカーや音楽プロダクションに何度も歌や作曲した作品を送っている。
全部没だ。返事すら来ない。
自信が有ったのに、ショックだった。
少年は日々をけだるい挫折感の中で生きていた。
夢を語る少年の目は輝き表情も話も輝くが、では、いつ実現するのかと聞くと、少年はうつむいてしまう。
夢はいくつも語れるが現実的なスケジュールは何一つなかった。
少女とは大きな違いだ。
少女は無理すれば、半年後にレストランをオープンできる状態だ。
少女は夢の中でなく現実の中を歩いている。
少年は夢の中をさまよっている。もがいている。
今すぐにでも開店できる状態のレストランの話をする少女の目の輝きに少年は魅かれた。
「小さなレストランを開き、そこで毎日朝から晩まで料理を作り、ウエイトレスもしてお客様にサービスをして喜んでもらうの。そうすれば毎日が楽しいと思うの。」
生き生きと話す少女に少年は見とれた。
少女はその時、そばに少年がいていつも一緒に仕事をしてくれたら、本当にすばらしいと思った。
でも、そういった事はとても少年に話せなかった。
少年は少女の夢の中に簡単に入り込めた。
料理を習った少年が料理を作り、それを少女がウエイトレスをして客席に運ぶ。
素敵な店の雰囲気と料理のおいしさ、きれいなウエイトレスでお客様は満足する。
二人でいつも一緒に働きともに生きていく。
そういった毎日は楽しい。
少年は少女の夢の中に入り、小さなレストランで二人楽しく仕事をする毎日を過ごした。
毎日が夢のように楽しく過ぎる。
少年は少女に好きだと打ち明け、少女は喜びうなづく。
楽しい日々が続く。いつまでも。
公園のベンチで二人とも同じことを考えた。
少女は現実としてそうなって欲しいと願った。
少年はいくら頑張っても作品が採用されない絶望感や不安から逃避するかのように少女の夢の中に逃げ込んだ。
少女の夢の中は温かくやさしく楽しい。
少年は楽しいアルバイトの日々の中、少女とペアで仕事をしている時の幸福感を思い出し、そういった日々が永遠に続けばうれしいと思った。
少女といつも一緒に仕事をしているなら、歌や作曲など捨ててしまってもいいとさえ思う事もある。
二人とも同じことを考えていた。
でも、二人ともそんなことを考えているのは自分だけだと思った。
自分が思っていることを相手に話したら笑われると思っていた。
甘い夢に浸っているうちに昼休みは終わった。
少年と少女は急いでレストランに走った。
休みの日には少年は作曲ばかりしている。
そして、その歌や好きな名曲を歌ってばかりいる。
ギターはかなりうまい。歌も。声はわりといい声をしている。結構響く声質を持っている。
いつもエレキギターを弾きながら作曲をするのでどうしてもハードな曲ばかり作曲をすることとなる。
レストランでバイトをしだしてからは生ギターで作曲をすることが多くなった。
その歌をエレピ:キーボードで歌うことも多くなった。
少女を歌った曲が多くなったからだ。
ラブ・バラードばかりとなった。
ピアノはあまりうまくない。
だが、ラブ・バラードを歌うときには最適だ。
少年はギターを置いてキーボードに向かった。
目を閉じた。
レストランのホールが浮かんできた。そこに少女がいる。
少女はゆっくりとテーブルの間を歩いている。
立ち止まりゆっくりと少年の方を見る。
長いまつげと黒い瞳でじっと少年を見つめる。
♪
午後の陽射しの中
テーブルの横に立つ君
僕をじっと見つめている
I love you
とても君が愛しい
君の夢の中に僕はいる
甘く素敵な夢の中に
いつまでも君と
過ごしていたい
そう思う とても
I love you
すべてを忘れて
君の夢の中で眠っていたい
やさしいまどろみの中で
時を忘れて 生きてみたい
いつまでも君を
君だけを愛して
君を見つめていたい
歌い終わって少年は苦笑した。
さすがに甘すぎる歌だ。
エレキギターを手にした。
エイトビートでメジャー・コードとセブンス・コードばかりを軽快に弾いた。
歯切れのいいサウンドが部屋に響いた。
♪
I love you,baby
とても愛してる
この頃 いつも君のことばかり
頭の中から 君が離れない
君の甘く切ないほほえみ
僕は もう 胸が痛すぎる
I love you,baby
どうか愛して欲しい
どうして君の事 これほど好きに
なってしまったのだろう 不思議
君の黒い瞳にじっと
見つめられて 僕は 深いめまい
I love you,baby
I love you,baby
最初は全部英語で歌った。
適当な英語だ。文法滅茶苦茶の英語だ。単語もかなりいいかげんだ。
だが、英語だとのりがいい。
ロックは英語の歌詞で歌った方がいい。
曲が簡単にできる。
歌っている間少女の顔や瞳が目の前でちらちらした。
本当にこの頃少年は家にいても、寝ていても、街を歩いていても少女の顔が目に浮かんでばかりいる。
きっと恋をしてしまったのだろう。本気で。
音楽野郎で音楽以外興味がなかった少年のハートを少女が破った。
少女に電話した。
少女はもちろんレストランで仕事をしている最中だ。3時頃なので多分少し暇なはずだ。
少女はすぐ電話に出た。
「はい、」
小さな声だ。だが、うれしそうな声だ。
「これから公園に行くよ。レストランの横の池のベンチに行くよ。休憩は何時から?」
「3時からよ。」
少年はギターを持って自転車を飛ばした。
公園の門を通り抜けレストランの前を過ぎ横の池に着いた。
ベンチに座っているとしばらくして少女が走ってきた。
「早いのね、」
「思い切りこいできたよ、」
「お昼食べた?」
「いや、家で歌ばかり歌っていた。おふくろは僕のことなど忘れている。」
「はい、」
少女は笑いながら紙袋を出した。
中にハンバーグとご飯が入っている。
「おお、最高、」
「キッチンから黙って持ってきちゃった。」
二人は笑いながらハンバーグを食べた。
食べ終わると少年は歌を歌った。
さっき作ったばかりの曲だ。
さすがに歌詞は変えて歌った。
あの歌詞で歌ったら少女に笑われそうだからだ。
それでもかなり甘いラブソングだ。
「いい歌だわ、」
少女は微笑んだ。
そして、いつか少女が主人公の歌を歌って欲しい、と思った。
「今度私の歌を作って歌ってみて、」
何度もそう言おうとした。
でも、恥かしくてとても言えない。
そんな事を言ったらたぶん顔が真っ赤になるだろう。
少年は笑い転げるだろう。
少女は黙った。
少年はいくつかラブソングを歌った。
この公園の奥には平日の午後はあまり人は来ない。
公園の奥の森の中の小さな池のベンチで二人は座って時を過ごした。
いい天気だ。
空は青くところどころ真っ白な雲がある。
そよ風が木々の葉をかすかに揺らす。
池に波はなく鏡のようだ。青空と向こう岸の木々が映っている。
少年と少女がひと時を過ごすには一番いい場所だ。
少女はこのまま時が止まってくれればいいと思った。
少年の横顔を見た。
少年はさっき作った歌を英語の歌詞で歌っている。
早口でスラング調で崩した発音で歌った。
そのため少女には歌詞はまったく聞き取れなかった。
♪
I love you
Yes,I love you
I’m always thinking of you these days
You’re so sweet, and so beautiful
I wanna stay with you anytime everyday
If you say you love me
I’m so happy
When you touch my heart I’m gonna crazy
So say to me you love me
So tell me you love me,just now
Love me baby just now
歌い終わった少年は少女の顔を見た。
少女はすごいわ、とほめた。
「英語もうまいのね。いつも英語で歌を作るの?」
「いやあ、いんちき英語さ、」
少年は笑った。
「英語で作詞するなんてすごいわ、」
「ほんと?」
「ほんとよ、」
少年は、けど、詞の内容があまりよくないと言った。
少女は英語が不得意だから歌詞の内容が分からない、ごめんなさい、と言って、英語のできる少年を尊敬すると言った。
少年は内心苦笑しながら少女の眼をじっと見た。
少女も恥ずかしそうに少年の眼をじっと見た。
休憩の1時間はあっという間に過ぎた。
どうしてこういう時って時間は早く進むのだろうと少年は歯ぎしりした。
「じゃあね、明日。12時からでしょう?」
「うん、ラストまで。」
少女は森の小道を走りレストランへ走っていった。
少年は家に帰り二階に駆け上がりここ数日で作った曲をきちんとまとめ完成した。
詞も手直しして曲に完全に合わせた。
大体満足する歌ができた。
いい歌が50曲ほどとなった。
少女を知ってからできた歌が30曲ほどある。
歌でも少女がほとんどを占めるようになってきた。
もう少年から少女を切り離すことは無理だろう。
その事は少年もだいたい気がついている。
少女はそうなって欲しいと思っていた。
しかし、まさかすでにそうなっているとは思わなかった。
少女は少年が自分の事をそれほど真剣に思っているとは考えられなかった。
ガールフレンドの一人、いや、もしかしたら知り合いの中の一人ぐらいかもしれないと思っていた。
レストランのバイトの時に相手が自分しかいないから仕方なくいろいろ話しかけてくれるのかもしれないと思ったりした。
少年に「私のこと好き?」と聞きたかった。
だが、とても聞けなかった。
もし、「いや、べつに、」と言われたらショックだからだ。
怖くてとても聞けなかった。
次の日もアルバイトは楽しく笑顔と笑い声のうちに終わった。
終わると少年はロッカーからギターを持ってきて客席で歌を歌う。
少女はすぐ前のテーブルに座りその歌をじっと聞く。
夜のライヴだ。二人だけのライヴだ。
最高に楽しいひと時だ。
この瞬間のために二人はアルバイトをしているようなものだ。
少女を知ってから、少女に恋をしてから少年の歌はますます良くなった。
声もいっそう響くようになった。
音程もしっかりしてきた。以前のように声がフラットしたりひっくり返ったりするということが全然なくなった。
好きな娘の前で真剣に歌う毎日が少年の歌のレベルを完璧にしていった。
少年はそのことにあまり気がつかなかった。
しかし、少女は気がついていた。
「このごろとても声が響くわ。前よりすごく良くなったわ。」
「そう?」
少年は喜んだ。
そう言えば、以前よりも思ったとおりの声が出るようになった。
以前は頭の中で考えている歌と実際に口から出てくる声がぜんぜん違っていた。
だが、最近は頭の中で浮かんだメロディーや歌、音程がそのまま正確に口から出るようになった。
頭の中に譜面が浮かぶとそのとおりの歌が歌えるようになった。
全然知らない歌でも譜面だけで初見でギターを弾き歌えるようなった。
「よし、これでいいんだ。」
少年はいっそう自信を持った。
必ず歌手になりいい曲を作りヒットを飛ばせる自信ができた。
プロとして成功する。絶対間違いない、そう確信した。
少年は19歳だ。
春に高校を卒業して歌の道へ進もうとしていた。
大学など行く気はなかった。
それより一日でも早く歌手になりたかった。
大学で勉強するよりも曲を作る方が楽しかった。
高校を卒業した時点ですぐに歌手になれると思っていた。
自信満々だった。
だが、卒業直前にレコードメーカーやプロダクションに送った自信作が全部没となった。
かなり落ち込んだが、気を取り直して駅前や公園で歌い続けた。
歌っていれば必ずファンができスカウトが来ると思った、確信していた。
だが、それもなかなか思ったようにいかなかった。
歌っていると集まるのは高校時代の元バンド仲間やクラスメートばかりだった。
彼らの温かい拍手は励ましになったが、デビューにはあまり関係なかった。
だが、それでも歌やギターのテクニック、作曲能力はどんどん向上していった。
少年は単なる自信過剰な人間ではなかった。
未知の能力を秘めた音楽少年だった。
少女も19歳だ。
少女も大学など行く気はなかった。
高校一年の時からレストランを開くという夢、いや、確実な計画を持ちその計画通りに歩んでいた。
大学へ行くよりもおじさんのレストランで料理や接客の練習をした方がいいと考えていた。
少女は驚くほど堅実だ。19歳だというのに人生を50年も生きてきた人よりも遥かにすばらしい人生計画を持っていた。
しかも確実に計画通りのコースを進んでいる。
成功は間違いない。
少女は生まれた街で自分の夢がかなうと確信していた。
この街でレストランを持ち成功して幸福な人生を、夢に描いた通りの人生を送れると確信していた。
少年は自分の夢は、この街では無理だと思った。
東京だ、東京へ行かないとすべてはスタートしない。そう考えた。
そのとおりだ。
音楽やショービジネスでは東京へ行かないとだめだ。
地方の小さな町ではいくらいい歌を歌っていても誰も聞いてくれない。注目されない。
同級生や友人、ガールフレンド、恋人などが感心しただけで全国ヒットになるほど音楽の世界は甘くない。
東京へ行き、有力なプロダクションに入り大手のレコードメーカーと契約し全面的なバックアップを得た時にヒットする。
いくらいい歌でも、いくらいい歌を歌っていても地方の町で歌っていてはヒットなどしない。
「この町じゃだめだ。」
少年は東京へ行くことにした。
それは少女と別れる事となるかも知れない。
いや、少女を捨て去る事になるかも知れない。
今までの二人の甘い日々を消し去る事となる。
少年はそんな事など少しも考えなかった。
ただ目の前に東京の街が広がっているだけだ。
そこは成功の街だ。
自分の夢のかなう大都会だ。
少年が自分の夢に進み目の前に東京の街が広がる時その中に少女の姿はなかった。
アルバイトした金がかなりたまっていた。
アパートを借りて東京でバイトしながら直接プロダクションやレコードメーカーを訪問して売り込もう。
デモテープを郵送するよりも遥かに確実性がある。
いろいろなオーディションもすぐ受けることができる。
好きな歌手やバンドに直接会って売り込める。歌や曲を聞いてもらえる可能性が大きい。
少年は12月の初めにレストランのアルバイトをやめた。
少女に東京へ行くと打ち明けた。
少女は笑顔で励ましてくれた。
「頑張ってね。きっとスターになれるわ。」
精一杯笑顔で言ったが少女は心の中で泣いた。
もう気持ちが東京、歌手となっている少年は少女の心など気にかける事などなかった。
少女の笑顔をそのまま受け取り、「うん、必ず成功するよ。」と笑った。
少年が東京へ行く日少女は駅へ見送りに行った。
少年を乗せた新幹線が遠くへ消え去った時少女はホームに立ち尽くし顔をおおって泣いた。
自分の恋心を少しも打ち明けることができないうちに彼は行ってしまった。
少年は少女に何一つ恋らしい言葉をかけることなく行ってしまった。
「東京へ行ってアルバイト先やプロダクションなんか決まったらすぐ帰ってくるよ。電話もするよ。」
少年は明るく約束した。
しかし、少女はもう少年に会えないと不安を持った。
もう少年は二度と自分に会ってくれないと暗い予感がした。
不幸にもその予感は当たった。
そう、少年は去ってしまったのだ。
少年は東京に着くと早速不動産屋を巡り歩いた。
青山や六本木に行きやすい田園都市線でアパートを探した。
手ごろなアパートが有った。
家賃は安く部屋もきれいで、外は庭で広々としていい環境だ。風呂場も小さいがきれいだ。シャワーもついている。大家さんの家の二階で家族的な雰囲気がある。親切な大家さんだ。
予想以上にいいアパートだ。
東京のアパートは狭くて隣の家やビルとくっつくように密集していて日も当たらずじめじめしていておんぼろでひどいと思っていたが中にはいいアパートも有るのだと喜んだ。
歌手になるのだと言うと、喜んで部屋を貸してくれた。
「頑張りなさい、」大家さんと奥さんは笑顔で励ましてくれた。
礼金と敷金は各一ヶ月でいい、更新料はいらないと言ってくれた。
「良かった。」少年は喜んだ。
親戚や友人のいない東京では金が一番頼りだ。金がどんどん減っていくのは一番困るし、不安だ。
そういう時に、礼金や敷金、更新料をまけてくれて本当に感謝した。
もし東京で金がなくなったら親は当てにできない。
大学に行かない事ですでに勘当状態だった。さらに東京へ行くといった夜両親は大変怒った。
少年は怒って引き止める両親を振り払って東京に来た。
金がなくなった時に両親は絶対助けてくれない。
少年は東京で一人で生きていかなければいけない。
アパートの有る街の駅から渋谷まで15分ほどだ。
電車は地下鉄に乗り入れているので青山まで20分で直接行ける。
六本木までは電車や地下鉄で直接行けないが、表参道で降りて10分ほど歩けば六本木に着く。交通の便はいい。
駅前には小さなライヴハウスが有った。
早速覗いた。ハードなサウンドがホールいっぱいに響いていた。客席はロックファンでいっぱいだ。全員のりのりで楽しんでいる。
「やってるな、」
少年は胸が躍った。
「俺も早くライヴをやりCDを出しヒットを飛ばすぞ。」
少年は胸の中で叫んだ。
少年は夢に大きく近づいた。
あと少しだ。
少年の夢はもう届く所にあった。
少年が手の伸ばせばあとほんの少しで届く。
目の前の夢に手を伸ばすことに必死で少年は田舎の少女の事などすっかり忘れてしまった。
目の前の自分の夢に喜び興奮しそれで東京の毎日が過ぎていった。
東京に来てからは毎日青山、六本木、渋谷、表参道、原宿、新宿を歩き、そびえる高いビル、混雑する人通り、ライヴハウスなどを見てまわり、アパートに帰ると曲を作った。
アパートでは作曲ばかりやっていた。
テレビを見るとか漫画を読むとかゲームセンターに通うとか何か娯楽をするといった事など全然しなかった。
そういった事には興味などなかった。
できたばかりの知人を誘ってスナック、居酒屋などで酒を飲み酒の魅力におぼれて酒びたりになるといった事もしなかった。
ただひたすら音楽、歌、作曲だった。
歌作りに完璧に没頭していた。
東京という刺激のある大都会で曲は次々とできた。
アパートに帰ってギターを持ち昼間歩いた六本木、渋谷の町を思い出すとすぐにメロディーが頭に浮かんだ。
どれもこれもいいメロディーばかりだ。
東京という夢の街が少年の作曲能力に刺激を与えいっそう高めていった。
いい曲ができるとプロダクションやメーカーに売り込みに行った。
そういった忙しい毎日を過ごした。
そういった日々の中で少年は少女の事など思い出す暇などなかった。
少年の心を、歌、作曲、デビュー、東京、デモ・テープの売込みといった事が占領していて少女の入り込む隙間などなかった。
少年は少女の事を忘れていった。
アルバイト先も適当な所が見つかった。
青山のカフェだ。
夕方から深夜までだった。終電直前まで働いた。
時給は良かった。高い時給に驚いた。やはり東京だと感心した。
仕事は忙しかった。多くのバイト仲間ができた。
時折テレビで見かける歌手やタレントが店に来た。
支配人の目を盗んで少年は積極的に話しかけた。
歌手を目指している、作曲をしていると言うと歌手やタレントは「へえ、すごいね、頑張って、」と笑顔で励ましてくれた。
歌手やタレントと顔なじみになっていった。
バイト仲間に一人の女子大生がいた。
休憩時間にギターを弾く少年を見て興味を持った。
その女子大生も歌をやっていた。高校時代はバンドをやっていた。大学に入ってからはやってないが少年が歌手を目指していると聞き再び血が騒いだ。
少年のギターと歌は女子大生をとりこにした。
「うまいわ、」
腕を組み感心して少年をじっと見詰める美しい女子大生の目に少年は最初戸惑った。
少年の歌にすぐ合わせて歌ったりハモッたりする女子大生に少年は驚いた。
その娘(こ)は小さい頃からピアノをやっていてうまかった。
「君こそうまいよ、」少年は女子大生をほめた。本当に感心したからだ。
「あなたにはかなわないわ。いい曲を作るわね、」
女子大生も高校時代にいくつも曲を作ったが満足するものはできなかった。
だが、目の前の少年はいい曲をいくつも作っている。
「すごい、」
女子大生は感心した。
少年のやっているような種類の音楽、歌に女子大生は興味を持った。
「いい。こういった歌だ。」と思った。
「一緒にやればいい歌を、いい音楽をできるかも、」
女子大生はふと思った。
またバンドをやりたいと思い始めた。
日々のバイトの中で二人は急速に親しくなった。
女子大生は東京生まれだ。広尾だ。大学はいわゆるお嬢さん大学だ。
切れ長の目で美人で言葉遣いや動作、しぐさなどすべてにおいて東京生まれ、東京育ちの雰囲気を持っていた。大学1年だった。年は少年と同じだ。
そういった東京の雰囲気に少年はとても魅かれた。
地方の小さな町で生まれ育った少年はその女子大生の持つ東京の香りに心を奪われた。
女子大生はゆかりといった。
お嬢さん育ちのゆかりだが親から小遣いをもらってただ遊ぶよりもいろいろな刺激の有る所で働きたかった。
カフェはそういったゆかりに刺激を与えた。
もっともその青山のカフェは父の知り合いがオーナーをしている店だった。
ゆかりにしてみれば父親の知り合いの店で働くのは嫌だったが、知り合いということで簡単に勤めることができ、気楽に働けるしいろいろ優遇されるメリットがある。気が向いた時に適当に休めるという点が一番のメリットだ。
カフェで働きたいのと気ままに働きたい事を両立できるのでゆかりはその店を選んだ。
実際ゆかりは優遇された。大切にされた。
とはいえ美人でそれなりに真面目に働くゆかりは客の評判もよく支配人からも不満は出なかった。
バイト仲間からは有名なお嬢さん学校で美人でオーナーの知り合いという事で一目置かれトラブルもなくうまくやっていけた。
そうしている頃、少年が募集広告を見て店に入ってきた。
歌手を目指していると話す少年にゆかりはすぐ反応した。
バイトしている時ゆかりは少年を時々見た。確かに音楽をやっている雰囲気を持っている。
店が暇な時はフォービートで動き忙しくなるとエイトビートで、さらにシックスティーン・ ビートで動いている。
ゆかりはその動きを見て内心笑った。
少年とゆかりはバイト仲間と一緒にたまにカラオケに行ったりした。
少年の歌のうまさに全員驚いた。
そして、歌手として絶対成功すると言ってくれた。
ゆかりもうまかった。
少年は驚いた。
「うまい、」内心自分よりうまいと思った。
ゆかりは音程を絶対はずさない、譜面どおりにきれいに歌う。
だから聞いていてとても安心できるし不安定でいらいらするといった事がない。非常にリラックスして聞ける。
ゆかりの歌にみんな拍手した。そして、「二人でバンドを組んでやればいいじゃん。大ヒットだよ、」と誰かが言った。
「そうだよ、」他の連中も大声で言った。
「そうよ、」ゆかりは内心笑った。
少年はゆかりをじっと見た。
「ふふ、」
ゆかりは少年を見ながら微笑んだ。
バイトしている時ドリンクを出すカウンターの所でよく二人は歌を歌った。
即興の歌だ。
そこは客席から少し厨房の方に入っている。
小さな声で歌えば客席には聞こえない。
♪公園通りを・・・とゆかりが歌う。続きを歌えと持ちかける。
少年がすぐ続ける。
♪二人で歩けば・・・
さらにゆかりが続ける。
♪みんな私たちを見詰める、憎い目で・・・・
♪僕らのファッションに嫉妬している。きっと。
「ふふ、そんなに格好いいセンスしてる?」
ゆかりが噴出した。
「何いってんだよ、歌じゃないか、」
確かに少年のファッションはそれほどセンスはよくない。
そのことでゆかりからいつもからかわれている。
ゆかりはいつもいいセンスの服を着ている。バッチリきまっている。高そうな服ばかり着ている。
「お嬢様だなあ、」少年はいつも心でつぶやいた。
しかし、少年はファッションにはあまり興味がないのでことさらファッションの話題に入ってゆかりをすごくほめたりはしなかった。
いつも頭の中は途切れることなく歌だった。
他の男のようにゆかりの美しさ、高い服や通っている大学にことさら興味を持ち擦り寄るように近づくこともせず歌、歌ばかりの少年にゆかりはますます興味を持った。
たとえばゆかりと一緒のテーブルに座ると誰でもゆかりにべたべたと話しかけてくる。すぐ食事やドライヴに誘う。
しかし、少年はゆかりと正面に座っていても頭にメロディーが浮かぶと、その曲を完成させることに必死になり、頭に譜面を書きコードを選び、替えて、格好いいさびを作るのに忙しくなりゆかりの顔など見なくなる。話も一切しない。すぐに1時間が経つ。その間ゆかりは少年の顔をじっと見詰めるが、少年はゆかりなど全然見もしない。テーブルのメモに音符やコードを書いたり天井を見たり目を閉じたり、テーブルをたたいてリズムを取り曲を必死で作り上げていく。
他の男とは大きな違いだ。
目の前に座っていてしかもじっと見詰めているのに、まったく相手にされないといった事はゆかりにすれば初めての経験だった。
そうした事がますます少年に対する関心を募らせた。
少年もゆかりにますます魅かれていった。
休憩時間に二人でテーブルに座り、特に作曲などをしてないでぼんやりしている時にゆかりから見詰められた時には少年の胸は強く締め付けられたように痛くなった。
ゆかりのきれいな目でじっと見詰められると何かジョークを言おうとしても何も言えなくなってしまう。
そういった少年の戸惑った顔を見るとゆかりはとてもいい気持ちになる。
ゆかりはファッションには贅沢だ。
また化粧も時おり派手にする時がある。
少年がカフェでバイトをし始めた頃ゆかりは濃い色のブルーのアイシャドウーをして濃厚なルージュをしていた。
そしてやや冷たく重たい視線で少年を見ていた。
最初そういったゆかりを見て少年は自分よりはるか年上で25歳ぐらいと思った。
しばらくして19歳で自分と同じと知り驚いた。
今まで付き合ってきたガールフレンドとはまったくタイプの違う大人びた女性だった。
音楽を通じていろいろと話をするようになっても、その落ち着いた話し方や視線でどうしても少年はゆかりが年上に見えた。
化粧が軽めの時でもゆかりの視線や表情の濃厚さは変わらなかった。
ゆかりにじっと見詰められて2,3分話していると少年はほほや首筋にチョコレートがべっとりとついた気分になった。
♪
そんなに強く見つめないで
君の瞳は僕の心を深く刺す
君が僕を見る時
氷のように冷たい
君は僕の何を見ているの?
僕の心をえぐるように
君はあやしく微笑む
君の濃厚な視線で
僕のほほや胸は
じっとりと汗ばむ
僕は君を見る
君の瞳に魅かれる
ほほえむ時の唇に吸い込まれる
君はすてきな香りを持っている
君といると いつも
その香りにつつまれる
僕はとまどいめまいを感じる
少年はいつもゆかりの事を考えるようになった。
少年はすっかりゆかりのとりこになってしまった。
ある日ゆかりは友達と一緒に少年のアパートにやってきた。
「うわー、汚いわね。」とゆかりは笑った。
笑われても事実だから仕方がないので少年は頭をかいて笑った。
狭い部屋中楽器や楽器のコード、CD、音楽雑誌でいっぱいだった。
床には作曲しそこなった譜面が散乱していた。
わずかの隙間に綿パンやシャツが置かれてあった。
ゆかりたちが来た時まずゆかりと友達の座る場所を確保するのに2,3分ほどかかった。
床の乱雑さに比較して壁はまともだった。
ロックバンドや歌手のポスターが貼られていていかにも音楽野郎の部屋といったいい感じになっている。
ゆかりたちが座るや否や少年はすぐ曲を弾いた。
「いい曲ができたんだ。今朝作ったばかりだ。」とギターを鳴らし歌いだした。
ゆかりは笑った。
「まず、ジュースぐらい出してよ。」
「ジュース?」
少年は辺りを見回した。
そんなものは少年の部屋にはなかった。
第一冷蔵庫がなかった。
「ひでえ、」
ゆかりと友達はあきれて天井を見上げた。
天井にギタリストのポスターが貼ってあった。
「誰?」
ゆかりの知らないアーティストだ。
「ランディー・ローズだよ。」
少年のお気に入りのギタリストだ。
ゆかり達は2時間ほど過ごして帰った。
想像を超えた乱雑な部屋だったがゆかりには面白い体験だった。
お嬢様ゆかりにとってカルチャーショックの2時間だった。
数日後今度は少年がバイト仲間と三人でゆかりの家を訪ねた。ゆかりの友達も来た。
広尾の駅を降り有栖川宮記念公園の横を通り静かな道を歩きしばらくするとゆかりの家に着いた。
非常に閑静な所だ。
ゆかりの家は非常に大きい。家と言うより邸宅だ。
今度は少年がカルチャーショックを受けることとなる。
ゆかりの家の近くにはフランス大使館など外国の大使館が多く有り道では外人や外人の子供と何度もすれ違った。スーツを着たビジネスマンでなく家族連れが多い。
服装は普段着だ。しかしいい服だ。女性は奥さんだろう。買い物袋を下げている。子供は上品な顔をしている。近所の大使館の家族連れと分かる。
家は洋館が多い。
外国に迷い込んだような気持ちになった。
ゆかりの家を見て少年とバイト仲間の友人は驚いた。
「すげえ、」
家は広く大きい。門も塀も驚くほど立派だ。
門を開けると向こうには広い庭が有った。テレビなどで時々見る外国の家のようなすばらしい庭だ。
少年はちょっと足が震えた。
「今日はパパもママも出かけていていないのよ。どうぞ。」
大きな門を開けながらゆかりは少年たちを招き入れた。
中から大きなシェパードが二頭走ってきた。
少年たちを睨んでいる。
「帰りなさい。」とゆかりが言うと、犬はクーンと声を出し素直に元の小屋の方に帰った。よく訓練されている。しかし、不審者の場合すぐさま襲いかかる。
門を過ぎ少しカーブとなっている石畳の小道を10メートルほど歩いて家の玄関についた。
ヨーロッパ風の立派な家だ。
玄関の付近にはバラがたくさん植えられている。そのほかきれいな花や草が見事に咲いている。
そしてその近くには外車が2台置かれている。
玄関に入ると大きな広間だ。靴を脱いで家に上がるといった事はない。
靴のまま広間に入りそのまま過ごす。
完全に西洋風の家だ。
少年とバイト仲間の友人は黙って顔を見合わせた。
少年の狭いアパートとは大きな違いだ。
広間に入ると「気楽にしてて、」とゆかりはみんなをソファに座らせ、奥に行きしばらくして全員にジュースを持ってきた。それがまたおいしいジュースだ。生の果実を絞ったジュースだ。
少年はこんなおいしいジュースを飲んだのは生まれて初めてだった。
少年のカフェでもフレッシュ・ジュースを出している。もちろん生の果実のジュースだ。1200円だ。お客から好評のジュースだ。だが、ゆかりの家のジュースはカフェのジュースよりもはるかにおいしい。
「今度このジュースをうちのメニューに入れるべきだね。」少年は言った。
「この味だと3000円だね。」バイト仲間が真剣に言った。
ゆかりはその話を黙って笑いながら聞いた。
気がつくと部屋には音楽が流れていた。上品なバロック音楽が静かに流れている。
話をしていると気がつかないが、声がとまるときれいな演奏がどこからともなく聞こえてくる。
こういった音楽のかけ方は居間にいるお客をとてもリラックスさせる。とてもいい気分になる。
「すてきだなあ、」少年は心の中でつぶやいた。
今日のゆかりの服装は地味だ。というより普通だ。
青山や六本木に行く時は派手な服と化粧で出かけるゆかりだが、自宅にいる時や近所の店で買い物をする時はごく普通の、といってもここら辺の女性やお嬢さんがしている服装で過ごす。
「あまり派手な格好をすると近所の目がうるさいのよ。ママに怒られるし、」ゆかりは静かに笑った。
今日のゆかりは上下とも白だ。やや長めのスカートにブラウスだ。品がいい。
いつものゆかりと違ってとても清楚に見えた。
おまけに言葉遣いまでいつもと違いとても静かで丁寧になっている。
いかにもいいとこのお嬢さんといった服装だ。
少年は自分とはまったく違う世界で日々を過ごすゆかりに見とれた。
窓から光が差し込んできてゆかりの白いブラウスとスカートのあたりが白く光っている。
ふんわりと光る白いブラウスと品良く座りこちらを見るゆかりを見て少年は心の中にそよ風が吹いてくるような気持ちになった。
広間の隅にアップライトだがピアノがある。生ギターも置いてある。
「ねえ、歌を歌いましょう。」
ゆかりがピアノを弾き始めた。
少年はギターを取りピアノに合わせてコードやリフを弾いた。
バイト仲間の連中はテーブルを手で叩き足を鳴らしリズムを取った。
最近バイト先で歌っている歌をゆかりが歌った。
ゆかりと少年が即興で作った歌だ。
♪
とても重たくダークな夜
青山通りを二人は走る
風は冷たい
だけど、心は熱い
この道はどこへ続くのだろう
僕たち二人を乗せて
終わりのないかのように
いつまでも続く
この先にはきっと
刺激的なエリアが有るだろう
真夜中の246は 寂しいけれど
二人なら そんな事はない
外苑前の小さなカフェで
二人は時を過ごした
深いブルーの闇の中
息を止めて見詰めあう 君と僕
時が不規則に音をきざみながら過ぎていく
僕たちを置き去りにして
そう、僕たち二人は
何もかもと無関係に過ごしていく
街を歩く人々や
流れる車
青白い闇
すべてと無関係に
二人は過ごしていく
真夜中の青山通り
真夜中の青山通り・・・・
この間即興で作ったばかりの歌を二人は軽快に歌った。
ゆかりのピアノはとてもうまい。
歌もうまい。
「すごい、」少年は感心した。
少年のギターがゆかりのピアノに置いていかれそうになった。
曲が終わった。
少年と友人は大きな拍手をした。ゆかりも拍手をした。
「うまいよ、」少年と友人は感心してゆかりをほめた。
「あなたこそ、すごくうまいわ、」ゆかりは少年を見てもう一度拍手をした。
ゆかりと友達が奥に行き今度はサンドイッチとコーヒーを持ってきてくれた。
ちょうどおなかがすいてきていたので助かった。
歌と演奏を中断して全員軽く食事をした。
「すごくおいしい、」バイト仲間が驚いた声を出した。
「本当にうまいや、」少年もほめた。
あまりおいしいので少年はあっという間に自分のサンドイッチを平らげた。
ゆかりが自分のサンドイッチを少年に寄越した。
少年は有り難くそれもあっという間に平らげた。
実はここの所あまり満足に食事をしてない。
コーヒーも驚くほどいい味だ。
香りがとてもすばらしい。
少年は自分の世界でない料理や飲み物にため息をついた。
サンドイッチを食べ終わると少年は再びギターを持った。
「ソロでどうぞ。」
ピアノを離れたゆかりが微笑んだ。
少年は軽くストロークで歌いだした。
「何を歌おう?」
「恋、」ゆかりが言った。少し真面目な顔だ。
「よせよ、」少年は不協和音を鳴らした。
「不思議な少女、」バイト仲間が言った。
少年はゆかりを見て笑った。
♪
昔、そうずっと昔
不思議な少女がいた
深い森に住んでいて
いつも窓から街を見ていた
街では男たちが
粗野な歌を歌っていた
少女は窓を閉めた
だけど歌はガラスを通り
少女の耳に、胸に入ってくる
いつしか低級な歌が少女をとりこにした
少女は家を出た
歌に惑わされて
街へと歩き始めた
少女は森の生活を捨てて
街に出た
街で男たちと一緒に
歌を歌いだした
少女の目はぎらぎらと輝きだした
「な、何、それ、私の事?」
ゆかりが顔を少し赤くしながら抗議した。
「歌だよ、単なる歌。いちいち歌詞に反応するなよ、」
少年は笑いながら歌を続けた。
バイト仲間は腹を抱えて笑っている。
ゆかりの友達もくすくすと笑った。
ゆかりは悔しそうな顔で続きを歌った。
♪
男たちはいつも
ひどい格好だった
食事もろくにとらず
歌ばかり歌っていた
歌といっても それは
叫んでいるだけ
心や精神が狂っているから
ゆがんだ精神構造を ただ
町中に撒き散らしているだけ
可哀想なのは街の人々
独りよがりの歌を聞かされ
毎日憂鬱になる
それでも少年は歌う
自分の挫折を、絶望を
悲しい声で歌い続ける
ゆかりが歌うと全員大声で笑った。
「これ、歌かよ。」
「絶対ヒットしない。」
「狂っているのはゆかりの方、」
「いい歌よ、」
ゆかりは少しほほを赤くして言った。
「もう少しまともなヒットしそうな歌を歌おう。」
バイト仲間が提案した。
「じゃ、オリコンの1位になりそうな歌を。」
「誰が歌うの?」
少年はゆかりを見た。
「You、」
ゆかりは少年を指差した。
少年はギターを鳴らした。
きれいめのメロディーを弾いた。
♪
午後の陽射しを浴びながら
二人は神宮外苑を訪れた
銀杏並木をゆっくりと歩いた
「どう、こんなんで?」
ゆかりが続けた。
♪
夏は過ぎ
少し風が冷たい
二人はうつむきながら
黙って歩いた
行きかう人はなく
ただ緑の影が二人をつつむ
男は絶望で言葉を失い
女は絶望が絶望でないと
知っている
男が寄りかかる重たい扉が
実はそれは喜びの部屋への
入り口だと知っている
だけど男は
すっかり希望を失い・・・・・・
「どこがオリコンの1位だよ、」
「前半が少し良かっただけ、」
「誰が買うか、この歌詞を」
「そうかなあ、」
ゆかりは平気な顔をした。
少年はギターを置いた。
これ以上即興をやっていると捻じ曲がった歌ばかりになってしまう。
どういう訳かゆかりは人の心を引っ掻き回す歌ばかり歌う。
ブレイクした方がいい。
「テイク・ファイヴ」
「そうしよう、」
みんなコーラを飲んだ。
「ねえ、いつ頃デビューするの?」ゆかりが真顔で少年に尋ねた。
「できるだけ早くと思うけどなかなか契約してくれないよ。」
「結構難しいんだよね、」ゆかりの友人がつぶやいた。
確かに。なかなか契約してくれない。
しかし、最近はプロダクションの人とも顔なじみとなり名刺もかなりもらった。
持参したデモテープもすぐ真剣に聞いてくれるようになった。
「ライヴやってみようよ。」
ゆかりが言った。
渋谷かどこかの小さなライヴ・ハウスに出ようと提案した。
小さなライヴ・ハウスでもとにかく出演しているとレコード・メーカーやプロダクションの注目を浴びる。
いい演奏をすれば声がかかる。
やっぱり売込みにはライヴが一番効果的だ。
とにかく実際の自分たちを見てくれる。自分たちの歌・演奏能力を見てくれる。
デモテープよりもはるかに効果的だ。
しかし、現在の流れはバンドだ。少年が目指しているソロ歌手のスタイルはなかなか受けない。
メーカーもバンドを一番望んでいる。
「やろうか、」少年はゆかりの顔を見て言った。
「やろう、やろう、」ゆかりは楽しそうに答えた。
ゆかりは再度バンドを組んでライヴをやりたくて仕方がない。ゆかりの血は騒いでいる。
「じゃあ、売れ線の曲を作るか、」少年は不安そうにつぶやいた。
「そうそう、とにかく売れ線の歌を作り注目を浴びることよ。そしてヒットするのよ。それから自分の好きな歌を歌えばいいのよ。まず最初にヒットすることよ。売れないのにいくらいい歌を作っても駄目よ。」
ゆかりが方向性や戦術を示した。確かにそのとおりだ。
注目を浴びてヒットすることが先決だ。
デビューもできず自分の好きな歌ばかり歌っていても何にもならない。
とにかくヒットすることだ。デビューすることだ。
自分の心の叫びや挫折、苦悩、あるいは夢や意気込みをいくら歌っても誰も聞いてくれなきゃ意味がない。
それより、妥協して売れ線の歌でヒットして、それから自分の好きな歌を歌っていけばいい。ヒットした後なら多少自分自身を主張する歌を作っても発売してくれるしファンも聞いてくれる。
現実的にならなければいけない。
独りよがりの歌を作る少年がゆかりとコンビを組んだことはいいことだ。
「二人で?」少年は聞いた。
「二人だけど、ドラムがいるわ。友達でやっているのがいるから、ライヴの時だけ入ってもらうのよ。彼は忙しいから練習の時は時々ね。」
「ベースは?」少年は指をあごにあてて考えた。
「別になくてもいいじゃん、」ゆかりはあっさり言った。
ギターとキーボードとドラムだ。トリオだ。シンプルだがそれで十分だ。
場合によってはギターとキーボードだけでもいい。
音の厚みが不足するがそこは少年のギターと歌でカバーすればいい。
いい歌さえ歌えばベースのない事など気にならない。
贅沢を言ってられない。人数もいない。資金もない。時間もない。最小の人数でやるしかない。
ゆかりの友人がドラムを手伝ってくれるので助かった。
完璧なバンド編成をあれこれ考えるよりも早くライヴハウス・デビューすることが先決だ。
荒削りでもとにかくスタートすることだ。船出することだ。
少年とゆかりはスタートすることにした。
ゆかりがぐいぐいと少年を引っ張った。
ゆかりが足早に進むコースは少年も望むコースだ。
二人はぴったりと息を合わせて進んだ。
いいコンビとなった。
ライヴハウスに出演できることになった。
ゆかりは作詞も始めた。
少年の作詞も非常にいいが、かなり独りよがりの主張がある。
自分の怒り、絶望、不安、挫折を叫んでいる歌が多い。とても売れそうにない。
少年に何度も歌全体の意味を聞いてやっと理解できるといった歌詞が多い。
ヒットを狙うなら分かりやすくし、ある程度きれいに格好よくまとめる必要があった。
誰もが初めて聞いた瞬間ぞくぞくするようなサビが絶対必要だ。
このぞくぞくするようなサビがないと歌は絶対ヒットしない。
ゆかりは少年の歌詞を幾度も手直しした。
ゆかりが手直しした歌詞を見て少年は感心した。
とてもきれいにまとまっている。
多くの人に受け入れられる売れ線の歌詞とはこういった歌詞か、と少年は納得した。
ヴォーカルはすべて少年がとった。
ゆかりはコーラスを受け持った。
ゆかりもうまいがソロで歌うには力不足だ。アマチュアならいいがプロとしてはやや弱い。
だが少年のヴォーカルはプロとして十分やっていけるレベルだ。
そこをゆかりは確実に見抜いている。
ゆかりにもヴォーカルを勧める少年を説得してヴォーカルはすべて少年にとらせた。
少年は首をかしげながらもゆかりに従った。
こういう点においてゆかりはとても頭が切れる。
自分も含めて相手と全体を見渡す冷静な目を持っている。
うぬぼれて自分が前面に出るといった事はしない。
お嬢さんだがぼんやりとはしてない。肝心の時に決してうかれない。とてもクールだ。
二人は新作をいくつも作った。
少年とゆかりの共同作業が始まった。新しいスタートだ。
貸しスタジオやゆかりの家で歌と演奏を何度も練習した。少年のアパートでは打ち合わせを何度も行った。歌った歌をMDに取りすぐに聞いた。
どれもいい出来だと思えた。
「よし、これでいいだろう。」「うん、だいじょうぶよ、」
二人は自信を持った。
「よし、行ける。」
3月中旬渋谷の小さなライヴハウスで初めてのライヴをやった。
記念すべき二人の初ライヴだ。
ゆかりの友人がたくさん来た。カフェのバイト仲間も何人か来た。
だが、それ以外の客はいなかった。
少年とゆかりは必死で歌い弾いた。
盛大な拍手が起きたが友人や仲間の拍手では意味がない。
翌週もライヴを行った。
だが、客はいない。すべて友人や知人ばかりだった。
少年とゆかりは落胆した。
しかし、めげずに必死でライヴをやった。
ライヴは週1か週2でやった。
本当は毎日でもやりたかったがライヴハウスがスケジュールを組んでくれなかった。
それに少年は生活費も稼がなければいけない。
アルバイトをそうそう休むわけにはいかない。生活費どころかその日の食事に困る。
音楽・歌に完全に打ち込みたいがそれより先に生活のために朝から晩までバイトをしなければいけない。
バイトばかりしていると当然歌や楽器の練習の時間が全然とれない。作曲や作詞をする時間もなくなる。
その事で少年は苛立ち苦しんだ。
ゆかりは少年の苦しみがよく分かった。
金持ちのお嬢さんのゆかりは、その気になれば少年の生活費の悩みを解決できる。
しかし、それをゆかりがやってしまったら駄目だ。下手すると二人の関係がうっとうしくなり壊れる。
ゆかりは生活の面で少年を助けることが出来るのにそれができない。
ただそばで見守り応援するしかない。
その事はゆかりをとても悩ました。
ゆかりの気遣いと悩みを少年は分かっていた。
二人はそういった悩みと苛立ちをすべて歌・ライヴにぶつけた。
二人はもがき苦しみながら歌い演奏した。
ゆかりは演奏や作詞、時には作曲やアレンジの面で、そして自分たち二人が音楽面でどういったコースに進むのがいいのかといった事などで必死で少年の手助けをした。
そして苦しむ少年を優しく励ました。苛立つ少年の愚痴に近い言葉を黙ってじっと聞いた。
ゆかりが出来ることはそれだけだった。
それは最善の方法だった。
客の来ないライヴハウスで必死に歌う少年に大きな不安がこみ上げてきた。
このまま終わってしまうのか?駄目なのか?
ゆかりも同様だった。
少年の歌とギター、作曲は絶対人気が出ると確信していた。また、自分も含めて自分たちのバンドはライヴをしたらすぐに人気が出ると思っていた。
だが、反応は悪かった。いや、ひどすぎた。
誰も来ない。一人も来ない。
「こんなはずじゃない。」
ゆかりにも絶望が襲ってきた。
少年とゆかりは客の来ないライヴを何度もこなした。
あっという間に2ヶ月が過ぎた。
やがて少しずつ客が増えてきた。
本当に最初のお客はゼロだった。その次が一人だった。
それから二人、三人と増えていった。
最初はみな面白半分、興味本位だっただろう。
だが、少年のギター、歌が興味本位の客を感心させた。
拍手も多くなり反応も良くなった。
また、ゆかりが美人だからゆかりに対する拍手も多かった。
そのうち熱心なファンが増えてきた。暇つぶしのファンでなく本物の歌手・バンドに興味のある真剣な音楽ファンだ。
ライヴをするたびに来るファンが増えてきた。
演奏が終わると熱心なファンは控え室や出口にやって来た。ファンたちは少年とゆかりをつかまえて歌を褒め、そして熱く音楽や歌に関して意見を述べた。
少年とゆかりはそういった熱心なファンを大切にして長い時間話し合った。
そして、そういったファン達が友人や知り合いをライヴに呼んだ。
客はさらに増えていった。
少年とゆかりはライヴハウス・ファンの間でだんだんと知られていった。
ライヴをこなしながら二人は曲をどんどん作った。
自信作が20曲ほどたまった。曲だけなら100曲ほど作った。
とにかく少年とゆかりが一緒にいれば曲は即興でどんどんできた。
その即興の曲を二人で2時間ほどかけて手直しするとすぐいい曲となった。
それらは二人が生み出した輝く宝石のようなものだ。
出来上がった曲を聴き二人は「僕たち二人の大切な曲だ。」「そうよ、宝物よ。」と熱く語った。
曲作りにおいて少年とゆかりはひとつとなった。ばらばらの二人でなくすばらしい曲を作る一つのアーティストとなった。
曲作り・歌作りにおいて少年とゆかりを分ける事は出来なくなった。
音楽面でも、さらに日々の生活・人生においても二人はすばらしいユニットとなった。
少年はゆかりを絶対必要とし、ゆかりには少年が不可欠となった。
曲作りで二人は自信を持った。
「僕たち二人は絶対大丈夫だ。」
少年とゆかりは見つめあった。
ライヴを精力的にこなしている7月半ばあるプロダクションの人が控え室にやって来た。
そこそこ名前の知られたプロダクションの社員だ。
少年とゆかりは緊張した。
「高橋といいます。」
名刺をくれた。
「なかなかいいね。ずっと三人でやるの?」
「ええ、当面は、」少年が答えた。
「作曲と作詞は?」
「曲は僕で、作詞は二人でやります。」
高橋はゆかりを見た。
「美人だなあ、」といった顔をした。
「いい作詞をしますね。ピアノもうまい。」
「有り難うございます。」ゆかりは手短に答えた。
頭の回転のいいゆかりはこういった時には簡単に答えるのが一番いいと知っていた。
くどくどと長たらしく音楽に対する情熱や夢、思い入れを語っても逆効果だと知っていた。
「今度いつやるの?」社員はスケジュールを聞いてきた。
「来週の今日です。その後も出ます。これを見てください。」少年はライヴの出演リストを渡した。
「有難う、また来るよ。名前は?」
高橋は二人の名前を聞いてきた。
「宮滝洋二です。」
「牧野ゆかりです。」
少し緊張しながら二人は答えた。
「そう、よろしく。」
プロダクションの人は二人の名前を手帳に書いて帰った。
いい感触だ。
「いけるかもね、」ゆかりがうれしそうに笑った。
「うん、」洋二はうなずいた。
「いける。本当に、」洋二は心の中で確信を持った。
次のライヴでもそのプロダクションの社員は来ていた。洋二たちのライヴをじっと真剣に聞いた。
いい演奏やヴォーカルが決まった時には大きな拍手をしてくれた。
きちんと評価しながら聞いてくれている。
舞台からそういった聞き方を見て洋二はうれしくなった。
ギターを弾きながらゆかりを見るとゆかりも小さくうなずいた。
洋二は高橋に自信の有る歌を聞いてもらった。
ライヴでまだ演奏してない歌ばかりだ。高橋が一度も聞いてない歌だ。
最近作ったばかりの歌だ。ほとんどがゆかりと一緒に作った歌だ。中には高校時代に作った歌もある。
高橋は非常に気に入った。
「いいね。どれもレベルが高い。それに独特のサウンドだ。君しか出せないサウンドをしている。詞もいい。」
高校時代に作った数曲の歌については「技術的に荒削りだしいまいちの点もあるが、だけど熱気がある。こういった熱気が大切だ。高校時代の曲をうまく手直しすればぐっと良くなる。」とほめてくれた。
ある日高橋が洋二とゆかりを近くの喫茶店に誘った。
喫茶店の奥の席に行くとそこに二人の年配の人がいた。
高橋の会社の部長と課長だ。
二人を紹介された洋二とゆかりは緊張した。
「デビューしないかい?」
高橋が真剣な顔で聞いてきた。
「えっ、」洋二とゆかりは驚いた。そして喜んだ。
幸運がとうとうやって来た。
高橋は洋二とゆかりにCDデビューと契約の話を切り出した。
高橋のプロダクションは洋二とゆかりがCDを発売するレコードメーカーもほぼ決めている。洋二たちは知らないが部長と課長は洋二たちのライヴをすでに2度ほど見ていた。洋二の歌とギターの腕を確認している。
デビュー曲はテレビ・ドラマの挿入歌となることも決定している。
もちろんその歌は洋二の作品である。
11月21日発売のCDシングルでデビューできる。
「お願いします。」
洋二とゆかりはそろって高橋や部長などに軽く頭を下げてデビュー、契約の了承をした。
「頑張ってください。いい才能をしている。」
部長が笑顔で洋二に言った。
高橋たちと別れたあと洋二とゆかりは急いで別の喫茶店に入った。
そして、ついさっきの話をしながら喜びを語り合った。
「すごいね。とうとうよ。」
ゆかりが頬をピンク色に染めながら洋二の手を強く握った。
洋二もゆかりの手を握り返した。
「デビューよ。夢みたい。」
「本当だよ。」
二人は高橋から渡された数枚の書類を見ながら今後のスケージュールを確認した。
デビューまで期間が無い。
デビュー曲の選定、レコーディング、イヴェントといろいろ忙しい。
スケジュール表には二人の予定がびっしりと入っている。
その日から二人の生活は一変した。
安いが給料が出ることになった。
洋二のアルバイト代よりもかなり安い給料だが、これで洋二はアルバイトをする必要がなくなった。
完全に音楽・作曲に専念できるようになった。
交通費や楽器に関する費用がプロダクションから出るのが有り難かった。
さらに、プロダクションの練習スタジオを無料で使える。毎日1時間ほどは洋二たちが使える。そのスタジオに置いてあるキーボードやシンセサイザーなどの楽器も自由に使える。
洋二たちと高橋はデビュー曲候補の3曲をさらに完璧に仕上げる作業を行った。
高橋と一緒にレコードメーカーに出かけディレクターなどにあいさつ回りもした。
レコーディング・スタジオも見学した。見学した時には他社専属のバンドがレコーディングをしていた。ヒットを連発している有名なバンドだ。
洋二とゆかりは興奮した。
もうすぐ自分たちもこのスタジオでああいうふうにレコーディングを行うのだ。
連日洋二とゆかりはプロダクションの近くの小さな練習スタジオで歌の練習をした。
練習といってもほとんどデビュー曲のレコーディングの練習だ。
録音した音を聞くと完璧だ。
そのまま原盤として使えるほどいい出来で録音できていた。
洋二たちの担当は高橋が行った。
数日してデビュー曲も決定した。
その曲は洋二もゆかりも高橋も全員がいい出来だと認める曲だ。
曲は洋二、作詞は洋二とゆかりだ。
「いけるよ。ヒットするよ。」
高橋は自信に満ちた顔で二人に言った。
高橋の自信満々の表情を見て洋二とゆかりは最高の気持ちになった。
レコーディングの練習や演奏の練習などをしない日は高橋と一緒に放送局や関連する音楽事務所へのあいさつ回りをした。さらに他のバンドと一緒にイヴェントなどをこなした。
事務所には有名なバンドや歌手がいた。
そういった先輩ともいえるバンドと一緒に動き回るのは大いに勉強になった。
ヒットを飛ばし続けているバンドの人たちは洋二の歌を聞いてほめてくれた。
「いけるよ。ヒットするよ。頑張って。」と励ましてくれた。
事務所の有名なバンドや歌手からほめられて洋二とゆかりは本当にうれしかった。そして、ますます自分たちはヒットすると確信を深めていった。
洋二たちはそういった先輩バンドのライヴに同行して機材の運搬やセッティング、ライヴ前のいろいろな作業や雑用の仕事をした。
そういった仕事は遠くや地方への移動も有り朝から深夜まで続いた。体力的にはきつかったが、非常に楽しい仕事だった。
音出しのチェックで舞台の中央でギターを弾く作業は身震いするほどうれしい仕事だった。
大きなコンサート会場の舞台中央で広い客席を見ながらギターを弾いて音を出す作業はまるでもう自分がスターになったかと錯覚するような気持ちにさせた。
そういった先輩バンドの手伝いの仕事をしながら、あいた日には歌と楽器の練習を猛烈に行った。作曲や作詞は一日中、あるいは仕事のあと連日深夜まで行った。
いい曲、詞がさらに増えていった。
それらの曲の中に非常に出来のいい歌が12曲あった。
その曲、詞を見て高橋は「これでデビュー・アルバムもすぐに出せるな。」と感心した。
デビュー曲が当たれば第二弾は春に出して、ファースト・アルバムは来年の夏ごろだ、と高橋は説明した。
二人はいっそう興奮した。
まるで自分たちの成功した来年を見ているような気持ちになった。
洋二とゆかりはデビューに向けて忙しい日々をこなしていった。
9月初め洋二は20歳になった。
もがき苦しみながら挫折と不安の中で20歳になった。
とうとうデビューが訪れた。
続いて同じく9月下旬ゆかりも20歳になった。
二人は六本木の小さいけれどしゃれたレストランで二人だけの誕生会を行った。
「20歳か・・・、」
洋二とゆかりは顔を見合わせて微笑んだ。
二人とも高校一年ごろから真剣に音楽をやって来た。
コースは違うがデビューして成功する夢を持っていた。
ゆかりは途中で早々と失敗しほとんどあきらめてしまっていた。
洋二は自信満々だったがいくらやっても認めてもらえずもがき続けた。
絶対成功する、いやすぐにでも成功すると確信していたが、挫折の日々を送っていた。
しかし、とうとうデビューもできることになった。
二人は最高の喜びで誕生会を行なった。
「僕たちはもうガキじゃない。大人だ。」
洋二はまじめな顔でゆかりを見た。
ゆかりは黙ってうなずいた。
「デビューもできるし僕たち二人は絶対成功する。自信が有る。」
洋二は強く言った。
「うん、」
ゆかりも強くうなずいた。
「僕とゆかりはいいコンビだ。これからも二人でいい歌を作りどんどんライヴをして成功していこう。」
「うん、ずっとね、」
ゆかりは洋二の目をじっと見ながら真剣な顔で言った。
もう二人は昨日までの少年・少女ではない。
ライフワークの音楽と人生を真剣に見つめ進んでいく成功直前の大人だ。
二人は互いに音楽でも日々の生活・人生でも常に一緒だと感じだ。これからはずっといつも一緒に日々を過ごすと思った。
二人は互いに相手なしの人生を想像出来なくなった。
二人は真剣に愛し合っていた。
以前の二人は共通の趣味とも言える音楽だけで結びついていた。
だが、今は音楽だけでなく生活や人生のすべてにおいても強く結びついている。
二人は同じ道を手を強く握り合ってまっすぐ歩いて行っている状態だ。
もう二人が別々の道を歩むとか互いの手を離すといった事は有り得ない。
音楽が好きだった二人が偶然出会い一年ほど一緒に悪戦苦闘している間に、いつの間にか二人はすべてを理解しあい、さらに人生を共に進んで行く恋人となっていった。
二人は音楽ではもちろん、人生でもうまくやっていけるだろう。
「大好きだよ、」
洋二は自分の気持ちを告白した。
「私も。いつまでも。」
ゆかりは笑顔でこたえた。
二人は真剣に気持ちを伝えあった。
二人とも自分たちの未来は明るく輝いていると確信した。
つづく
※このブログへ小説「あれから」を掲載し始めたのは2008.
1.9.です。
※「あれから」のあらすじ完成、主題歌「あれから」の完成は
7年前の2001年夏頃です。
完成の時期と掲載の時期とが違います。ご注意下さい。
◇あらすじと本文が混じった小説ですが、著作権が存在します。
小説中の歌詞にも著作権が存在します。
2008.1.9.
ナポレオン
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◆ 小説「幸せがくる」 あらすじ
伊東和雄
昔貧しい孤児院があった。
コハト・ホームだ。
災害や親の失踪などでやって来た子供たちばかりだ。
中には病院で生まれたという子供もいた。
病院? 普通だと誰もが思う。そうではない。
病院の玄関に置き去りにされた子供なのだ。
ある年の暮れ、クリスマスというのに子供たちはケーキもなく寂しく過ごしていた。
一人の男がクリスマスの夜ケーキをたくさんプレゼントした。
マザー・石井十三子(とみこ)と子供たちは喜んだ。
マザー・とみこもクリスマスの為にケーキを買いたかった。
でも、全然費用が出来なかった。
以前は時々寄付があった。
しかし、最近は寄付をしてくれる人もいなくなった。
すっかりみんなから忘れ去られてしまった。
マザーは時間を見つけては近所の店や工場で働き運営の費用を工面した。
だが、そんな少ない金額では孤児院の運営はとても出来ない。
マザーは役所にも訴えた。
窓口で必死に係員に訴えた。頭を何度も下げた。
しかし、係員は冷たく言った。
「今年の予算はすべて終わりました。援助は出来ません。規程です。」
「でも援助を頂かないと子供たちの食べるものがないのです。」
「そういった事をここで言われてもねぇ。役所はあんただけのものじゃないんでね。」
「でも、何とかしていただかないと本当に子供たちが空腹で、病気になってしまいます。」
「そんな事は私には関係ないよねぇ。第一、あんたと私は親戚でもなんでもないんだから。あ、時間だ。帰ってください。」
係員は時計を見てさっさと立ち上がり奥の同僚がいる机に行きみんなとお茶を飲みだした。
まだ定時時間の3分前だ。
マザーは泣きながら役所を出た。
男は恰幅もよく堂々としていた。親切な笑顔だった。
ニコニコとしてケーキやお菓子を持ってきた男を見てマザーは神様かと思った。
部屋にあるピアノを弾きながら男はクリスマスの歌を歌った。
ケーキを食べながらピアノの弾き語りを聞き子供たちはつかの間の幸せを感じた。
しかし、男は心から親切にしたのではなかった。
経営していた会社が順調で懐が暖かかったので、無造作に恵みを行っただけだった。
「俺はいい人間だ。」と男は内心自慢した。
その翌日会社で従業員などに前夜の事を自慢した。
男はその後一、二回その孤児院を訪れお菓子などを与えた。
そして、その事を会社の連中や知人に自慢した。
「社長はいい人間ですね。」みんなほめた。
ほめられて男は有頂天になった。
人に自慢する為の慈善行為だった。
子供たちは悲しい毎日を過ごしながらも成長した。
もちろん多くのトラブルが有った。
マザーはそのたび幾度も泣き、苦労した。
男が偽善で行ったクリスマスのプレゼントだったが、子供たちはそういった男の高慢な慈善など知らず、純粋に感謝の気持ちを持ちながらすてきな思い出として大きくなっていった。
一番年上のエリは男がピアノを弾き歌う姿を見て心がとても楽しくなっていった。その事に驚き感動した。
毎日とても悲しいのに男が歌う歌で悲しみが消えた。
不思議だった。感動した。
子供たちは次のクリスマスにも男がケーキを持って来てくれないかと願った。
男が来たら一緒に歌を歌おうとクリスマスの歌やいろいろな歌、そして踊りも練習していた。
クリスマスの日子供たちは玄関で男を待った。
しかし、男は来なかった。
実は男はコハト・ホームの事などすっかり忘れてしまっていた。
単なる気まぐれの施しだった。
興味がなくなるとそれで終わりだった。
何年かするうちに男の会社は不況で倒産した。
男は職安に通う人になっていった。
子供の中で一番年上だったエリが歌手になりデビューをした。
エリはあのクリスマスの夜男が歌う歌を聞いて歌手を目指したのだった。
決してうまい訳ではないがひたむきに歌うエリの歌は少しづつ売れていった。
エリは孤児院の出身だと言う事を隠した。人気に響くからだった。
その為孤児院に行く事もしなかった。
本心は孤児院出身という過去を完全に消したかったのだ。
孤児院とは完全に縁を切りたかった。
エリは雑誌などのインタビューに対して普通の家庭で育ったという返事をしていた。
時が流れた。
コハト・ホームが閉鎖する事になった。
マザーも頑張ったが運営する費用が出なかった。
子供たちの事を考えてマザーは毎日泣いた。
ある日男は街をとぼとぼと歩いていた。
今は小さな工場に勤めていた。
テレビ局へ行く途中車で通りかかったエリがその男を見かけた。
すっかり見すばらしくなり服装もあの時よりもかなり貧弱になっていた。
あのクリスマスの夜に胸を張って堂々としていた面影は全然ない。
顔も生活苦の為に老け込んでいた。
あの時の男とはすれ違った知人でも気がつかないだろう。
しかし、エリは男を決して忘れなかった。
「おじさん、」
長い間探していた人だった。
男は振り返った。やはり、あの男だった。
エリは男が弾いたクリスマスの歌に感動して歌手を目指した事を告げ、歌がヒットして有名になったのはおじさんのおかげだと何度も有難うと述べた。
エリからそういった話を聞き何度も感謝され男は自分を恥じ反省した。
閉鎖する直前のクリスマスの夜男は久しぶりにコハト・ホームを訪れた。
少ない給料をほとんどはたいてたくさんのケーキを買い訪問した。
今度は心からのプレゼントだった。
男の心から偽善や高慢は消えていた。
子供たちやマザーは大喜びした。
そこへエリがやって来た。
エリは男に会い男から「私は偽善だった。偉ぶっていた。」と反省する言葉を聞いた時自分も反省したのだった。
エリはたくさんのケーキ、お菓子とおもちゃを持ってきた。
子供たちは飛び上がって喜んだ。
エリはマザーに分厚い封筒を渡した。中にはたくさんのお金が入っていた。
「マザー、これでコハト・ホームを続けてください。」
「エリちゃん、有難う」マザーはまた泣いた。
子供たちはホームが閉鎖しなくなったので大喜びした。
ケーキやジュースがテーブルに並べられた瞬間子供たちはケーキに突進した。
おもちゃも奪い合いとなった。
いつもひっそりとしているコハト・ホームが運動会のようなにぎやかさになった。
男もエリもマザーもそういった光景を微笑みながら見た。
男は部屋の隅のピアノを見た。
「懐かしい、」
「クリスマスの歌を弾いてよ、」子供たちがリクエストした。
男はピアノを弾きだした。
ますます古ぼけてしまいすっかり調律も狂ってしまっている。
「俺みたいなだな、」
男は苦笑いした。
男は一曲歌った。
「私も歌うわ、」エリも歌った。
みんなは大喜びした。男はエリの伴奏をした。
「僕たちもうたうよ、」
子供たちも歌いだした。
エリはみんなと一緒に歌い男は伴奏をした。
エリは子供たちの手をとり踊った。
子供たちも全員エリの真似をして踊った。
歌と踊りは続いた。
まるでミュージカルのようになった。
大喜びで次々と歌う子供たち、笑顔のエリ、心から喜ぶ男、喜びの涙をながすマザー。
コハト・ホームのクリスマスはいつまでも続いた。
悲しくても泣いてはいけない。
夢を信じよう。
幸せは必ずやって来る。
つづく
※このブログへ「幸せがくる」を掲載したは2008.1.10.です。
◇上記の小説「あれから」と「幸せがくる」の主題歌を一部別頁で掲載しています。
左の最新記事欄の上の方の「新しい歌 新作」をクリックしてお読み下さい。
また、その頁で別の新作の歌詞の紹介も掲載しています。
◇この頁に掲載している「あれから」と「幸せがくる」は
あらすじで一部の掲載ですが、著作権が存在します。
※このブログへの「あれから」の掲載は2008.1.9.です。
「幸せがくる」の掲載は2008.1.10.です。
2008.1.12. ナポレオン
■ 「うそつきのいない王国」 あらすじ
ロバート・ランブン
貿易商のエリックがジャンとうそつきのいない国へ行った時の貴重な記録です。
ニューヨークに住むエリックはフランスへ商用で出かけた。仕事に数日空きが出来たので古くからの友人であるフランス文化省局長のジャンを訪問した。
サンジェルマン通りのカフェで二人は会った。
ジャンはエリックの久しぶりの訪仏を歓迎した。
「どこか良い所へ案内して欲しい。だけどディズニーランドはお断りだ。フロリダで散々行って来た。」
エリックは驚くような所を案内しろと迫った。
ジャンは考えた。
真面目な顔をしてエリックに確認した。
「エリック、君は約束を守れるか?」
エリックは驚いた。
ジャンのそのような真面目な顔は初めてだった。
「ジャン、僕は正直な貿易商人で通っている。約束を破る事などありえない。今まで一度もうそをついた事はない。」
エリックは少しむっとして返事した。
「そうか、失礼した。分かった。では、いい所へ案内する。しかし、これはフランス国家の最高機密だ。これから行く所は絶対に秘密だ。分かったね。」
「何?国家機密の場所へ案内してくれるのか?」
エリックはたいそう喜んだ。
ジャンはエリックを文化省手配の特別車に乗せてパリを出発した。
車はアルプス方面に向かった。
途中で東に曲がり深い森の中を進んだ。
「ずいぶん深い森だ。ブローニューの森よりも大きい。」
貿易商人であるエリックはフランスの地理には詳しい。
しかし、このような大きい森は知らない。
どこだろうかと思った。
さらに車は進んだ。
半日進んでもまだ森の中だ。ずいぶんと大きな森だ。
「エリック、君は歴史に詳しいか?」
「ああ、一通りはな、」
エリックが退屈そうに返事すると、ジャンは重大な事だがと切り出した。
「ナポレオンがイタリアを侵攻する時にこの森を通った。
その時にここに有った小さな王国を占領した。
ところがこの王国は質のいい金を産出していた。
ナポレオンはこの王国の事を秘密にした。政府の最高機密としこの王国を諸国には秘密にしてずっと植民地にした。
産出する金の大半をフランスというよりナポレオン皇帝が独占した。
そして、ナポレオンは皇帝退位後殺害を狙う王党派と取引をした。
ナポレオンの命を保証するかわりにこの王国の存在を教えた。
ベルサイユ宮殿の秘密地下室の大量の純金を保管している金庫も教えた。
大量の金塊を王党派の連中に与えた。
それでナポレオンはギロチンを免れた。
さらに、この王国の秘密は王党派、革命軍、ナポレオン三世、共和制政府、現在の政府へと引き継がれている。貿易の輸出が年々減少していて没落に歯止めがかからないフランスが今日未だに豊かなのはこの金(きん)のおかげさ。」
ジャンはスイス近くにある秘密王国の事をエリックに話した。
「そんな王国が有るのか?」
エリックは驚いた。
「そうだ。何しろパリの五区と六区よりも小さな王国だが、金の産出量がすごい。毎年フランスの国家予算の5%ほどの金を産出する。」
「ほっ、本当か?」
「しっ、大きな声を出すな。」
ジャンはエリックの肩を叩いた。
「そうだ。その王国へ今から案内する。」
エリックは興奮した。
森はますます深くなった。木々は高くなり鬱蒼としてきた。
「この地域は森が深いので衛星写真でもただの森としか写らない。」
車が森から出た。
目の前に中世のような街並みが見えた。
こじんまりとした町だ。
「ここだ。」
ジャンは車から降りて前方の町を指差した。
イタリアやドイツの中世の町をそのまま再現したような街並みだ。
町の向こうには深い森が再び続く。
少し歩くと大きな門があった。
「ここが入り口だ。」
ジャンは門の前で立ち止まった。警備員がいる。大男だ。
「入り口でもあり国境でもある。」
「パスポートやビザがいるのか?」
エリックは一応確認した。
「ああ、いる。しかし、ビザなど誰にも発給しない。だから、誰もこの国には入れない。」
「じゃあ、どうやって入るのだ。」
「心配するな。僕は特別だ。この王国はフランスの植民地だ。この王国を担当しているのは文化省の僕の局だ。僕はこの国には特別外交官として入る事が出来る。さあ、入国しよう。」
ジャンは門兵に何やらパスポートのような物を見せて中に入った。
エリックもあわてて続いた。
中はすばらしく美しい。
まるで中世の町にタイムスリップして来たような錯覚に陥った。
「すごい。まるでルイ十四世のフランスだな。いや、ルネッサンス期のフィレンツェだ。」
エリックは感心した。
町の家はすべて石造りで道路は石畳だ。建物はすべて中世の様式で建てられている。
建物にはすばらしい神々や女神、天使の像が彫られている。
ミケランジェロよりも優れている。
遠くには神殿が見える。
ギリシャのパルテノン神殿よりもはるかに大きく荘厳だ。
車は走っていない。馬車が道を行く。
歩く人々の姿は中世の服装だ。
注意深く見ると絹の服を着ている人が多い。
豊かな国だ。
「まるでおとぎの国に迷い込んだようだ。」
エリックは感嘆してつぶやいた。
「ああ、そうだ。僕も最初この国に入った時は驚いた。今でも入るたびに興奮する。」
ジャンは立ち止まった。
「エリック。これからこの国で二、三日過ごすが、絶対にこの国ではうそをつかないで欲しい。」
ジャンは強く確認をした。
「ああ、うそなどつくものか。僕は生まれて一度もうそなどついた事がない。」
エリックはきっぱりと言った。
「そうか。それなら大丈夫だ。何しろこの国はうそをつくと重罪だ。気をつけてくれたまえ。」
ジャンは石畳の町を前方へと進んだ。
「どこへ行く?」
エリックは聞いた。
「そうだな。まず食事でもしよう。いや、コーヒーでも飲もうか?」
ジャンは通りに有る小さな店に入った。
どうやらカフェのようだ。
いや、レストランのようだ。
店の中には電灯はない。テーブルの上にはろうそくがある。
この国では電気を使わないようだ。
店に入りテーブルに座ってエリックは驚いた。
テーブルやいす、室内の調度品などあらゆる物に金が使われている。
しかも輝きがいい。
質のいい金を使っている。
「驚いた。さすが金の産出国だけの事はある。金をふんだんに使っている。」
運ばれてきたコーヒーを飲みながらジャンはこの王国について説明を始めた。
「この王国はもちろん王制だ。ここの王様もフランスとの現在の関係を変更したくない。中世のままの王制を続けたいのだ。フランスと関係を続ける限りフランスはこの国を保護していく。この国の王室は永遠に守られる。」
ジャンはこの王国がいつまでも現在の状態を続けていくと説明をした。
「という事は、フランスはこの国から産出される金(きん)をすべて奪い取るわけだ。」
エリックは皮肉を言った。
「奪うとは人聞きが悪い。税金を金(きん)でもらうだけだ。その代わりフランスはこの国がどこの国にも侵略されないように保護している。この森の周囲に農家があり農民が畑で仕事をしていただろう?」
「ああ、そういえば農家があったな。農民もいた。」
エリックは途中の光景を思い出した。
「あの農民は全部フランス軍の特殊部隊だ。不審者が近づくと即座に逮捕する。誰もこの王国には近づけない。」
ジャンは森、つまり王国の周辺警備の完璧さを自慢した。
「なるほど、それでどこの国もこの王国のことを知らないわけだ。」
エリックは感心した。
同時に内心何とかしてこの王国と貿易して巨万の富を得る事が出来ないかと考えた。
なにしろこのカフェの金の輝きはすごい。非常に質がいい。
「さて、行こうか、」
ジャンは店の外に出た。エリックも続いた。
通りは車がなく人が歩いているだけだ。人は多い。
のんびりしたものだ。
二人が歩いていると一人の少女というか女の子が近づいて来た。
「おじさん、花を買ってください。」
少女は花かごを二人の前に差した・・・・・・・・・・・・
※この続きは別頁でご覧ください。
2008.2.3.
◇著作権が存在します。
◇この物語の初掲載は2008.1.14.ですが、
物語の完成は2001年です。
◇この王国の事はフランスの国家機密です。
ほかの人には教えないで下さい。
もし漏らすとナポレオン法典により罰せられます。
2008.1.14. ナポレオン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◇◇◇下記は新作です。短編です。
「いたずら雲さん」
ロバート・ランブン
ある日いたずら雲さんが子供を見つけた。
子供はおいしそうなお菓子を持っている。
大切そうにしっかりと持っている。
雲は子供に微笑みながらささやいた。
「ね、君、小石を僕に投げてごらん、」
子供は言われたとおりに小石を雲に投げた。
小石は三個になって落ちてきた。
子供はすごいと喜んだ。
雲はまた言った。
「お菓子を僕に投げてごらん、」
子供は喜んでお菓子を雲に投げた。
雲はお菓子を受け取るとさーっといなくなりました。
おしまい
2008.1.21.
◇短編ですが、著作権が存在します。
◇著作権者の許可を得て掲載しています。
2008.1.29. ナポレオン
◇次の小説は甲子園を目指した少年の涙と激痛の物語です。
あらすじです。
「涙のフォークボール」
中島茂雄
町坂は地方の高校一年生だ
甲子園を目指して頑張っている。
投手だ。
とはいっても控えだ。三番手だ。
連日猛練習でくたくただ。
先輩や監督からしごかれてばかりだ。
野球部だというのになぜか監督はいつも竹刀を持っている。
剣道の精神を野球にいかすのだ。
と監督は言っている。
大きなうそだ。
町坂がエラーをした時にお尻を叩くためだ。
今日は隣町のチームと練習試合だ。
そのチームは毎年甲子園に出場する強豪だ・・・・・
※この続きは別の頁に有ります。
そちらをご覧ください。
◆このブログにはいろいろな小説、短編物語、評論、歌詞、歌などを掲載しています。
竜馬の小説「竜馬がくる~桂浜編」「竜馬がくる~明治編」、竜馬の評論「竜馬小論」、新作の歌詞、歌、新作の小説のあらすじ、連載小説「森の中の宇宙人」、サッカー小説「広場のイレブン」、ロバート・ランブンの短編物語、童話、数学の定理などいろいろ入っています。 どうぞご覧下さい。
ロバート・ランブンの短編物語や童話は左の「カテゴリー」欄の「短編物語」をクリックして下さい。
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ブログ・タイトルは「竜馬と歌と小説と歴史」です。
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それだけ、このブログの歌詞、歌、新作の頁が読まれているのです。(2008.1.29.現在)
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検索画面のトップに出てくるという事はそれだけ多くの人が、ロバート・ランブン、伊東和雄、紫四季などの短編物語、童話、竜馬の小説、竜馬小論、歌詞、歌などをご覧になっているからです。
「竜馬と小説」「竜馬 評論」「竜馬小論」と検索すると、やはりたくさんのホーム・ページ、ブログの中からこのブログ:竜馬の小説「竜馬がくる~桂浜編」が一番目に出てきます。
それほど多くの人がこの小説「竜馬がくる~桂浜編」、竜馬小論を読んでいるのです。
「竜馬と小説と歴史のブログ」編集長 ナポレオン
.
2008.11.22. 更新しました。
★ 音楽小説「あれから」を更新しました。
「あれから」のあらすじと本文を簡略に記載しました。
ビッグスターを目指す少年と少女の物語です。
スターを目指して毎日公園で歌う少年。
夢に向かって進む少年を見守る少女。
◇ヤフーで「歌 新作」と検索しますと、このブログが
1600万中1位から10位の間で出ます。
再度このブログを訪問する時にすぐ来れます。
「歌 新作」と検索してご来訪ください。
■ 目 次
⇒ 1. 音楽小説 「あれから」 あらすじ
作 伊東和雄
2. 小説 「幸せがくる」 あらすじ
3. 小説 「うそつきのいない王国」 あらすじ
4. 短編 「いたずら雲さん」 短編物語
5. 小説 「涙のフォークボール」 あらすじ
■ 音楽小説「あれから」 あらすじ&本文
伊東和雄
1.少年は歌手を目指していた。
曲を作りいい作品ができると駅前、街角や公園で歌った。
少女はレストランを持つ夢を持っていた。
2.少年と少女は共に夢を持っていた。
二人は夢を語り合い互いを応援した。少女はいつも少年を見つめていた。
少年はやがて自分の夢ばかりを追いかけるようになった。
少女の小さな夢など気にしなくなった。少年は町を出て大きな都会に行った。
少年の夢はかなった。そして、三年が過ぎた。
ふと思った。少年は町に戻った。
あの通り、あの角、あの公園、あの店。
少年は少女を探した。もう少女はどこにもいなかった。
3.地方の小さな町の街角で少年はいつもギターを弾いていた。
公園でも弾いた。
少年は歌手を目指した。
ギターで歌いみんなを感動させたかった。
スターになりたかった。
少年の大きな夢だった。
自作の曲、歌が出来るとすぐ街角で歌った。
だが、誰も振り向いてくれなかった。
立ち止まる人もいなかった。
黙って通り過ぎるだけだった。
少女は小さなレストランで働いていた。
夕方と日曜日だけのアルバイトだ。
少女には夢があった。
小さなレストランでおいしい料理、飲み物、ケーキでみんなに喜んでもらいたい。
小さいけれど幸せなレストランを開きたい、と。
ある日少女が公園を通りかかった時に、噴水の前で少年が歌っていた。
最初は何をしているのかと思った。
少年の前には誰もいない。
一人で歌の練習でもしているのかと思った。
でも、観客の前で歌っているような歌い方だ。
あまり上手でない、と少女は最初思った。
しかし、必死で歌う少年にどこか心を魅かれた。
少女は木の陰からしばらく見ていた。
次の日も少年は歌っていた。
やはり誰も聞いている人はいなかった。
公園に入る人は少年の前を通るが誰も少年の歌に注目をしなかった。
少女は木の陰から眺めた。
今日の歌は昨日よりはいい歌だった。
少女は思わず拍手をした。
少年は驚いたような顔をして木に隠れるように立っている少女を見た。
うれしいのか驚いたのか少年はしばらく下を向いて歌った。
声が上ずった。コードも間違えた。
少年は途中で歌をやめた。
少女は近づいた。
少年は有難うと言った。
「ボクの歌に拍手をしてくれたのは君が最初だよ。」
少年はとてもうれしそうに言った。
「いつもこの公園で歌っているのね。」
少女が聞くと「そうだよ。ここはボクのライヴ・ハウスさ。」少年は自慢するように言った。
「すごいわ。」少女は感心した。
「歌手になるの?」少女は聞いた。
「そうだよ。」
少年はきっぱりと言った。
自分の夢を明確に持ち力強く進んで行こうとしている少年を見て少女は感心した。
「この公園に来る連中はジャガイモとニンジンばかりだ。」
少年は怒ったようにつぶやいた。
「ふふ、」少女は笑った。
少年は笑う少女を見て変な顔をした。
「ジャガイモやニンジンは大切よ。」
「???」
少年は少女が何を言っているのか分からなかった。
「いいジャガイモとニンジンがないとおいしいスープは出来ないわ。」
何を言ってるのだろうといった顔をして少女の顔をると少女はまた笑った。
「私も夢が有るの。私は小さなレストランを持ちたいの。そこでおいしいスープ、ステーキ、ムニエル、ケーキでお客さんに喜んでもらいたいの。」
少女は自分の夢を語った。
「へぇ、すごいな。」
少年は料理やケーキなどには興味がなかったので適当に相槌を打った。
「今ね、おじさんのレストランでバイトしているの、今度来てね。」
少女は時計を見た。
「バイトの時間だから行かなくちゃ、さようなら。」
少女は公園の森の奥へと去っていった。
公園の森の中に小さなレストランが有る。
少女はそこでアルバイトをしていた。
少年は歌い終わるとそのレストランに行ってみた。
少し離れた所からレストランを眺めた。
きれいな店だった。
あまり近づくといけないような気がして離れた所から頭をきょろきょろしながら眺めた。
しばらくしておそるおそる入り口に近づいてメニューを見た。
スープやビーフ・シチュー、ステーキ、ドリンクなどが並んでいた。
料金は高かった。
少年は見てはいけないものを見てしまったような気持ちになりそこを足早に去った。
4.少年はもっといいギターが欲しかった。
駅前の楽器店にいいギターが陳列されていた。だが、高かった。
バイトをしようと思ったが、小さな町なのでアルバイトを募集している会社はほとんどなかった。
工場なら多少募集はしていた。
以前工場でバイトをしていた。だがそこの作業で指を痛めた。
重いものを運んだり機械を操作したりするのでどうしても手や指が傷ついた。つめが折れたりした。指を怪我したらギターが弾けなくなる。
工場のバイトはやめた。
本当はCDショップか楽器店でバイトをしたかった。
しかし、どちらも募集はしてなかった。
少女のレストランでバイトを募集していた。
いつものように公園の噴水の近くで歌っていた。
少女がやってきた。
少年は少女に聞いた。「ね、君のレストランでバイトを募集しているの?」
「ええ、募集しているわ。人がいなくて困っているの。週に5日ほど働ける人、土日祝日できる人よ。お昼と夕方よ。誰かいい人いないかしら。」
少女は困ったように返事をした。
「僕ではだめかい?ギターを買いたいのでバイトをしたいんだ。」
「えっ、あなたが?」
少女はうれしそうに言った。しかし、すぐ顔を曇らせた。
「募集しているけどウエイターよ。経験ある?」
募集しているのは経験者だった。即戦力のバイトを募集しているのだった。
「やったことないけど、無理かなあ。一生懸命働くよ。どうしてもギターが欲しいんだ。楽譜もたくさん買いたいし。仕事ができないうちは給料はすごく安くてもいいよ。仕事ができるようになったら普通の給料にしてくれればいいよ。」
少年は何とか雇ってくれと少女に頼んだ。
「いいわ、おじさんに頼んでみる。うちも人がいなくて本当に困っているのよ。」
少年は少女の勤めているレストランでバイトをすることになった。
夕方からラスト8時までだ。
小さなレストランだが料理はおいしくお得意さんが多くいて店はいつも混んでいた。
テーブルは10ほどだが、どうしてもホールに3人必要だった。
少女も働いているが、週に4日ほどしかできない。
ほかにフルタイムのアルバイトがいる。現在はその人と少女の二人しかいない。
土曜日曜は完全に手が足りない。
接客が遅れてお客からいつもクレームがくる。
だから、本当に困っていた。
少年は慣れないウエイターのアルバイトを始めた。ギターの代わりにお皿を持つ日が始まった。
少女が少年に教えた。
一言で言えば簡単なのだが、実際はなかなかうまくいかない。ミスの連続だ。
工場のアルバイトと違ってお客さん相手なのでミスをするとすぐ目の前のお客からクレームや叱責がくる。工場のようにミスをした場合追いかけてすぐ修正するといったことができない。
少女は高校一年の時からアルバイトをしてきているので慣れたものだ。
少女の教え方は上手で丁寧だった。
「仕事は簡単よ。料理を注文したテーブルに運ぶだけ。最初は見ていてください。」
お客が来ると少女は水とメニューを持ちテーブルに行き、注文を聞き、出来上がった料理やドリンクを運ぶ。
その動きはベテランのウエイトレスだ。スムースに仕事をこなしている。
年上のベテランの人と動きは変わらない。
始業前や暇な時に何度もお皿の持ち方やお客に対する言葉遣いを教えてもらったが、実際にやるとなると緊張して全くできない。
少年は顔が赤くなるのが分かった。
「最初は下げ物をやりましょう。」
少女はトレイを少年に渡した。
お客が帰った後にお皿やカップを下げる。テーブルを拭く。クロスが汚れていたらすばやく取り替える。
一番簡単で、お客と接しないので最初にやる分担としてはいい作業だ。
だが、それもなかなか難しい。
お皿を落としそうになったり、水の入ったコップを倒したり、スプーンを落としたりと最初の日に何度もミスをした。
先輩の人は暗い顔をした。
少女はにこやかだった。
「最初は誰でもそうよ。気にしない、気にしない。すぐうまくなるわ。」
少年は少女の動きを見て一生懸命仕事を覚えようとした。
少女の動きはリズミカルだった。
歩き方、手の動かし方、体の曲げ方など滑らかだった。
少女がテーブルに行くと少年の半分の時間でテーブルの上はきれいになった。
テーブルクロスを換える時、少年は悪戦苦闘をする。
しかし、少女はさっと換えてしまう。鮮やかだ。
お客としてレストランや食堂で食事をする時は当たり前に接客のサービスを受けていて何も感じないが、いざ、ウエイトレスなどの仕事を自分がするとなると、なかなか難しい。
最初の一日で少年はひどく疲れた。
「やっていけるかなあ?」
少年はすっかり落ち込んだ。
ギターを弾いたり歌を歌うなら得意だが、ウエイターの仕事などまったくできない。
自分が本当は不器用だということが分かった。
「大丈夫、大丈夫、すぐ慣れるわよ。私も最初はお皿を落として割ったり、コップの水をお客さんの服にかけたりしておじさんに何度も怒られたのよ。ナイフやフォークなど何回も落としていまだに10本ほど行方不明よ。」
少女は優しく少年を慰めた。
次の日も特訓は続いた。
「トレイはこう持ちます。グラスやお皿は中心よりも手前におきます。外側に置くとトレイが傾きグラスや料理のお皿が落ちます。」
「グラスは下の方を持ちます。グラスの上の部分はお客様が口をつけるので絶対に持ちません。触りません。」
「お皿はこう持ちます。親指は使いません。親指の先はお皿の外に出します。親指の根元でお皿を押さえます。親指が料理に触れないようにします。爪はいつもきれいにして短くしておきます。」
少女は丁寧に的確に教えていった。
少女の教え方は非常にうまかった。教えているが言葉が命令口調でない。
すべて「・・・です。・・・します。」「はい、つぎはこれを運びます。」と言った言い方だ。
これは少女の性格だろう。
通常は友達に教える場合でも、ついつい先輩として命令口調なる。
「こうしてね、こうするのよ、違う、違う、こうして。」
「あれやって、これやってね、」となる。
だが、少女はどういうわけかそういった言い方を絶対しない。不思議だ。
「トレイはここ置いといてね。」「この荷物を倉庫に運んでおいて。」と通常は言う。
だが、少女は「トレイはいつもここです。」「この荷物は倉庫に行きます。」と言う。
同じようだが、実は違う。
少女の言葉には命令や指示する口調は全然ない。
道具や備品などの場所、そして、次に移動していく場所を説明しているといった言い方だ。
もちろん、少年はそのことに気がつかない。
気がつかないが、少年は少女から圧迫感をぜんぜん受けない。気がつかないがとても気持ちがリラックスして仕事ができる。
通常どういった会社や工場、店でも先輩が新人に教えるときは、命令口調となる。
100%丁寧に教えても命令口調となる。当然だ。
時には、小姑のごとく口うるさい先輩が箸の上げ下げを注意するがごとくじっと監視する。それが指導や教育だと思っている。どこもそうだ。
普段は親切でいい人が、部下や新人、後輩を持ったとたん、突然小姑のごとくなり、口うるさい命令者となる。
部下は毎日がうっとうしくなる。仕事の能率が下がる。
そういった会社や店では新人はすぐ辞めていく。
少女はそういったことが全然ない。
先天的なのだろう。いい教え方だ。少女の部下となり働く人は誰でもリラックスして仕事ができる。結果として仕事が楽しくなり、やる気が出て仕事を早く覚える。
少年は一生懸命少女の説明を覚えた。
そして、失敗しながら作業を覚えていった。
一週間ほどすると何とかできるようになった。
バイトが終わると掃除が終わった店で少年はギターを出して歌を歌った。
少女はテーブルに座りじっとその歌を聴いた。
観客が少女一人のコンサートだ。
終わると少女は大きな拍手をしてくれた。
「いい歌だわ。きっと大ヒットするわ。」
笑顔でほめてくれる少女の声を聞いていると本当に今すぐにでもヒットしそうに思えてきた。
時間が遅いので2曲ほど歌うと店を出て帰った。
すっかり暗くなった森の小道を二人は並んで歩いた。
少年は少女の横顔を見た。
きれいな顔だ。
少女も少年を見た。
少年はあわてて目をそらした。少し顔が赤くなるのが分かった。
でも、なんだか幸せな気分だった。
少年は高校時代音楽ばかりやっていた。
ロックとポピュラーだ。
女の娘(こ)よりも音楽だった。女の娘たちと学校で楽しく話したりお茶に行ったり、みんなと海に行ったりするといったことは普通にしていた。ガールフレンドは何人かいた。
だが、特定の女の娘と恋人のように付き合うといった気持ちは全くなかった。
頭の中がロックと音楽で女の娘のことなど考えている暇などなかった。
暇さえあればギターを弾きCDを聞き作曲や作詞ばかりしていた。
授業中は作詞と作曲ばかりしていた。
夢は歌手で、作曲家だった。
その夢はすぐに実現すると確信していた。
頭の中は音符ばかりだった。少年の頭の中に女の娘などいる場所はなかった。
森のレストランでアルバイトをしだして、いつも少女といるようになって、少し女性というものを意識し始めた。
夕方、時には朝からいつも少女と一緒に仕事をしていた。
少年の一日の中に少女が一番長くいるようになった。
少年の気持ちが少女の方ばかり向くようになった。
作曲や作詞をしていても、家でギターを弾いていても目の前に少女の顔が浮かぶようになった。
少年は少女を主人公にした歌をいくつも作った。
軽快なラブソングや軽めのロックだった。
作った歌を歌ってみると少し恥ずかしかったが、わりといい歌だった。
レストランではホールは三人しかいないのでどうしても少年と少女はペアで仕事をするようになる。
テーブルのセッティングや片付け、小部屋の予約席のセット、片付けなどもいつも一緒にやった。
テーブルを移動する時は二人で持った。
注意深くテーブルを持つ少女の下を向いた表情に少年は見とれた。
テーブルの方、下を見る少女の目は二重がくっきりと目立ちまつげは長い。
正面から見る少女の顔は幾分丸顔でかわいい顔だが、下を向いた長いまつげの表情はドキッとする。大人の女性の表情だ。
じっと少女を見つめる少年に少女は気がついて、少女もじっと見返した。
「クロスをかけます。」
少女は長いクロスの端を少年に投げた。
二人はクロスの両端を持ちながら八人掛けのテーブルのセッティングをした。
「もう少しこっち、もう少し右、もう、少し・・・。」
仕事のリードは少女だ。
少年は少女の言うとおりにクロスを動かした。
少女と一緒に仕事をする少年は言いようのない幸福感を味わった。
この状態で、彼女との仕事をいつまでも続けていけるなら、楽しいだろう。
少女の表情、手や足、体の動きをぼんやり見ながら少年は思った。
「さあ、終わったわ。ね、食事をしましょう。」
今お客は二組だけだ。
先輩のウエイトレスもいる。
少女はすばやく少年をキッチンの中に誘った。
「チーフ、いただきます。」
少女はそう声をかけて鍋からカレーをすくった。
二人分盛りひとつを少年に渡すと、しゃがみこんだ。夕食だ。
しゃがむと完全に客席から見えない。
二人はキッチンのガス台の間でカレーを食べた。
狭い場所で体を寄せ合って、顔をくっつけるようにしてビーフカレーを食べた。
「おいしい、」少女は満足そうに食べた。
確かにおいしい。しかも少年の皿にはビーフが4個ほど入っている。
柔らかくてとろけるようだ。カレーはスパイスもきいていて、少年にとって初めて食べる高級な味だ。
家で食べるカレーとは段違いだ。
「うまいよ、最高だ。」少年は少女にささやいた。
「そうでしょう。」少女はうれしそうに答えた。
「もうひとつお肉いらない?」少女は自分の皿から肉をスプーンにすくい少年に渡そうとした。
「いいよ、いいよ、」少年はびっくりして遠慮した。
顔が赤くなるのが分かった。
「遠慮深いのね。」少女はその肉を自分で食べた。
レストランでバイトを始めてから少年が一番接するのは少女となった。
他の友達やガールフレンドたちとはめったに会わなくなった。
バイトの場所が比較的値段の高いレストランなので少年の友人たちは金銭面で来ることなどできなかった。
逆に言えば少女にすれば少年を一日中独占できることとなった。
少女もだんだんと少年に魅かれていった。
最初公園で見かけた時は、一人で黙々とギターを弾いている孤独なギター少年と言った感じで格好いいと思っただけだった。
正直言って少女は音楽や歌はあまり得意でなく少年の歌う歌がいいのか悪いのかよく分からなかった。
また少年の作曲した歌がどの程度のレベルかといった事も分からなかった。
なんとなくいいとは思った。
ただ、一生懸命応援しようと思っていた。
夜片付けの終わった店で椅子に座り少し離れた所で台に立ち歌う少年の歌を聞いている時は少し感動する。本当のコンサートやライブのような感じだ。
二人でアルバイトをしていると少年を独占しているといった気持ちとなった。少しうれしい気分だ。
二人ともだんだんと好きになっていった。
平日の三時ごろは二人一緒に休憩をとることができる。
平日なら三時ごろは店も暇になる。
ベテランの人がいるのでそれで大丈夫だった。
時にはおじさんがホールを一人でやる時もある。
そういった時は二人は森の池のベンチに座って話しながら過ごした。
「私、早くレストランを持ちたいの。」
少女は夢を語った。
少女の父は隣の駅の近くに使ってない事務所のような家を持っていた。
そこを少し改装すれば小さなレストランとなる。駅前だし近くにレストランはないので繁盛するはずだ。
少女は高校一年の時からそういった計画を持ちレストランの料理やウエイトレスの勉強のためにおじさんの店でバイトをしてきた。
そして、アルバイト代はすべて貯金してきた。
もうすでに小さな店なら出せるほどの貯金をしている。父も母も資金面で応援してくれると約束してくれている。
料理も高級なものはまだまだ作れないが、ちょっとした料理ならできる腕前となっている。
もし、少年が少女の作ったハンバーグ、パスタ、オムレツ、牛肉のソテーなどを食べた場合、そのうまさに驚くはずだ。
ファミレス程度の味の店ならすぐにでも開店できる。
パフェ類、ケーキ類も得意だ。
少女の夢は夢でなく現実寸前のことだった。非常に着実な計画だ。
まじめで堅実な性格だからだ。
「すごいなあ、」
少年は感心した。
そして、立派だと思った。
少年も夢を持ち必死で歌を作っている。客観的に見ていい歌をたくさん作っている。歌もうまいと自信を持っている。音楽仲間の間でも歌は一番うまいと言われている。
しかし、少女のようにすぐに夢が実現する状態かと言われると、はっきり言って遠い遠い夢だった。本当に夢の状態だった。
今までレコードメーカーや音楽プロダクションに何度も歌や作曲した作品を送っている。
全部没だ。返事すら来ない。
自信が有ったのに、ショックだった。
少年は日々をけだるい挫折感の中で生きていた。
夢を語る少年の目は輝き表情も話も輝くが、では、いつ実現するのかと聞くと、少年はうつむいてしまう。
夢はいくつも語れるが現実的なスケジュールは何一つなかった。
少女とは大きな違いだ。
少女は無理すれば、半年後にレストランをオープンできる状態だ。
少女は夢の中でなく現実の中を歩いている。
少年は夢の中をさまよっている。もがいている。
今すぐにでも開店できる状態のレストランの話をする少女の目の輝きに少年は魅かれた。
「小さなレストランを開き、そこで毎日朝から晩まで料理を作り、ウエイトレスもしてお客様にサービスをして喜んでもらうの。そうすれば毎日が楽しいと思うの。」
生き生きと話す少女に少年は見とれた。
少女はその時、そばに少年がいていつも一緒に仕事をしてくれたら、本当にすばらしいと思った。
でも、そういった事はとても少年に話せなかった。
少年は少女の夢の中に簡単に入り込めた。
料理を習った少年が料理を作り、それを少女がウエイトレスをして客席に運ぶ。
素敵な店の雰囲気と料理のおいしさ、きれいなウエイトレスでお客様は満足する。
二人でいつも一緒に働きともに生きていく。
そういった毎日は楽しい。
少年は少女の夢の中に入り、小さなレストランで二人楽しく仕事をする毎日を過ごした。
毎日が夢のように楽しく過ぎる。
少年は少女に好きだと打ち明け、少女は喜びうなづく。
楽しい日々が続く。いつまでも。
公園のベンチで二人とも同じことを考えた。
少女は現実としてそうなって欲しいと願った。
少年はいくら頑張っても作品が採用されない絶望感や不安から逃避するかのように少女の夢の中に逃げ込んだ。
少女の夢の中は温かくやさしく楽しい。
少年は楽しいアルバイトの日々の中、少女とペアで仕事をしている時の幸福感を思い出し、そういった日々が永遠に続けばうれしいと思った。
少女といつも一緒に仕事をしているなら、歌や作曲など捨ててしまってもいいとさえ思う事もある。
二人とも同じことを考えていた。
でも、二人ともそんなことを考えているのは自分だけだと思った。
自分が思っていることを相手に話したら笑われると思っていた。
甘い夢に浸っているうちに昼休みは終わった。
少年と少女は急いでレストランに走った。
休みの日には少年は作曲ばかりしている。
そして、その歌や好きな名曲を歌ってばかりいる。
ギターはかなりうまい。歌も。声はわりといい声をしている。結構響く声質を持っている。
いつもエレキギターを弾きながら作曲をするのでどうしてもハードな曲ばかり作曲をすることとなる。
レストランでバイトをしだしてからは生ギターで作曲をすることが多くなった。
その歌をエレピ:キーボードで歌うことも多くなった。
少女を歌った曲が多くなったからだ。
ラブ・バラードばかりとなった。
ピアノはあまりうまくない。
だが、ラブ・バラードを歌うときには最適だ。
少年はギターを置いてキーボードに向かった。
目を閉じた。
レストランのホールが浮かんできた。そこに少女がいる。
少女はゆっくりとテーブルの間を歩いている。
立ち止まりゆっくりと少年の方を見る。
長いまつげと黒い瞳でじっと少年を見つめる。
♪
午後の陽射しの中
テーブルの横に立つ君
僕をじっと見つめている
I love you
とても君が愛しい
君の夢の中に僕はいる
甘く素敵な夢の中に
いつまでも君と
過ごしていたい
そう思う とても
I love you
すべてを忘れて
君の夢の中で眠っていたい
やさしいまどろみの中で
時を忘れて 生きてみたい
いつまでも君を
君だけを愛して
君を見つめていたい
歌い終わって少年は苦笑した。
さすがに甘すぎる歌だ。
エレキギターを手にした。
エイトビートでメジャー・コードとセブンス・コードばかりを軽快に弾いた。
歯切れのいいサウンドが部屋に響いた。
♪
I love you,baby
とても愛してる
この頃 いつも君のことばかり
頭の中から 君が離れない
君の甘く切ないほほえみ
僕は もう 胸が痛すぎる
I love you,baby
どうか愛して欲しい
どうして君の事 これほど好きに
なってしまったのだろう 不思議
君の黒い瞳にじっと
見つめられて 僕は 深いめまい
I love you,baby
I love you,baby
最初は全部英語で歌った。
適当な英語だ。文法滅茶苦茶の英語だ。単語もかなりいいかげんだ。
だが、英語だとのりがいい。
ロックは英語の歌詞で歌った方がいい。
曲が簡単にできる。
歌っている間少女の顔や瞳が目の前でちらちらした。
本当にこの頃少年は家にいても、寝ていても、街を歩いていても少女の顔が目に浮かんでばかりいる。
きっと恋をしてしまったのだろう。本気で。
音楽野郎で音楽以外興味がなかった少年のハートを少女が破った。
少女に電話した。
少女はもちろんレストランで仕事をしている最中だ。3時頃なので多分少し暇なはずだ。
少女はすぐ電話に出た。
「はい、」
小さな声だ。だが、うれしそうな声だ。
「これから公園に行くよ。レストランの横の池のベンチに行くよ。休憩は何時から?」
「3時からよ。」
少年はギターを持って自転車を飛ばした。
公園の門を通り抜けレストランの前を過ぎ横の池に着いた。
ベンチに座っているとしばらくして少女が走ってきた。
「早いのね、」
「思い切りこいできたよ、」
「お昼食べた?」
「いや、家で歌ばかり歌っていた。おふくろは僕のことなど忘れている。」
「はい、」
少女は笑いながら紙袋を出した。
中にハンバーグとご飯が入っている。
「おお、最高、」
「キッチンから黙って持ってきちゃった。」
二人は笑いながらハンバーグを食べた。
食べ終わると少年は歌を歌った。
さっき作ったばかりの曲だ。
さすがに歌詞は変えて歌った。
あの歌詞で歌ったら少女に笑われそうだからだ。
それでもかなり甘いラブソングだ。
「いい歌だわ、」
少女は微笑んだ。
そして、いつか少女が主人公の歌を歌って欲しい、と思った。
「今度私の歌を作って歌ってみて、」
何度もそう言おうとした。
でも、恥かしくてとても言えない。
そんな事を言ったらたぶん顔が真っ赤になるだろう。
少年は笑い転げるだろう。
少女は黙った。
少年はいくつかラブソングを歌った。
この公園の奥には平日の午後はあまり人は来ない。
公園の奥の森の中の小さな池のベンチで二人は座って時を過ごした。
いい天気だ。
空は青くところどころ真っ白な雲がある。
そよ風が木々の葉をかすかに揺らす。
池に波はなく鏡のようだ。青空と向こう岸の木々が映っている。
少年と少女がひと時を過ごすには一番いい場所だ。
少女はこのまま時が止まってくれればいいと思った。
少年の横顔を見た。
少年はさっき作った歌を英語の歌詞で歌っている。
早口でスラング調で崩した発音で歌った。
そのため少女には歌詞はまったく聞き取れなかった。
♪
I love you
Yes,I love you
I’m always thinking of you these days
You’re so sweet, and so beautiful
I wanna stay with you anytime everyday
If you say you love me
I’m so happy
When you touch my heart I’m gonna crazy
So say to me you love me
So tell me you love me,just now
Love me baby just now
歌い終わった少年は少女の顔を見た。
少女はすごいわ、とほめた。
「英語もうまいのね。いつも英語で歌を作るの?」
「いやあ、いんちき英語さ、」
少年は笑った。
「英語で作詞するなんてすごいわ、」
「ほんと?」
「ほんとよ、」
少年は、けど、詞の内容があまりよくないと言った。
少女は英語が不得意だから歌詞の内容が分からない、ごめんなさい、と言って、英語のできる少年を尊敬すると言った。
少年は内心苦笑しながら少女の眼をじっと見た。
少女も恥ずかしそうに少年の眼をじっと見た。
休憩の1時間はあっという間に過ぎた。
どうしてこういう時って時間は早く進むのだろうと少年は歯ぎしりした。
「じゃあね、明日。12時からでしょう?」
「うん、ラストまで。」
少女は森の小道を走りレストランへ走っていった。
少年は家に帰り二階に駆け上がりここ数日で作った曲をきちんとまとめ完成した。
詞も手直しして曲に完全に合わせた。
大体満足する歌ができた。
いい歌が50曲ほどとなった。
少女を知ってからできた歌が30曲ほどある。
歌でも少女がほとんどを占めるようになってきた。
もう少年から少女を切り離すことは無理だろう。
その事は少年もだいたい気がついている。
少女はそうなって欲しいと思っていた。
しかし、まさかすでにそうなっているとは思わなかった。
少女は少年が自分の事をそれほど真剣に思っているとは考えられなかった。
ガールフレンドの一人、いや、もしかしたら知り合いの中の一人ぐらいかもしれないと思っていた。
レストランのバイトの時に相手が自分しかいないから仕方なくいろいろ話しかけてくれるのかもしれないと思ったりした。
少年に「私のこと好き?」と聞きたかった。
だが、とても聞けなかった。
もし、「いや、べつに、」と言われたらショックだからだ。
怖くてとても聞けなかった。
次の日もアルバイトは楽しく笑顔と笑い声のうちに終わった。
終わると少年はロッカーからギターを持ってきて客席で歌を歌う。
少女はすぐ前のテーブルに座りその歌をじっと聞く。
夜のライヴだ。二人だけのライヴだ。
最高に楽しいひと時だ。
この瞬間のために二人はアルバイトをしているようなものだ。
少女を知ってから、少女に恋をしてから少年の歌はますます良くなった。
声もいっそう響くようになった。
音程もしっかりしてきた。以前のように声がフラットしたりひっくり返ったりするということが全然なくなった。
好きな娘の前で真剣に歌う毎日が少年の歌のレベルを完璧にしていった。
少年はそのことにあまり気がつかなかった。
しかし、少女は気がついていた。
「このごろとても声が響くわ。前よりすごく良くなったわ。」
「そう?」
少年は喜んだ。
そう言えば、以前よりも思ったとおりの声が出るようになった。
以前は頭の中で考えている歌と実際に口から出てくる声がぜんぜん違っていた。
だが、最近は頭の中で浮かんだメロディーや歌、音程がそのまま正確に口から出るようになった。
頭の中に譜面が浮かぶとそのとおりの歌が歌えるようになった。
全然知らない歌でも譜面だけで初見でギターを弾き歌えるようなった。
「よし、これでいいんだ。」
少年はいっそう自信を持った。
必ず歌手になりいい曲を作りヒットを飛ばせる自信ができた。
プロとして成功する。絶対間違いない、そう確信した。
少年は19歳だ。
春に高校を卒業して歌の道へ進もうとしていた。
大学など行く気はなかった。
それより一日でも早く歌手になりたかった。
大学で勉強するよりも曲を作る方が楽しかった。
高校を卒業した時点ですぐに歌手になれると思っていた。
自信満々だった。
だが、卒業直前にレコードメーカーやプロダクションに送った自信作が全部没となった。
かなり落ち込んだが、気を取り直して駅前や公園で歌い続けた。
歌っていれば必ずファンができスカウトが来ると思った、確信していた。
だが、それもなかなか思ったようにいかなかった。
歌っていると集まるのは高校時代の元バンド仲間やクラスメートばかりだった。
彼らの温かい拍手は励ましになったが、デビューにはあまり関係なかった。
だが、それでも歌やギターのテクニック、作曲能力はどんどん向上していった。
少年は単なる自信過剰な人間ではなかった。
未知の能力を秘めた音楽少年だった。
少女も19歳だ。
少女も大学など行く気はなかった。
高校一年の時からレストランを開くという夢、いや、確実な計画を持ちその計画通りに歩んでいた。
大学へ行くよりもおじさんのレストランで料理や接客の練習をした方がいいと考えていた。
少女は驚くほど堅実だ。19歳だというのに人生を50年も生きてきた人よりも遥かにすばらしい人生計画を持っていた。
しかも確実に計画通りのコースを進んでいる。
成功は間違いない。
少女は生まれた街で自分の夢がかなうと確信していた。
この街でレストランを持ち成功して幸福な人生を、夢に描いた通りの人生を送れると確信していた。
少年は自分の夢は、この街では無理だと思った。
東京だ、東京へ行かないとすべてはスタートしない。そう考えた。
そのとおりだ。
音楽やショービジネスでは東京へ行かないとだめだ。
地方の小さな町ではいくらいい歌を歌っていても誰も聞いてくれない。注目されない。
同級生や友人、ガールフレンド、恋人などが感心しただけで全国ヒットになるほど音楽の世界は甘くない。
東京へ行き、有力なプロダクションに入り大手のレコードメーカーと契約し全面的なバックアップを得た時にヒットする。
いくらいい歌でも、いくらいい歌を歌っていても地方の町で歌っていてはヒットなどしない。
「この町じゃだめだ。」
少年は東京へ行くことにした。
それは少女と別れる事となるかも知れない。
いや、少女を捨て去る事になるかも知れない。
今までの二人の甘い日々を消し去る事となる。
少年はそんな事など少しも考えなかった。
ただ目の前に東京の街が広がっているだけだ。
そこは成功の街だ。
自分の夢のかなう大都会だ。
少年が自分の夢に進み目の前に東京の街が広がる時その中に少女の姿はなかった。
アルバイトした金がかなりたまっていた。
アパートを借りて東京でバイトしながら直接プロダクションやレコードメーカーを訪問して売り込もう。
デモテープを郵送するよりも遥かに確実性がある。
いろいろなオーディションもすぐ受けることができる。
好きな歌手やバンドに直接会って売り込める。歌や曲を聞いてもらえる可能性が大きい。
少年は12月の初めにレストランのアルバイトをやめた。
少女に東京へ行くと打ち明けた。
少女は笑顔で励ましてくれた。
「頑張ってね。きっとスターになれるわ。」
精一杯笑顔で言ったが少女は心の中で泣いた。
もう気持ちが東京、歌手となっている少年は少女の心など気にかける事などなかった。
少女の笑顔をそのまま受け取り、「うん、必ず成功するよ。」と笑った。
少年が東京へ行く日少女は駅へ見送りに行った。
少年を乗せた新幹線が遠くへ消え去った時少女はホームに立ち尽くし顔をおおって泣いた。
自分の恋心を少しも打ち明けることができないうちに彼は行ってしまった。
少年は少女に何一つ恋らしい言葉をかけることなく行ってしまった。
「東京へ行ってアルバイト先やプロダクションなんか決まったらすぐ帰ってくるよ。電話もするよ。」
少年は明るく約束した。
しかし、少女はもう少年に会えないと不安を持った。
もう少年は二度と自分に会ってくれないと暗い予感がした。
不幸にもその予感は当たった。
そう、少年は去ってしまったのだ。
少年は東京に着くと早速不動産屋を巡り歩いた。
青山や六本木に行きやすい田園都市線でアパートを探した。
手ごろなアパートが有った。
家賃は安く部屋もきれいで、外は庭で広々としていい環境だ。風呂場も小さいがきれいだ。シャワーもついている。大家さんの家の二階で家族的な雰囲気がある。親切な大家さんだ。
予想以上にいいアパートだ。
東京のアパートは狭くて隣の家やビルとくっつくように密集していて日も当たらずじめじめしていておんぼろでひどいと思っていたが中にはいいアパートも有るのだと喜んだ。
歌手になるのだと言うと、喜んで部屋を貸してくれた。
「頑張りなさい、」大家さんと奥さんは笑顔で励ましてくれた。
礼金と敷金は各一ヶ月でいい、更新料はいらないと言ってくれた。
「良かった。」少年は喜んだ。
親戚や友人のいない東京では金が一番頼りだ。金がどんどん減っていくのは一番困るし、不安だ。
そういう時に、礼金や敷金、更新料をまけてくれて本当に感謝した。
もし東京で金がなくなったら親は当てにできない。
大学に行かない事ですでに勘当状態だった。さらに東京へ行くといった夜両親は大変怒った。
少年は怒って引き止める両親を振り払って東京に来た。
金がなくなった時に両親は絶対助けてくれない。
少年は東京で一人で生きていかなければいけない。
アパートの有る街の駅から渋谷まで15分ほどだ。
電車は地下鉄に乗り入れているので青山まで20分で直接行ける。
六本木までは電車や地下鉄で直接行けないが、表参道で降りて10分ほど歩けば六本木に着く。交通の便はいい。
駅前には小さなライヴハウスが有った。
早速覗いた。ハードなサウンドがホールいっぱいに響いていた。客席はロックファンでいっぱいだ。全員のりのりで楽しんでいる。
「やってるな、」
少年は胸が躍った。
「俺も早くライヴをやりCDを出しヒットを飛ばすぞ。」
少年は胸の中で叫んだ。
少年は夢に大きく近づいた。
あと少しだ。
少年の夢はもう届く所にあった。
少年が手の伸ばせばあとほんの少しで届く。
目の前の夢に手を伸ばすことに必死で少年は田舎の少女の事などすっかり忘れてしまった。
目の前の自分の夢に喜び興奮しそれで東京の毎日が過ぎていった。
東京に来てからは毎日青山、六本木、渋谷、表参道、原宿、新宿を歩き、そびえる高いビル、混雑する人通り、ライヴハウスなどを見てまわり、アパートに帰ると曲を作った。
アパートでは作曲ばかりやっていた。
テレビを見るとか漫画を読むとかゲームセンターに通うとか何か娯楽をするといった事など全然しなかった。
そういった事には興味などなかった。
できたばかりの知人を誘ってスナック、居酒屋などで酒を飲み酒の魅力におぼれて酒びたりになるといった事もしなかった。
ただひたすら音楽、歌、作曲だった。
歌作りに完璧に没頭していた。
東京という刺激のある大都会で曲は次々とできた。
アパートに帰ってギターを持ち昼間歩いた六本木、渋谷の町を思い出すとすぐにメロディーが頭に浮かんだ。
どれもこれもいいメロディーばかりだ。
東京という夢の街が少年の作曲能力に刺激を与えいっそう高めていった。
いい曲ができるとプロダクションやメーカーに売り込みに行った。
そういった忙しい毎日を過ごした。
そういった日々の中で少年は少女の事など思い出す暇などなかった。
少年の心を、歌、作曲、デビュー、東京、デモ・テープの売込みといった事が占領していて少女の入り込む隙間などなかった。
少年は少女の事を忘れていった。
アルバイト先も適当な所が見つかった。
青山のカフェだ。
夕方から深夜までだった。終電直前まで働いた。
時給は良かった。高い時給に驚いた。やはり東京だと感心した。
仕事は忙しかった。多くのバイト仲間ができた。
時折テレビで見かける歌手やタレントが店に来た。
支配人の目を盗んで少年は積極的に話しかけた。
歌手を目指している、作曲をしていると言うと歌手やタレントは「へえ、すごいね、頑張って、」と笑顔で励ましてくれた。
歌手やタレントと顔なじみになっていった。
バイト仲間に一人の女子大生がいた。
休憩時間にギターを弾く少年を見て興味を持った。
その女子大生も歌をやっていた。高校時代はバンドをやっていた。大学に入ってからはやってないが少年が歌手を目指していると聞き再び血が騒いだ。
少年のギターと歌は女子大生をとりこにした。
「うまいわ、」
腕を組み感心して少年をじっと見詰める美しい女子大生の目に少年は最初戸惑った。
少年の歌にすぐ合わせて歌ったりハモッたりする女子大生に少年は驚いた。
その娘(こ)は小さい頃からピアノをやっていてうまかった。
「君こそうまいよ、」少年は女子大生をほめた。本当に感心したからだ。
「あなたにはかなわないわ。いい曲を作るわね、」
女子大生も高校時代にいくつも曲を作ったが満足するものはできなかった。
だが、目の前の少年はいい曲をいくつも作っている。
「すごい、」
女子大生は感心した。
少年のやっているような種類の音楽、歌に女子大生は興味を持った。
「いい。こういった歌だ。」と思った。
「一緒にやればいい歌を、いい音楽をできるかも、」
女子大生はふと思った。
またバンドをやりたいと思い始めた。
日々のバイトの中で二人は急速に親しくなった。
女子大生は東京生まれだ。広尾だ。大学はいわゆるお嬢さん大学だ。
切れ長の目で美人で言葉遣いや動作、しぐさなどすべてにおいて東京生まれ、東京育ちの雰囲気を持っていた。大学1年だった。年は少年と同じだ。
そういった東京の雰囲気に少年はとても魅かれた。
地方の小さな町で生まれ育った少年はその女子大生の持つ東京の香りに心を奪われた。
女子大生はゆかりといった。
お嬢さん育ちのゆかりだが親から小遣いをもらってただ遊ぶよりもいろいろな刺激の有る所で働きたかった。
カフェはそういったゆかりに刺激を与えた。
もっともその青山のカフェは父の知り合いがオーナーをしている店だった。
ゆかりにしてみれば父親の知り合いの店で働くのは嫌だったが、知り合いということで簡単に勤めることができ、気楽に働けるしいろいろ優遇されるメリットがある。気が向いた時に適当に休めるという点が一番のメリットだ。
カフェで働きたいのと気ままに働きたい事を両立できるのでゆかりはその店を選んだ。
実際ゆかりは優遇された。大切にされた。
とはいえ美人でそれなりに真面目に働くゆかりは客の評判もよく支配人からも不満は出なかった。
バイト仲間からは有名なお嬢さん学校で美人でオーナーの知り合いという事で一目置かれトラブルもなくうまくやっていけた。
そうしている頃、少年が募集広告を見て店に入ってきた。
歌手を目指していると話す少年にゆかりはすぐ反応した。
バイトしている時ゆかりは少年を時々見た。確かに音楽をやっている雰囲気を持っている。
店が暇な時はフォービートで動き忙しくなるとエイトビートで、さらにシックスティーン・ ビートで動いている。
ゆかりはその動きを見て内心笑った。
少年とゆかりはバイト仲間と一緒にたまにカラオケに行ったりした。
少年の歌のうまさに全員驚いた。
そして、歌手として絶対成功すると言ってくれた。
ゆかりもうまかった。
少年は驚いた。
「うまい、」内心自分よりうまいと思った。
ゆかりは音程を絶対はずさない、譜面どおりにきれいに歌う。
だから聞いていてとても安心できるし不安定でいらいらするといった事がない。非常にリラックスして聞ける。
ゆかりの歌にみんな拍手した。そして、「二人でバンドを組んでやればいいじゃん。大ヒットだよ、」と誰かが言った。
「そうだよ、」他の連中も大声で言った。
「そうよ、」ゆかりは内心笑った。
少年はゆかりをじっと見た。
「ふふ、」
ゆかりは少年を見ながら微笑んだ。
バイトしている時ドリンクを出すカウンターの所でよく二人は歌を歌った。
即興の歌だ。
そこは客席から少し厨房の方に入っている。
小さな声で歌えば客席には聞こえない。
♪公園通りを・・・とゆかりが歌う。続きを歌えと持ちかける。
少年がすぐ続ける。
♪二人で歩けば・・・
さらにゆかりが続ける。
♪みんな私たちを見詰める、憎い目で・・・・
♪僕らのファッションに嫉妬している。きっと。
「ふふ、そんなに格好いいセンスしてる?」
ゆかりが噴出した。
「何いってんだよ、歌じゃないか、」
確かに少年のファッションはそれほどセンスはよくない。
そのことでゆかりからいつもからかわれている。
ゆかりはいつもいいセンスの服を着ている。バッチリきまっている。高そうな服ばかり着ている。
「お嬢様だなあ、」少年はいつも心でつぶやいた。
しかし、少年はファッションにはあまり興味がないのでことさらファッションの話題に入ってゆかりをすごくほめたりはしなかった。
いつも頭の中は途切れることなく歌だった。
他の男のようにゆかりの美しさ、高い服や通っている大学にことさら興味を持ち擦り寄るように近づくこともせず歌、歌ばかりの少年にゆかりはますます興味を持った。
たとえばゆかりと一緒のテーブルに座ると誰でもゆかりにべたべたと話しかけてくる。すぐ食事やドライヴに誘う。
しかし、少年はゆかりと正面に座っていても頭にメロディーが浮かぶと、その曲を完成させることに必死になり、頭に譜面を書きコードを選び、替えて、格好いいさびを作るのに忙しくなりゆかりの顔など見なくなる。話も一切しない。すぐに1時間が経つ。その間ゆかりは少年の顔をじっと見詰めるが、少年はゆかりなど全然見もしない。テーブルのメモに音符やコードを書いたり天井を見たり目を閉じたり、テーブルをたたいてリズムを取り曲を必死で作り上げていく。
他の男とは大きな違いだ。
目の前に座っていてしかもじっと見詰めているのに、まったく相手にされないといった事はゆかりにすれば初めての経験だった。
そうした事がますます少年に対する関心を募らせた。
少年もゆかりにますます魅かれていった。
休憩時間に二人でテーブルに座り、特に作曲などをしてないでぼんやりしている時にゆかりから見詰められた時には少年の胸は強く締め付けられたように痛くなった。
ゆかりのきれいな目でじっと見詰められると何かジョークを言おうとしても何も言えなくなってしまう。
そういった少年の戸惑った顔を見るとゆかりはとてもいい気持ちになる。
ゆかりはファッションには贅沢だ。
また化粧も時おり派手にする時がある。
少年がカフェでバイトをし始めた頃ゆかりは濃い色のブルーのアイシャドウーをして濃厚なルージュをしていた。
そしてやや冷たく重たい視線で少年を見ていた。
最初そういったゆかりを見て少年は自分よりはるか年上で25歳ぐらいと思った。
しばらくして19歳で自分と同じと知り驚いた。
今まで付き合ってきたガールフレンドとはまったくタイプの違う大人びた女性だった。
音楽を通じていろいろと話をするようになっても、その落ち着いた話し方や視線でどうしても少年はゆかりが年上に見えた。
化粧が軽めの時でもゆかりの視線や表情の濃厚さは変わらなかった。
ゆかりにじっと見詰められて2,3分話していると少年はほほや首筋にチョコレートがべっとりとついた気分になった。
♪
そんなに強く見つめないで
君の瞳は僕の心を深く刺す
君が僕を見る時
氷のように冷たい
君は僕の何を見ているの?
僕の心をえぐるように
君はあやしく微笑む
君の濃厚な視線で
僕のほほや胸は
じっとりと汗ばむ
僕は君を見る
君の瞳に魅かれる
ほほえむ時の唇に吸い込まれる
君はすてきな香りを持っている
君といると いつも
その香りにつつまれる
僕はとまどいめまいを感じる
少年はいつもゆかりの事を考えるようになった。
少年はすっかりゆかりのとりこになってしまった。
ある日ゆかりは友達と一緒に少年のアパートにやってきた。
「うわー、汚いわね。」とゆかりは笑った。
笑われても事実だから仕方がないので少年は頭をかいて笑った。
狭い部屋中楽器や楽器のコード、CD、音楽雑誌でいっぱいだった。
床には作曲しそこなった譜面が散乱していた。
わずかの隙間に綿パンやシャツが置かれてあった。
ゆかりたちが来た時まずゆかりと友達の座る場所を確保するのに2,3分ほどかかった。
床の乱雑さに比較して壁はまともだった。
ロックバンドや歌手のポスターが貼られていていかにも音楽野郎の部屋といったいい感じになっている。
ゆかりたちが座るや否や少年はすぐ曲を弾いた。
「いい曲ができたんだ。今朝作ったばかりだ。」とギターを鳴らし歌いだした。
ゆかりは笑った。
「まず、ジュースぐらい出してよ。」
「ジュース?」
少年は辺りを見回した。
そんなものは少年の部屋にはなかった。
第一冷蔵庫がなかった。
「ひでえ、」
ゆかりと友達はあきれて天井を見上げた。
天井にギタリストのポスターが貼ってあった。
「誰?」
ゆかりの知らないアーティストだ。
「ランディー・ローズだよ。」
少年のお気に入りのギタリストだ。
ゆかり達は2時間ほど過ごして帰った。
想像を超えた乱雑な部屋だったがゆかりには面白い体験だった。
お嬢様ゆかりにとってカルチャーショックの2時間だった。
数日後今度は少年がバイト仲間と三人でゆかりの家を訪ねた。ゆかりの友達も来た。
広尾の駅を降り有栖川宮記念公園の横を通り静かな道を歩きしばらくするとゆかりの家に着いた。
非常に閑静な所だ。
ゆかりの家は非常に大きい。家と言うより邸宅だ。
今度は少年がカルチャーショックを受けることとなる。
ゆかりの家の近くにはフランス大使館など外国の大使館が多く有り道では外人や外人の子供と何度もすれ違った。スーツを着たビジネスマンでなく家族連れが多い。
服装は普段着だ。しかしいい服だ。女性は奥さんだろう。買い物袋を下げている。子供は上品な顔をしている。近所の大使館の家族連れと分かる。
家は洋館が多い。
外国に迷い込んだような気持ちになった。
ゆかりの家を見て少年とバイト仲間の友人は驚いた。
「すげえ、」
家は広く大きい。門も塀も驚くほど立派だ。
門を開けると向こうには広い庭が有った。テレビなどで時々見る外国の家のようなすばらしい庭だ。
少年はちょっと足が震えた。
「今日はパパもママも出かけていていないのよ。どうぞ。」
大きな門を開けながらゆかりは少年たちを招き入れた。
中から大きなシェパードが二頭走ってきた。
少年たちを睨んでいる。
「帰りなさい。」とゆかりが言うと、犬はクーンと声を出し素直に元の小屋の方に帰った。よく訓練されている。しかし、不審者の場合すぐさま襲いかかる。
門を過ぎ少しカーブとなっている石畳の小道を10メートルほど歩いて家の玄関についた。
ヨーロッパ風の立派な家だ。
玄関の付近にはバラがたくさん植えられている。そのほかきれいな花や草が見事に咲いている。
そしてその近くには外車が2台置かれている。
玄関に入ると大きな広間だ。靴を脱いで家に上がるといった事はない。
靴のまま広間に入りそのまま過ごす。
完全に西洋風の家だ。
少年とバイト仲間の友人は黙って顔を見合わせた。
少年の狭いアパートとは大きな違いだ。
広間に入ると「気楽にしてて、」とゆかりはみんなをソファに座らせ、奥に行きしばらくして全員にジュースを持ってきた。それがまたおいしいジュースだ。生の果実を絞ったジュースだ。
少年はこんなおいしいジュースを飲んだのは生まれて初めてだった。
少年のカフェでもフレッシュ・ジュースを出している。もちろん生の果実のジュースだ。1200円だ。お客から好評のジュースだ。だが、ゆかりの家のジュースはカフェのジュースよりもはるかにおいしい。
「今度このジュースをうちのメニューに入れるべきだね。」少年は言った。
「この味だと3000円だね。」バイト仲間が真剣に言った。
ゆかりはその話を黙って笑いながら聞いた。
気がつくと部屋には音楽が流れていた。上品なバロック音楽が静かに流れている。
話をしていると気がつかないが、声がとまるときれいな演奏がどこからともなく聞こえてくる。
こういった音楽のかけ方は居間にいるお客をとてもリラックスさせる。とてもいい気分になる。
「すてきだなあ、」少年は心の中でつぶやいた。
今日のゆかりの服装は地味だ。というより普通だ。
青山や六本木に行く時は派手な服と化粧で出かけるゆかりだが、自宅にいる時や近所の店で買い物をする時はごく普通の、といってもここら辺の女性やお嬢さんがしている服装で過ごす。
「あまり派手な格好をすると近所の目がうるさいのよ。ママに怒られるし、」ゆかりは静かに笑った。
今日のゆかりは上下とも白だ。やや長めのスカートにブラウスだ。品がいい。
いつものゆかりと違ってとても清楚に見えた。
おまけに言葉遣いまでいつもと違いとても静かで丁寧になっている。
いかにもいいとこのお嬢さんといった服装だ。
少年は自分とはまったく違う世界で日々を過ごすゆかりに見とれた。
窓から光が差し込んできてゆかりの白いブラウスとスカートのあたりが白く光っている。
ふんわりと光る白いブラウスと品良く座りこちらを見るゆかりを見て少年は心の中にそよ風が吹いてくるような気持ちになった。
広間の隅にアップライトだがピアノがある。生ギターも置いてある。
「ねえ、歌を歌いましょう。」
ゆかりがピアノを弾き始めた。
少年はギターを取りピアノに合わせてコードやリフを弾いた。
バイト仲間の連中はテーブルを手で叩き足を鳴らしリズムを取った。
最近バイト先で歌っている歌をゆかりが歌った。
ゆかりと少年が即興で作った歌だ。
♪
とても重たくダークな夜
青山通りを二人は走る
風は冷たい
だけど、心は熱い
この道はどこへ続くのだろう
僕たち二人を乗せて
終わりのないかのように
いつまでも続く
この先にはきっと
刺激的なエリアが有るだろう
真夜中の246は 寂しいけれど
二人なら そんな事はない
外苑前の小さなカフェで
二人は時を過ごした
深いブルーの闇の中
息を止めて見詰めあう 君と僕
時が不規則に音をきざみながら過ぎていく
僕たちを置き去りにして
そう、僕たち二人は
何もかもと無関係に過ごしていく
街を歩く人々や
流れる車
青白い闇
すべてと無関係に
二人は過ごしていく
真夜中の青山通り
真夜中の青山通り・・・・
この間即興で作ったばかりの歌を二人は軽快に歌った。
ゆかりのピアノはとてもうまい。
歌もうまい。
「すごい、」少年は感心した。
少年のギターがゆかりのピアノに置いていかれそうになった。
曲が終わった。
少年と友人は大きな拍手をした。ゆかりも拍手をした。
「うまいよ、」少年と友人は感心してゆかりをほめた。
「あなたこそ、すごくうまいわ、」ゆかりは少年を見てもう一度拍手をした。
ゆかりと友達が奥に行き今度はサンドイッチとコーヒーを持ってきてくれた。
ちょうどおなかがすいてきていたので助かった。
歌と演奏を中断して全員軽く食事をした。
「すごくおいしい、」バイト仲間が驚いた声を出した。
「本当にうまいや、」少年もほめた。
あまりおいしいので少年はあっという間に自分のサンドイッチを平らげた。
ゆかりが自分のサンドイッチを少年に寄越した。
少年は有り難くそれもあっという間に平らげた。
実はここの所あまり満足に食事をしてない。
コーヒーも驚くほどいい味だ。
香りがとてもすばらしい。
少年は自分の世界でない料理や飲み物にため息をついた。
サンドイッチを食べ終わると少年は再びギターを持った。
「ソロでどうぞ。」
ピアノを離れたゆかりが微笑んだ。
少年は軽くストロークで歌いだした。
「何を歌おう?」
「恋、」ゆかりが言った。少し真面目な顔だ。
「よせよ、」少年は不協和音を鳴らした。
「不思議な少女、」バイト仲間が言った。
少年はゆかりを見て笑った。
♪
昔、そうずっと昔
不思議な少女がいた
深い森に住んでいて
いつも窓から街を見ていた
街では男たちが
粗野な歌を歌っていた
少女は窓を閉めた
だけど歌はガラスを通り
少女の耳に、胸に入ってくる
いつしか低級な歌が少女をとりこにした
少女は家を出た
歌に惑わされて
街へと歩き始めた
少女は森の生活を捨てて
街に出た
街で男たちと一緒に
歌を歌いだした
少女の目はぎらぎらと輝きだした
「な、何、それ、私の事?」
ゆかりが顔を少し赤くしながら抗議した。
「歌だよ、単なる歌。いちいち歌詞に反応するなよ、」
少年は笑いながら歌を続けた。
バイト仲間は腹を抱えて笑っている。
ゆかりの友達もくすくすと笑った。
ゆかりは悔しそうな顔で続きを歌った。
♪
男たちはいつも
ひどい格好だった
食事もろくにとらず
歌ばかり歌っていた
歌といっても それは
叫んでいるだけ
心や精神が狂っているから
ゆがんだ精神構造を ただ
町中に撒き散らしているだけ
可哀想なのは街の人々
独りよがりの歌を聞かされ
毎日憂鬱になる
それでも少年は歌う
自分の挫折を、絶望を
悲しい声で歌い続ける
ゆかりが歌うと全員大声で笑った。
「これ、歌かよ。」
「絶対ヒットしない。」
「狂っているのはゆかりの方、」
「いい歌よ、」
ゆかりは少しほほを赤くして言った。
「もう少しまともなヒットしそうな歌を歌おう。」
バイト仲間が提案した。
「じゃ、オリコンの1位になりそうな歌を。」
「誰が歌うの?」
少年はゆかりを見た。
「You、」
ゆかりは少年を指差した。
少年はギターを鳴らした。
きれいめのメロディーを弾いた。
♪
午後の陽射しを浴びながら
二人は神宮外苑を訪れた
銀杏並木をゆっくりと歩いた
「どう、こんなんで?」
ゆかりが続けた。
♪
夏は過ぎ
少し風が冷たい
二人はうつむきながら
黙って歩いた
行きかう人はなく
ただ緑の影が二人をつつむ
男は絶望で言葉を失い
女は絶望が絶望でないと
知っている
男が寄りかかる重たい扉が
実はそれは喜びの部屋への
入り口だと知っている
だけど男は
すっかり希望を失い・・・・・・
「どこがオリコンの1位だよ、」
「前半が少し良かっただけ、」
「誰が買うか、この歌詞を」
「そうかなあ、」
ゆかりは平気な顔をした。
少年はギターを置いた。
これ以上即興をやっていると捻じ曲がった歌ばかりになってしまう。
どういう訳かゆかりは人の心を引っ掻き回す歌ばかり歌う。
ブレイクした方がいい。
「テイク・ファイヴ」
「そうしよう、」
みんなコーラを飲んだ。
「ねえ、いつ頃デビューするの?」ゆかりが真顔で少年に尋ねた。
「できるだけ早くと思うけどなかなか契約してくれないよ。」
「結構難しいんだよね、」ゆかりの友人がつぶやいた。
確かに。なかなか契約してくれない。
しかし、最近はプロダクションの人とも顔なじみとなり名刺もかなりもらった。
持参したデモテープもすぐ真剣に聞いてくれるようになった。
「ライヴやってみようよ。」
ゆかりが言った。
渋谷かどこかの小さなライヴ・ハウスに出ようと提案した。
小さなライヴ・ハウスでもとにかく出演しているとレコード・メーカーやプロダクションの注目を浴びる。
いい演奏をすれば声がかかる。
やっぱり売込みにはライヴが一番効果的だ。
とにかく実際の自分たちを見てくれる。自分たちの歌・演奏能力を見てくれる。
デモテープよりもはるかに効果的だ。
しかし、現在の流れはバンドだ。少年が目指しているソロ歌手のスタイルはなかなか受けない。
メーカーもバンドを一番望んでいる。
「やろうか、」少年はゆかりの顔を見て言った。
「やろう、やろう、」ゆかりは楽しそうに答えた。
ゆかりは再度バンドを組んでライヴをやりたくて仕方がない。ゆかりの血は騒いでいる。
「じゃあ、売れ線の曲を作るか、」少年は不安そうにつぶやいた。
「そうそう、とにかく売れ線の歌を作り注目を浴びることよ。そしてヒットするのよ。それから自分の好きな歌を歌えばいいのよ。まず最初にヒットすることよ。売れないのにいくらいい歌を作っても駄目よ。」
ゆかりが方向性や戦術を示した。確かにそのとおりだ。
注目を浴びてヒットすることが先決だ。
デビューもできず自分の好きな歌ばかり歌っていても何にもならない。
とにかくヒットすることだ。デビューすることだ。
自分の心の叫びや挫折、苦悩、あるいは夢や意気込みをいくら歌っても誰も聞いてくれなきゃ意味がない。
それより、妥協して売れ線の歌でヒットして、それから自分の好きな歌を歌っていけばいい。ヒットした後なら多少自分自身を主張する歌を作っても発売してくれるしファンも聞いてくれる。
現実的にならなければいけない。
独りよがりの歌を作る少年がゆかりとコンビを組んだことはいいことだ。
「二人で?」少年は聞いた。
「二人だけど、ドラムがいるわ。友達でやっているのがいるから、ライヴの時だけ入ってもらうのよ。彼は忙しいから練習の時は時々ね。」
「ベースは?」少年は指をあごにあてて考えた。
「別になくてもいいじゃん、」ゆかりはあっさり言った。
ギターとキーボードとドラムだ。トリオだ。シンプルだがそれで十分だ。
場合によってはギターとキーボードだけでもいい。
音の厚みが不足するがそこは少年のギターと歌でカバーすればいい。
いい歌さえ歌えばベースのない事など気にならない。
贅沢を言ってられない。人数もいない。資金もない。時間もない。最小の人数でやるしかない。
ゆかりの友人がドラムを手伝ってくれるので助かった。
完璧なバンド編成をあれこれ考えるよりも早くライヴハウス・デビューすることが先決だ。
荒削りでもとにかくスタートすることだ。船出することだ。
少年とゆかりはスタートすることにした。
ゆかりがぐいぐいと少年を引っ張った。
ゆかりが足早に進むコースは少年も望むコースだ。
二人はぴったりと息を合わせて進んだ。
いいコンビとなった。
ライヴハウスに出演できることになった。
ゆかりは作詞も始めた。
少年の作詞も非常にいいが、かなり独りよがりの主張がある。
自分の怒り、絶望、不安、挫折を叫んでいる歌が多い。とても売れそうにない。
少年に何度も歌全体の意味を聞いてやっと理解できるといった歌詞が多い。
ヒットを狙うなら分かりやすくし、ある程度きれいに格好よくまとめる必要があった。
誰もが初めて聞いた瞬間ぞくぞくするようなサビが絶対必要だ。
このぞくぞくするようなサビがないと歌は絶対ヒットしない。
ゆかりは少年の歌詞を幾度も手直しした。
ゆかりが手直しした歌詞を見て少年は感心した。
とてもきれいにまとまっている。
多くの人に受け入れられる売れ線の歌詞とはこういった歌詞か、と少年は納得した。
ヴォーカルはすべて少年がとった。
ゆかりはコーラスを受け持った。
ゆかりもうまいがソロで歌うには力不足だ。アマチュアならいいがプロとしてはやや弱い。
だが少年のヴォーカルはプロとして十分やっていけるレベルだ。
そこをゆかりは確実に見抜いている。
ゆかりにもヴォーカルを勧める少年を説得してヴォーカルはすべて少年にとらせた。
少年は首をかしげながらもゆかりに従った。
こういう点においてゆかりはとても頭が切れる。
自分も含めて相手と全体を見渡す冷静な目を持っている。
うぬぼれて自分が前面に出るといった事はしない。
お嬢さんだがぼんやりとはしてない。肝心の時に決してうかれない。とてもクールだ。
二人は新作をいくつも作った。
少年とゆかりの共同作業が始まった。新しいスタートだ。
貸しスタジオやゆかりの家で歌と演奏を何度も練習した。少年のアパートでは打ち合わせを何度も行った。歌った歌をMDに取りすぐに聞いた。
どれもいい出来だと思えた。
「よし、これでいいだろう。」「うん、だいじょうぶよ、」
二人は自信を持った。
「よし、行ける。」
3月中旬渋谷の小さなライヴハウスで初めてのライヴをやった。
記念すべき二人の初ライヴだ。
ゆかりの友人がたくさん来た。カフェのバイト仲間も何人か来た。
だが、それ以外の客はいなかった。
少年とゆかりは必死で歌い弾いた。
盛大な拍手が起きたが友人や仲間の拍手では意味がない。
翌週もライヴを行った。
だが、客はいない。すべて友人や知人ばかりだった。
少年とゆかりは落胆した。
しかし、めげずに必死でライヴをやった。
ライヴは週1か週2でやった。
本当は毎日でもやりたかったがライヴハウスがスケジュールを組んでくれなかった。
それに少年は生活費も稼がなければいけない。
アルバイトをそうそう休むわけにはいかない。生活費どころかその日の食事に困る。
音楽・歌に完全に打ち込みたいがそれより先に生活のために朝から晩までバイトをしなければいけない。
バイトばかりしていると当然歌や楽器の練習の時間が全然とれない。作曲や作詞をする時間もなくなる。
その事で少年は苛立ち苦しんだ。
ゆかりは少年の苦しみがよく分かった。
金持ちのお嬢さんのゆかりは、その気になれば少年の生活費の悩みを解決できる。
しかし、それをゆかりがやってしまったら駄目だ。下手すると二人の関係がうっとうしくなり壊れる。
ゆかりは生活の面で少年を助けることが出来るのにそれができない。
ただそばで見守り応援するしかない。
その事はゆかりをとても悩ました。
ゆかりの気遣いと悩みを少年は分かっていた。
二人はそういった悩みと苛立ちをすべて歌・ライヴにぶつけた。
二人はもがき苦しみながら歌い演奏した。
ゆかりは演奏や作詞、時には作曲やアレンジの面で、そして自分たち二人が音楽面でどういったコースに進むのがいいのかといった事などで必死で少年の手助けをした。
そして苦しむ少年を優しく励ました。苛立つ少年の愚痴に近い言葉を黙ってじっと聞いた。
ゆかりが出来ることはそれだけだった。
それは最善の方法だった。
客の来ないライヴハウスで必死に歌う少年に大きな不安がこみ上げてきた。
このまま終わってしまうのか?駄目なのか?
ゆかりも同様だった。
少年の歌とギター、作曲は絶対人気が出ると確信していた。また、自分も含めて自分たちのバンドはライヴをしたらすぐに人気が出ると思っていた。
だが、反応は悪かった。いや、ひどすぎた。
誰も来ない。一人も来ない。
「こんなはずじゃない。」
ゆかりにも絶望が襲ってきた。
少年とゆかりは客の来ないライヴを何度もこなした。
あっという間に2ヶ月が過ぎた。
やがて少しずつ客が増えてきた。
本当に最初のお客はゼロだった。その次が一人だった。
それから二人、三人と増えていった。
最初はみな面白半分、興味本位だっただろう。
だが、少年のギター、歌が興味本位の客を感心させた。
拍手も多くなり反応も良くなった。
また、ゆかりが美人だからゆかりに対する拍手も多かった。
そのうち熱心なファンが増えてきた。暇つぶしのファンでなく本物の歌手・バンドに興味のある真剣な音楽ファンだ。
ライヴをするたびに来るファンが増えてきた。
演奏が終わると熱心なファンは控え室や出口にやって来た。ファンたちは少年とゆかりをつかまえて歌を褒め、そして熱く音楽や歌に関して意見を述べた。
少年とゆかりはそういった熱心なファンを大切にして長い時間話し合った。
そして、そういったファン達が友人や知り合いをライヴに呼んだ。
客はさらに増えていった。
少年とゆかりはライヴハウス・ファンの間でだんだんと知られていった。
ライヴをこなしながら二人は曲をどんどん作った。
自信作が20曲ほどたまった。曲だけなら100曲ほど作った。
とにかく少年とゆかりが一緒にいれば曲は即興でどんどんできた。
その即興の曲を二人で2時間ほどかけて手直しするとすぐいい曲となった。
それらは二人が生み出した輝く宝石のようなものだ。
出来上がった曲を聴き二人は「僕たち二人の大切な曲だ。」「そうよ、宝物よ。」と熱く語った。
曲作りにおいて少年とゆかりはひとつとなった。ばらばらの二人でなくすばらしい曲を作る一つのアーティストとなった。
曲作り・歌作りにおいて少年とゆかりを分ける事は出来なくなった。
音楽面でも、さらに日々の生活・人生においても二人はすばらしいユニットとなった。
少年はゆかりを絶対必要とし、ゆかりには少年が不可欠となった。
曲作りで二人は自信を持った。
「僕たち二人は絶対大丈夫だ。」
少年とゆかりは見つめあった。
ライヴを精力的にこなしている7月半ばあるプロダクションの人が控え室にやって来た。
そこそこ名前の知られたプロダクションの社員だ。
少年とゆかりは緊張した。
「高橋といいます。」
名刺をくれた。
「なかなかいいね。ずっと三人でやるの?」
「ええ、当面は、」少年が答えた。
「作曲と作詞は?」
「曲は僕で、作詞は二人でやります。」
高橋はゆかりを見た。
「美人だなあ、」といった顔をした。
「いい作詞をしますね。ピアノもうまい。」
「有り難うございます。」ゆかりは手短に答えた。
頭の回転のいいゆかりはこういった時には簡単に答えるのが一番いいと知っていた。
くどくどと長たらしく音楽に対する情熱や夢、思い入れを語っても逆効果だと知っていた。
「今度いつやるの?」社員はスケジュールを聞いてきた。
「来週の今日です。その後も出ます。これを見てください。」少年はライヴの出演リストを渡した。
「有難う、また来るよ。名前は?」
高橋は二人の名前を聞いてきた。
「宮滝洋二です。」
「牧野ゆかりです。」
少し緊張しながら二人は答えた。
「そう、よろしく。」
プロダクションの人は二人の名前を手帳に書いて帰った。
いい感触だ。
「いけるかもね、」ゆかりがうれしそうに笑った。
「うん、」洋二はうなずいた。
「いける。本当に、」洋二は心の中で確信を持った。
次のライヴでもそのプロダクションの社員は来ていた。洋二たちのライヴをじっと真剣に聞いた。
いい演奏やヴォーカルが決まった時には大きな拍手をしてくれた。
きちんと評価しながら聞いてくれている。
舞台からそういった聞き方を見て洋二はうれしくなった。
ギターを弾きながらゆかりを見るとゆかりも小さくうなずいた。
洋二は高橋に自信の有る歌を聞いてもらった。
ライヴでまだ演奏してない歌ばかりだ。高橋が一度も聞いてない歌だ。
最近作ったばかりの歌だ。ほとんどがゆかりと一緒に作った歌だ。中には高校時代に作った歌もある。
高橋は非常に気に入った。
「いいね。どれもレベルが高い。それに独特のサウンドだ。君しか出せないサウンドをしている。詞もいい。」
高校時代に作った数曲の歌については「技術的に荒削りだしいまいちの点もあるが、だけど熱気がある。こういった熱気が大切だ。高校時代の曲をうまく手直しすればぐっと良くなる。」とほめてくれた。
ある日高橋が洋二とゆかりを近くの喫茶店に誘った。
喫茶店の奥の席に行くとそこに二人の年配の人がいた。
高橋の会社の部長と課長だ。
二人を紹介された洋二とゆかりは緊張した。
「デビューしないかい?」
高橋が真剣な顔で聞いてきた。
「えっ、」洋二とゆかりは驚いた。そして喜んだ。
幸運がとうとうやって来た。
高橋は洋二とゆかりにCDデビューと契約の話を切り出した。
高橋のプロダクションは洋二とゆかりがCDを発売するレコードメーカーもほぼ決めている。洋二たちは知らないが部長と課長は洋二たちのライヴをすでに2度ほど見ていた。洋二の歌とギターの腕を確認している。
デビュー曲はテレビ・ドラマの挿入歌となることも決定している。
もちろんその歌は洋二の作品である。
11月21日発売のCDシングルでデビューできる。
「お願いします。」
洋二とゆかりはそろって高橋や部長などに軽く頭を下げてデビュー、契約の了承をした。
「頑張ってください。いい才能をしている。」
部長が笑顔で洋二に言った。
高橋たちと別れたあと洋二とゆかりは急いで別の喫茶店に入った。
そして、ついさっきの話をしながら喜びを語り合った。
「すごいね。とうとうよ。」
ゆかりが頬をピンク色に染めながら洋二の手を強く握った。
洋二もゆかりの手を握り返した。
「デビューよ。夢みたい。」
「本当だよ。」
二人は高橋から渡された数枚の書類を見ながら今後のスケージュールを確認した。
デビューまで期間が無い。
デビュー曲の選定、レコーディング、イヴェントといろいろ忙しい。
スケジュール表には二人の予定がびっしりと入っている。
その日から二人の生活は一変した。
安いが給料が出ることになった。
洋二のアルバイト代よりもかなり安い給料だが、これで洋二はアルバイトをする必要がなくなった。
完全に音楽・作曲に専念できるようになった。
交通費や楽器に関する費用がプロダクションから出るのが有り難かった。
さらに、プロダクションの練習スタジオを無料で使える。毎日1時間ほどは洋二たちが使える。そのスタジオに置いてあるキーボードやシンセサイザーなどの楽器も自由に使える。
洋二たちと高橋はデビュー曲候補の3曲をさらに完璧に仕上げる作業を行った。
高橋と一緒にレコードメーカーに出かけディレクターなどにあいさつ回りもした。
レコーディング・スタジオも見学した。見学した時には他社専属のバンドがレコーディングをしていた。ヒットを連発している有名なバンドだ。
洋二とゆかりは興奮した。
もうすぐ自分たちもこのスタジオでああいうふうにレコーディングを行うのだ。
連日洋二とゆかりはプロダクションの近くの小さな練習スタジオで歌の練習をした。
練習といってもほとんどデビュー曲のレコーディングの練習だ。
録音した音を聞くと完璧だ。
そのまま原盤として使えるほどいい出来で録音できていた。
洋二たちの担当は高橋が行った。
数日してデビュー曲も決定した。
その曲は洋二もゆかりも高橋も全員がいい出来だと認める曲だ。
曲は洋二、作詞は洋二とゆかりだ。
「いけるよ。ヒットするよ。」
高橋は自信に満ちた顔で二人に言った。
高橋の自信満々の表情を見て洋二とゆかりは最高の気持ちになった。
レコーディングの練習や演奏の練習などをしない日は高橋と一緒に放送局や関連する音楽事務所へのあいさつ回りをした。さらに他のバンドと一緒にイヴェントなどをこなした。
事務所には有名なバンドや歌手がいた。
そういった先輩ともいえるバンドと一緒に動き回るのは大いに勉強になった。
ヒットを飛ばし続けているバンドの人たちは洋二の歌を聞いてほめてくれた。
「いけるよ。ヒットするよ。頑張って。」と励ましてくれた。
事務所の有名なバンドや歌手からほめられて洋二とゆかりは本当にうれしかった。そして、ますます自分たちはヒットすると確信を深めていった。
洋二たちはそういった先輩バンドのライヴに同行して機材の運搬やセッティング、ライヴ前のいろいろな作業や雑用の仕事をした。
そういった仕事は遠くや地方への移動も有り朝から深夜まで続いた。体力的にはきつかったが、非常に楽しい仕事だった。
音出しのチェックで舞台の中央でギターを弾く作業は身震いするほどうれしい仕事だった。
大きなコンサート会場の舞台中央で広い客席を見ながらギターを弾いて音を出す作業はまるでもう自分がスターになったかと錯覚するような気持ちにさせた。
そういった先輩バンドの手伝いの仕事をしながら、あいた日には歌と楽器の練習を猛烈に行った。作曲や作詞は一日中、あるいは仕事のあと連日深夜まで行った。
いい曲、詞がさらに増えていった。
それらの曲の中に非常に出来のいい歌が12曲あった。
その曲、詞を見て高橋は「これでデビュー・アルバムもすぐに出せるな。」と感心した。
デビュー曲が当たれば第二弾は春に出して、ファースト・アルバムは来年の夏ごろだ、と高橋は説明した。
二人はいっそう興奮した。
まるで自分たちの成功した来年を見ているような気持ちになった。
洋二とゆかりはデビューに向けて忙しい日々をこなしていった。
9月初め洋二は20歳になった。
もがき苦しみながら挫折と不安の中で20歳になった。
とうとうデビューが訪れた。
続いて同じく9月下旬ゆかりも20歳になった。
二人は六本木の小さいけれどしゃれたレストランで二人だけの誕生会を行った。
「20歳か・・・、」
洋二とゆかりは顔を見合わせて微笑んだ。
二人とも高校一年ごろから真剣に音楽をやって来た。
コースは違うがデビューして成功する夢を持っていた。
ゆかりは途中で早々と失敗しほとんどあきらめてしまっていた。
洋二は自信満々だったがいくらやっても認めてもらえずもがき続けた。
絶対成功する、いやすぐにでも成功すると確信していたが、挫折の日々を送っていた。
しかし、とうとうデビューもできることになった。
二人は最高の喜びで誕生会を行なった。
「僕たちはもうガキじゃない。大人だ。」
洋二はまじめな顔でゆかりを見た。
ゆかりは黙ってうなずいた。
「デビューもできるし僕たち二人は絶対成功する。自信が有る。」
洋二は強く言った。
「うん、」
ゆかりも強くうなずいた。
「僕とゆかりはいいコンビだ。これからも二人でいい歌を作りどんどんライヴをして成功していこう。」
「うん、ずっとね、」
ゆかりは洋二の目をじっと見ながら真剣な顔で言った。
もう二人は昨日までの少年・少女ではない。
ライフワークの音楽と人生を真剣に見つめ進んでいく成功直前の大人だ。
二人は互いに音楽でも日々の生活・人生でも常に一緒だと感じだ。これからはずっといつも一緒に日々を過ごすと思った。
二人は互いに相手なしの人生を想像出来なくなった。
二人は真剣に愛し合っていた。
以前の二人は共通の趣味とも言える音楽だけで結びついていた。
だが、今は音楽だけでなく生活や人生のすべてにおいても強く結びついている。
二人は同じ道を手を強く握り合ってまっすぐ歩いて行っている状態だ。
もう二人が別々の道を歩むとか互いの手を離すといった事は有り得ない。
音楽が好きだった二人が偶然出会い一年ほど一緒に悪戦苦闘している間に、いつの間にか二人はすべてを理解しあい、さらに人生を共に進んで行く恋人となっていった。
二人は音楽ではもちろん、人生でもうまくやっていけるだろう。
「大好きだよ、」
洋二は自分の気持ちを告白した。
「私も。いつまでも。」
ゆかりは笑顔でこたえた。
二人は真剣に気持ちを伝えあった。
二人とも自分たちの未来は明るく輝いていると確信した。
つづく
※このブログへ小説「あれから」を掲載し始めたのは2008.
1.9.です。
※「あれから」のあらすじ完成、主題歌「あれから」の完成は
7年前の2001年夏頃です。
完成の時期と掲載の時期とが違います。ご注意下さい。
◇あらすじと本文が混じった小説ですが、著作権が存在します。
小説中の歌詞にも著作権が存在します。
2008.1.9.
ナポレオン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆ 小説「幸せがくる」 あらすじ
伊東和雄
昔貧しい孤児院があった。
コハト・ホームだ。
災害や親の失踪などでやって来た子供たちばかりだ。
中には病院で生まれたという子供もいた。
病院? 普通だと誰もが思う。そうではない。
病院の玄関に置き去りにされた子供なのだ。
ある年の暮れ、クリスマスというのに子供たちはケーキもなく寂しく過ごしていた。
一人の男がクリスマスの夜ケーキをたくさんプレゼントした。
マザー・石井十三子(とみこ)と子供たちは喜んだ。
マザー・とみこもクリスマスの為にケーキを買いたかった。
でも、全然費用が出来なかった。
以前は時々寄付があった。
しかし、最近は寄付をしてくれる人もいなくなった。
すっかりみんなから忘れ去られてしまった。
マザーは時間を見つけては近所の店や工場で働き運営の費用を工面した。
だが、そんな少ない金額では孤児院の運営はとても出来ない。
マザーは役所にも訴えた。
窓口で必死に係員に訴えた。頭を何度も下げた。
しかし、係員は冷たく言った。
「今年の予算はすべて終わりました。援助は出来ません。規程です。」
「でも援助を頂かないと子供たちの食べるものがないのです。」
「そういった事をここで言われてもねぇ。役所はあんただけのものじゃないんでね。」
「でも、何とかしていただかないと本当に子供たちが空腹で、病気になってしまいます。」
「そんな事は私には関係ないよねぇ。第一、あんたと私は親戚でもなんでもないんだから。あ、時間だ。帰ってください。」
係員は時計を見てさっさと立ち上がり奥の同僚がいる机に行きみんなとお茶を飲みだした。
まだ定時時間の3分前だ。
マザーは泣きながら役所を出た。
男は恰幅もよく堂々としていた。親切な笑顔だった。
ニコニコとしてケーキやお菓子を持ってきた男を見てマザーは神様かと思った。
部屋にあるピアノを弾きながら男はクリスマスの歌を歌った。
ケーキを食べながらピアノの弾き語りを聞き子供たちはつかの間の幸せを感じた。
しかし、男は心から親切にしたのではなかった。
経営していた会社が順調で懐が暖かかったので、無造作に恵みを行っただけだった。
「俺はいい人間だ。」と男は内心自慢した。
その翌日会社で従業員などに前夜の事を自慢した。
男はその後一、二回その孤児院を訪れお菓子などを与えた。
そして、その事を会社の連中や知人に自慢した。
「社長はいい人間ですね。」みんなほめた。
ほめられて男は有頂天になった。
人に自慢する為の慈善行為だった。
子供たちは悲しい毎日を過ごしながらも成長した。
もちろん多くのトラブルが有った。
マザーはそのたび幾度も泣き、苦労した。
男が偽善で行ったクリスマスのプレゼントだったが、子供たちはそういった男の高慢な慈善など知らず、純粋に感謝の気持ちを持ちながらすてきな思い出として大きくなっていった。
一番年上のエリは男がピアノを弾き歌う姿を見て心がとても楽しくなっていった。その事に驚き感動した。
毎日とても悲しいのに男が歌う歌で悲しみが消えた。
不思議だった。感動した。
子供たちは次のクリスマスにも男がケーキを持って来てくれないかと願った。
男が来たら一緒に歌を歌おうとクリスマスの歌やいろいろな歌、そして踊りも練習していた。
クリスマスの日子供たちは玄関で男を待った。
しかし、男は来なかった。
実は男はコハト・ホームの事などすっかり忘れてしまっていた。
単なる気まぐれの施しだった。
興味がなくなるとそれで終わりだった。
何年かするうちに男の会社は不況で倒産した。
男は職安に通う人になっていった。
子供の中で一番年上だったエリが歌手になりデビューをした。
エリはあのクリスマスの夜男が歌う歌を聞いて歌手を目指したのだった。
決してうまい訳ではないがひたむきに歌うエリの歌は少しづつ売れていった。
エリは孤児院の出身だと言う事を隠した。人気に響くからだった。
その為孤児院に行く事もしなかった。
本心は孤児院出身という過去を完全に消したかったのだ。
孤児院とは完全に縁を切りたかった。
エリは雑誌などのインタビューに対して普通の家庭で育ったという返事をしていた。
時が流れた。
コハト・ホームが閉鎖する事になった。
マザーも頑張ったが運営する費用が出なかった。
子供たちの事を考えてマザーは毎日泣いた。
ある日男は街をとぼとぼと歩いていた。
今は小さな工場に勤めていた。
テレビ局へ行く途中車で通りかかったエリがその男を見かけた。
すっかり見すばらしくなり服装もあの時よりもかなり貧弱になっていた。
あのクリスマスの夜に胸を張って堂々としていた面影は全然ない。
顔も生活苦の為に老け込んでいた。
あの時の男とはすれ違った知人でも気がつかないだろう。
しかし、エリは男を決して忘れなかった。
「おじさん、」
長い間探していた人だった。
男は振り返った。やはり、あの男だった。
エリは男が弾いたクリスマスの歌に感動して歌手を目指した事を告げ、歌がヒットして有名になったのはおじさんのおかげだと何度も有難うと述べた。
エリからそういった話を聞き何度も感謝され男は自分を恥じ反省した。
閉鎖する直前のクリスマスの夜男は久しぶりにコハト・ホームを訪れた。
少ない給料をほとんどはたいてたくさんのケーキを買い訪問した。
今度は心からのプレゼントだった。
男の心から偽善や高慢は消えていた。
子供たちやマザーは大喜びした。
そこへエリがやって来た。
エリは男に会い男から「私は偽善だった。偉ぶっていた。」と反省する言葉を聞いた時自分も反省したのだった。
エリはたくさんのケーキ、お菓子とおもちゃを持ってきた。
子供たちは飛び上がって喜んだ。
エリはマザーに分厚い封筒を渡した。中にはたくさんのお金が入っていた。
「マザー、これでコハト・ホームを続けてください。」
「エリちゃん、有難う」マザーはまた泣いた。
子供たちはホームが閉鎖しなくなったので大喜びした。
ケーキやジュースがテーブルに並べられた瞬間子供たちはケーキに突進した。
おもちゃも奪い合いとなった。
いつもひっそりとしているコハト・ホームが運動会のようなにぎやかさになった。
男もエリもマザーもそういった光景を微笑みながら見た。
男は部屋の隅のピアノを見た。
「懐かしい、」
「クリスマスの歌を弾いてよ、」子供たちがリクエストした。
男はピアノを弾きだした。
ますます古ぼけてしまいすっかり調律も狂ってしまっている。
「俺みたいなだな、」
男は苦笑いした。
男は一曲歌った。
「私も歌うわ、」エリも歌った。
みんなは大喜びした。男はエリの伴奏をした。
「僕たちもうたうよ、」
子供たちも歌いだした。
エリはみんなと一緒に歌い男は伴奏をした。
エリは子供たちの手をとり踊った。
子供たちも全員エリの真似をして踊った。
歌と踊りは続いた。
まるでミュージカルのようになった。
大喜びで次々と歌う子供たち、笑顔のエリ、心から喜ぶ男、喜びの涙をながすマザー。
コハト・ホームのクリスマスはいつまでも続いた。
悲しくても泣いてはいけない。
夢を信じよう。
幸せは必ずやって来る。
つづく
※このブログへ「幸せがくる」を掲載したは2008.1.10.です。
◇上記の小説「あれから」と「幸せがくる」の主題歌を一部別頁で掲載しています。
左の最新記事欄の上の方の「新しい歌 新作」をクリックしてお読み下さい。
また、その頁で別の新作の歌詞の紹介も掲載しています。
◇この頁に掲載している「あれから」と「幸せがくる」は
あらすじで一部の掲載ですが、著作権が存在します。
※このブログへの「あれから」の掲載は2008.1.9.です。
「幸せがくる」の掲載は2008.1.10.です。
2008.1.12. ナポレオン
■ 「うそつきのいない王国」 あらすじ
ロバート・ランブン
貿易商のエリックがジャンとうそつきのいない国へ行った時の貴重な記録です。
ニューヨークに住むエリックはフランスへ商用で出かけた。仕事に数日空きが出来たので古くからの友人であるフランス文化省局長のジャンを訪問した。
サンジェルマン通りのカフェで二人は会った。
ジャンはエリックの久しぶりの訪仏を歓迎した。
「どこか良い所へ案内して欲しい。だけどディズニーランドはお断りだ。フロリダで散々行って来た。」
エリックは驚くような所を案内しろと迫った。
ジャンは考えた。
真面目な顔をしてエリックに確認した。
「エリック、君は約束を守れるか?」
エリックは驚いた。
ジャンのそのような真面目な顔は初めてだった。
「ジャン、僕は正直な貿易商人で通っている。約束を破る事などありえない。今まで一度もうそをついた事はない。」
エリックは少しむっとして返事した。
「そうか、失礼した。分かった。では、いい所へ案内する。しかし、これはフランス国家の最高機密だ。これから行く所は絶対に秘密だ。分かったね。」
「何?国家機密の場所へ案内してくれるのか?」
エリックはたいそう喜んだ。
ジャンはエリックを文化省手配の特別車に乗せてパリを出発した。
車はアルプス方面に向かった。
途中で東に曲がり深い森の中を進んだ。
「ずいぶん深い森だ。ブローニューの森よりも大きい。」
貿易商人であるエリックはフランスの地理には詳しい。
しかし、このような大きい森は知らない。
どこだろうかと思った。
さらに車は進んだ。
半日進んでもまだ森の中だ。ずいぶんと大きな森だ。
「エリック、君は歴史に詳しいか?」
「ああ、一通りはな、」
エリックが退屈そうに返事すると、ジャンは重大な事だがと切り出した。
「ナポレオンがイタリアを侵攻する時にこの森を通った。
その時にここに有った小さな王国を占領した。
ところがこの王国は質のいい金を産出していた。
ナポレオンはこの王国の事を秘密にした。政府の最高機密としこの王国を諸国には秘密にしてずっと植民地にした。
産出する金の大半をフランスというよりナポレオン皇帝が独占した。
そして、ナポレオンは皇帝退位後殺害を狙う王党派と取引をした。
ナポレオンの命を保証するかわりにこの王国の存在を教えた。
ベルサイユ宮殿の秘密地下室の大量の純金を保管している金庫も教えた。
大量の金塊を王党派の連中に与えた。
それでナポレオンはギロチンを免れた。
さらに、この王国の秘密は王党派、革命軍、ナポレオン三世、共和制政府、現在の政府へと引き継がれている。貿易の輸出が年々減少していて没落に歯止めがかからないフランスが今日未だに豊かなのはこの金(きん)のおかげさ。」
ジャンはスイス近くにある秘密王国の事をエリックに話した。
「そんな王国が有るのか?」
エリックは驚いた。
「そうだ。何しろパリの五区と六区よりも小さな王国だが、金の産出量がすごい。毎年フランスの国家予算の5%ほどの金を産出する。」
「ほっ、本当か?」
「しっ、大きな声を出すな。」
ジャンはエリックの肩を叩いた。
「そうだ。その王国へ今から案内する。」
エリックは興奮した。
森はますます深くなった。木々は高くなり鬱蒼としてきた。
「この地域は森が深いので衛星写真でもただの森としか写らない。」
車が森から出た。
目の前に中世のような街並みが見えた。
こじんまりとした町だ。
「ここだ。」
ジャンは車から降りて前方の町を指差した。
イタリアやドイツの中世の町をそのまま再現したような街並みだ。
町の向こうには深い森が再び続く。
少し歩くと大きな門があった。
「ここが入り口だ。」
ジャンは門の前で立ち止まった。警備員がいる。大男だ。
「入り口でもあり国境でもある。」
「パスポートやビザがいるのか?」
エリックは一応確認した。
「ああ、いる。しかし、ビザなど誰にも発給しない。だから、誰もこの国には入れない。」
「じゃあ、どうやって入るのだ。」
「心配するな。僕は特別だ。この王国はフランスの植民地だ。この王国を担当しているのは文化省の僕の局だ。僕はこの国には特別外交官として入る事が出来る。さあ、入国しよう。」
ジャンは門兵に何やらパスポートのような物を見せて中に入った。
エリックもあわてて続いた。
中はすばらしく美しい。
まるで中世の町にタイムスリップして来たような錯覚に陥った。
「すごい。まるでルイ十四世のフランスだな。いや、ルネッサンス期のフィレンツェだ。」
エリックは感心した。
町の家はすべて石造りで道路は石畳だ。建物はすべて中世の様式で建てられている。
建物にはすばらしい神々や女神、天使の像が彫られている。
ミケランジェロよりも優れている。
遠くには神殿が見える。
ギリシャのパルテノン神殿よりもはるかに大きく荘厳だ。
車は走っていない。馬車が道を行く。
歩く人々の姿は中世の服装だ。
注意深く見ると絹の服を着ている人が多い。
豊かな国だ。
「まるでおとぎの国に迷い込んだようだ。」
エリックは感嘆してつぶやいた。
「ああ、そうだ。僕も最初この国に入った時は驚いた。今でも入るたびに興奮する。」
ジャンは立ち止まった。
「エリック。これからこの国で二、三日過ごすが、絶対にこの国ではうそをつかないで欲しい。」
ジャンは強く確認をした。
「ああ、うそなどつくものか。僕は生まれて一度もうそなどついた事がない。」
エリックはきっぱりと言った。
「そうか。それなら大丈夫だ。何しろこの国はうそをつくと重罪だ。気をつけてくれたまえ。」
ジャンは石畳の町を前方へと進んだ。
「どこへ行く?」
エリックは聞いた。
「そうだな。まず食事でもしよう。いや、コーヒーでも飲もうか?」
ジャンは通りに有る小さな店に入った。
どうやらカフェのようだ。
いや、レストランのようだ。
店の中には電灯はない。テーブルの上にはろうそくがある。
この国では電気を使わないようだ。
店に入りテーブルに座ってエリックは驚いた。
テーブルやいす、室内の調度品などあらゆる物に金が使われている。
しかも輝きがいい。
質のいい金を使っている。
「驚いた。さすが金の産出国だけの事はある。金をふんだんに使っている。」
運ばれてきたコーヒーを飲みながらジャンはこの王国について説明を始めた。
「この王国はもちろん王制だ。ここの王様もフランスとの現在の関係を変更したくない。中世のままの王制を続けたいのだ。フランスと関係を続ける限りフランスはこの国を保護していく。この国の王室は永遠に守られる。」
ジャンはこの王国がいつまでも現在の状態を続けていくと説明をした。
「という事は、フランスはこの国から産出される金(きん)をすべて奪い取るわけだ。」
エリックは皮肉を言った。
「奪うとは人聞きが悪い。税金を金(きん)でもらうだけだ。その代わりフランスはこの国がどこの国にも侵略されないように保護している。この森の周囲に農家があり農民が畑で仕事をしていただろう?」
「ああ、そういえば農家があったな。農民もいた。」
エリックは途中の光景を思い出した。
「あの農民は全部フランス軍の特殊部隊だ。不審者が近づくと即座に逮捕する。誰もこの王国には近づけない。」
ジャンは森、つまり王国の周辺警備の完璧さを自慢した。
「なるほど、それでどこの国もこの王国のことを知らないわけだ。」
エリックは感心した。
同時に内心何とかしてこの王国と貿易して巨万の富を得る事が出来ないかと考えた。
なにしろこのカフェの金の輝きはすごい。非常に質がいい。
「さて、行こうか、」
ジャンは店の外に出た。エリックも続いた。
通りは車がなく人が歩いているだけだ。人は多い。
のんびりしたものだ。
二人が歩いていると一人の少女というか女の子が近づいて来た。
「おじさん、花を買ってください。」
少女は花かごを二人の前に差した・・・・・・・・・・・・
※この続きは別頁でご覧ください。
2008.2.3.
◇著作権が存在します。
◇この物語の初掲載は2008.1.14.ですが、
物語の完成は2001年です。
◇この王国の事はフランスの国家機密です。
ほかの人には教えないで下さい。
もし漏らすとナポレオン法典により罰せられます。
2008.1.14. ナポレオン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◇◇◇下記は新作です。短編です。
「いたずら雲さん」
ロバート・ランブン
ある日いたずら雲さんが子供を見つけた。
子供はおいしそうなお菓子を持っている。
大切そうにしっかりと持っている。
雲は子供に微笑みながらささやいた。
「ね、君、小石を僕に投げてごらん、」
子供は言われたとおりに小石を雲に投げた。
小石は三個になって落ちてきた。
子供はすごいと喜んだ。
雲はまた言った。
「お菓子を僕に投げてごらん、」
子供は喜んでお菓子を雲に投げた。
雲はお菓子を受け取るとさーっといなくなりました。
おしまい
2008.1.21.
◇短編ですが、著作権が存在します。
◇著作権者の許可を得て掲載しています。
2008.1.29. ナポレオン
◇次の小説は甲子園を目指した少年の涙と激痛の物語です。
あらすじです。
「涙のフォークボール」
中島茂雄
町坂は地方の高校一年生だ
甲子園を目指して頑張っている。
投手だ。
とはいっても控えだ。三番手だ。
連日猛練習でくたくただ。
先輩や監督からしごかれてばかりだ。
野球部だというのになぜか監督はいつも竹刀を持っている。
剣道の精神を野球にいかすのだ。
と監督は言っている。
大きなうそだ。
町坂がエラーをした時にお尻を叩くためだ。
今日は隣町のチームと練習試合だ。
そのチームは毎年甲子園に出場する強豪だ・・・・・
※この続きは別の頁に有ります。
そちらをご覧ください。
◆このブログにはいろいろな小説、短編物語、評論、歌詞、歌などを掲載しています。
竜馬の小説「竜馬がくる~桂浜編」「竜馬がくる~明治編」、竜馬の評論「竜馬小論」、新作の歌詞、歌、新作の小説のあらすじ、連載小説「森の中の宇宙人」、サッカー小説「広場のイレブン」、ロバート・ランブンの短編物語、童話、数学の定理などいろいろ入っています。 どうぞご覧下さい。
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ブログ・タイトルは「竜馬と歌と小説と歴史」です。
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それだけ、このブログの歌詞、歌、新作の頁が読まれているのです。(2008.1.29.現在)
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検索画面のトップに出てくるという事はそれだけ多くの人が、ロバート・ランブン、伊東和雄、紫四季などの短編物語、童話、竜馬の小説、竜馬小論、歌詞、歌などをご覧になっているからです。
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それほど多くの人がこの小説「竜馬がくる~桂浜編」、竜馬小論を読んでいるのです。
「竜馬と小説と歴史のブログ」編集長 ナポレオン
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■新しい歌。作詞。その1.メイン [・・・・音楽]
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2008.10.20. 更新新しました。
★ 「新しい歌。作詞。1。」のメインの頁です。
★ 最新作はこの頁に載ります。
◆ 現在 121 曲 掲載しています。
いい歌がたくさん出来ました。
前回見た方は最後の方、⇒:矢印の歌詞、をお読み下さい。
◇いい歌には、目次に★ ★★ ★★★ と星表示をしています。
三ツ星は非常にいい歌・歌詞です。 参考にして下さい。
◇歌詞はすべてオリジナルです。
◇「歌詞集」であると同時に、「詩集」でもあります。
◇ヤフーで「歌 新作」 と検索すると、1600万中1位で出てきます。
「歌 歌詞 新作」と検索しますとこのブログが300万中1位
か、2位で出てきます。 再度このブログにご来訪する時は、
「歌 新作」と検索して下さい。 すぐ来る事が出来ます。
・・・・・・ (2008.5.24.現在)
◆ 目 次 作詞、歌、音楽に関するご案内です。
※下記のうち、7番から86番までは、ほかの頁に移動しました。左の「最新記事欄」から「新しい歌。作詞。2。」、また「新しい歌。作詞。3。」をクリックしてご覧ください。
1. 「文豪と東京、フランス、ショパン・・・」 ★★★ 歌詞
2. 「あれから」 ★★ 歌詞 「あれから」より
3. 「優しい心がほしい」 ★★ 歌詞 「あれから」より
4. 「夢を信じよう」 ★ 歌詞 「幸せがくる」より
5. 「古ぼけたピアノ」 歌詞 「幸せがくる」より
6. 「古ぼけたピアノ パート2」 歌詞 「幸せがくる」より
7. 「僕の友達について」 歌詞
8. 「気ままに」 歌詞
9. 「なみだ」 歌詞
10. 町を捨てよう 歌詞 「あれから」より
11. 歌はすばらしい 歌詞 「幸せがくる」より
12. 古い壁を壊せ 歌詞 「あれから」より
13. 二人の夢 作詞 「あれから」より
14. 好きだ 作詞 「あれから」より
15. アレアレア ★★ 作詞
16. 森のレストラン 作詞 「あれから」より
17. フリーマーケット ※恋のフリーマーケット 作詞
18. 誘拐犯 ★ 作詞
19. 花言葉 作詞
20. 夏の公園 作詞
21. 湘南 江ノ島 江ノ電 ★★★ 作詞
22. 二人の江ノ島 ★ 作詞
23. 銀座へ行きましょう 作詞
23. 君が好きだ 作詞
24. 暑中お見舞い申し上げます 作詞
25. モンマルトルのピアノ弾き 作詞
26. 映画のように 作詞
27. モンマルトルの思い出 作詞
28. 波のきらめき 作詞
29. 心から愛したい 作詞
30. 僕たちはどこへ行くのだろう 作詞
31. 気がついてね 作詞
32. 夏のなぎさ 作詞
33. 「都会の午後三時」 作詞
34. 「江ノ島においで」 作詞
35. 「ヨットにふたり」 ★ 作詞
36. 「南 風」 作詞
37. 「 涙 」 作詞
38. 「予約席」 作詞
39. 「恋をしてみたい」 ★ 作詞
40. 「軽井沢」 作詞
41. 「モンマルトルのピアノ弾き ~ 清らかな修道女」 作詞
42. 「愛のよろこび」 ★★★ 作詞
43. 「 春 」 作詞
44. 「走れメロスのごとく」 作詞
45. 「竹下通り」 作詞
46. 「もうすぐ江ノ島」 ★★★ 作詞
47. 「ラブリー・ブランチ」 作詞
48. 「季節はめぐる」 ★★★ 作詞
49. 「江の島エンジェル」 ★ 作詞
50. 「真実の愛」 作詞
51. 「ハートはこなごな」 作詞
52. 「私は知っている」 作詞
53. 「原宿午後三時」 作詞
54. 「Oh、my God」 ★ 作詞
55. 「キミは年下」 ★ 作詞
56. 「Yeah,I love you」 作詞
57. 「さすらい人」 作詞
58. 「すてきな人」 作詞
59. 「じゃあね」 ★ 作詞
60. 「美しい花」 作詞
61. 「見つめて」 作詞
62. 「ブルー・バレンタイン」 作詞
63. 「表参道のあの店」 詞
64. 「新婚家庭」 ★ 作詞
65. 「夏のかわいいベイビー」 作詞
66. 「浜辺のパーティー」 ★★ 作詞
67. 「夢が逃げて行く」 作詞
68. 「夏が消えていく」 作詞
69. 「春の銀座」 作詞
70. 「時は過ぎ行く」 ★ 作詞
71. 「レモン」 作詞
72. 「愛していたのに」 ★ 作詞
73. 「夏の香り」 ★ 歌詞
74. 「思い出のアルバム 」 作詞
75. 「愛していると言って」 作詞
76. 「美しい少女」 作詞
77. 「夜の闇の中で」 作詞
78. 「愛の思い出」 ★★ 作詞
79. 「君を愛している」 作詞
80. 「 珈 琲 」 ★ 作詞
81. 「丘の上の一人の男」 ★★ 作詞
82. 「僕は今でも」 作詞
83. 「浜辺の少女」 ★ 作詞
84. 「湘南においで」 作詞
85. 「いつのまにか」 ★★ 作詞
86. 「ゆれる心」 ★ 作詞
87. 「夏の午後」 作詞
88. 「小さな手」 ★ 作詞
89. 「いつかきっと」 作詞
90. 「ふとした事から」 作詞
91. 「すばらしいあなた」 ★★ 作詞
92. 「子供たちは大人になる」 作詞
93. 「魔法の鏡」 作詞
94. 「片思い」 ★★ 作詞
95. 「あの娘がいない」 作詞
96. 「 ミルク 」 作詞
97. 「湘南ララバイ」 ★ 作詞
98. 「小説」 作詞
99. 「恋のシンデレラ・ナイト」 作詞
100. 「恋もアメリカン」 作詞
101. 「渚の少女」 ★★ 作詞
102. 「夏の終わり」 ★★★ 作詞
103. 「占い」 作詞
104. 「ダンス・パーティー」 作詞
105. 「あの頃へ」 ★ 作詞
106. 「暗い闇の中で」 作詞
107. 「お願いだ」 作詞
108. 「愛される君」 作詞
109. 「いい気味だわ」 ★ 作詞
110. 「ニューオーリンズ」 ★ 作詞
111. 「てれくさいのさ」 ★ 作詞
112. 「あの頃は美しかった」 作詞
113. 「彼は寂しかった」 ★ 作詞
114. 「さよなら、茅ヶ崎 ★★★ 作詞
115. 「茅ヶ崎ブルース」 ★★ 作詞
116. 「午後の陽射しの中」 作詞
117. 「見つめないで」 作詞
⇒ 118. 「青山通り」 作詞
⇒ 119. 「昔、そう、ずっと昔」 作詞
⇒ 120. 「 卒 業 」 作詞
⇒ 121. 「 青 山 」 作詞
※ 130. 竜馬の主題歌の歌詞の説明
■■■■■ 伊東和雄の作詞が、
発売に向けてスタートしました。新作です。
作詞の内容を大雑把に言葉のみで説明します。下記です。
タイトルは仮題です。
◇1. 「文豪と風景と東京、フランス、ショパン・・・の歌」
★★★
作詞 伊東和雄
♪♪♪
春の清々しい風景と有名な文豪とを描いたもの。
そして、文豪の小説に登場するものがいろいろ描かれている。
幾分理解不可能な事に首を傾げ困りきる。ある人はたたずみ悩む。
舞台は1900年頃の東京。そして、箱根や青空の瀬戸内海も。
アカデミックな学問に関連したものも。有名な格言も出てくる。
そして、舞台はさらにフランスへと移る。モンパルナスも。
19世紀、芸術も絡む。
ショパンもユトリロもレオナールも登場。♪♪♪
・・・・といった内容です。
のびやかで軽快でとても美しい歌です。
タイトルは発売の時に正式タイトルに変更となります。
正式タイトルは非常にきれいなタイトルです。
歌うのは合唱団。
合唱団のファッションにも注目してください。
またユニークな名前を持つ合唱団です。
歌のタイトルは春の美しい情景を描いたタイトルです。
作詞は伊東和雄です。作曲は行っていません。作詞のみです。
このブログで小説「森の中の宇宙人」と「あれから」を書いている伊東和雄です。
曲は流れるように美しく聞いた人は誰もが感動するすばらしい曲です。
早く発売できるように現在いろいろな方々にお願いをしています。
早ければここ一ヶ月、遅ければ二、三ヶ月で発売されるのではと思います。
春、美しい風景、文豪、文豪の作品の登場人物など、東京、学問、不可思議、苦悩、格言、箱根、瀬戸内海、青空、フランス、モンパルナス、音楽家、ショパン、ヘンデル、画家、ロートレック、ユトリロ、レオナール・・・・。
有線やラジオ、FM、テレビなどで上記の歌詞が流れるような美しい曲に乗って歌われたら、それは間違いなく伊東和雄の作品です。
聞いた瞬間誰もがすぐにその美しい曲に合わせて口ずさむでしょう。
非常に話題になるはずです。
おそらくヒットするでしょう。
もし、ユニークな名前を持つ合唱団が楽しいファッションで登場してこの歌を歌ったら大いに拍手をして一緒に歌って下さい。
みなさん、どうぞ期待してください。
この歌以外にたくさんの歌、作詞をこの頁に記載しています。
ずっと下の方、最後の方をご覧下さい。
■■■■ そのほかの作詞 ■■■■
「あれから」 「優しい心がほしい」 「夢を信じよう」 「古ぼけたピアノ」
「フリーマーケット」「アレアレア」「誘拐犯」「花言葉」
など下記にたくさん掲載しています。
このブログにはこれから発売していくオリジナルの作詞がたくさん有ります。
ヒットすると思えるものがいくつか有ります。
今後もそういった作品を掲載していきます。
時々このブログを訪問してご覧下さい。
「あれから」「さよならの歌」「友だちについて語ろう」「幸せがくる」「古ぼけたピアノ」「星空をみつめて」「生意気言ってごめんなさい」「すてきなクリスマス」「歌はすばらしい」「酒場の三文歌手マリー」「拝啓大統領閣下」・・・・・。
「波はともだち」「潮風が知っている」「あこがれ」「はりまや橋から」「長崎の歌」「さようなら」「世界の海援隊」「俺は坂本竜馬」「なな」「すてきな京都」・・・・。
上記のうち「波はともだち」から「すてきな京都」までは竜馬の小説「竜馬がくる~桂浜編」の主題歌です。竜馬の主題歌は全15曲です。主題歌つきの小説です。
「長崎の歌」は仮タイトルです。発売直前にタイトルを変えます。
また、上の「幸せがくる」「古ぼけたピアノ」「星空をみつめて」「生意気言ってごめんなさい」「すてきなクリスマス」などはこれから掲載するミュージカル小説「幸せがくる」の主題歌です。
「幸せがくる」には主題歌が16曲ほど有ります。
上記以外にもオリジナルの詞はたくさん有ります。
オリジナルの作曲もいくつか有ります。
「花言葉」「アレアレア」「フリーマーケット」「誘拐犯」などです。
もちろん、発売するようにしていきます。
作詞は言葉だけで説明しても全然分かりませんので、そのうち作詞の一部を記載するようにします。
たとえば、「あれから」の歌詞を掲載します。
その前に短いあらすじをご覧下さい。
◆小説「あれから」の大雑把なあらすじ
二人は共に夢を持っていた。
二人は夢を語り合い互いを応援した。少女はいつも少年を見つめていた。
少年は歌手になる事を夢見た。
いつも公園や街角で歌った。
誰も聞いてくれない。
少女が始めて拍手をしてくれた。
初めての観客だった。
少女は小さなレストランでおいしい料理をだしてお客さんに喜んでもらう夢を持っていた。
少年はやがて自分の夢ばかりを追いかけるようになった。
少女の小さな夢など気にしなくなった。少年は町を出て大きな都会に行った。
少年の夢はかなった。人気歌手になった。そして、三年が過ぎた。
ふと思った。少年は町に戻った。
あの時の二人で夢を語り合った事を思い出した。
あの通り、あの角、あの公園、あのレストラン・・・・。
少年は少女を探した。もう少女はどこにもいなかった。
小説も伊東和雄の作品です。
※くわしいあらすじは、左の最新記事欄の上の方の、「■新作小説のあらすじ」をクリックしてご覧下さい。「あれから」と「幸せがくる」の二つの小説の詳しいあらすじが掲載されています。
◇2. 歌詞です。
「あれから」 ★★
曲・詞 伊東和雄
♪
今僕はここにこうしている
ふと気がつくと
君の姿が見えない
僕は自分の夢ばかり追いかけていた
君の夢に気がつかないで
いつも君は
僕を見つめていてくれた
だけど僕は
自分の夢だけを追い続け
君の事を、忘れてしまった
あれから三年・・・、
君はいない
今この街に戻り
あの頃の道を歩く
この通りで
あの公園で
いつも君はいた
僕は夢を語り
君も夢を打ち明けてくれた
君はいつも
僕をみつめていた
だけど
あれから三年
君はいない・・・・・
この公園でいつも僕はギターを弾いた
ベンチに座り
噴水を眺めながら
芝生に寝転んで
森の小道を歩きながら
いつも歌を歌った
この公園は
まるで僕のアトリエ
広場で道行く人に歌いかけた
でも、誰も聞いてくれない
ある日
通りかかった君が微笑んだ
そして、小さな拍手をくれた
初めての観客さ
大きな夢を追い求め
壁にぶつかり
もがきながら走った僕
ささやかで確かな夢を持ち
少しづつ歩む君
そんな二人の出会いだった・・・・
2008.1.9.
※この歌は東京で夢がかない歌手になった少年が町に戻り少女を探す時の歌。
歌手になって、自分に最初に拍手してくれた少女を思い出した。
曲調はニューミュージック、ポップス調。
◇3. 歌詞をもう一曲記載します。やはり小説「あれから」です。
「優しい心がほしい」 ★★
曲・詞 伊東和雄
♪
楽しいひと時が
もう終わる
今日はありがとう
こうして今日も
歌を聞いてもらえた
たくさんのみなさん
ありがとう
本当に、ありがとう
あの日を
思い出す
はじめてのコンサート
来てくれた人は
ほんの少し
あの日
初めてのコンサートに
来てくれた人は
今日も来てくれているだろうか?
いつも変わらず
応援してくれる人が
心のささえ
僕は何もいらない
輝く宝石や
金貨は要らない
欲しいのは
みなさんの暖かい拍手
心からの応援
これからも
僕に
暖かい拍手をください
歌う僕を
一人にしないで
みなさんの
優しい心を
ください
僕はこれからも
歌を歌い続ける
愛の歌
喜びの歌
悲しみの歌
みなさんに、歌う
だから、
みなさんは
僕に
暖かい拍手を、
やさしい心を下さい
2008.1.12.
※この歌は成功して大ホールのコンサートの最後の方で歌う歌。
初めてのライブは数人だった。だが今は超満員。
本当に有難う、これからも暖かい拍手をください。
僕はいつまでも大好きな歌を歌い続ける。
この歌を歌いながら、客席にあの時の少女がいないかと探した。
しかし、少女はいない。
曲調はポピュラー・ソング調。
※掲載の歌詞は短くしたものです。
発売の時には、この掲載の歌詞と少し違ったものとなります。
一部を紹介するとこういった歌詞です。
「あれから」はギターで歌うシンプルな曲です。
「優しい心がほしい」はオーケストラも入ります。
これらの詞は両方ともオリジナルです。曲も詞も伊東和雄です。
小説「あれから」も伊東和雄の作品です。
これは今後掲載する小説「あれから」の主題歌です。
この小説は、夢を追いかける少年と少女の物語です。
☆ コハト・ホームの話と歌も有ります。
◆ 幸せがくる
やはり伊東和雄の作です。
小説も作曲も作詞もすべて伊東和雄です。
これは小説ですが、後半はミュージカルのように歌が続きます。
主題歌は16曲ほど有ります。
「さびしいクリスマス」「おいしいケーキ」「古ぼけたピアノ」「歌はたのしい」
「どうして私にはお母さんがいないの?」「星空を見つめて」「あなたはお父さん」
「みんなうそだ」「生意気言ってごめんなさい」「きっと来る」「思い出の人」
「もし、私が幸せになれたら」「一生懸命歌います」「これから始まる楽しいショー」
「夢を信じよう」「幸せがくる」
・・・などです。 最後に歌詞の一部を掲載しています。
◇下記が小説の大雑把なあらすじです。
昔貧しい孤児院があった。
クリスマスの夜男が孤児院にケーキをプレゼントした。
子供たちもマザー石井十三子(とみこ)も大喜びした。
男はそこでピアノを弾きながら歌を歌った。
子供たちはつかの間の幸せを感じた。
男のプレゼントに感謝してそれからの日々をすごした。
だが、実は男はただ慈善の真似事をして自己満足をしただけだった。
・・・・・・・・・・・・・・、
※くわしいあらすじは、左の最新記事欄の上の方の、「■新作小説のあらすじ」をクリックしてご覧下さい。「あれから」と「幸せがくる」の二つの小説の詳しいあらすじが掲載されています。
◇4. 下記が小説「幸せがくる」の中の「夢を信じよう」です。
歌詞の一部です。
「夢を信じよう」 ★
曲・詞 伊東和雄
♪
何もない、
けれども泣いてはだめだ
誰もいない、
けれども悲しんではだめだ
いつか来る、
幸せが。
夢を信じよう
きっと来る、
このドアから、
この窓から、
きっとやさしい人が来る
泣いてはいけない
笑顔で待とう
きっと来る
夢を信じよう
夢を信じよう
2008.1.10.
◇5. 新作です。
「古ぼけたピアノ」
曲・詞 伊東和雄
♪
さあ、歌おう
ピアノをならそう
古ぼけたピアノだけれど
歌えば楽しい
輪になって
踊ろう
歌おう
古ぼけた調子はずれの音がする
でも気にしなくていい
歌おう
ピアノに合わせて
陽気に歌おう
歌に合わせて
鍵盤を叩け
古いから壊れそう
気にしない
歌おう
歌えば心が楽しくなる
どんな悩みも悲しみも
歌えば消えていく
古いピアノだけれど
気にしない
歌おう
さあ、陽気に歌おう
楽しく歌おう
2008.1.12.
◇6. 新作です。
「古ぼけたピアノ パート2」
曲・詞 伊東和雄
♪
ダンダンダン、
さあ、歌おう
ピアノよ、音を出してくれ
ダンダンダン、
古いピアノよ
いい音を出してくれ
今日は
大切な演奏会
りっぱな人が聞いている
王様、女王、貴族たちだ
ダンダンダン、
壊れた音を出さないでくれ
お願いだ
いい音で鳴ってくれ
今日は大切な演奏会
いい音と
いい調べを流してくれ
今日だけは我慢してくれ
ダンダンダン、
古いピアノは友達
お前を見ていると
まるで自分さ
古くておんぼろ
もうお払い箱
でも、
頑張ろう
頑張ればいい音もでる
俺も頑張る
お前も頑張れ
ダンダンダン、
今日は晴れの演奏会
今日のお客はりっぱな人ばかり
古いピアノよ
いい音を出しておくれ
古いピアノよ
ダンダンダン
2008.1.12.
※「古ぼけたピアノ」は男が最初コハト・ホームを訪問した時に弾いたピアノです。
「古ぼけたピアノ パート2」は最後に訪れた時に弾いた歌です。
おんぼろで今にも壊れそうなピアノでした。音も狂っている。
しかし、そんなおんぼろピアノを囲んでみんな楽しく陽気に歌った。
曲調は軽いスウィング・ジャズやラグタイムのフレイヴァーが入っています。
※掲載の歌詞は短くしたものです。
発売の時には、この掲載の歌詞と少し違ったものとなります。
◇◇小説「幸せがくる」とその主題歌16曲は、小説も作詞も曲もすべて伊東和雄の作品です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆ ご 案 内 ※この頁のうち、7番から86番までの歌は、ほかの頁に移動しました。 左の「最新記事欄」から「新しい歌。作詞。その2」、また「新しい歌。作詞。その3。」をクリックしてご覧ください。その頁に掲載しています。
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◇87. 下記は新作です。
「夏の午後」
詞 伊東和雄
♪
夏の午後
海岸通り
車は走る 風の中
流れる曲は サザンオールスターズ
海を見れば
君の横顔 素敵だね
君こそ 素敵なレディー
いつまでも
僕の 夢の人で いてほしい
この海が いつまでも
光り輝くように
僕は君を 愛し続ける
だからお願い 僕を
愛してほしい いつまでも
もうすぐ 江ノ島が見えてくる
江ノ島に着いたら
白い浜辺の上で
君を強く抱きしめよう
だからダーリン
いつもでも 僕を
愛して欲しい
2008.3.12.
※歌詞は一部です。
発売の時にすべて記載します。
歌詞は発売の時には少し変更になります。
ナポレオン
◇89. 下記は新作です。
「いつかきっと」
詞 伊東和雄
♪
あなたにさよならと
手をふるけれど
悲しい顔をしないで
僕はいつまでも
あなたを忘れはしない
いつも二人が歩いた
この角で
あなたと別れて
駅へと向かう
信じてほしい
いつかきっと
二人は会えるでしょう
いつかどこか
小さな街で
あなたともう一度
会えるでしょう
今日から僕は
あなたと会える日を
願いながら旅をする
いつかきっと
二人は会えるでしょう
いつかどこか
遠くの街で
あなたともう一度
会えるでしょう
そしてその時
僕は あなたを強く
抱きしめて
愛を語るでしょう
そしてその時
僕は あなたを強く
抱きしめて
愛を語るでしょう
2008.3.13.
※歌詞は一部です。
発売の時にすべて記載します。
歌詞は発売の時には少し変更になります。
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歌詞のあとの日付は歌詞の完成日でなく掲載の日付です。
ナポレオン
◇90. 下記は新作です。
「ふとした事から」
詞 伊東和雄
♪
ふとした事から
恋は始まる
互いに気づかないうちに
知らないうちに
街を歩き お茶を飲み
話題の映画を見て
気がつくと ドライブしてる
そしていつの間にか
二人は
肩をいだきあってる
何の前ぶれもなく
恋は始まる
いつの間にかドアはそっと
開き 二人は
扉の中へ入り込む
気がつくと 遠い未来の
夢を話し合ってる
二人は
幸せな日々にいる
2008.3.13.
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ナポレオン
◇91. 下記は新作です。
「すばらしいあなた」 ★★
詞 伊東和雄
♪
君のさりげない
やさしさが好き
いつも静かに微笑んで
僕を見つめる
僕がひどい間違いを
した時でも 君は
そっと知らないうちに
直してくれている
きどったり 偉ぶったりせず
いつも丁寧で こまやか
僕は今まで 大きな
思い違いをしていた
見かけや 外見の
美しさ 流行こそ
大切だと思ってた
だけどそういった事が
意味がなくむなしいと気づいた
教えてもらった君に
優雅とか 上品
さりげなさ そして 思いやり
といった事など 僕は
まるで 分からなかった
そういった大切な
心づかいをすべて君から
僕は教えてもらった
君のさりげない
やさしさが好き
いつも静かに微笑んで
僕を見つめる
そんな君に
僕はこの頃とても
心をひかれてしまう
今やっと君の
すばらしさに気づいた
君を心から
純粋な気持ちで
愛しています
君を心から
純粋な気持ちで
愛しています
2008.3.14.
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◇93. 下記は新作です。
「魔法の鏡」
詞 伊東和雄
♪
魔法の鏡が有るなら
聞いてみよう
世界で一番
私を愛している人は
だれ?
それはもちろん あなた
と答えるはず
そして私はうれしくなる
魔法の鏡が有るなら
聞いてみよう
世界で一番私を愛している人は
だれ?
もし あなたでないなら
許せはしない
魔法をかけてこらしめるわ
あなたが私を一番
愛するようになるまで
あなたは何も見えなくなる
あなたが私を一番
愛するようになるまで
愛という言葉を言えない
魔法の鏡が有るなら
聞いてみよう
世界で一番私を愛している人は
だれ?
魔法の鏡が有るなら
聞いてみよう
世界で一番私を愛している人は
だれ?
2008.3.15.
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ナポレオン
◇94.下記は新作です。
「片思い」 ★★
詞 伊東和雄
♪
あなたと話すのは
あなたが好きだから
あなたと街を歩くのは
あなたが好きだから
あなたとドライブに行くのは
あなたが好きだから
あなたに好きと言えないのは
あなたが好きだから
あなたに好きと うちあけて
私の恋が消えたら
とても悲しくなるから
だから私はいつまでも
片思い
あなたと話をして
あなたと街を歩き
あなたとドライブして
あなたの笑顔を見て
私はとても しあわせ
あなたに好きと言えないのは
あなたが好きだから
あなたに好きと うちあけて
私の恋が消えたら
とても悲しくなるから
だから私はいつまでも
片思い
2008.3.15.
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ナポレオン
◇95.下記は新作です。 軽快なポップスです。
「あの娘がいない」
詞 伊東和雄
♪
あの娘は行ってしまった
小さなバッグひとつで
行ってしまった 本当に
何も残さず 手紙すら
理由は全く分からない
きっと僕だろう 原因は
行き先は分かっている
友達の家だろう 今度も
早く行かなければ
今頃きっとあの娘は
友達を集めて
僕の悪口を言っている
あとで僕はいつも友達から
ひどく批判される
最後に叱られてしまう
それであの娘は喜ぶ
気分が晴れるようだ
あの娘は行ってしまった
僕の愛車に乗って
朝からいなくなっていた
何も残さず 伝言も
理由は分からない
だけど原因は僕だろう
行き先は分かっている
あの娘は行ってしまった
小さなバッグひとつで
行ってしまった 本当に
早く迎えに行かないと
叱られてしまう 今度も
早く迎えに行かないと
叱られてしまう 今度も
2008.3.16.
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ナポレオン
◇ 96.下記は新作です。
ミディアム・テンポです。のんびりと歌って下さい。
「 ミ ル ク 」
詞 伊東和雄
♪
喫茶店にあなたと入り
ミルクを飲んだら
子牛ちゃんだね、と笑われた
以来ミルクは口にしていない
しかしコーヒーの苦さには
いまだについていけない
第一ミルクを入れるかどうかで
迷ってしまう
うかつに入れるとまた笑われそう
家でならいいだろうと
深夜こっそり冷蔵庫を開けると
後ろから誰かに見られているようで
いまだにミルクを飲めず
物事は気にすると
何もできなくなる
一度笑われるととても臆病になる
こういった性格を 早く直さないと
恋もできない
ミルクひとつで人生が変わる
同じ牛肉でも
ステーキはほめられるのに
なぜ、ミルクはいけないのだろう
卵を食べても「チキンちゃん」と
笑われないのに 不思議だわ
喫茶店にあなたと入り
ミルクを飲んだら
子牛ちゃんだね、と笑われた
以来ミルクは口にしていない
ミルクひとつで人生が変わる
2008.3.17.
※歌詞は一部です。
発売の時にすべて記載します。
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◇97.下記は新作です。
ミディアム・テンポ、幾分スローで歌って下さい。
「湘南ララバイ」 ★
詞 伊東和雄
♪
夏のある日 浜辺で
波に抱かれて 揺れてみた
潮騒は子守歌
僕をやさしく夢に誘う
空に浮かぶ 白い雲が
やさしく微笑む
夏のある日 浜辺で
あなたにもたれ まどろんだ
潮風が子守歌
僕はうとうと夢の世界
そっと僕を 見つめている
あなたの微笑み
湘南ララバイ
あなたは そっと優しく
歌を歌ってくれる
やさしい天使の
愛の歌を
湘南ララバイ
あなたは 夢の人さ
2008.3.18.
※歌詞は一部です。
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歌詞のあとの日付は歌詞の完成日でなく掲載の日付です。
ナポレオン
◇99.下記は新作です。
軽快なロックンロール、R&Bです。ややロカビリー風。
「恋のシンデレラ・ナイト」
詞 伊東和雄
♪
パーティーの夜
時計が12時 すると あの娘は
突然去っていく 何も残さず
名前も知らない僕は
街をさまよう 次ぎの日に
あの娘を探して通りを駆ける
次のパーティーで
あの娘を見つけた やっと
あの娘に手を差し伸べて 踊ってもらった
12時までが恋のチャンス
急がないと あの娘は消える
楽しいステップ 恋のステップ
あの娘の瞳が輝く 僕の胸は高鳴る
時計の針を遅らせ
何度もダンスをしたのさ
二人は夜通し楽しく踊った
時計を隠して 時間を忘れて
楽しく踊ろう
そして 甘いささやき
お願い うなづいて 愛の言葉に
いつか あの娘の手をとって
好きだと打ち明けたい
恋のシンデレラ・ナイト
恋のシンデレラ・ナイト
2008.3.19.
※歌詞は一部です。
発売の時にすべて記載します。
歌詞は発売の時には少し変更になります。
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ナポレオン
◇101.下記は新作です。
小説「森の中の宇宙人」の主題歌・挿入歌です。
「渚の少女」
詞 伊東和雄
♪
広い海を見て
喜ぶあなた
渚を歩き 波と話をする
潮風をうけ 目を閉じて
空を見上げてる
あなたは遠くから
一人でやって来た
海の青さも
波の白さも
初めて知った
渚に立ち 喜びにふるえ
僕を見て 微笑む
長い髪が
潮風にゆれる
僕はいつまでも
あなたを守る 必ず
あなたは一人じゃない
僕を信じて
もし あなたが寂しくて
涙を流す日があったら
僕はあなたをそっと抱きしめる
そして 一緒に涙を流そう
いつまでも いつまでも
この海で すごしてほしい
この海が あなたの
新しい ふるさと
広い海を見て
喜ぶあなた
渚を歩き 波と話をする
潮風をうけ 目を閉じて
空を見上げてる
いつまでも いつまでも
この海で すごしてほしい 僕と
この海が あなたと 僕の
新しい しあわせ
2008.3.20.
※ミディアム・テンポです。感じは湘南ポップスです。
伊豆のどこまでも白く美しい浜辺で過ごす主人公たちの
歌です。
※とうとう掲載が100曲を超えました。
竜馬の主題歌やその他完成している歌詞が多く有りますので
実際はもっと多いです。 <
2008.10.20. 更新新しました。
★ 「新しい歌。作詞。1。」のメインの頁です。
★ 最新作はこの頁に載ります。
◆ 現在 121 曲 掲載しています。
いい歌がたくさん出来ました。
前回見た方は最後の方、⇒:矢印の歌詞、をお読み下さい。
◇いい歌には、目次に★ ★★ ★★★ と星表示をしています。
三ツ星は非常にいい歌・歌詞です。 参考にして下さい。
◇歌詞はすべてオリジナルです。
◇「歌詞集」であると同時に、「詩集」でもあります。
◇ヤフーで「歌 新作」 と検索すると、1600万中1位で出てきます。
「歌 歌詞 新作」と検索しますとこのブログが300万中1位
か、2位で出てきます。 再度このブログにご来訪する時は、
「歌 新作」と検索して下さい。 すぐ来る事が出来ます。
・・・・・・ (2008.5.24.現在)
◆ 目 次 作詞、歌、音楽に関するご案内です。
※下記のうち、7番から86番までは、ほかの頁に移動しました。左の「最新記事欄」から「新しい歌。作詞。2。」、また「新しい歌。作詞。3。」をクリックしてご覧ください。
1. 「文豪と東京、フランス、ショパン・・・」 ★★★ 歌詞
2. 「あれから」 ★★ 歌詞 「あれから」より
3. 「優しい心がほしい」 ★★ 歌詞 「あれから」より
4. 「夢を信じよう」 ★ 歌詞 「幸せがくる」より
5. 「古ぼけたピアノ」 歌詞 「幸せがくる」より
6. 「古ぼけたピアノ パート2」 歌詞 「幸せがくる」より
7. 「僕の友達について」 歌詞
8. 「気ままに」 歌詞
9. 「なみだ」 歌詞
10. 町を捨てよう 歌詞 「あれから」より
11. 歌はすばらしい 歌詞 「幸せがくる」より
12. 古い壁を壊せ 歌詞 「あれから」より
13. 二人の夢 作詞 「あれから」より
14. 好きだ 作詞 「あれから」より
15. アレアレア ★★ 作詞
16. 森のレストラン 作詞 「あれから」より
17. フリーマーケット ※恋のフリーマーケット 作詞
18. 誘拐犯 ★ 作詞
19. 花言葉 作詞
20. 夏の公園 作詞
21. 湘南 江ノ島 江ノ電 ★★★ 作詞
22. 二人の江ノ島 ★ 作詞
23. 銀座へ行きましょう 作詞
23. 君が好きだ 作詞
24. 暑中お見舞い申し上げます 作詞
25. モンマルトルのピアノ弾き 作詞
26. 映画のように 作詞
27. モンマルトルの思い出 作詞
28. 波のきらめき 作詞
29. 心から愛したい 作詞
30. 僕たちはどこへ行くのだろう 作詞
31. 気がついてね 作詞
32. 夏のなぎさ 作詞
33. 「都会の午後三時」 作詞
34. 「江ノ島においで」 作詞
35. 「ヨットにふたり」 ★ 作詞
36. 「南 風」 作詞
37. 「 涙 」 作詞
38. 「予約席」 作詞
39. 「恋をしてみたい」 ★ 作詞
40. 「軽井沢」 作詞
41. 「モンマルトルのピアノ弾き ~ 清らかな修道女」 作詞
42. 「愛のよろこび」 ★★★ 作詞
43. 「 春 」 作詞
44. 「走れメロスのごとく」 作詞
45. 「竹下通り」 作詞
46. 「もうすぐ江ノ島」 ★★★ 作詞
47. 「ラブリー・ブランチ」 作詞
48. 「季節はめぐる」 ★★★ 作詞
49. 「江の島エンジェル」 ★ 作詞
50. 「真実の愛」 作詞
51. 「ハートはこなごな」 作詞
52. 「私は知っている」 作詞
53. 「原宿午後三時」 作詞
54. 「Oh、my God」 ★ 作詞
55. 「キミは年下」 ★ 作詞
56. 「Yeah,I love you」 作詞
57. 「さすらい人」 作詞
58. 「すてきな人」 作詞
59. 「じゃあね」 ★ 作詞
60. 「美しい花」 作詞
61. 「見つめて」 作詞
62. 「ブルー・バレンタイン」 作詞
63. 「表参道のあの店」 詞
64. 「新婚家庭」 ★ 作詞
65. 「夏のかわいいベイビー」 作詞
66. 「浜辺のパーティー」 ★★ 作詞
67. 「夢が逃げて行く」 作詞
68. 「夏が消えていく」 作詞
69. 「春の銀座」 作詞
70. 「時は過ぎ行く」 ★ 作詞
71. 「レモン」 作詞
72. 「愛していたのに」 ★ 作詞
73. 「夏の香り」 ★ 歌詞
74. 「思い出のアルバム 」 作詞
75. 「愛していると言って」 作詞
76. 「美しい少女」 作詞
77. 「夜の闇の中で」 作詞
78. 「愛の思い出」 ★★ 作詞
79. 「君を愛している」 作詞
80. 「 珈 琲 」 ★ 作詞
81. 「丘の上の一人の男」 ★★ 作詞
82. 「僕は今でも」 作詞
83. 「浜辺の少女」 ★ 作詞
84. 「湘南においで」 作詞
85. 「いつのまにか」 ★★ 作詞
86. 「ゆれる心」 ★ 作詞
87. 「夏の午後」 作詞
88. 「小さな手」 ★ 作詞
89. 「いつかきっと」 作詞
90. 「ふとした事から」 作詞
91. 「すばらしいあなた」 ★★ 作詞
92. 「子供たちは大人になる」 作詞
93. 「魔法の鏡」 作詞
94. 「片思い」 ★★ 作詞
95. 「あの娘がいない」 作詞
96. 「 ミルク 」 作詞
97. 「湘南ララバイ」 ★ 作詞
98. 「小説」 作詞
99. 「恋のシンデレラ・ナイト」 作詞
100. 「恋もアメリカン」 作詞
101. 「渚の少女」 ★★ 作詞
102. 「夏の終わり」 ★★★ 作詞
103. 「占い」 作詞
104. 「ダンス・パーティー」 作詞
105. 「あの頃へ」 ★ 作詞
106. 「暗い闇の中で」 作詞
107. 「お願いだ」 作詞
108. 「愛される君」 作詞
109. 「いい気味だわ」 ★ 作詞
110. 「ニューオーリンズ」 ★ 作詞
111. 「てれくさいのさ」 ★ 作詞
112. 「あの頃は美しかった」 作詞
113. 「彼は寂しかった」 ★ 作詞
114. 「さよなら、茅ヶ崎 ★★★ 作詞
115. 「茅ヶ崎ブルース」 ★★ 作詞
116. 「午後の陽射しの中」 作詞
117. 「見つめないで」 作詞
⇒ 118. 「青山通り」 作詞
⇒ 119. 「昔、そう、ずっと昔」 作詞
⇒ 120. 「 卒 業 」 作詞
⇒ 121. 「 青 山 」 作詞
※ 130. 竜馬の主題歌の歌詞の説明
■■■■■ 伊東和雄の作詞が、
発売に向けてスタートしました。新作です。
作詞の内容を大雑把に言葉のみで説明します。下記です。
タイトルは仮題です。
◇1. 「文豪と風景と東京、フランス、ショパン・・・の歌」
★★★
作詞 伊東和雄
♪♪♪
春の清々しい風景と有名な文豪とを描いたもの。
そして、文豪の小説に登場するものがいろいろ描かれている。
幾分理解不可能な事に首を傾げ困りきる。ある人はたたずみ悩む。
舞台は1900年頃の東京。そして、箱根や青空の瀬戸内海も。
アカデミックな学問に関連したものも。有名な格言も出てくる。
そして、舞台はさらにフランスへと移る。モンパルナスも。
19世紀、芸術も絡む。
ショパンもユトリロもレオナールも登場。♪♪♪
・・・・といった内容です。
のびやかで軽快でとても美しい歌です。
タイトルは発売の時に正式タイトルに変更となります。
正式タイトルは非常にきれいなタイトルです。
歌うのは合唱団。
合唱団のファッションにも注目してください。
またユニークな名前を持つ合唱団です。
歌のタイトルは春の美しい情景を描いたタイトルです。
作詞は伊東和雄です。作曲は行っていません。作詞のみです。
このブログで小説「森の中の宇宙人」と「あれから」を書いている伊東和雄です。
曲は流れるように美しく聞いた人は誰もが感動するすばらしい曲です。
早く発売できるように現在いろいろな方々にお願いをしています。
早ければここ一ヶ月、遅ければ二、三ヶ月で発売されるのではと思います。
春、美しい風景、文豪、文豪の作品の登場人物など、東京、学問、不可思議、苦悩、格言、箱根、瀬戸内海、青空、フランス、モンパルナス、音楽家、ショパン、ヘンデル、画家、ロートレック、ユトリロ、レオナール・・・・。
有線やラジオ、FM、テレビなどで上記の歌詞が流れるような美しい曲に乗って歌われたら、それは間違いなく伊東和雄の作品です。
聞いた瞬間誰もがすぐにその美しい曲に合わせて口ずさむでしょう。
非常に話題になるはずです。
おそらくヒットするでしょう。
もし、ユニークな名前を持つ合唱団が楽しいファッションで登場してこの歌を歌ったら大いに拍手をして一緒に歌って下さい。
みなさん、どうぞ期待してください。
この歌以外にたくさんの歌、作詞をこの頁に記載しています。
ずっと下の方、最後の方をご覧下さい。
■■■■ そのほかの作詞 ■■■■
「あれから」 「優しい心がほしい」 「夢を信じよう」 「古ぼけたピアノ」
「フリーマーケット」「アレアレア」「誘拐犯」「花言葉」
など下記にたくさん掲載しています。
このブログにはこれから発売していくオリジナルの作詞がたくさん有ります。
ヒットすると思えるものがいくつか有ります。
今後もそういった作品を掲載していきます。
時々このブログを訪問してご覧下さい。
「あれから」「さよならの歌」「友だちについて語ろう」「幸せがくる」「古ぼけたピアノ」「星空をみつめて」「生意気言ってごめんなさい」「すてきなクリスマス」「歌はすばらしい」「酒場の三文歌手マリー」「拝啓大統領閣下」・・・・・。
「波はともだち」「潮風が知っている」「あこがれ」「はりまや橋から」「長崎の歌」「さようなら」「世界の海援隊」「俺は坂本竜馬」「なな」「すてきな京都」・・・・。
上記のうち「波はともだち」から「すてきな京都」までは竜馬の小説「竜馬がくる~桂浜編」の主題歌です。竜馬の主題歌は全15曲です。主題歌つきの小説です。
「長崎の歌」は仮タイトルです。発売直前にタイトルを変えます。
また、上の「幸せがくる」「古ぼけたピアノ」「星空をみつめて」「生意気言ってごめんなさい」「すてきなクリスマス」などはこれから掲載するミュージカル小説「幸せがくる」の主題歌です。
「幸せがくる」には主題歌が16曲ほど有ります。
上記以外にもオリジナルの詞はたくさん有ります。
オリジナルの作曲もいくつか有ります。
「花言葉」「アレアレア」「フリーマーケット」「誘拐犯」などです。
もちろん、発売するようにしていきます。
作詞は言葉だけで説明しても全然分かりませんので、そのうち作詞の一部を記載するようにします。
たとえば、「あれから」の歌詞を掲載します。
その前に短いあらすじをご覧下さい。
◆小説「あれから」の大雑把なあらすじ
二人は共に夢を持っていた。
二人は夢を語り合い互いを応援した。少女はいつも少年を見つめていた。
少年は歌手になる事を夢見た。
いつも公園や街角で歌った。
誰も聞いてくれない。
少女が始めて拍手をしてくれた。
初めての観客だった。
少女は小さなレストランでおいしい料理をだしてお客さんに喜んでもらう夢を持っていた。
少年はやがて自分の夢ばかりを追いかけるようになった。
少女の小さな夢など気にしなくなった。少年は町を出て大きな都会に行った。
少年の夢はかなった。人気歌手になった。そして、三年が過ぎた。
ふと思った。少年は町に戻った。
あの時の二人で夢を語り合った事を思い出した。
あの通り、あの角、あの公園、あのレストラン・・・・。
少年は少女を探した。もう少女はどこにもいなかった。
小説も伊東和雄の作品です。
※くわしいあらすじは、左の最新記事欄の上の方の、「■新作小説のあらすじ」をクリックしてご覧下さい。「あれから」と「幸せがくる」の二つの小説の詳しいあらすじが掲載されています。
◇2. 歌詞です。
「あれから」 ★★
曲・詞 伊東和雄
♪
今僕はここにこうしている
ふと気がつくと
君の姿が見えない
僕は自分の夢ばかり追いかけていた
君の夢に気がつかないで
いつも君は
僕を見つめていてくれた
だけど僕は
自分の夢だけを追い続け
君の事を、忘れてしまった
あれから三年・・・、
君はいない
今この街に戻り
あの頃の道を歩く
この通りで
あの公園で
いつも君はいた
僕は夢を語り
君も夢を打ち明けてくれた
君はいつも
僕をみつめていた
だけど
あれから三年
君はいない・・・・・
この公園でいつも僕はギターを弾いた
ベンチに座り
噴水を眺めながら
芝生に寝転んで
森の小道を歩きながら
いつも歌を歌った
この公園は
まるで僕のアトリエ
広場で道行く人に歌いかけた
でも、誰も聞いてくれない
ある日
通りかかった君が微笑んだ
そして、小さな拍手をくれた
初めての観客さ
大きな夢を追い求め
壁にぶつかり
もがきながら走った僕
ささやかで確かな夢を持ち
少しづつ歩む君
そんな二人の出会いだった・・・・
2008.1.9.
※この歌は東京で夢がかない歌手になった少年が町に戻り少女を探す時の歌。
歌手になって、自分に最初に拍手してくれた少女を思い出した。
曲調はニューミュージック、ポップス調。
◇3. 歌詞をもう一曲記載します。やはり小説「あれから」です。
「優しい心がほしい」 ★★
曲・詞 伊東和雄
♪
楽しいひと時が
もう終わる
今日はありがとう
こうして今日も
歌を聞いてもらえた
たくさんのみなさん
ありがとう
本当に、ありがとう
あの日を
思い出す
はじめてのコンサート
来てくれた人は
ほんの少し
あの日
初めてのコンサートに
来てくれた人は
今日も来てくれているだろうか?
いつも変わらず
応援してくれる人が
心のささえ
僕は何もいらない
輝く宝石や
金貨は要らない
欲しいのは
みなさんの暖かい拍手
心からの応援
これからも
僕に
暖かい拍手をください
歌う僕を
一人にしないで
みなさんの
優しい心を
ください
僕はこれからも
歌を歌い続ける
愛の歌
喜びの歌
悲しみの歌
みなさんに、歌う
だから、
みなさんは
僕に
暖かい拍手を、
やさしい心を下さい
2008.1.12.
※この歌は成功して大ホールのコンサートの最後の方で歌う歌。
初めてのライブは数人だった。だが今は超満員。
本当に有難う、これからも暖かい拍手をください。
僕はいつまでも大好きな歌を歌い続ける。
この歌を歌いながら、客席にあの時の少女がいないかと探した。
しかし、少女はいない。
曲調はポピュラー・ソング調。
※掲載の歌詞は短くしたものです。
発売の時には、この掲載の歌詞と少し違ったものとなります。
一部を紹介するとこういった歌詞です。
「あれから」はギターで歌うシンプルな曲です。
「優しい心がほしい」はオーケストラも入ります。
これらの詞は両方ともオリジナルです。曲も詞も伊東和雄です。
小説「あれから」も伊東和雄の作品です。
これは今後掲載する小説「あれから」の主題歌です。
この小説は、夢を追いかける少年と少女の物語です。
☆ コハト・ホームの話と歌も有ります。
◆ 幸せがくる
やはり伊東和雄の作です。
小説も作曲も作詞もすべて伊東和雄です。
これは小説ですが、後半はミュージカルのように歌が続きます。
主題歌は16曲ほど有ります。
「さびしいクリスマス」「おいしいケーキ」「古ぼけたピアノ」「歌はたのしい」
「どうして私にはお母さんがいないの?」「星空を見つめて」「あなたはお父さん」
「みんなうそだ」「生意気言ってごめんなさい」「きっと来る」「思い出の人」
「もし、私が幸せになれたら」「一生懸命歌います」「これから始まる楽しいショー」
「夢を信じよう」「幸せがくる」
・・・などです。 最後に歌詞の一部を掲載しています。
◇下記が小説の大雑把なあらすじです。
昔貧しい孤児院があった。
クリスマスの夜男が孤児院にケーキをプレゼントした。
子供たちもマザー石井十三子(とみこ)も大喜びした。
男はそこでピアノを弾きながら歌を歌った。
子供たちはつかの間の幸せを感じた。
男のプレゼントに感謝してそれからの日々をすごした。
だが、実は男はただ慈善の真似事をして自己満足をしただけだった。
・・・・・・・・・・・・・・、
※くわしいあらすじは、左の最新記事欄の上の方の、「■新作小説のあらすじ」をクリックしてご覧下さい。「あれから」と「幸せがくる」の二つの小説の詳しいあらすじが掲載されています。
◇4. 下記が小説「幸せがくる」の中の「夢を信じよう」です。
歌詞の一部です。
「夢を信じよう」 ★
曲・詞 伊東和雄
♪
何もない、
けれども泣いてはだめだ
誰もいない、
けれども悲しんではだめだ
いつか来る、
幸せが。
夢を信じよう
きっと来る、
このドアから、
この窓から、
きっとやさしい人が来る
泣いてはいけない
笑顔で待とう
きっと来る
夢を信じよう
夢を信じよう
2008.1.10.
◇5. 新作です。
「古ぼけたピアノ」
曲・詞 伊東和雄
♪
さあ、歌おう
ピアノをならそう
古ぼけたピアノだけれど
歌えば楽しい
輪になって
踊ろう
歌おう
古ぼけた調子はずれの音がする
でも気にしなくていい
歌おう
ピアノに合わせて
陽気に歌おう
歌に合わせて
鍵盤を叩け
古いから壊れそう
気にしない
歌おう
歌えば心が楽しくなる
どんな悩みも悲しみも
歌えば消えていく
古いピアノだけれど
気にしない
歌おう
さあ、陽気に歌おう
楽しく歌おう
2008.1.12.
◇6. 新作です。
「古ぼけたピアノ パート2」
曲・詞 伊東和雄
♪
ダンダンダン、
さあ、歌おう
ピアノよ、音を出してくれ
ダンダンダン、
古いピアノよ
いい音を出してくれ
今日は
大切な演奏会
りっぱな人が聞いている
王様、女王、貴族たちだ
ダンダンダン、
壊れた音を出さないでくれ
お願いだ
いい音で鳴ってくれ
今日は大切な演奏会
いい音と
いい調べを流してくれ
今日だけは我慢してくれ
ダンダンダン、
古いピアノは友達
お前を見ていると
まるで自分さ
古くておんぼろ
もうお払い箱
でも、
頑張ろう
頑張ればいい音もでる
俺も頑張る
お前も頑張れ
ダンダンダン、
今日は晴れの演奏会
今日のお客はりっぱな人ばかり
古いピアノよ
いい音を出しておくれ
古いピアノよ
ダンダンダン
2008.1.12.
※「古ぼけたピアノ」は男が最初コハト・ホームを訪問した時に弾いたピアノです。
「古ぼけたピアノ パート2」は最後に訪れた時に弾いた歌です。
おんぼろで今にも壊れそうなピアノでした。音も狂っている。
しかし、そんなおんぼろピアノを囲んでみんな楽しく陽気に歌った。
曲調は軽いスウィング・ジャズやラグタイムのフレイヴァーが入っています。
※掲載の歌詞は短くしたものです。
発売の時には、この掲載の歌詞と少し違ったものとなります。
◇◇小説「幸せがくる」とその主題歌16曲は、小説も作詞も曲もすべて伊東和雄の作品です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆ ご 案 内 ※この頁のうち、7番から86番までの歌は、ほかの頁に移動しました。 左の「最新記事欄」から「新しい歌。作詞。その2」、また「新しい歌。作詞。その3。」をクリックしてご覧ください。その頁に掲載しています。
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◇87. 下記は新作です。
「夏の午後」
詞 伊東和雄
♪
夏の午後
海岸通り
車は走る 風の中
流れる曲は サザンオールスターズ
海を見れば
君の横顔 素敵だね
君こそ 素敵なレディー
いつまでも
僕の 夢の人で いてほしい
この海が いつまでも
光り輝くように
僕は君を 愛し続ける
だからお願い 僕を
愛してほしい いつまでも
もうすぐ 江ノ島が見えてくる
江ノ島に着いたら
白い浜辺の上で
君を強く抱きしめよう
だからダーリン
いつもでも 僕を
愛して欲しい
2008.3.12.
※歌詞は一部です。
発売の時にすべて記載します。
歌詞は発売の時には少し変更になります。
ナポレオン
◇89. 下記は新作です。
「いつかきっと」
詞 伊東和雄
♪
あなたにさよならと
手をふるけれど
悲しい顔をしないで
僕はいつまでも
あなたを忘れはしない
いつも二人が歩いた
この角で
あなたと別れて
駅へと向かう
信じてほしい
いつかきっと
二人は会えるでしょう
いつかどこか
小さな街で
あなたともう一度
会えるでしょう
今日から僕は
あなたと会える日を
願いながら旅をする
いつかきっと
二人は会えるでしょう
いつかどこか
遠くの街で
あなたともう一度
会えるでしょう
そしてその時
僕は あなたを強く
抱きしめて
愛を語るでしょう
そしてその時
僕は あなたを強く
抱きしめて
愛を語るでしょう
2008.3.13.
※歌詞は一部です。
発売の時にすべて記載します。
歌詞は発売の時には少し変更になります。
このブログの歌詞はすべて一部です。
歌詞は一部ですが、著作権が存在します。
歌詞のあとの日付は歌詞の完成日でなく掲載の日付です。
ナポレオン
◇90. 下記は新作です。
「ふとした事から」
詞 伊東和雄
♪
ふとした事から
恋は始まる
互いに気づかないうちに
知らないうちに
街を歩き お茶を飲み
話題の映画を見て
気がつくと ドライブしてる
そしていつの間にか
二人は
肩をいだきあってる
何の前ぶれもなく
恋は始まる
いつの間にかドアはそっと
開き 二人は
扉の中へ入り込む
気がつくと 遠い未来の
夢を話し合ってる
二人は
幸せな日々にいる
2008.3.13.
※歌詞は一部です。
発売の時にすべて記載します。
歌詞は発売の時には少し変更になります。
ナポレオン
◇91. 下記は新作です。
「すばらしいあなた」 ★★
詞 伊東和雄
♪
君のさりげない
やさしさが好き
いつも静かに微笑んで
僕を見つめる
僕がひどい間違いを
した時でも 君は
そっと知らないうちに
直してくれている
きどったり 偉ぶったりせず
いつも丁寧で こまやか
僕は今まで 大きな
思い違いをしていた
見かけや 外見の
美しさ 流行こそ
大切だと思ってた
だけどそういった事が
意味がなくむなしいと気づいた
教えてもらった君に
優雅とか 上品
さりげなさ そして 思いやり
といった事など 僕は
まるで 分からなかった
そういった大切な
心づかいをすべて君から
僕は教えてもらった
君のさりげない
やさしさが好き
いつも静かに微笑んで
僕を見つめる
そんな君に
僕はこの頃とても
心をひかれてしまう
今やっと君の
すばらしさに気づいた
君を心から
純粋な気持ちで
愛しています
君を心から
純粋な気持ちで
愛しています
2008.3.14.
※歌詞は一部です。
発売の時にすべて記載します。
歌詞は発売の時には少し変更になります。
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ナポレオン
◇93. 下記は新作です。
「魔法の鏡」
詞 伊東和雄
♪
魔法の鏡が有るなら
聞いてみよう
世界で一番
私を愛している人は
だれ?
それはもちろん あなた
と答えるはず
そして私はうれしくなる
魔法の鏡が有るなら
聞いてみよう
世界で一番私を愛している人は
だれ?
もし あなたでないなら
許せはしない
魔法をかけてこらしめるわ
あなたが私を一番
愛するようになるまで
あなたは何も見えなくなる
あなたが私を一番
愛するようになるまで
愛という言葉を言えない
魔法の鏡が有るなら
聞いてみよう
世界で一番私を愛している人は
だれ?
魔法の鏡が有るなら
聞いてみよう
世界で一番私を愛している人は
だれ?
2008.3.15.
このブログの歌詞はすべて一部です。
歌詞は一部ですが、著作権が存在します。
歌詞のあとの日付は歌詞の完成日でなく掲載の日付です。
ナポレオン
◇94.下記は新作です。
「片思い」 ★★
詞 伊東和雄
♪
あなたと話すのは
あなたが好きだから
あなたと街を歩くのは
あなたが好きだから
あなたとドライブに行くのは
あなたが好きだから
あなたに好きと言えないのは
あなたが好きだから
あなたに好きと うちあけて
私の恋が消えたら
とても悲しくなるから
だから私はいつまでも
片思い
あなたと話をして
あなたと街を歩き
あなたとドライブして
あなたの笑顔を見て
私はとても しあわせ
あなたに好きと言えないのは
あなたが好きだから
あなたに好きと うちあけて
私の恋が消えたら
とても悲しくなるから
だから私はいつまでも
片思い
2008.3.15.
※歌詞は一部です。
発売の時にすべて記載します。
歌詞は発売の時には少し変更になります。
ナポレオン
◇95.下記は新作です。 軽快なポップスです。
「あの娘がいない」
詞 伊東和雄
♪
あの娘は行ってしまった
小さなバッグひとつで
行ってしまった 本当に
何も残さず 手紙すら
理由は全く分からない
きっと僕だろう 原因は
行き先は分かっている
友達の家だろう 今度も
早く行かなければ
今頃きっとあの娘は
友達を集めて
僕の悪口を言っている
あとで僕はいつも友達から
ひどく批判される
最後に叱られてしまう
それであの娘は喜ぶ
気分が晴れるようだ
あの娘は行ってしまった
僕の愛車に乗って
朝からいなくなっていた
何も残さず 伝言も
理由は分からない
だけど原因は僕だろう
行き先は分かっている
あの娘は行ってしまった
小さなバッグひとつで
行ってしまった 本当に
早く迎えに行かないと
叱られてしまう 今度も
早く迎えに行かないと
叱られてしまう 今度も
2008.3.16.
※歌詞は一部です。
発売の時にすべて記載します。
歌詞は発売の時には少し変更になります。
このブログの歌詞はすべて一部です。
歌詞は一部ですが、著作権が存在します。
歌詞のあとの日付は歌詞の完成日でなく掲載の日付です。
ナポレオン
◇ 96.下記は新作です。
ミディアム・テンポです。のんびりと歌って下さい。
「 ミ ル ク 」
詞 伊東和雄
♪
喫茶店にあなたと入り
ミルクを飲んだら
子牛ちゃんだね、と笑われた
以来ミルクは口にしていない
しかしコーヒーの苦さには
いまだについていけない
第一ミルクを入れるかどうかで
迷ってしまう
うかつに入れるとまた笑われそう
家でならいいだろうと
深夜こっそり冷蔵庫を開けると
後ろから誰かに見られているようで
いまだにミルクを飲めず
物事は気にすると
何もできなくなる
一度笑われるととても臆病になる
こういった性格を 早く直さないと
恋もできない
ミルクひとつで人生が変わる
同じ牛肉でも
ステーキはほめられるのに
なぜ、ミルクはいけないのだろう
卵を食べても「チキンちゃん」と
笑われないのに 不思議だわ
喫茶店にあなたと入り
ミルクを飲んだら
子牛ちゃんだね、と笑われた
以来ミルクは口にしていない
ミルクひとつで人生が変わる
2008.3.17.
※歌詞は一部です。
発売の時にすべて記載します。
歌詞は発売の時には少し変更になります。
このブログの歌詞はすべて一部です。
歌詞は一部ですが、著作権が存在します。
歌詞のあとの日付は歌詞の完成日でなく掲載の日付です。
ナポレオン
◇97.下記は新作です。
ミディアム・テンポ、幾分スローで歌って下さい。
「湘南ララバイ」 ★
詞 伊東和雄
♪
夏のある日 浜辺で
波に抱かれて 揺れてみた
潮騒は子守歌
僕をやさしく夢に誘う
空に浮かぶ 白い雲が
やさしく微笑む
夏のある日 浜辺で
あなたにもたれ まどろんだ
潮風が子守歌
僕はうとうと夢の世界
そっと僕を 見つめている
あなたの微笑み
湘南ララバイ
あなたは そっと優しく
歌を歌ってくれる
やさしい天使の
愛の歌を
湘南ララバイ
あなたは 夢の人さ
2008.3.18.
※歌詞は一部です。
発売の時にすべて記載します。
歌詞は発売の時には少し変更になります。
このブログの歌詞はすべて一部です。
歌詞は一部ですが、著作権が存在します。
歌詞のあとの日付は歌詞の完成日でなく掲載の日付です。
ナポレオン
◇99.下記は新作です。
軽快なロックンロール、R&Bです。ややロカビリー風。
「恋のシンデレラ・ナイト」
詞 伊東和雄
♪
パーティーの夜
時計が12時 すると あの娘は
突然去っていく 何も残さず
名前も知らない僕は
街をさまよう 次ぎの日に
あの娘を探して通りを駆ける
次のパーティーで
あの娘を見つけた やっと
あの娘に手を差し伸べて 踊ってもらった
12時までが恋のチャンス
急がないと あの娘は消える
楽しいステップ 恋のステップ
あの娘の瞳が輝く 僕の胸は高鳴る
時計の針を遅らせ
何度もダンスをしたのさ
二人は夜通し楽しく踊った
時計を隠して 時間を忘れて
楽しく踊ろう
そして 甘いささやき
お願い うなづいて 愛の言葉に
いつか あの娘の手をとって
好きだと打ち明けたい
恋のシンデレラ・ナイト
恋のシンデレラ・ナイト
2008.3.19.
※歌詞は一部です。
発売の時にすべて記載します。
歌詞は発売の時には少し変更になります。
このブログの歌詞はすべて一部です。
歌詞は一部ですが、著作権が存在します。
歌詞のあとの日付は歌詞の完成日でなく掲載の日付です。
ナポレオン
◇101.下記は新作です。
小説「森の中の宇宙人」の主題歌・挿入歌です。
「渚の少女」
詞 伊東和雄
♪
広い海を見て
喜ぶあなた
渚を歩き 波と話をする
潮風をうけ 目を閉じて
空を見上げてる
あなたは遠くから
一人でやって来た
海の青さも
波の白さも
初めて知った
渚に立ち 喜びにふるえ
僕を見て 微笑む
長い髪が
潮風にゆれる
僕はいつまでも
あなたを守る 必ず
あなたは一人じゃない
僕を信じて
もし あなたが寂しくて
涙を流す日があったら
僕はあなたをそっと抱きしめる
そして 一緒に涙を流そう
いつまでも いつまでも
この海で すごしてほしい
この海が あなたの
新しい ふるさと
広い海を見て
喜ぶあなた
渚を歩き 波と話をする
潮風をうけ 目を閉じて
空を見上げてる
いつまでも いつまでも
この海で すごしてほしい 僕と
この海が あなたと 僕の
新しい しあわせ
2008.3.20.
※ミディアム・テンポです。感じは湘南ポップスです。
伊豆のどこまでも白く美しい浜辺で過ごす主人公たちの
歌です。
※とうとう掲載が100曲を超えました。
竜馬の主題歌やその他完成している歌詞が多く有りますので
実際はもっと多いです。 <



